もう数年前の話になる
ちょっと書かせてくれ
いや書いてやる
よくある自分語りスレだけど見てくれたらうれしい
転校生が来たのは高2の時
その学校は週に3日学校に通うクラスと週に1日学校に通うクラスに分かれていて、俺は週3クラスだった。
週3クラスと週1クラスは通う日が違うし
週3は午前だけ、週1は午後だけだから顔をあわせたことがない。
普通に大学行って普通に就職するんだろうなって思ってた。
通信高校に来たからって訳じゃないけど、
どっかで人生をあきらめてたな。
俺は昔から日記を付けてるからそれを参考にしながら書いてく。
クラスに一人の転校生が入ってきた。
通信学校で転校生は全然珍しくないから小、中学校で経験した転校生に対するドキドキは特にない。
その転校生は長井という名前で、色白で黒髪を肩くらいまで伸ばした女の子だった。
3時間目、移動教室でパソコン室へ。
長井はちょうど空いていた俺の隣の席に座った。
女子「長井さんはどこの学校から来たの?」
長井「○○女子高から」
自信がないようなおどおどしたしゃべり方だった。
が、そんなことより俺は女子高っていうのが珍しくて
「女子高!?」と割と大きな声で言ってしまった。
長井「う、うん」
転校生も若干引いてるし・・・。
今思えばこんなのが最初の会話だなww
忘れないはずだ。
エクセルの試験が近いこともあり、5人くらいの生徒がパソコン室で居残り授業。
その中に俺はもちろん、長井もいた。
授業内容は、練習問題を早く解き終わった人がわからない人に教えるというものだった。
だけど俺はパソコンが苦手。
逆に長井はパソコンが得意なようで、誰よりも早く終わらせ誰よりも遅い俺を教えることに。
俺に教えている時もおどおどしたようなしゃべり方だったから、
こいつは元々こういうしゃべり方なんだなと理解した。
長井は丁寧に教えてくれているんだけど俺の頭は女子校のことでいっぱいだった。
健全な男子高校生だからしょうがないよねww
そこで長井に訊いてみた。
俺「ねえ、女子校ってどんなところだった?」
長井「うーん・・・みんな彼氏と行為したとか、そういうことしか言わなくて嫌なところだったよ」
俺「へっ?」
俺はこの時二つのことでびっくりした。
全部の女子校がそうかどうかはわからないけどww
そして二つ目はこんなおとなしそうな子が男である俺の前で行為とか言ったこと。
だけど長井はまったく恥ずかしがる素振りを見せない。
俺は意識しすぎだと思い「まあ、男の目がないからなー」なんて言って平然を装った。
書かなくても分かると思うけど
セリフはこの時こんなこと言ったなーって思い出しながら書いてるだけで、
すべてその通りに言ってるわけじゃないぞ。
下着は吐いとけwww
そっちの方が一年の経過がわかりやすいと思う。
この日もいつも通り休み時間に親友のハマー(濱治)ってやつとしょうもないことを話してたら、
後ろから誰かが俺の名前を呼んだ。
あ、俺安藤って名前ね
もちろんみんな仮名(濱治以外)
振り向くと長井がいた。
俺「どした?」
長井「・・・これ」
そう言いながら長井は四つ折りにされた紙を俺に差し出した。
こ、これはっ!
俺が紙を受け取ると長井は自分の席に戻っていった。
ハマーがなんか言ってたけど無視。
そして次の授業中こっそり読んでみた。
・・・あれ?これ、ラブレターじゃないぞ。
『安藤君へ
安藤君が先生にバイト先を探していると言っているのを聞きました(盗み聞きをするつもりはなかったの)。
そこで、私のバイト先を紹介したいと思います。あとでメールアドレスを教えてください。 長井 』
みたいな感じだった。
完全にラブレターだと思い込んでた俺は結構へこんだ。
これなら手紙にしなくてもいいじゃないか・・・。
先生にこんなことを言った覚えはなかったが、
まあバイト先を探していたのは事実だったのでとりあえず話を聞いてみることにした。
俺「えーと、長井・・・だったよね」
なんとなく確認の質問。
長井「えっ?・・・うん」
長井の手にはすでに携帯があった。
それを見て俺もすぐに携帯を出す。
俺「メアド、交換するか」
長井「そうだね」
こんなぎこちない感じでメアド交換は終了。
俺「今日中にメールするよ」
長井「お願いします」
俺「じゃ、またね」
長井「うん、またね」
帰りのバスの中で長井への最初のメールはなんて打とうかずっと考えていた。
かっこの中はメールの内容ね。
俺『安藤です
さっそくだけどバイトのこと教えて』
すると5分もたたないうちに返信が来た。
長井『○○(店の名前)ってところ
分かるかな?』
俺『ちょっと待ってて』
パソコンで店の名前を調べるとすぐに出てきた。
個人経営の飲食店だった。
しかしそこは俺の家からすごく遠い。
片道1時間以上かかるからとても高校生がバイトとして通勤できる距離じゃない。
残念だが断ることにした。
ここ俺の家から遠いから通うのはちょっと厳しいや』
長井『そうなの?
うーん、わかった』
俺『ごめんね
せっかく紹介してくれたのに』
長井『いや、いいよ
しょうがない』
そこでメールのやりとりは終わった。
まあ俺が返信しなかったからなんだけど、なんて返せばいいかわからなかった。
この日は半年に一度あるかないかの体育。
うちの学校は運動場も体育館もなかったから体育をするときは近所の市民体育館を貸し切っていた。
その日体育で何をするかはランニングと体操をして初めて教えてもらえる。
俺、絶望。
ドッジボールなんて運動できないやつのただの恥さらしじゃないか!
もうわかると思うが俺は極度の運動音痴だ。
周りを見ると嬉しそうな顔をしているやつもいれば俺みたいに不満げな顔をしているやつもいる。
というより嬉しそうな顔をしているのは一部の男子だけだった。
ため息をつくとハマーが俺の肩にポンと手を置いた。
ハマー「大丈夫、俺が守ってやるから」
俺「だまれ」
担任「第一試合、Aチーム対Bチーム。CチームとDチームは邪魔にならないところで観戦するんだぞー」
試合開始後あっという間に決着がついた。
Aチームのボロ負け。
俺は早々にボールに当たって目立たなかったから精神的ダメージは軽量で済んだ。
自分のことに必死で誰がどんな活躍をしたかは分からない。
担任「Bチームの勝ち!次、Cチーム対Dチーム!」
やった、休める!
俺にとって体育の休憩は砂漠の中のオアシスだ。
この際に一言だけ言おうと思って長井を探した。
長井は一人で突っ立ってCチーム対Dチームの試合を見ていた。
俺「長井、この前はごめんね」
長井「何が?」
俺「バイトのこと。せっかく紹介してくれたのに」
メールでも同じことを言ったが、もう一度ちゃんと謝っておきたかった。
長井「大丈夫。時給が上がらなかったのは残念だけど」
俺「ん?えっと、どういうことですか?」
長井「店長がね、誰か紹介したら時給を10円上げるって言ってたの」
俺「それが狙いかww」
長井「うんww」
気付くと俺と長井は座っていて、いっしょにそれを見ていた。
長井「濱治君っていつも安藤君のそばにいるよね」
俺「あいつは女より男だから」
長井「やっぱりww」
俺「www・・・」
笑いの後に気まずい沈黙が生じた。
俺「そ、そういえばさ、長井は彼氏とかいるの?」
別に長井に彼氏がいようがいまいがどっちでもよかったが、沈黙を打破するために訊いた。
でもなんでこの質問にしたんだろ。
自分でも不思議だ。
長井「いないよそんなの」
俺「そんなのってww・・・」
長井「私誰かと付き合うとか絶対に嫌だ。束縛されるの大嫌い」
俺「お、おう」
長井の勢いにちょっと引いた。
あきらかに今長井は不機嫌だ。
俺は訊いてはいけないことを訊いたのかと焦った。
へたくそながらに話を変えると長井の表情は穏やかになった。
それを見て俺も一安心。
長井「○○だよ」
俺「おお、観光名所じゃん」
長井「いいところだよ」
ピーーー
その時試合終了の笛が鳴った。
先生「Dチームの勝ち!次、Aチーム対Cチーム!」
俺「げっ、もう休憩終わりかよ」
長井「がんばろ」
俺「せやな」
俺たちが立ち上がるとハマーがこっちに向かって走ってきた。
ハマー「安藤、俺の活躍しっかり見てたか?」
俺「死ね」
となりで長井が笑ってた。
通信だからな
俺も聞いたとき耳を疑ったよww
終業式
うちの学校は二学期制だったから夏休みが遅いんだ。
夏休みって言っても二週間くらいしかないけど。
この時にはたまに長井と話すようになっていて、
始業式が終わって「じゃあね」って声を掛け合った覚えがある。
でもそれだけ。
まだ俺にとって長井は学校でたまに話す人って認識だった。
俺は家で暇を持て余していた。
夏休みだっていうのにやることがない。
漫画も読んだしゲームもやった。あっ、勉強は元々しないです。
誰かと遊ぼうにも中学時代の友達はみんな学校。
高校の友達で唯一家が近いハマーはばあちゃんちに行っている。
短期バイトをやろうと思ったが時期的に高校生ができるのが一つもない。
まさに究極の暇だ。
このままずっと一人だとダメ人間になる!
誰かと関わらねば!
たった二週間の夏休みでこんなことを本気で思った俺はちょっとやばかったと思う。
しばらく悩んだあげく、ある結論にたどり着いた。
そうだ、誰かにメールしよう。
中学時代の友達は授業中だったら悪い。
ハマーは・・・いいや。
それ以外の学校の友達ともしょっちゅうメールしてるし・・・。
せっかくだからあんまりメールしたことない人にしよう。
なんてことを考えながら俺は携帯のアドレス帳を眺めてた。
しかし消去法でいくと一人しか残らなかった。
長井だ。
俺友達少なすぎ・・・。
次はその事で迷った。
そしてふとあることに気付いた。
俺、長井の電話番号を知らない。
ということでどうせ電話なんかしないと思いつつ
電話番号を教えてもらうために長井にメールをした。
長井『どうして急に?』
俺『携帯のアドレス帳見てたらさ、そこに登録されてる中で電話番号知らないの長井だけだったんだ。
それがなんか気持ち悪くて』
実際これは事実だった。
私は親しい人にしか電話番号教えないけど、いいよ
○○○-○○○○-○○○○(電話番号)
安藤君のも教えて』
俺『ありがと
俺の番号は○○○-○○○○-○○○○
登録よろしく』
長井『うん』
そこでメールのやりとりは終了。
結局俺はまた暇になっちゃって、何度もクリアしたマリオサンシャインをまた最初から始めた。
夜、マリオサンシャインをしていると長井から電話が掛かってきた。
まさか掛かってくるとは思わなかったから、出るとき緊張した。
俺「もしもし」
長井「男友達がしつこい。いや、もう友達じゃないか」
長井は早口でこう言った。
俺「え、ちょ、まず落ち着け。さっぱりわからん」
長井「ごめんちょっと聞いて。その人私にひどいこと言ったの、それなのに心が変わったのかしつこく謝ってくる」
なんでそんなことを俺に言うのか全く分からなかったが無視するわけにはいかない。
長井「絶対に許さない」
一日たったら前日の怒りなんて忘れる俺にはこの絶対にというのが理解できなかった。
そんなにひどいことを言われたのだろうか。
俺「なんて言われたの?」
長井「それは言えない」
俺「そっか、じゃあこれからその人とはどうするの?」
長井「・・・関わらない」
これを聞いたとき俺は悲しくなった。
長井にひどいことを言った人に同情したのかは分からないが、
人と縁を切れるということがすごく悲しかった。
すまん、書き溜めたものを編集しながらだからちょいちょい遅くなる
俺「縁を切るならちゃんと返してもらわなくちゃ」
長井「だよね・・・やっぱり返してもらう」
俺「それがいい」
長井「話聞いてくれてありがと。またね」
俺「はい、じゃあね」
結局なんだったんだ・・・。
その日少しだけ長井のことを考えて寝た。
始業式
長井とは一言あいさつを交わしただけで、男友達について触れることはなかった。
ココリコの遠藤と千秋の娘って言われてる写真が一枚だけすごい似てた。
ほかの写真はまったく似てなかったけど。
家でぼーっとテレビを見ていると、長井が住んでいるところが映った。
そこは観光地でよくテレビに映るが、長井と知り合って見るのは初めてだったからちょっと興味が湧いた。
俺はこのお菓子が大好きで子供のころから食べていたからテンションが上がった。
と同時にそれがすごく食べたくなってきた。
長井に買ってきてもらおうかな。
そう思った瞬間俺は長井に電話を掛けていた。
今日長井バイトかなーなんて考えていると、電話が繋がった。
長井「はい」
俺「もしもし安藤です。元気?」
長井「うんww」
俺「そりゃよかった。えーと、ゲーム返してもらった?」
いきなりお菓子を頼むのは気が引けた。
俺「あ、あーそうなんだ」
ダメだ、この話題は。また悲しくなる。
早く頼もう。
俺「今さ、テレビで長井が住んでる町が映ったんだよ。それ見てたら急に○○(お菓子)が食べたくなってきて・・・。
よかったら学校に買ってきてくれないかな。もちろんお金は払う」
長井「いいよ」
まさかの即答。
俺「マジっすか!?」
長井「うん、じゃあ明日買ってあさって渡すね」
俺「ありがと!」
・・・もしかして長井っていいやつじゃないか?
俺の長井に対する印象が変わった。
休み時間、ハマーはほっといて俺は長井の席へ行った。
俺「持ってきてくれた?」
長井「これだよね?はい」
俺「やった!ありがと」
その後お金を払って自分の席に戻った。
今すぐ食べたいがここは我慢。家でゆっくり食べるんだ。
今まで食べた中で一番おいしく感じた。
夜、ハンターハンターを読んでいると長井から電話が掛かってきた。
俺「もしもし」
やっぱり電話に出るときは緊張する。
でもこの時には
「長井とあんまり話したことないから緊張する」
から
「長井が異性として気になるから緊張する」に変わっていた。
気になるだけで惚れてはないからな!
俺「いいよ」
長井「まだ何も言ってないよww」
俺「お菓子買ってきてくれたから」
長井「そうだったね」
俺「で、お願いって何?」
長井「うん、今ね、私の好きなゲームがキャンペーンをやってて、パソコンから応募するとグッズが当たるかもしれないの」
俺「そのゲームって男友達に貸してたゲーム?」
長井「そうだよ、ドラゴンファンタジーっていうゲーム」
それはちょうど俺が買おうとしていたソフトだった。
ほんとは違う名前のゲーム
長井「知ってるの?」
俺「買おうか迷ってるところ。面白い?」
長井「面白い!買って!攻略本貸すよ!」
長井のこんなに明るい声を聞いたのは初めてだった。
俺「そんなに好きなのかよww」
長井「好き!」
俺は購入を決意した。
そのゲームやりたい気持ちももちろんあったけど、
それ以上に長井ともっと仲良くなりたかった。
長井「ほんと!?」
俺「うん、やりたくなってきた」
長井「買ったら知らせてね」
俺「もちろん。それでお願いっていうのは俺もそのキャンペーンに応募してってこと?」
長井「そうだよ」
俺「オッケー、今すぐ応募する」
長井「ありがと」
なんとグッズ当選者数はたったの3人!
長井がなんで俺に頼んだのか分かった。
一応、応募はしたが・・・当たるかこれ?
俺は奇跡が起こることを願った。
学校で長井にドラゴンファンタジーを買ったことを伝えた。
俺「ドラファン買ったよ」
長井「え!?どう?面白い?」
俺「めっちゃ面白い。雰囲気とか最高やな」
長井「でしょ!音楽もいいからよく聴いてね」
俺「分かったww」
長井「ドラファンは周回プレイも出来るから、初回クリア後かな」
俺「しゃーない、初回は自力で頑張るか」
長井「安藤君にクリア出来るかなー」
俺「俺のゲームテクニックなめんなww」
長井「詰まったらヒントあげる」
俺「おう、頼む」
帰り道ハマーがドラファン貸してと言ってきたが嫌だと断っておいた。
奇跡が起こった。
なんと、なんとドラファングッズに当選したのだ!
今手元にあるグッズが幻じゃないのを何度も確認した。
ってこれは言い過ぎかww
とにかくうれしかった。
なんか長井と運命めいたものまで感じた。
長井とはドラファンを買って以来、
ドラファンのことなどで毎日メールか電話をしてたんだけど、
このことは言わなかった。
明日学校で驚かせるために。
俺が当選グッズを見せると、長井は一瞬固まった。
長井「・・・すごい、当たったんだ」
俺「まあね。はい、あげる」
長井「いいの!?」
俺「いいよ」
長井「ほんとにいいの!?」
俺「いいに決まってんじゃん。そのために俺に頼んだんだろ?」
長井「見せてもらうだけでいいのに」
俺「とにかくあげる」
グッズを長井に手渡した。
長井「あ・・・ありがと!」
俺「どういたしまして」
俺は終始ドヤ顔ww
長井「安藤君大好き!」
はい、いただきました。
今長井に完全に惚れました。
俺「えっ、あっ、おっ、うん」
この時ばかりは動揺を隠せなかったww
授業中、長井からメールが来た。
長井『今度安藤君の家に行っていい?』
俺はドキッとしてななめ後ろの席にいる長井を見た。
すると長井もこっちを向いていた。
口パクで「マジ?」と言うと長井は頷いた。
長井『5日
空いてる?』
俺『だいじょぶ』
長井『ドラファンがどれくらいうまいか見てみたい』
俺『うますぎて腰抜かすぜ』
長井『それはないww』
なんてやりとりをしてると担任に見つかって俺だけ携帯を取り上げられた。
放課後には返してもらったけど。
この日から授業中でも長井とメールするようになった。