1:2011/10/19(水) 23:35:32.52 ID:l4AYQTCX0
暇な奴は時間潰しに読んでくれ。 
もう15年前の話でよかったら。

http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1319034932/
2:2011/10/19(水) 23:36:20.51 ID:l4AYQTCX0
俺が小学校6年生に進級したときの話。 

6年生初日の登校日。 
特にクラス替えもなく見慣れた顔触れで 
「春休み短かったよな〜」とか 
「FFの裏ボス倒したぜ」とか 
いつも通り友達と会話をしてる所で 
教室の扉が開き、先生が入ってきた。 

「あ〜、やっぱりまたふるっち先生かよ〜」 

「うるさい。大体お前らわかってただろ? 
うちは二年ごとに受け持つ学校なんだから」 

「先生の顔見飽きた〜。」 

こんな何気ない会話が教室に響き渡る。 
先生自身も全員去年と同じ顔ぶれなので 
特に気張って挨拶もすることもなく 
「今年もよろしく」程度の挨拶を済ますと 
だらけてた先生の顔が一瞬引き締まる。

4:2011/10/19(水) 23:37:17.93 ID:l4AYQTCX0
「今日から転校生がきたんだ。 
いいか?みんな仲良くしてやれよ〜」 

「わかってるよ〜。席が一個多いもん!男?女?」 

「焦るな。今、紹介する。坂倉〜。入ってこい〜」 

クラスみんなの視線が扉に注がれる。 
横に座ってる山田花子を7〜8発蹴られたような顔したブスは 
「出会いの予感♪」などと、狂おしいほどに 
イカれた言葉を汚い顔面にある肛門から吐いたのを覚えている。 

扉が開き一人の少年が下を向いたまま入ってきた。

7:2011/10/19(水) 23:38:38.37 ID:l4AYQTCX0
髪が無造作というよりかは、むしろぐちゃぐちゃといった表現が近い 
耳まで伸ばした黒髪に、二重でやや釣り上がり気味の目。 
顔は面長で細く引き締まり、やや大人びた顔立ち。 
キツネ顔のホストのような男にクラスの連中は目を奪われる。 

「うわ〜♪」「きゃ〜♪」という黄色い声援というよりかは 
もはやピンクに近い天井に突き抜けるような悲鳴を女子達があげ 
その声を聞いただけで男子数人は既に不愉快そうな顔をしてる。 

普通の転校生だったら自己紹介で 
オロオロ戸惑い上手にしゃべれず 
緊張感を丸出しにするのだがこの坂倉は違った。 

半ばふてくされ気味に「坂倉・・」と告げ 
そのまま少しの間があくが 
二つ目の言葉は彼の口から出てこない。 

先生が「趣味とか特技は?」と聞いても 
「別に・・」と、小さい声でつぶやく。

8:2011/10/19(水) 23:39:45.01 ID:l4AYQTCX0
横に座ってるブス女は「声もかっこいい」などと 
鼻息を荒くし、ノ〜トを広げ 
おもむろに「坂倉 ブス子」と書き 
名字と名前のバランスを心配していた。 

「席どこ?もういいでしょ先生?」と坂倉は告げると 
舌うちしながら席につく。 

俺はこの坂倉の態度が鼻についた。 

バカ女達がイケメンとのロマンスを妄想で繰り広げるには 
もってこいのオカズになりえるルックスだ。 
やや悪ぶった態度がさらにメスの本能を刺激させて 
脳みそをイカれさせ湿らせるには十分。 
いいオカズをもらい、尻尾振って喜ぶ発情期のメス犬共。 

こいつらの声援はどうでもいい。 

俺はこの舐めた態度にランドセルを背負わず 
肩掛けバッグでやってきて 
どこの角度から見ても生意気なこいつをしめる!と 
一人意気込んでいた。 

9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2011/10/19(水) 23:40:08.95 ID:LDFON2rL0
転校したときって 
根暗が明るいキャラに変わるチャンスだよな 
したことないけど
10:2011/10/19(水) 23:40:52.10 ID:l4AYQTCX0
俺は当時クラスで一番喧嘩が強く 
番長的な存在だった。 
発育が早く既に身長が170センチあり 
他はみんな身長は150センチ台ばかり。 
まともに取っ組み合えば体格差ですべて押し切れるので 
俺に喧嘩で勝てる奴はいなかった。 

絶対に負けるはずがない。 
大きな自信を持ち、6年生初登校日ということもあり 
午前中で授業が終わる。 

帰りの会が終わり、帰ろうとする坂倉を 
俺は背中から捕まえた。 

「おい!俺がこのクラスで番を張ってる1だ。 
てめえ挨拶もなしか?」 

今、思い返すと「番を張ってる」などと 
知能指数が低い言葉をかっこいいと思い込み 
最高のキメ顔で言っている当時の自分を思い出すと 
その事実を知るもの全てをこの世から消したくなるが 
まだ6年生だから勘弁していただきたい。 
なんせバイブルがろくでなしブルースだったから・・・

12:2011/10/19(水) 23:42:26.95 ID:l4AYQTCX0
「・・・・・・」 

「あ?返事でき・・ガブッ!!」 

目を合わすよりも言葉を交わすよりも早く 
坂倉は俺の横顔を殴りつけた。 

俺は一瞬何が起こったかわからなかった。 
いきなり殴りかかってくる事など想定していなく 
「あれ?なんかほっぺたいてえな?」と 
理解するのに数秒を要した。 

しかし、頭の中で組み立て殴られた事を理解すると 
「てめええ!こらあああ!」と 
坂倉の髪を掴んで振り回す。 

この髪をつかんで振り回したのまでは 
覚えているが喧嘩の中身はよく覚えていない。 

なんとなく覚えているのは 
とにかく坂倉は防御を一切せず 
俺が殴った上から無理矢理殴りかかってくるという 
狂気じみた喧嘩の仕方をしてきた。 

14:2011/10/19(水) 23:43:18.89 ID:l4AYQTCX0
喧嘩自体は圧倒的な体格差も手伝い 
俺の方が有利に進めていたと思うが 
あまり記憶は定かじゃない。 

ただ途中から一切防御しないで 
何発も顔面に攻撃が入ってふらふらしてるのに 
全く引かずひたすら殴りかかってくるこいつに 
「もう怖いから終わりにしたい・・」と 
思っていたのは覚えている。 

その後、誰かが教室に先生を呼びに行き 
喧嘩を止められて終わった。

15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2011/10/19(水) 23:43:36.33 ID:K6yTR29sO
小学生で150cm台ってそんなにいたか?
16:2011/10/19(水) 23:43:51.76 ID:l4AYQTCX0
俺は職員室へ。坂倉は保健室へ連れて行かれ 
先生に事情聴取を受け 
自分から喧嘩を仕掛けたことを正直に話すと 
マジでたんこぶができたほどの強烈なげんこつをもらい 
保健室行って坂倉に謝ってこい!と、職員室を追い出された。 

「謝んなきゃ・・いけねえのか・・・」 

俺は謝るのが嫌だった。 

自分から喧嘩を売ったんだから自分の方が悪いのはわかる。 
しかし最初の舐めた態度やランドセルじゃなく 
偉そうに肩掛けバッグを持って現れ 
いくら喧嘩売る気で声をかけたからとはいえ 
いきなり殴りかかってきた奴に謝る・・・ 
考えただけでも気に入らない。謝るなんて冗談じゃない。 

俺はそのままランドセルを背負って 
玄関に向かい靴を履いて帰ることにした。 

17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2011/10/19(水) 23:44:14.82 ID:Irq4gojr0
小6くらいなら四捨五入で150くらいだろ
18:2011/10/19(水) 23:45:34.68 ID:l4AYQTCX0
「あ〜、謝んなきゃ親に連絡くるかな〜?」 
なんて内心ちょっとびびりながら靴を出していると 
タッタッタと走ってくる足音が聞こえてきた。 

「やばい!帰ろうとしてるのバレたか?」と 
身を隠そうとしたがここは下駄箱。隠れる場所はない。 

もう怒られる覚悟で足音が聞こえてくる先を見つめていると 
その足音と共に視界に飛び込んできたのは坂倉だった。

19:2011/10/19(水) 23:46:37.99 ID:l4AYQTCX0
「あ・・・・・・・・・」 

「あ・・・・・・・・・」 

お互い目が合い、空気が凍り 
全ての時間が止まったような空間ができる。 

なんでこいつ・・ここに・・・ 

どうする・・謝るべきか? 

頭の中ではいろいろ考えを巡らすも 
なかなか良策が見出せず動けない、 

水道をキチンと締めなかったのか 
ポツポツと滴り落ちる男が聞こえる・・・ 

そんな静寂の中、坂倉が口を開いた。 

20:2011/10/19(水) 23:47:08.77 ID:l4AYQTCX0
「・・・・帰んの?」 

「あ・・ああ・・・先生にお前に謝ってこいって 
怒られて。でも謝りたくねえからこのまま逃げるつもり。」 

「・・・・・・・・・・・・俺も」 

「え?」 

「・・・俺もお前にいきなり殴りかかったんだから 
謝ってこいって言われて・・・・ 
腹立ったから逃げて帰ろうとしたところ・・・」 

「ぷっ・・・・」 

「は・・ははははは」 

空気が緩み、時間が動き出すのを感じた。 
張り詰めていた空気は優しく溶けて 
俺と坂倉を優しく包みこみ、柔らかくなった日差しを浴びながら 
お互い笑いが止まらなくなった。

23:2011/10/19(水) 23:48:57.35 ID:l4AYQTCX0
「んだよ。お前謝れよ!」 

「お前こそ謝れよ!」 

「嫌だね。」 

「俺もごめんだね。」 

「んじゃ一緒に帰ろうぜ。」 

「似たもの同士、一緒に帰るか!」 

どっちも謝らずに仲直りする経験は 
人生でこれが最初であり最後かもしれない。 

俺は坂倉と親友になった。

24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2011/10/19(水) 23:49:13.66 ID:Irq4gojr0
それでそれで?
27:2011/10/19(水) 23:50:51.58 ID:l4AYQTCX0
俺はこの喧嘩以降、ほとんどの行動を坂倉と共にした。 
学校ではもちろん終わってからも毎日のように一緒に遊んだ。 

ただ仲良くなればなるほど不思議な事があった。 

小学校6年生ならばたいがい門限がある。 
俺の家は当時としては若干甘めで 
夕方の6時半だったが 
いつもバイバイするときは 
「俺はもうちょい遊んで帰るわ」と言っていた。 

いくら子供とはいえ、毎回毎回「まだもうちょい遊んで行く」と 
言ってるのはおかしいと気づく。 

しかし一度それについて深く聞こうとしたが 
何度聞いても「遊び足りないだけ」としか返事が返ってこない。 

小学6年生には心配でもそれ以上の事をしてやれない。 
俺は気にはなりつつも 
それ以上は触れずに時を過ごしていた。

28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2011/10/19(水) 23:51:46.95 ID:yp2s+NQYO
いい話じゃねぇか 
THE・青春
30:2011/10/19(水) 23:53:00.78 ID:l4AYQTCX0
ある日、うちの母ちゃんが坂倉を連れて来いという。 
俺は小学5年生まではいろんな友達と 
ゲ〜ムをやって遊んでいたが 
6年生になり急に坂倉ばっかりと遊ぶようになり 
また外にばっか行くようになって 
飯食ってる時も坂倉の話ばかりしてるもんだから 
坂倉に会ってみたい!と騒ぎ出した。 

「なぁ?うちの母ちゃんが会いたいって言ってんだけど 
遊びにこねえ?」 

「え・・?お前の母ちゃんが? 
・・・別にいいけど・・・」 

このとき、少しだけ下に 
うつむきため息をついた気がした・・・ 
こいつの表情を今でも忘れない。

34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2011/10/19(水) 23:54:20.70 ID:Tp2LYqps0
後のインパルスである
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2011/10/19(水) 23:54:45.48 ID:Irq4gojr0
>>34 
やめろwwwwwww
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2011/10/19(水) 23:55:31.92 ID:g8CbZ3KxO
>>34 
それ板倉や
37:2011/10/19(水) 23:55:49.63 ID:l4AYQTCX0
何はともあれ坂倉が来ると知り 
菓子やらジュ〜スを用意して出迎える。 

時間になって坂倉が来ると 
「待ってたわよ〜!」とうちの母ちゃんは 
坂倉に抱きつき「か!勘弁してください!」と 
顔を真っ赤にして坂倉はじたばたしていた。 

その後、母ちゃんを交え3人で話してたんだが 
やっぱり母ちゃんがいると坂倉としゃべりづらい。 

「もういいだろ!出てってくれよ!」と再三説得し 
1時間かけてやっと俺の部屋から出て行った母ちゃん。 

「悪かったな。しゃべりづらかっただろ?」 

「たしかにしゃべりづらかったな。 
でもいい母ちゃんじゃん」 

「そうなのよ。私はいい母親なの♪」 

母ちゃん、屋根をつたって二階の俺の部屋の窓に張り付いてた・・・

38:2011/10/19(水) 23:56:38.09 ID:l4AYQTCX0
今度は窓にカーテンを絞め 
完全防備状態にして俺と坂倉はタバコに火をつけた。 

なんとなく悪ぶっていた俺達は 
タバコを普通に吸うようになっていた。 

「こら!ガキャ〜!てめえらタバコ吸ってんじゃねえ! 
ここ開けろコラァ〜!!」 

母ちゃんはカーテンを絞められて 
帰ったふりをしつつも 
その窓の下に伏せて盗み聞きを続行していた・・・ 
しつこいよ母ちゃん・・・・ 

59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2011/10/20(木) 00:11:17.72 ID:QUtLPYwL0
>>38 
さすがに無理がありすぎてワラタ
40:2011/10/19(水) 23:57:57.02 ID:l4AYQTCX0
「わ・・悪かったよ。今、開けるよ!」 

ガラガラガラ・・・・ 

「てめえ!1!いつも言ってんだろ! 
タバコ吸うなら私の前で吸えって! 
隠れて吸って火事とか起こしたらどうすんだ! 
吸いたきゃ私の前で堂々と吸え!」 

うちの母ちゃんは高校時代は 
それはもう漫画に出てきそうなクソヤンキーで 
覚せい剤以外は全て経験していた。 
高校時代の写真を見せてもらったが 
トータルテンボスのアフロにもう一発サンダーを 
かましたようなバカでかい頭に 
真っ赤な口紅をひき、ロンスカにぺっちゃんこのカバンを抱え 
「押忍」と書かれたマフラーを装着していたほどだ。

42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2011/10/19(水) 23:58:20.38 ID:QkMpdRtH0
小学校で何年留年したんだよ
45:2011/10/19(水) 23:59:48.98 ID:l4AYQTCX0
そんな母ちゃんだから俺がタバコを吸おうと 
酒を飲もうと文句は一切言わなかった。 
ただただ言われたのは「私の前でやれ」 

陰でこそこそ悪さをすると 
焦ってロクな結果にならないってのが 
母ちゃんの持論で 
例えば隠れてタバコ吸ってる→見つかりそうになり 
焦ってどっかに投げ捨てる→火事を起こす」となったら 
取り返しがつかないと。 

だからいつも「何かするなら私の前でやれ」が口癖だった。 

今、思うとホント変わった母ちゃんだったな・・・ 

そんなこんなで坂倉が帰った後に 
母ちゃんと坂倉の事をしゃべっていたが 
母ちゃんが変な事を言い出した。

46:2011/10/20(木) 00:01:11.71 ID:KKhg5spC0
「あの子、イイ子だと思うよ。だけど 
なんていうのかな・・・ 
凄い私の顔色をうかがってたわね」 

「そりゃそうだろ。窓から急に怒鳴りつけて 
タバコ吸うなら私の前で吸え!って言われたら 
顔色も伺いたくなるって。」 

「そうじゃなくて・・・う〜ん・・・ 
とにかくなんか凄い怖がってたように見えた。 
ま、勘違いならいいんだけどね〜」 

母ちゃんの言ってた事はこの後的中してたことを知らされる・・・

48:2011/10/20(木) 00:02:18.29 ID:KKhg5spC0
時はもう少し進み6月。 
6月には6年生で最大と言ってもいいイベントの 
修学旅行が控えていた。 

当時特に好きな子がいたわけでもないが 
「もしかしたら告白されるんじゃねえか?」とか 
バカな脳内シュミレーションを繰り返し 
前日はなかなか寝付けずにいた。 

そして修学旅行当日。 

バスに揺られ、俺達は旅館に着く。 

そして旅館に着くなり 
いきなりハイキングに行くと教師達が言い出す。 

坂倉「どうする?めんどくせえしバっくれる?」 

俺「いや、無理だろ〜。絶対点呼取るし。 
めんどくせえけど行こうぜ〜。」 

女子1・2・3「坂倉君〜!」

50:2011/10/20(木) 00:03:11.49 ID:KKhg5spC0
坂倉「ん?なんか用?」 

女子1「ねぇ?一緒にハイキング歩いて行っていい?」 

坂倉「はぁ?やだよ。俺は1と行くし。」 

女子2「え〜、じゃあ1も一緒でいいからさ〜。」 

俺「おいおいてめえら、なんで俺がオマケみたいになってんだよ?」 

女子3「だって、1ってさ。スポーツできるしおもしろいし悪くはないんだけど・・・顔がね〜・・・」 

女子1「ちょっと!マジ言いすぎだよ〜!ぎゃはははは!」 

女子2「みんなが思ってたこと言っちゃう?」 

女子3「だって。惜しいんだもん。顔さえ良ければ坂倉君並みなのに。顔がイケてなさすぎ!」 

ただしイケメンに限る!という現実は 
小学校時代から確実に存在していたのだ。 
俺はこの事件で深く心に傷を負った・・・

51:2011/10/20(木) 00:04:41.49 ID:KKhg5spC0
俺はタヒぬほど悔しかった。 
そりゃ俺だってもっとかっこよく生まれたかったし 
何も好き好んでナマズみたいな顔に生まれてない。 

運動も喧嘩も俺の方がちょっとだが坂倉より上。 
だが顔面レベルは 坂倉>>>>>>>>>>>>俺=ナマズ 
ぐらいの差があり、女子人気は圧倒的に坂倉が勝っていた。 

俺は思った。 

こ の バ カ 女 達 の 邪 魔 し て や る

52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2011/10/20(木) 00:04:58.03 ID:uMfWn3Lv0
おれのおとんにソックリだな
53:2011/10/20(木) 00:06:11.59 ID:KKhg5spC0
ハイキングが始まり、このクソ女3人組は 
いろいろと坂倉に質問を始める。 

クソ女1「ねぇ?休みの日、坂倉君は何してんの?」 

俺「呼吸してんだよ。当たり前だろボケが。」 

クソバカ女2「ねえねえ?好きな女の子のタイプは?」 

俺「パンツにうんこつけない女だよな。だからお前らは無理だって。」 

ビチグソメス3「彼女とかつくらないの〜?」 

俺「俺が坂倉ならお前らからは選ばねえよ。」 

物凄い低いレベルのガヤだが 
当時は小学6年。これで精いっぱいだった・・・・ 

55:2011/10/20(木) 00:07:17.53 ID:KKhg5spC0
糞×3「超うざいんだけど!1には聞いてないし!少し黙ってくれる?」 

俺「文句あんならてめえらが消えろよ。 
  俺は坂倉とハイキングするって決めてたんだよ!な?」 

坂倉「あ・・ああ・・。ま、1と約束してたし 
   文句あるならおまえらがどっか行ってくれ。悪いな」 

屁×3「マジで言ってんの?ひどい〜! 
    でも・・かっこいいから許しちゃう〜♪」 

坂倉は本当にいいやつだし大好きだけど 
10年以内に刹すリストに入れることにした。 

56:2011/10/20(木) 00:08:44.20 ID:KKhg5spC0
そんなこんなで俺は嫉みパワー全開で 
糞どもの邪魔をし続け、結果的には 
ただでさえ薄かった人気をさらに堕落させるに飽き足らず 
「坂倉君を奪い取る会」なるものが女たちの間に誕生し 
同時に「1討伐隊」も編成され 
あろうことか、クラスで不動の2トップと呼ばれ 
片方は女ながら鼻糞ばかり食い続けるタヒ神顔の女と 
いつもバッタと会話し「飛びたいんだよね。飛びたいんだよね」と 
囁き続けるヤク中のような女を刺客として送り込まれ 
逃げ惑ううちに坂倉とはぐれるという事件も起きた。 

ちなみにタヒ神もヤク中も特に坂倉は好きではなかったらしいが 
「頼まれたから」という理由で俺を暗刹しにきたらしい。 
女の団結力はこれから恐ろしい・・・ 

そんなこんなで修学旅行の時間が進み夜になると 
坂倉の様子が少しおかしくなってきた・・・ 
飯を食い終わったあたりから 
なんか焦ってるような落ち着かないような素振りを見せている。

57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2011/10/20(木) 00:08:58.97 ID:QUtLPYwL0
肩掛けバックワロタ
58:2011/10/20(木) 00:10:15.89 ID:KKhg5spC0
坂倉「・・・・あのさ・・・1」 

俺「ん?どした?」 

坂倉「俺さ、調子悪いから風呂やめておくわ・・」 

俺「え?マジで?どした?大丈夫か?」 

坂倉「う〜ん・・ダメかも・・・ 
   とりあえず先生のとこ行って寝てくるわ」 

と、告げると部屋から出ていき 
先生の所へと坂倉は向かっていった。 

俺は心配しつつも風呂に入り 
帰ってきて30分ぐらいしたら 
坂倉は元気な顔をして部屋に戻ってきた。 

俺「大丈夫か?」 

坂倉「ああ!大丈夫だ。バファリン飲んだら速攻で良くなったわ。 
   やっぱすげえなバファリンは!」 

さっきとはうってかわって急に元気になった坂倉を見て 
安心し、一緒に遊び夜が更けていく・・・・ 

61:2011/10/20(木) 00:12:19.99 ID:KKhg5spC0
俺と坂倉はずっと起きていた。周りはみんな寝静まった深夜2時・・・ 

バッグに隠してきたタバコをすっと取り出す坂倉。 

俺「おまえ・・・しっかり持ってきてたんか!やるじゃん!」 

坂倉「へへへ・・・まあ一服しようぜ。」 

窓を開けると温かい空気が入ってきた。 
時期は梅雨だがこの日は空に満月が輝いていた。 
満月の遥か下で少年二人が灯をあげ 
小さく赤い満月二つを作り、煙をあげる。 

タバコが美味いと思っていたわけじゃない。 
でもどこか大人に近づきたくて早く大人になりたくて 
タバコに手を出していた少年二人が 
少し大人の階段をまたのぼる・・・ 

坂倉「・・・なぁ・・・早く大人になりてえよな・・」 

俺「ああ。そうだな〜。堂々とタバコ吸いてえな〜。」 

坂倉「そうじゃなくてさ。早く働いてさ。自分で金稼いで 
   一人で生きていけるようになりたい・・って思うんだ。」 

正直俺には何を言っているのかわからなかった。

62:2011/10/20(木) 00:13:47.11 ID:KKhg5spC0
俺はただただ大人に憧れていただけで 
一人で金稼いで生きていきたいと思ったことはないし 
そんなことより夜遅くまで堂々と遊びたい!とか 
バイクに乗ってみたい!とかそんな浅い大人像しか頭にはなかった。 

俺「俺はそんなこと考えたことねえな。お前大人だな〜。」 

坂倉「子供だよ。子供だから・・・悔しいんだよ・・」 

いつしか小さく赤く輝いてた満月は 
一つだけが呼吸に合わせ時に強い輝きを放ち 
もう片方は消えそうな光を必タヒにとどめていた。 

坂倉「俺さ・・・俺の親さ・・・ 
親父の方が血が繋がってないんだよ。」 

俺は坂倉の家族の事はほとんど知らなかった。 
聞いても何も教えてくれないし 
家にも呼んでくれない。 
まああんまり言いたくないんだろうな〜くらいにしか 
思っていなかった。 

63:2011/10/20(木) 00:14:43.60 ID:KKhg5spC0
俺「そ・・そうなのか・・・」 

坂倉「俺の親父と母ちゃんさ。俺が小さい時に離婚してさ。 
   んで母ちゃん、2年前に新しい親父を連れてきたんだ。 
   こいつさ・・・ロクでもねえ奴でさ・・・ 
   母ちゃんばっかに働かせて、自分は働かねえんだ。 
   普通男が働いて女が料理したり洗濯したりするだろ? 
   俺からするとそれがおかしくてさ・・・ 
   あるとき言ったんだよ。その親父に「仕事しねえの?」って。」 

俺「・・・・・・・・・・・・・」 

坂倉「そんとき、俺は胸倉つかまれて「誰に物言ってんだ!クソガキ!」って 
   おもいっきりぶん殴られた。鼻血が出て、尋常じゃねえ痛さで泣いた。 
   泣いてるのにまだ殴りかかってくるんだ・・・ 
   あんまり殴られるとさ。目の前が白黒になるんだよ。知ってるか?」 

俺はそんな経験はない・・・・ 
なんて言葉を返したらいいのか戸惑った・・・ 
戸惑いを隠せない俺を見ながら坂倉はまだ話を続けた 

66:2011/10/20(木) 00:16:54.41 ID:KKhg5spC0
坂倉「俺が殴られて、泣いて、また殴られてを30分ぐらい繰り返したのかな・・ 
   最後意識がなくなったからわかんないけど・・・ 
   で、意識が戻ったら母ちゃんがいたんだ。 
   俺は泣きたかった。母ちゃんに助けてほしかった。 
   ちょっと聞いただけでこんな目にあわす親父に怒って欲しかった。 

   母ちゃんは俺に言った。 

   「こ の バ カ!あ の 人 に 謝 れ !」 

もう俺は坂倉が何を言っていたのかわからなかった。 
ただ、あまりにも自分の理解できる範疇を超えた話を聞くと 
体が震えて声がでなくなることをこのとき初めて知った。 

坂倉「俺はその日、親父に無理やり土下座させられた。 
   母ちゃんも土下座してた。 
   親父は「ガキの躾はしっかりするって言ったんだろうが! 
   んな生意気なバカガキならどっかに捨てて来い!と叫んでた。 
   母ちゃんは「ごめんなさい。きちんと躾けるから許して」と 
   泣いて謝っていた。 
   俺はもう体に力が入らなくて、何が起こってるのかわからない・・ 
   ただただ謝らさせられて、やっと許しが出て 
   鏡を見たら、俺の右目が完全にふさがるほど腫れて 
   口から血を流しててびっくりした。 
   それを見て俺は余計に怖くなった。 
   暴力を振るわれたことじゃない。 
   自分の息子がこんなひどいけがをしてるのに 
   土 下 座 さ せ る 事 を 優 先 さ せ た 事 に !」

67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2011/10/20(木) 00:18:29.57 ID:bMFQu3220
僕といっしょのラストみたいになりそう
73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2011/10/20(木) 00:21:34.01 ID:TTg1H46+0
>>67 
あれ地味に鬱ENDだったよな・・・・ 
結局あの三人は吉田家に戻ったんだっけ?
82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2011/10/20(木) 00:27:58.32 ID:bMFQu3220
>>73 
いく夫が床屋のおじさんに帰るって連絡してたよ 
その後の描写がないからわからんけど 
お前がイトキンを殴るな!のシーンは痺れたわ 
ハッピーエンドではないけどバッドエンドでもないと思う

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