スレ立ててくれた人ありがとう。
体調崩して来れなかった。
色々指摘あるが、10年近く前の話なんだ。スルーしてもらえると助かる。
シリアスな話しになるのは申し訳ない。
いい思い出もたくさんあるんだ。ただ書きたいことだけ書いていく。
今日夜書けたら書きます。
やることやったらすぐ書いていきます。
無理しないペースでおk
おかえり
ハルは6歳になった。随分お兄ちゃんになったんだ。
一年前まではまだまだお子ちゃまだったのにな。
こだわりが強いせいか、計画通りにいかないといつも泣き叫んで怒ってた。
うまくいかないことがあっても、
それに合わせながら毎日のスケジュールをたて、少しずつだけど改善してきた。
靴を履くのも、歯を磨くのも人まかせだったのに。
ハル自身、自分で何でも挑戦する楽しみを覚えた。
これも保育園の協力のおかげだ。
精神科の先生もハルの成長をすごく褒めてくれてた。
俺自身もすごく驚いてたな。
悲しそうな顔で、昨日借りたアンパンマンのDVDを見ていた。
俺「うん、そうだなw」
ハル「あーーーん。(泣) バイキンマンイタいよーかわいそーなのー」
クライマックスでは必ず本気で泣くハル。
ハルはアニメでも十分に痛いことが伝わっているようだ。
人と接しても、相手の気持ちや感情の理解などができないハル。
やっぱりこだわりは強かったけど、
それでもハルなりに思いやりがあって優しい子に育ってくれてる。
それが何よりも嬉しかった。
ハルにとっての分岐点。俺もこの時ばかりは慎重になった。
職員「ハルちゃんは十分通常の小学校での教育を受ける適性はあります。
お父さんはどうお考えですか?」
判定前の希望を聞かれた俺は、すぐに答えることが出来なかった。
ハルを通常の小学校に通わせるべきなのか。特別支援学校に通わせるべきなのか。
ハルは通常の小学校に行くのをすごく楽しみにしていたんだよ。
何しろ仲良しのマイちゃんがいるんだ。
見学の時にも、マイちゃんやマイちゃんの友達と運動場で走り回ってた。
ハルちゃん可愛いって言われて嬉しかったんだろうな。
家に帰っても、
ハル「○○おねーちゃんがカワイイって言ってたのw カワイイ?」
俺「可愛いよw」
ハルは可愛いって言う単語が好きなんだ。興奮して嬉しそうにするハル。
その姿がとても愛らしい。
確かにハルの成長は思った以上に早かった。
同年代の健常児の子達とも、差ほど変わらない感じだと思う。
少し前までは考えられなかったことなんだよな。
でも、不安で仕方なかったんだ。
俺「ありがとうございます。」
佐々木先生「なんか浮かない顔。どうしたんですか?」
本当は喜ぶべき事なんだよ。
でも俺はそう簡単に、手放しで喜ぶことが出来なかった。
ただしコミュ力に関しては少し不安が残る。
この1年本当にハルは頑張った。
支援サークル活動での一泊二日のキャンプ。地域の子供会での旅行。
不安だったけど、ハルにとってもプラスだと言われ俺は着いていかなかった。
少しずつ慣れない環境に触れさせ、沢山の人達の支援の中成長していった。
でも、まわりと少し違うハルは友達と溶け込むこともできず、
孤立していじめにあったりするんじゃないか。
どうしてもそうマイナス思考になってしまう。
ハルの意思を尊重するのであれば、
せっかく適性のある通常の小学校に入学させるべきなんだが。
日課の散歩での出来事。
車道に一匹のカエル。恐らくそばの池から移動してきたんだろう。
急に俺の手を振り解き、道路に飛び出すハル。
あっ、危ない!
急ブレーキの音で一瞬血の気がひいた。
ハルは車が来たことなんて気にせず、そのカエルを手でもちフラフラと池まで歩いていった。
運転手さんに謝ってハルの元へ。
俺「ハル危ないだろ? 車にひかれるとこだったぞ。」
笑顔で俺を見るハル。
俺「ハルは大丈夫かもしれなかったんだよ。
道路に飛び出したら危険なんだからな。痛いじゃ済まないだろ?」
ハルはキョトンとした顔で俺を見る。
俺「よくないよ。でも、ハルが死んじゃったらパパ悲しいだろ?」
ハル「カエルさんが死んじゃってもいいの?」
俺「パパはハルもカエルさんも死んでほしくないんだよ。」
ハル「カエルさん死ぬのいやー」
泣き出すハル。
どうやらハルは、昆虫や小動物。小さな命は守らないといけない。そう思っているんだ。
間違いではないんだけどな。
ハルはその受け取り方が少し違ってた。
小学校は保育園とは違う。
四六時中先生がそばにいるわけじゃない。危険な場所もたくさんあるんだ。
もしハルが通常の小学校に通うことを考えると、気が気でなくなる。
俺の中では、特別支援学校にするべきだ。と答えが出ていた。
必ず一人担当の先生もいる。
送り迎えだってバスできちんとしてくれるんだ。
そばにいれない間は、やはり安心できる場所にハルを預けたい。そう考えていた。
佐々木先生「ハルちゃんはこれから成長していくにあたって、
たくさん壁にぶつかると思うんです。
それを支えるのがお父さんであって、私たちまわりにいる大人なんだと思います。」
俺「はい」
それでも自立するために、みんな挑戦していくんですよねw」
ニッコリ笑う佐々木先生。
ハルちゃんのやる気を見守ってあげるのも親の役目ですよ。」
俺「でも、俺の知らない所でハルが傷ついたりするかもって思うと…」
生意気言ってすいませんw」
少し気が楽になった。
俺自身がハルは他の子達と違うって区別していた部分が大きかった。
それは親として一番駄目なことなんだと気づいたような気がする。
もっとハルを信じて、成長を応援していかなければいけないな。
馬鹿みたいに悩んで本当に情けないよ。
ハルにとって通常の小学校に通わすのはプラスだと後押しされ。
小学校の校長からも、様子を見ながら支援級での学習も取り入れると言われ
進学を決めることにした。
親とは不思議なものだ。自分の事以上に子供の将来を考えてしまう。
頑張れ!
俺もこの時、新しい挑戦をすることにしたんだ。
会社の社長から何度も正社員にならないかと言われてた。
それでも保育園の迎えなどの時間や、少しでもハルとの時間を作りたかったこともあり、
ずっと断ってきたんだ。
会社に迷惑かかるからな。
俺「すんません。
俺なりに色々考えまして、そろそろ自分の将来もしっかり見つけようと思います。
本当にお世話になりました。社長には助けてもらってばっかりで。この御恩一生忘れません」
俺はお世話になった会社を辞めることにした。
それは自分のため、ハルのため。
ハルは新しいことに挑戦する。それは勇気がいることだ。
俺がいつまでもアルバイトしてるんじゃ駄目だ。
そう思った。
いつでも戻ってこい。お前は息子同然なんだからな。」
社長は泣いて見送ってくれた。本当にいい人だよ。本当に助けてもらった。
家も無く路頭に迷ってる俺を拾ってくれたんだ。
本当に子供のように可愛がってくれた。いろんなことを教えてくれた。
感謝してもしきれない。
新規一転新しい生活が始まる。俺はすぐ仕事が決まった。
成長したよ。昔は何十回も面接を受けて、何一つ採用されなかったのにな。
前からずっとやってみたいと思ってた仕事だ。
堅物だけど男気のある親方のいる工務店。
見習いから修行することになったけど、将来大工になりたいと思った。
いつか一人前になってハルのために家を建ててやりたい。
庭にはブランコ。ハルの部屋には俺の作った玩具や子供用の家具。
夢が膨らむ。俺は幸せな理想の親子を想像した。
それだけで頑張れるんだ。
ハル「一年生の、松井ハルでしゅ」
家の中で何度も自己紹介の練習をするハル。
なんだか大人になったみたいで、少し誇らしい気持ちになった。
卒園式では佐々木先生とお別れってことで、先生のそばから1時間も離れず困らせてたのにな。
随分泣いて大変だった。
色々大変だけどハルは毎日が楽しいみたいで、
小学校に通わせて良かったのかもと少し安心していた。
ハルが2年生になったある日、仕事中に学校から電話がかかってきた。
俺は仕事を早上がりし、急いで学校にむかった。
職員室に着くなり、支援級の先生が俺に話しかけてきた。
山下先生「お忙しい中すいません。今ハルちゃん、別室で担任の先生とお話中なんです。」
体育の授業があると言うことで、休み時間にみんなで移動していたそうだ。
その途中、階段から同じクラスの生徒を、ハルが突き飛ばしたと言うんだ。
被害を受けた生徒の男の子は頭を打ったそうだが、大きな怪我はしていない。
大事をとって病院に行ったらしいのだが。
ハルが誰かに危害を加えるなんて。。。
今までそんな事なかった。
ハルはそんな攻撃的な性格じゃないんだ。
俺はハルのいる別室に入った。
何で突き飛ばしたりなんかしたの?先生に教えてちょうだい。」
きつい口調でハルに問いかける担任。
ハルはボーっと担任の口元だけ見ている。
無表情で。
それを見てすぐにハルの元に詰め寄った。
担任「ハル君。パニックになって興奮してたんですが、ようやく落ち着きました。
クラスの友達の大(ダイ)くんを階段の上から押したそうなんですが、
どうしてそんなことしたのか聞いても答えてくれなくて。」
担任「えー。体育の移動は生徒のみでしますので。」
俺「じゃあ何でハルがやったって言うんです?見たわけでもないのに。」
俺はムッとした感じで話す。
押された本人もハル君に急に押されたと言ってました。」
ただの決めつけだ。ベテラン教師だか知らないがふざけんな。
俺「ハル?どうした?友達が階段から落ちたんだって?それ見てたか?」
ハルに優しく問い掛けた。
ハルは黙って首を振る。目には大粒の涙を浮かべていた。
大分泣いたんだろう、頬に涙の後が残っていた。
一人でよく頑張った。俺はハルの頭を撫でた。
「父親が息子を信じないでどうする」
あの日の親父の言葉が蘇る。
俺「ハルは階段から友達を突き飛ばしたりなんかしてません。
ハルがそんなことするわけありません。」
俺は歯を食いしばって言った。
私に何も答えてくれないんですよ」
担任が俺を見る目。それが全てを物語っている。
俺「あんたそれでも教師か?あんたみたいな先生だから何も答えないんだよ。」
大声で怒鳴った。
今にも掴み掛かりそうだったが、ハルがビックリした顔をしたので、自分を落ち着かせた。
冷静を装う。
担任「あの…ちゃんと大ちゃんにも御両親にも謝って頂ければ…」
その言葉で怒りが頂点に。
俺「ハルには謝る理由ないでしょ。もっとちゃんと調べて下さい。
万が一ハルがやったなら、俺が土下座して謝りますんで。」
再び怒り出す俺。
担任「万が一と言われましても…」
半ば無理矢理話を遮られ、とりあえず後日話し合いの場を設けると言われた。
悔しくて仕方なかった。ハルはきちんと答えられない。
パニックになってしまって、ただその場にいるのが不安だったんだから。
それを良いことにハルを犯人扱い。
ハルがまわりと違うからなのか?
ハルが自閉症だからなのか?
そうとでも言いたいよな表情でハルを見ていた。俺を見ていた。
悔しかった。
本当に。
ハル「パパー帰ろうねw 今日ねカメさんにエサあげたの。
カメさん食べてくれたよw いっぱいいっぱい」
無邪気なハル。
さっきのことは忘れたのか、俺に気を使ってるのかは分からない。それでも悔しくて涙が出た。
ハルのその時の気持ちを考えると、胸が締めつけられた。ただのリンチじゃないか。
ハルは悪くない。ハルは嘘をつかない。そんな子じゃないんだ。
悪い事とか、いけない事の区別がまだ分からないかもしれない。
それでも俺はハルを信じる。
先生にあんな事言ったけど後悔なんてしてないんだ。
あの時の親父の気持ちが今はすごく分かるような気がする。
そして3日後。
緊急で保護者会が開かれることになった。
待ってるよ
知識が無いなら、自閉症ネタなんか書くなクズ野郎
安心しなよ。お前の脳みその方がスカスカだから。
全くその通り
後は勝手にスレ使ってくれ
俺がたてたんじゃないけど
読んでくれた人どうもありがとう
もう続きは書かないよ。本当に。
6月に籍入れたばかりなんだ。その節目に書いてみたんだよ。
息子の自閉症に関しても、設定だと言うのはいいが否定される覚えはない。
あまり深く書きたくなかっただけ。
息子は4年前に亡くなったんだ。こんな気持ちになるなら書くんじゃなかったよ
少しながら応援してる人もいるってこと
忘れないでくれよ
楽しみにしてたんだがな…。叩く奴は無視して欲しいところだが>>1が我慢してまで書く必要はない。続き読めないのは残念だけどここまで書いてくれてありがとう、読めて良かった。
残念だ
とても残念だ。
ハル君のご冥福をお祈りします。
まあ気ー悪くする人ばかりだろうからここまでにしとくよ
後前スレでもレスしたんだけど、結果を踏まえて読んでもらえると助かる。
生徒が帰った放課後。ぞれぞろと保護者が集まりだした。
世間話などで賑わう中、ヒソヒソと何か言っては俺を見る父母さん達。
何が言いたいのかは十分に分かってる。どうやら俺対他保護者って感じの構図なんだろう。
やましいことなど何一つないんだ。後ろめたい気持ちなどない。
ハルにあの時の様子を聞いていた。
保護者の皆様には大変御心配、御迷惑をお掛けしましたこと深くお詫び申し上げます。」
教頭が謝罪し話しは始まった。
大ちゃんが階段から落ちたこと。それを目撃した大ちゃんの友達AとB。
他数名の男子生徒も目撃。
俺「大君はどうして階段から落ちた?」
ハル「知らないよ…見てないの」
ハルは何もしてない。俺は父親なんだ。ハルを信じるのも守れるのも俺だけなんだ。
俺は凛とした態度で話し合いに臨んだ。
>>116
ややこしくてすまん
ハル君が急に暴れて大君を階段から突き落としたって。大怪我をしたらどうするんです?」
B親「うちの子供も同じ事を言ってました。」
全員の視線が俺に向けられる。
言いたいことは全部言ってやる。そう思ってた。
でも異様な空気に怖じ気づく俺。
無縁の世界だと思ってた。
生きてきてこんな場面に、まさか自分が出くわすなんて思ってなかったんだろう。
足が震える。
もし大怪我して後遺症でも残ったらどうするつもりなんだよ。どう責任とるつもりだ。」
大君の父親がまくし立てた。
大母「お宅の息子さん障害があるんですよね? してないなんて。よくもそんなこと…
そんな恐い子と同じ学校で同じクラスだなんて、もう恐くて学校に通わせれないわ」
「子供の責任は親の責任だろ。きちんと説明して謝罪しろ」
「どうしてこんなことになる前に処置してないんですか」
「なんで養護学校に通わせないんだよ」
「支援級で十分でしょ」
「そうだ」
口々に保護者が非難する。
怒りや悔しさなんて気持ちは微塵もなくなってた。
心ない言葉にただ悲しい気持ちでいっぱいになった。
とりあえずまず松井さんにきちんと謝罪して頂いて、今後について話し合いませんか?」
怒りや哀れみの視線が俺に集まる。
沈黙が続く。
何か言わないと。
何か。
弱気になり真っ白になった、俺の頭の中にハルの笑顔が浮かぶ。
ようやく口が開く。
俺「こうやって…忙しいのに集まってもらって本当にすいません…
大君が怪我をしたことは、本当に心を痛めてます。ただ…」
大父「ただなんだ?言い訳するんですか?
うちの息子はまだお宅の息子さんにも謝ってもらってないんだ。
子供が子供なら親も親だな」
言いたいことが言葉にできない。
俺が駄目男だから…妻にも出ていかれました…
今日までずっと…息子には寂しい想い…辛い想いをさせてきました…
こんな未完成な親の俺だけど…息子は立派に育ってくれてます…」
自分でも何を言ってるのか分からなかった。
分からなかったけど伝えなきゃいけないことを。。。伝えなきゃ。。。
その一心だった。
でも…それは悪いことなのでしょうか?…
息子は…相手の気持ちを理解することが…極めて困難です…急にパニックになったり…
悪戯してるつもりはなくても…そう言う行動をとるときがあります…
でも…本人に悪気なんて…これっぽっちもないんです…ただ…不器用なだけで…
息子は…優しい子なんです…
人を傷つけるような子じゃないんです…こんなこと…する子じゃないんです…」
教室が静まり返る。
息子を信じてはだめなんでしょうか…」
途中ハルを想うと涙が出てきた。
俺「自分は…母親の変わりも…出来るはずがないのはわかってます…
母親がいない分…それ以上の愛情を与えてきたつもりです…
一生懸命子育てをしてきたつもりです…
それは皆さんのような親らしい親かは分かりません…
間違った子育てをしてきたかもしれません…」
嘘をついたりする子じゃないんです…だから…信じてやりたいんです…
皆さんは障害を持つ人間に…多少なり嫌悪感…があるのは…分かってます…
でも…皆さんの子供と同じように…心があるんです…優しさや…思いやりがあるんです…」
それでもそれを言葉にすることが精一杯だった。
大父「な、なんなんだあんた?お、親なら謝るのが筋ってもんだろ。
あんたの息子が悪いだからな」
だから…息子を悪者にしないで下さい…」
最後に深く頭をさげた。
涙が止まらない。悔しいとかそんなんじゃない。
学校でハルが、まわりの生徒に同じような言葉を浴びせられてたらと思うと
辛くて仕方なかった。
鼻を啜る音が聞こえる。山下先生は目を真っ赤にし、ハンカチで涙を拭き取っていた。
全員の視線が声の方へと向いた。みくちゃんて子のお母さんだ。
すいません娘は大君が階段から落ちた所を見たわけじゃないんです」
それに続くように
「私の娘もハル君じゃないと思うと言ってました…」
教室内がざわつく。
「おい、どう言うことだよ」
「ちゃんと確かめもしないで何やってんだ」
矛先が教師へと向く。
担任「私は生徒達にはちゃんと現場での話しを聞きました。
数名の男子生徒はちゃんと見たって…」
頼むよ〜
教頭「皆さん静粛にお願いします。
今日はここまでにして、後日説明をさせてもらうと言うことで」
「ふざけるな」
「わざわざ来て何なんだ」
「だいたい学校の責任じゃないですか?」
口々に不満が出る状況に陥った。
結局話はまとまらず、また連絡すると言うことで終わった。
少し肩が軽くなった。
ハルが突き落としたわけじゃないんだ。誤解が解けただけでも良かった。
週明け午前中に学校に顔を出してほしいと、山下先生から連絡があった。
山下先生に校長室へと通された。
俺「いえ…」
校長「他の保護者の方にはすでに連絡済みです。
今回我々が至らなかったばかりに大事になり本当に申し訳ありません。
大君は他の生徒とじゃれあって階段から落ちたそうです。
たまたま近くにいたハル君のせいにしてしまったと、
大君や大君の友達が正直に言ってくれました。」
校長「今回の件生徒達にも担任、教頭を含め改めて指導をしていくつもりです。
本当に申し訳ありません。またもう一度保護者会を開いて説明…」
俺は校長の会話を遮るように、
俺「あの…あの、俺は別にもういいです。
犯人探しをしてたわけじゃないんで。誤解が解けたならそれで十分です…
ただ、ハルは…
ハルはその時、まわりの生徒や先生に責められて傷ついたと思います…
それを今更どうすることも出来ないですが…
ただ障害だからと、ハルがまわりと違うからと言って、区別しないでほしいんです。」
ハルは本当に努力をしてる。まわりの生徒達に遅れをとらないようにするためにも。
ハルはただ普通に友達を作ってまわりと同じように小学生活をおくりたいだけなんだ。
自分の子供が可愛くて守りたいと想う気持ちはあたりまえなんです…
だから今回のことはもういいんです。ハルには自分から説明します。」
それだけ言って校長室を出た。
保護者会での出来事。そして今日の校長との会話が全てを物語ってる。
責任のなすりつけ合いをする教師。
人をののしり罵倒する大人達が本当に子供の事を考えているのか。
俺も含め、ちゃんと子供の声を聞けているのか。疑問を抱く。
それを取り巻く生徒達もみんな。誰一人として得をしないじゃないか。
犯人探しなんて必要ない。
子供達が安心できる環境を作るために、親達が話し合う方が先なんじゃないのか。
心の中でモヤッとしたものだけが残った。
ただ自分が親だと言うだけで、それに酔っているだけなのかもしれない。
俺がもし大君の親の立場だったら?
第三者の親の立場だったら?
それぞれの立場になってよく考えてみないといけない。
今回よく分かった。
もっともっとハルと会話しよ。ハルが何を求めて、日頃何を考えているのか。
もっと理解する必要がある。そう教えられたような気がするんだ。
ハルは女子から人気があった。それをよく思わない子もいる。
ましてやハルは同級生との会話が得意じゃない。
一方通行になってしまい、うまく付き合えない。
ある日授業中にハルがお漏らしをしたのが切っ掛けでいじめに火種がついたようだ。
そうあってほしくないと自分に言い聞かせてた部分があったのかもしれない。
ハルは毎朝元気に登校している。
もしかして俺に気づかせないように振る舞ってたのかもしれない。そう思うとすごく辛い。
靴が片一方学校でなくなったり。
ハルはたまに物をなくしたりすることがあったので、深く聞かないようにしてた。
ちゃんとその信号にすぐ気づかなかった自分が本当にバカで情けない。
ハルが辛い想いをしてるんじゃないかと、夜も眠れず泣いたのを覚えてる。
学校に乗り込んで暴れたっていいんだけど、そんなことすれば余計ハルの居場所がなくなる。
いじめてる側を叱ればいいのか?
その親に抗議すればいいのか?
担任に文句をつければいいのか?
どれもハルにとってはマイナスにしかならない。
俺「ハル学校で辛いことないか?」
ハル「うん。つらくないよ。たのしいもん」
俺「学校でハルが辛い想いしてるの。パパ知らなかったらすごく辛いよ。」
ハル「パパつらいの?ごめんなさい」
俺「ハルが謝らなくていいんだよ。ハルは学校でいじめられたりしてないか?」
俺「いじめる子も?」
ハル「うんw みんなもぼくすきになるの。ぼくがんばるの」
その言葉でハルが想像以上に大人になったことを痛感した。
俺が考えてた以上にハルは強くたくましく成長してるんだ。
ハルは自分の力でいろんなことが出来るようになった。
今もそうなんだろう。
唯一出来ることと言えば、子供が望んだ時にいつでも手をさしのべてあげることだけなんだ。
後は信じるだけ。
それは理想であって、難しいことかもしれないけど。
ハル「ぼくがんばるのw」
俺「でも、辛い時は必ずパパに相談するんだぞ。いつでもパパはハルの味方だからな。」
ハル「うんw」
俺がガキの頃果たしてこんな気持ちになれただろうか。そんなわけない。
ハルが自分より大人な事に少し嫉妬してしまうくらいに、
ハルには本当に教えられることが多いんだと感じた。
話せば長くなるのでまたの機会に。
とりあえず少し休憩したらまた書きます。レスくれてる人ありがとう。
スルーは許してくれ。
ハルが3年生になった。本が好きで毎日本読みの練習をしてる。
ハル「パパ。きょうね。ぼくね。さか(笠)じぞうさんはじめて読んだよw
おじいさんはね。おじぞうさんゆき冷たいから、さか(笠)かけるの…
∽∝∂くぁwせdrftgyふじこlp…」
ハルもおじいさんみたいに、親切で思いやりのある人間になるんだよ。」
会話中興奮すると、たまにわけのわからないことを言うけどそれもハルの個性だ。
ハル「パパくる?」
俺「参観日?」
ハル「お仕事おやすみしなくていーよ」
俺「大丈夫だよw パパ、ハルが頑張ってる姿みたいし」
ハル「いーの!!」拗ねて嫌がるハル。
俺「わかったよw じゃぁいかないよ」
俺「ハル?ご飯中は遊ばない約束だろ?」
ハル「いーの」
ご飯に集中してない。
こう言う時のハルは何か不安がある時だ。
俺「明日パパ本当に参観日行かないよ。本当にいいのか?」
ハル「いーの」
ハルなりに俺に気を使ってるんだなと、その時は気楽に考えてた。
当日。
ハルにバレないよう、教室に入らず入り口の外でスタンバイ。
授業が始まるとハルはソワソワしていた。
まわりをキョロキョロ、俺がいないか確認してるんだろう。
生徒「はーい。はーい。」
親にいい所を見せるチャンス。
生徒達が張り切って手を上げる。
ハルは?
手を上げていない。きっと恥ずかしいんだろう。
担任「それじゃみんな読めるように、段落ごとに順番に読んでいきましょう」
いよいよハルの番だ。あれだけ毎日本読みの練習をしてるんだ。
大丈夫。頑張れ。心の中で一生懸命応援をする親バカな俺。
ハル「は、ハイー」 緊張して語尾が上がってる。
ハル「みみ、み、みんみん…」
教室内でクスクスと笑い声がする。
ハルならできる頑張れ。
ハル「みんなでかげおくりをもういちどやらないかい…」
担任「松井君よく出来ました。次松村さん」
ハルは顔と耳を真っ赤にしながら、ゆっくり座るとうつむいた。
帰ってうんと褒めてあげたいけど、今日来てるのは内緒にしてるんだ。
なんだか悔しい。
どうやらかさじぞうではなかったけど、ハルは一生懸命に読んだ。
ちゃんと出来た。誇らしい気持ちになった。
ハル「うえーーーん」
急にハルが大声で泣き出した。
俺と目が合ってしまった瞬間の出来事。
しまった。俺がいることに気づいてしまったようだ。担任が近づく。
授業はまだ終わってなかったけど、
教室の後ろで待機していた山下先生がハルを連れて教室を出た。
俺「ハルー。帰ろう。」
ハル「…」
無言で喋らないハル。
俺「すいません。御迷惑おかけして」
山下先生「いいえ。ハル君いつもなら大丈夫なのに。
人が多くて混乱したのかもしれませんね」
その約束を破ってしまったから泣いたんだと思います。本当にすいません」
山下先生「いえいえ。ハル君!お父さん迎えに来たから帰ろうね」
ハルは黙って立ち上がり、俺をスルーして教室を出た。
俺はハルを追う。相当怒ってる。無理もないか。
ハル「…」
沈黙が続く。
俺はハルの手を繋ぎ、
俺「今日はレストラン行こうか?ハルの好きなハンバーグ食べよw」
ハル「はい」
少し機嫌をなおす。
パパ本当ハルはすごいなーって驚いたよ。びっくりしたw」
ハルが急に立ち止まる
ハル「パパのうそつき。こないやきそく(約束)したんでしょ」
また泣きだすハル。
俺「ごめんな。本当。
パパどうしてもハルの頑張ってる姿見たかったんだ。
もう来てほしくないってハルが思うなら、もう絶対に行かない。」
俺はハルの頭を撫でた。
ハル「パパ…パパぼくひとりにしないで…エグッ
ぼくパパいなくなってほしくない…エグッ」
俺「ばか。何言ってんだよ。パパはハルから離れたりしないよ。」
ハルの一言でこっちまで泣きそうになる。
俺は涙をこらえた。
だって…エグッ
ちいちゃんはパパいなくなるの…エグッ
ママいなくなるの…エグッ
パパ…ぼくおりこうにするよ…エグッ
だからね…おいていかないで…エグッ」
知ってる人は知ってると思うけど、『ちいちゃんのかげおくり』って話しがある。
戦争時代の話なんだけど、俺もうろ覚えだから知りたい人は本を読んでほしい。
ハルはちいちゃんのかげおくりを読んで、
ちいちゃんのお父さんのように俺もいなくなってしまうんじゃないかと思ったんだ。
ちいちゃんと自分を重ね合わせたんだろう。
参観日に来て、どうしてもこの話しを俺に聞かせたくなかったんだ。
自然と涙が零れる。
そしてハルがこんなに不安になるのは、俺が悪いんだとすごく理解した瞬間だった。
俺はハルを抱きしめて。
俺「パパはずっとハルと一緒だよ。だから心配しないでいいからな。」
不安になるのは無理もない。ハルは俺のせいで母親を失ったんだから。
俺「約束。ゆびきりげんまん…」
俺はハルとゆびきりをした。
レストランに入りご飯を食べる頃にはハルに笑顔が戻っていたけど、
俺は複雑な気持ちだった。
そう思った。
きっとハルはサリナが自分を捨てたと思ってるんだ。
ずっと母親の事を聞いてこなかったのがその証拠。
幼いながら確信したものがあったのかもしれない。
まわりの友達には、ちゃんと母親がいるんだ。気付かないわけがない。
ハルに我慢させていることが、本当に申し訳なく感じた。
ハル「ママ…?」
少し間があいた。
ハル「ううん。パパがいるからいい」
首をふるハル。
俺「ハルが会いたいって言ったら、ママはきっと喜ぶよ。
ママもハルとずっと会いたいって思ってたから」
俺「どうした?」
ハル「パパがいるからいいの」
頑固なハル。
そこは俺に似たのかな。
帰って眠りにつくハル。
ハルの寝顔は益々サリナに似てきた。
それから今日までずっと手紙でやりとりしてる。
サリナはハルをいつだって心配していた。
自分から会いたいとは言いづらいのだろう。だから言ってこなかった。
俺からハルに会いたいか?とも聞かなかったけど、それは分かっていることだ。
俺自身ハルを会わすことに抵抗があったのかもしれない。
言わなくても、サリナもハルもお互いに会いたいに決まってるんだ。
それにサリナがハルを嫌いで置いていったわけじゃない事を知ってほしかった。
俺はサリナにハルを会わそうと考えた。
そしてハルを連れて、サリナに会いに行くことにしたんだ。
電車に乗って満足気に水筒のお茶をグビッと飲み干した。
前日の夜にママに会いに行くと伝えた。ハルは何も言わなかったけどとても嬉しそうだ。
俺「もう後2つ駅に止まったら着くよ」
ソワソワするハル。
何しろ4年ぶりに会うんだ。不安や緊張もある。
サリナには前もって手紙を送っていた。
番号は聞いていたけど、かける事もなかったのでもう使われていなかった。
今日行く旨を伝えたけど、手紙を確認していないのかどうやらマンションにはいないようだ。
サリナの都合もあるだろうから、会えなければ帰ればいいだろうと考えていた。
俺「いてないみたいだね。せっかくだから隣の公園で待たせてもらおうよ?な?」
ハル「はい」
ハルはジャングルジムで楽しそうに遊んでる。
きっと複雑な気持ちなんだろう。
その気持ちを隠すかのように、いつもより元気に見せるハル。
近くのホテルに予約したからまた明日出直そう。
そう思い公園を出たところで、公園の横に一台のワゴン車が停まった。
助手席に座っていた。運転席の男性と親しげに会話をしている。
話し終わり、ようやく助手席から降りてくると、こちらに向かって歩いてきた。
驚いた顔でこちらを見ている。
俺「手紙送ってたんだけど、もしかして見てないか?今日行くって。」
サリナ「ごめんなさい。ずっと忙しくて。」
俺「ごめんないきなり。
手紙で言うのもあれだとは思ったんだけど、早く会わせたくて。ハル連れてきた。」
サリナ「うん…」
サリナが瞳を潤ませる。
ハルは俺の後ろに隠れている。
サリナ「ハル。久しぶりだね。ママ!…分かる?…」
ハルは黙って頷く。
サリナがハルの目線までしゃがむと、ハルにニッコリ微笑みかけた。
そう言ってハルの手を引っ張り抱きかかえた。ハルは緊張してか顔を強ばらせてる。
ハル「ママいいニオイ」
サリナ「本当?汗臭くない?ハル会いたかったよ…」
泣き出すサリナ。
きっとハルがママって言ってくれて嬉しかったんだ。
ずっと会いたかったに違いない。
お互いずっとこうしたかったんだ。
俺「今日は大丈夫?」
サリナ「うん大丈夫。せまいけど良かったら泊まっていって。」
俺「俺はホテル予約してるしそこ泊まるよ。
明日夕方迎えに行くから、ハルは預けてもいいかな?」
俺「ハル。ママと二人で大丈夫だよな?」
ハル「はい」
ハルが笑顔で答える。
俺「母子水入らず。積もり積もった話もあるだろうし」
そう言って番号だけ交換し、ハルをサリナに預けて俺はその場を立ち去った。
久しぶりなんだし断る理由もない。
もう一泊してサリナがハルを俺の家まで連れて来ることになったので、
俺は一足先に一人で帰宅することになった。
次書く時に最後まで書きます。
こんな時間まで付き合ってくれてる方、どうもありがとう。
勝手に止めてまた勝手に続き書いてるけど、その辺はスルーしてください。
ありがとう
また明日?でいいのかな?
まってるよん
昨日まで殆ど2ちゃんは覗いてないから。
前に書いたのはウッソだよー
とか言ってくんないかな
次で全部なのかー…
終わらせて欲しくないけど早く読みたい!
ハルちゃんは自分と重ねちゃったんだね…
とっても素直で優しい子だね。
ハルちゃんのためにも1さん元奥さんみんなのために
乗り越えて「一緒に暮らそう」って言って欲しかった…
っていうのはやっぱり勝手な話だよね…過去の話だし…
最後楽しみにしています結末はあれだけど