前置きするが、正直グロい。
流血あるんで、苦手な方は読み飛ばしていただきたい。
母が夕食を作っていたとき、
「野菜炒めとキャベツの千切りどちらがいいか」と聞いてきた。
当時火の通った野菜が苦手だった私は千切りをチョイス。
夕飯まだかな~と待っていたら、
台所から母がよろよろしながらやってきた。
…右手の指先、血まみれ…
押し当てていたタオルが血でまだらになっていた。
そんな状況なのに母は「さっさと夕飯食べちゃいなさい」
台所には私の分の夕食。
と、流しの血まみれになったスライサー。
キャベツをスライサーで千切りしていて、うっかり指先を飛ばしたらしい。
泣きながら食べた。味なんかしなかった。
その間母は指先に輪ゴム&タオルで、
天井を指差しながら寝転がっていた。
心臓より高くしていたらしいが、それが視界の隅にちらちら入って怖い。
なんとか食べ終わって母を見たら、顔が洒落じゃなく真っ白になってて
母ちゃんが死んじゃう!ともはや泣くことすらできず固まった。
救急車を呼ぼうとしたが、母が却下。
近くに住む祖父母への電話も、
免許なしで家に来られないのに報告しても心配かけるだけだとこれも却下。
頼りはもうすぐ帰ってくるであろう父だけだったが、
当時携帯なんぞなく今父が何処にいるかもわからん状態。
職場に電話しようにも幼児に電話帳の使い方はわからなかった。
もうだめだ、これ以上待ってられん!と
これだけは目に付くところに書いてあったタクシー会社に電話しようとしたところで
ようやく聞き覚えのあるエンジン音。父帰宅。
号泣しすぎて顔面ぐしゃぐしゃの娘と血まみれの妻に出迎えられて
父はそうとう動揺したと思う。
とりあえず父の車に乗り、
私は祖父母の家へ。両親はそのまま近くの救急病院へ。
遅くなるだろうから寝てなさいといわれたが、とうぜん寝付けるはずもなく、
おまけに泣きすぎたせいで夜中に喘息の発作を起こし、
結局私もタクシーで母と同じ病院へ。
大騒ぎの一夜だったが母も私も幸い大事にはならなかった。
母は指先をレーザーで焼かれただかざくざく縫われただかされたと聞いた。
母の指先は、くっつけられるかもしれないと父が捜したが
結局出てこなかった。
状況からしてキャベツの中にいたのは間違いないはずなんだが、
食べ残しにも三角コーナーにもそれらしいのはいなかったと。
「おまえが食べたんじゃないの?」と後日両親に言われた瞬間
あの日の恐怖が蘇って喘息の発作が出た。
それ以来数年はキャベツの千切りが食べられなくなった。
ついでに「おまえが野菜炒めを選んでればお母さんは怪我しなかったのに」
とも言われたせいで野菜炒めも食べれなくなった。
さすがにこの歳になると落ち着いたが、未だにスライサーは
見るだけで鳥肌と冷や汗が出て使えない。
若干未だに尾を引いてる修羅場。
千切りくらいスライサーなんか使わずに出来るはずだよ
だが、5歳くらいの子供へ八つ当たりのように当時を非難する言動を何度もくりかえす父親はダメだ
母親の発言。
そうとう痛かっただろうし、母は母でパニックだったし
発言も私がここまでショック受けてたとは知らずにふざけて言ったもので、
私のショックを知って慌てて謝罪&ケアされたので
当時は傷ついたが、今は毒親ではないと思ってる。
傍目には母が治療を終えて戻ってきた後
私はまったくいつもどおりだったらしいので…内心嵐だったけど。
あと、スライサーは
料理は上手だがものぐさ気味の母が愛用してたもの。
(母は若干視力が弱かったため楽に均一の細さにできると使ってた)
アレ以来父親専用になっている。