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:名無しさん@おーぷん 2014/11/20(木)00:41:06 ID:aBzurA7Pt
ちょっと待ってて
書く
長井 俺と同じくらいの身長 痩せ型
スペック何を書けばいいかわかんないよお
長井が来るということで部屋の掃除をした。
部屋がすっきりすると長井の前に誰かを家に呼びたくなった。
誰かって言ってもハマーしかいないんですけどね。
ハマーが家に来た。
ハマー「おお、片付いたなー」
俺「だろ?今度からはお前んちだけじゃなくて俺んちでも遊べるぜ」
俺の部屋が汚かったからハマーと遊ぶときは基本あいつの家だったんだ。
しばらく遊ぶとハマーが訊いてきた。
ハマー「おい安藤、お前長井とはどうなんだ?」
安藤「えっ!?」
どうって言われましても・・・。
ハマー「最近仲いいじゃねえか。どうなんだよ、どこまでいったんだよ」
俺「どこまでもいってねえよ」
ハマー「さすが未体験だな」
俺「お前もだろ」
ハマー「でも長井のこと好きなんだろ?」
俺「・・・」
ハマー「お前は分かりやすいからなー」
俺「いやあ、まあ、そうだけど・・・」
ハマー「じゃあいけよ!男ならいけよ!」
俺「そんなんじゃねーよ、ただの友達」
ハマー「けっ、ダメだなこりゃ」
ちなみにハマーは今現在も未体験だ。
このことはハマーに黙っているつもりだったけど
言われっぱなしでムカついたからつい言ってしまった。
ハマー「は!?おま、そういう大事なことは先に言えよ!」
俺「うるせー!これ言ったらお前もっとうるさくなるだろ!」
ハマー「ゆるせねえ・・・。おい安藤!スマブラやるぞ!ぼこぼこにしてやる!」
俺「望むところだ!返り討ちにしてやるよ!」
結果、俺はハマーに一勝もできなかった。
あいつのマルスはマジで強すぎる。
学校が終わり長井と一緒に俺の家に行った。
長井「おじゃまします」
俺「ここが俺の部屋」
長井「きれいだね」
俺「きれいにしたの」
長井「ちがうよwwここから見える海のこと」
俺の家の前には海があって、部屋から水平線まで一望できたんだ。
俺「もう見飽きたよ」
長井「もったいない」
俺「そういえば長井が住んでいるところは海がないもんな」
長井「そうだよ」
俺「まあそんなことより昼めし食おうぜ。なんか作るよ。嫌いな食べ物とかある?」
長井「作ってくれるの!?うーん、私はトマトが嫌い」
俺「じゃあケチャップ使えないな」
長井「ケチャップは好き」
俺「なんだそれwwまあいいや、適当に漫画でも読んでて待ってて」
長井「うん、ありがと」
俺はミートライスと野菜スープを作った。
長井はおいしいと言って残さず食べてくれた。
長井は「人がドラファンをやっているのを見るのが好き」と言ってずっと俺がプレイしているのを見ていた。
長井は椅子に座り、俺は長井の目の前で床に座っていた。
長井「結構うまいね」
俺「だろ?たぶん日本一うまいぜ」
長井「いや、私のほうがうまいww調子に乗るなww」
そう言って長井は俺の背中を足で押した。
俺「俺は昔、人間ストーブって言われてたから」
長井「なにそれおかしいwwwでもストーブなら活用しなくちゃね」
そう言って長井が俺の背中を両足で挟んできた。
長井「あったかい」
俺「あ、ああ、遠慮なく使いなさい」
もう俺心臓バクバクwwゲームに集中できないwww
だって好きな人が自分の背中を足で挟んでるんだぜ!
理性なんかたもてねえよ!
長井「そろそろ帰る」
俺「そうだね、家遠いし」
長井「何かゲーム貸してくれない?」
俺「いいよ、そこのケースに入ってるやつから好きに持っていって」
長井「うーん、じゃあこれ」
長井はゼルダのソフトを選んだ。
俺「バス停まで送るよ」
長井「ありがと」
外は昼間の何倍も寒かった。
俺は自販機であたたかいココアをふたつ買い、ひとつを長井に渡した。
そしてそれを飲みながら一緒にバス停まで歩いた。
俺「俺もびっくり。すげえおいしい」
長井「やっぱり寒いからかなー」
俺「かもね」
長井「ねえ、安藤君って一年生の最初から今の学校にいるの?」
俺「いや、一年の終わりのほう。長井が来る半年ほど前に転校してきた」
長井「そうなんだ・・・。なんで、転校したの?」
訊きづらそうに訊いてきた。
通信学校ではこの質問はタブーみたいなところがあったんだ。
みんな何かと暗い過去があるからな。
でも俺は違った。
長井「えっ、それだけ?」
俺「・・・はい」
こうなるからなるべく前の学校を辞めた理由を言いたくなかった。
俺「長井は?」
長井「私は、いじめられてたから」
俺は特に驚いたりしなかった。クラスにもそういう人がいっぱいいるだろうし。
ハマーも中学の時いじめられていたと言っていた。
長井「学校サボって死ぬところを探したりしてた」
しかしこの死ぬって言葉には驚いた。
俺「・・・なんかごめん」
長井「なんでよww」
俺「なんとなく」
今までのんきに生きてきた自分が馬鹿らしく感じた。
そしてもう少し早く長井と出会っていればという自分でもどうしようもない後悔が襲ってきた。
誰もいなくても淡々とやっていくつもりだったんだけど
その言葉はやっぱりうれしい
長井「・・・うん、そうする」
いつの間にか俺たちはバス停に着いていた。
そしてすぐに長井が乗るバスが到着した。
長井「来週暇だったら、今度はうちに来て」
俺「わかった。絶対行くよ」
バス停からの帰り道、明らかに来た時よりも長く感じた。
今日は長井の家に遊びに行く日。
にもかかわらず長井は学校に来ていなかった。
俺は心配になり長井に電話した。
しかしなかなか電話に出ない。
もう一度かけるがやはり出ない。
3度目の目の電話でやっと繋がった。
長井「もしもし」
俺「あっ、長井!お前今どこだよ!」
長井「家だよ。今起きた」
俺「家?・・・なんだ、よかった」
長井「なんで安心してるの?」
俺「いや、なんでもない」
俺はてっきり死ぬ場所を探しているのかと思っていた。
俺「そうだけど、俺長井んちの場所知らねえよ。たしか電車で通学してるんだったよね」
長井「そうだよ。じゃあ学校が終わったら電話して。どこでどの電車に乗ればいいか教えるから」
俺「あいよ」
長井「あっ、お昼ご飯は食べてこないでいいからね」
俺「ということは?」
長井「私が作るから」
俺「よっしゃ!オッケ!楽しみにしとく!」
長井「そこまで期待されても困るww」
俺「ならまったく期待しないでいるよ」
長井「それはそれで・・・ちょっとは期待してww」
俺「わかったww」
その後の授業中俺はずっとニヤニヤしてたwww
いやー周りは気持ち悪かっただろうな。
俺は方向音痴というわけではなかったから、特に迷うことはなかった。
教えてもらった駅で降りると長井が待ってくれていた。
俺「よっ、これお土産」
俺は来る途中のコンビニで買ったプリンを渡した。
長井「ありがと」
俺「やっぱここは山がいっぱいあってきれいだな」
長井「安藤君の家から見える海もきれいだよ」
俺「俺はここのほうがいいな」
駅から長井の家までさほど距離はなかった。
長井の家は普通の一軒家だった。
そこにはテーブルとテレビと大きな電子ピアノがあった。
長井が言うにはここは居間らしい。
俺「長井の部屋には行かんの?ww」
長井「顔がゲスいよww私の部屋は汚いからダメ」
俺「残念・・・」
長井「じゃあさっそくごはん作ってくるね。そこにあるゲーム好きなのしてていいから」
長井がテレビ台を指差してそう言った。
そこには大量のゲームがあった。
もちろんドラファンも。
俺「スマブラやってるよ。ごはん何作るの?」
長井「ひみつ」
俺はワクワクしながらスマブラを起動した。
長井「お待たせ」
テーブルの上にリゾットらしきものとインスタントのコーンスープが並んだ。
俺「いい匂いがする。これ、リゾット?」
長井「うん、しめじとベーコンのリゾット。料理がうまい人に料理を出すのはちょっと恥ずかしいけど」
俺「そんなことねえよ。じゃ、いただきます!」
俺はリゾットを口に運んだ。
俺「・・・おいしい」
長井「ほんと!?よかった」
長井が作ったリゾットはお世辞抜きでおいしかった。
明らかに俺より料理がうまい。
少し悔しかった。
何回か勝負をしたが長井はゼルダしか使わなかった。
実力は五分五分ってところ。
しばらくするとゲームにも飽きて、ふと部屋を見渡すと電子ピアノが目に入った。
俺「長井ピアノ弾けるの?」
長井「弾けないこともない」
俺「合唱コンクールで伴奏やった?」
長井「やった」
俺「じゃあ結構うまいな」
長井「何その基準ww」
俺「ちょっと何か弾いてみて」
長井「いいよ」
あとでわかったけどこのとき弾いていたのは久石譲の『あの夏』だった。
みんなが聴けば決してうまいと言えるような演奏ではなかったが、俺の心には十分届いた。
長井が弾いたからかな?
ピアノってこんなに素晴らしかったのかと少し泣きそうになった。
正直、涙目にはなっていたと思うww
長井の『あの夏』を聴きいたあと、俺はしばらく何も考えられなかった。
それほど俺の心に残った。
長井「なにそれ」
俺「マザーってゲームの曲」
長井「ネスの?」
俺「うん、ネスは2だけど。俺そのポリアンナって曲が好きだから、弾いてくれないかな」
長井「いいけど、楽譜がないと」
俺「パソコンで探したら見つかると思う」
長井「わかった。探して練習しておくね」
俺「頼む」
長井のピアノ演奏を聴いたら、無性にポリアンナの生演奏が聴きたくなった。
俺はその中からコナンを選び読み始めた。
長井は俺が貸したゼルダを始めた。
この間ずっと沈黙が続いたがまったく気まずくなかった。
むしろ心地よかった。
長井が急に声を上げた。
俺「何が?」
長井「本を90度以上開かないで」
俺「90度!?難しいぞ」
長井「ごめんね。私の家では本を大切にすることになってるの」
俺「そうなんだ。いいことだよ」
長井「安藤君、その巻まで読んだら一緒に行きたいところがあるの」
俺「どこ?」
長井「私のお気に入りの場所」
お賽銭箱がある建物がひとつ建っているだけ。
たくさんの高い木に囲まれていて、神秘的でなぜか落ち着いた。
長井「この神社は誰も来ないから一人になりたいときはよく来るんだ」
長井はお賽銭箱の前の三段くらいしかない階段に座った。
長井「ここにこうやって一日中ずっと座ってたこともある」
俺「確かに。ここなら永遠にいられそう」
俺も長井の隣に腰を下ろした。
俺「これ使えよ」
俺は首に巻いていたマフラーを長井に渡した。
長井「ありがと」
長井はマフラーを体全体に包むように巻いた。
長井「安藤君、お願いがある」
俺「言ってみなさい」
長井「学校がある日だけ、電話で私を起こしてくれない?」
俺「今日みたいに?」
長井「そう。私朝が苦手だから」
俺「いいよ」
好きな人にこれを頼まれて断る人がいるだろうか。
いや、いないだろう。
俺「そのかわり」
長井「ん?」
俺「ひざまくらして」
よく言った俺!
この時の俺を表彰してあげたい!
まあいつも通り心臓はバクバクでしたけどwww
俺「うん、ダメ?」
長井「安藤君ならいいよ」
安藤君なら!?
それってつまり・・・って訊きたかったけど今はひざまくらに集中することにした。
俺「では、失礼します」
長井「どうぞ」
俺はロボットのような動きで長井の膝に頭を倒した。
長井「大丈夫」
急に長井が俺の手を握った。
長井「安藤君の手、きれいだね」
俺「そ、そう?」
長井「それにあったかい。さすが人間ストーブ」
俺「・・・俺、今すごく幸せ」
長井「へんなのww」
このまま時が止まればいいと思った。
そして自分に「J-POPかよ」とツッコんだ。
時刻はとっくに8時を過ぎていていた。
長井「そろそろ帰らなきゃね」
俺「そうだなー」
俺はひざまくらされたまま答えた。
長井「また遊びに来てよ」
俺「うん」
当たり前だ。
俺と長井、予定が合えばどちらかの家に行くという日々が続いた。
この日も夜遅くまで長井と電話で話していた。
俺「明日は俺んちで遊ぶから、また何か作ってやるよ」
長井「うん・・・。ねえ安藤君」
俺「ん?」
長井「明日渡したいものがある」
俺「おっ、なになに?」
長井「教えない。ただ安藤君にしか渡さないもの」
俺「俺だけ!?」
長井「そう」
もうね、超嬉しかったね。
長井の中で俺が特別になったような気がして。
何を渡すのかは謎だけど。
長井「私の大切なもの」
俺「うーん・・・」
俺は長井の家に代々伝わる家宝的なものだと思った。
俺「売ったら高い?」
長井「ほしい人なんていないよww」
ほしい人がいないものをなぜ俺にあげのか。
俺「さっぱりわからん」
長井「明日のお楽しみ」
俺「くっそー気になるな」
いくら考えてもわかりそうになかったから
俺の中で長井が子供のころ大切にしていたおもちゃということにした。
長井「えーもう寝るの?」
俺は部屋の電気を消しベッドに横になった。
俺「おやすみ」
長井「ちょっと待って!私ポリアンナ弾けるようになったよ」
俺「マジで!?」
長井「今から弾くね」
俺「おう聴かせて」
ところどころ詰まってはいるが立派な演奏だ。
長井が弾くからか、心に響く。
俺はどんどん夢の中へと入っていった。
気付くと朝だった。
今日も長井の夢を見た。
初めて長井の家に行ったあたりから毎日長井が夢に出てくる。
やっぱり常に考えていたからだろうな。
いつも通り長井にモーニングコールをして学校に行った。
学校では昨夜俺が電話中に寝てしまったことを長井に笑われた。
約束通りこの日も長井に料理を作ってやったが何を作ったか覚えてない。
ただおいしいと言って食べてくれたことは覚えてる。
俺は長井からのプレゼントがいつもらえるのかワクワクしていた。
とてもじゃないが「プレゼントはまだ?」なんて図々しくて言えない。
それとも長井は何かタイミングを見計らっているのか?
長井「そうだ!安藤君に渡すものがあったんだ」
忘れてただけかーい!
でも待ってました!
長井はカバンから取り出したものを俺に見せた。
それは赤い液体が入った小さなビンだった。
俺「長井・・・これ、何?」
訊かなくても分かる。
これは血だ。
俺「・・・」
俺は頭の中がパニックになって何も言えなかった。
長井「今回は首を切ったの」
長井は髪をかきあげ、俺に首を見せた。
そこには何本もの傷跡が残っていた。
今回?首?切る?
俺はますますパニックに陥った。
長井「あとは左手首」
俺は長井の左手の袖をまくった。
やはりそこにも何本もの傷跡があった。
長井「だから私は夏でも長袖なの」
そういえばそうだ。
出会ってから一度も長井が半袖の服を着ているところを見たことがない。
俺「・・・いつから?」
長井「中学から」
俺「そんなに前から・・・」
俺「・・・うん」
長井「ありがと」
長井を安心させるために俺はビンを受け取った。
そしてそれを机の引き出しの中に入れた。
俺「なあ長井、自分を切るなんてやめろよ」
長井「無理だよ・・・切らないと落ち着かない」
俺「・・・そっか」
長井「私がリスカをしていることを知った人は、みんな私から離れていくの」
長井が悲しそうな声で言った。
俺「大丈夫、俺はずっとお前のそばにいるよ」
あきらめない。絶対にやめさせてやる。
俺にしかできないんだ。
本気でそう思った。
俺が血を受け取ってから、長井の行動は少しずつエスカレートしていった。
「吐いた」や「死にたい」と毎晩言ってきたり、
経血の画像をメールで送ってきたりした。
もちろんリスカも続けていて、
そのたびに俺はやめるよう説得した。
ただ俺と遊ぶ時は切らなかった。
長井なりに遠慮したんだろうな。
こういう日々が続いて、俺はますます長井を助けたくなった。
朝はやいからもう寝るよ
昼間とか時間があるときにまた淡々と張っていきまっす。