始めてスレ立てるから読みづらかったらごめん。
暇なら付き合ってくれ
名前は、なぎさってことにする。
なぎさとは本当に仲良しで、何をするにも一緒だった。
同じ幼稚園に行き、ご飯も砂場で遊ぶのも工作するのも、なんでも一緒だった。
親から聞かされたから、本当にいつも一緒にいたんだと思う。
というか、俺にもその記憶はまぁまぁ残ってる。
まぁ、その頃は遊ぶことぐらいしか考えてなかったから楽しかったんだろうなぁ。
二人とも同じ小学校に進んで、クラスは違っても一緒に下校したり、遊んだりやっぱりいっつも一緒にいた。
四年生ぐらいになると周りの奴が俺たちを見て、夫婦だと言ったり、ラブラブだね!!とかって冷やかしたりしてきた。
その頃から俺は恥ずかしくなって少しだけ距離を置くようになった。
まぁ、誰にでもある男女の違いを感じ始めた年頃ってわけね。
恥ずかしげもなく親の前で口にしていたなぁ。
でも、そんなことがずーっと続くわけもなく
五年生からは俺は男友達とよく遊ぶようになったし、あまりなぎさとは顔をあわせなくなった。
あった時も、おー元気ー?(笑)
みたいな感じだった。
そんな感じで中学校に上がるとなぎさとはさらに話さなくなった。
なんであそこまで喋らなくなったのか?と今更ながら考える。
でも、俺は昔からずっと
なぎさのことが好きだった。
告げる気もなかったので平凡な中学生をして過ごした
中学二年生の時
休み時間に制服のまま、グラウンドでキックベースをして
泥だらけになったから保健室に着替えをもらいにいった。
保健室に入ると、なぎさがいた。
なぎさ:「なーに?その喋り方」
俺:「気にすんな。ってか、どったの?」
なぎさ:「別にー 俺こそ何してんの?」
俺:「下級生に俺の勇姿を見せたら制服が犠牲になった」
なぎさ:「あんた相変わらず馬鹿ねぇ」
俺:「待て、そんなこと言うと泣くぞ」
みたいな会話をしたのを覚えてる。
なんで保健室にいたのかの理由も答えてもらえなかったし。
その時は別に不審とも思わなかったし
なにより俺は早く学校のシャワーを借りたかった。
続き書きます!
ちゃちゃっとシャワーを浴びてから保健室に戻るとなぎさはぼーっと窓からグラウンドを眺めていた。
俺:「運動音痴のお前が外見てどうした」
なぎさ:「殴るよ?」
俺:「すみません!」
みたいなやり取りをして横で一緒に外を眺めてた。
なぎさ:「ねぇ昔は、俺はずっと私と居たよね」
俺:「そうね」
なぎさ:「最近はあんまり二人ではいないよね」
俺:「まぁ冷やかされるしね」
なぎさ:「ほんと、ああいうこと言う奴ら嫌い」
いかにも不満そうな顔をしてた。
中学生にもなって「お前ら結婚すんの?」
とか言われたら誰だって嫌気が差すだろう。
で、なぜか俺だけ保健室の先生に帰らされた。
「戻らんの?」って聞いたら
「めんどい、サボる」って言ってそのままベッドの中に埋まって行った。
俺:「馬鹿に拍車がかかるぞ?」
なぎさ:「帰れ」
と、言われたので教室に戻った。
それから数日が経った時
怪我したんだだったかなんかで保健室に行ったらまたなぎさが居た。
俺:「お前、よくここいるのね」
なぎさ:「まぁね」
みたいな会話をして俺は保健室をでた。
なんか変だなぁとは思ったけどそこまで気にしてなかった。
自分の情けなさに泣けてきます。
それから数週間たった時
家でくつろいでたら、オカンから
「なぎさちゃん、保健室登校なんだってね」と、唐突に言われた。
俺は素で「は?」と答えた。
オカンの話だと
なぎさは中2になってすぐに保健室登校になったらしい。
理由は知らないが教室に行きづらいらしい。
というものだった。
なぎさのお母様本人から聞いたらしいので間違った情報ではないらしい。
「あんた、なんも知らんの?」って聞かれたけどまったくわからなかった。
というより、なんでそんなことになってるのか俺自身の頭がついていかなかった。
俺が着いてから、十分後ぐらいに保健室のドアが開いた。
入ってきたのはなぎさだった。
なぎさ:「あれ?なんで俺がここにいんの?」
俺:「お前、保健室登校なんだってな」
そう言った瞬間、なぎさはちょっとびっくりしてた。
なぎさ:「誰に聞いたの?」
俺:「オカンから聞いた」
「あーそれじゃうちのお母さんが言ったのかぁ」って言ってため息をついてた。
俺:「なんでだ?」
なぎさ:「なんでって、まぁ、いろいろとね、、、」
そう言ったなぎさの表情は苦笑いみたいな感じでいかにも誤魔化そうとしていた。
俺は、理由を話してくれなかったことがショックだった。
話ぶった切ってごめんなさい!
スペック(当時)
俺
身長 165cm 59kg
顔 劣化版高橋大輔
趣味 二次元全般
なぎさ
身長 155ぐらい 体重は知りません(笑)
顔 戸松遥の顔を少しいじった感じ
胸 見た感じBだった気がする
授業が終わって、休み時間。
なぎさの教室に足を運んだ。
教室では女子が数人話しているだけで他の人はみんな外や他の教室に遊びにいってた。
別にこれといった手がかりも掴めず、自分の教室に戻った。
俺の中ではなんでなぎさが保健室登校なのかっていう疑問がずーっと消えなかった。
なぎさの問題を知って以来俺は暇な時間には保健室に行くようになった。
俺:「うるせぇよ。お前に言われたくねぇよ」
なぎさ:「私は別に暇じゃないもん」
俺:「なら授業でたら」
なぎさ:「またそれー? もうそのネタ飽きたぁ」
俺:「現実逃避甚だしいなお前!」
なぎさ:「きーこーえーなーいー!!」
保健室での俺たちにやり取りは小さかった頃みたいな感じだった。
小さいことで笑い、話題なんかいくらでも出てくる。
それが楽しかった。
すいません!少し寝ます!
こんな駄文に暇だったらまた付き合ってください!
自演乙
見てくださるだけありがたいです!
お待たせしました!
続き書きます!
なぎさの保健室登校を知ってから特に何も行動せず、保健室のにいって2人で話をする機会が増えた。
気になるのは気になるが本人が喋らないなら無理に知ろうと思わなかった。
ある日、HRの時間にアンケートが配られた。
アンケート内容は、いじめに感してのことだった。
俺は確か適当に丸をつけて出した。
クラスにいじめなんて無かったし
自分の学校にあるなんて思ってなかった。
そのアンケートが実施されて数日後
用事で職員室に行くと、職員室の隅にある個別指導室の中から罵声が飛んできた
「だから!うちのクラスにいじめはないです!」
たぶんどこかの担任教師が今回のアンケートで、問題になったんだなぁとか思ってた。
そこから出てきたのは、なぎさの担任教師だった。
俺:「あの、、、」
校長:「あぁ、びっくりさせたかな?」
俺:「今の先生って、○組の担任の先生ですよね?」
校長:「そうだよ?」
俺:「あの先生のクラスっていじめ、あるんですか?」
少し困った顔をした校長は
すぐに笑顔になり、君は心配しなくていい。
と言われた。
保健室に滑り込んで、なぎさに詰め寄った。
めっちゃ驚いた顔してた気がする。
俺:「お前のクラス、いじめあるのか?」
なぎさ:「いじめ? なにそれ?」
俺:「へ?」
なぎさ:「私、知らないんだけど」
俺:「うそんっ」
なぎさ:「なに焦ってんの? ばっかみたい」
そう言って、おかしそうに笑われた。
俺はてっきりいじめられているのはなぎさだと思っていた。
否定されて安堵したが、反面少し疑っていた。
なぎさは昔から辛い時も泣くのを我慢するような子だった。
バカ笑いしてるなぎさを見ていたらこっちまでおかしくなって吹き出した。
なぎさ:「あんたは、人の心配する前にテスト勉強でもやってなさいよ」
俺:「やかましっ! 保健室で永眠しとれ!」
そんな風に言い合って、笑って、疲れて。
授業が始まってたので、急いで俺は教室に戻った。
学校中の人気者のやつのところにてこてこと寄って行った。
まぁ、学校に1人や2人いるじゃん?
なんか顔がめっちゃ広い人。
ここでは、変態と名付けましょう。
(行動が変態っぽかったから)
変態:「あれー?俺じゃん? どったのー?」
俺:「いやぁ、相談があって」
変態:「お前が俺に?? ぶはははははは」
なぜか爆笑し始める変態。
俺の顔を見ると絶対に笑い出す奴だった。
変態:「あー、おもしれ(笑) で?なに?」
俺:「お前、○組のいじめがあるっていうの聞いたことない?」
変態:「いやぁ、タイムリーな話題もってくるねぇ」
そういって、また爆笑し始める。
マジでベランダから放り投げたかった。
俺:「お前、つかえねぇな」
変態:「ひでぇwww」
俺:「で、それなんだけと調べてくれん?」
変態:「へ? またどーして?」
俺:「まぁ、ちょっと気になる事があって」
変態:「あー、なぎさちゃんのクラスだもんね」
くっっっっっそウザかった!!
こいつは本当にウザかった!
その通りであることが、すげぇと思った反面
くっっっっっそウザかった!
変態:「おkおk 他ならぬ俺さんの頼みならしゃーない」
俺:「え?マジでいいの?」
変態:「まぁちょっと時間ちょうだいねぇ」
俺:「いつでもいいから適当に教えてくれ」
変態:「まかせ、、、ぶはははははは!!」
今でもぶん殴ろうか考え中である。
この男だけは、マジで、真剣に、本気で!!
普段ヘラヘラしてるんだけど、いざというときに頼りになる奴だった。
変態に頼んでから、三、四日後。
変態:「俺さーん、ほうこーく」
と、放課後に唐突に教室にやってきた。
というか、本当に調べれたのね。
変態:「○組にいじめがあるかどうかだけどまぁ、思いっきりありましたー」
俺:「軽いなお前っ!?」
変態:「いや、あんまりふざけてる場合じゃなさそうなんで」
俺:「?」
変態:「対象者は、なぎさちゃんでした」
正直、かなりショックでした。
やっぱり隠してたのもあるけの、なによりいじめられてるのがなぎさだったことに。
変態:「なぎさちゃんのクラスの女子からあの女には関わんないほうがいいよー☆って」
俺:「・・・」
ショック過ぎて、自分の席で固まって何も言えませんでした。
変態:「さて、どーしましょう?」
変態は相変わらずニコニコしながら聞いてきた。
俺:「なんでそんなに笑ってんだよ!!」
変態の表情にイラっとして
つい、大きな声で怒鳴りました。
変態:「当たり前じゃないっすか。」
すると雰囲気が一変。
変態:「胸糞悪くてしかたねぇですし」
普段温厚な奴が、本気で怒るとこうなるのかってぐらい怖かったです。
変態:「頭悪いことしてるやつは嫌いっすね」
それだけ言うと、教室から出て行った。
俺は急いで、なぎさの教室に行った。
幸い、放課後で結構時間も経ってたのでクラス内には誰もいなかった。
なぎさの席がどこなのか知らなかったので見つけないといけない。
そう思っていたら、一瞬で見つけることができた。
コンパスの針かなんかで机の上は穴だらけのぼっこぼこ。
机の中には、紙くずやらゴミが散乱。
中の一枚を読んでみると。
しね。やらヤリマン!やら胸くそ悪い文章のオンパレード。
呆然とそれを眺めていると前のドアから人が入ってきた。
「あ、あの女の子紐じゃん(笑)」
百合香:「それ、ひどいよねー!」
ニヤニヤしながらこちら側に寄ってきてなぎさの机に持ってたゴミを詰めて教室から出て行こうとした。
今すぐにでもぶん殴ってやろうと思った。
俺:「おい」
百合香:「あ?なに?」
俺:「これ、お前がやったのか?」
百合香:「はぁ? うちだけじゃないしー」
今でも、くっそムカつきます。
まず喋り方が、もう、なんか、あぁぁぁぁぁぁ!ってなる。
百合香:「あ、もしかして怒っちゃってる?」
ケタケタおかしそうに笑って
きっもーとか言ってた気がする。
俺:「お前、そんなことやってて恥ずかしくないの?」
百合香:「は? あんまり変なことばっかいうと先輩にあんたくらわしてもらうよ?」
百合香:「なに正義感振りかざしてんの?キモッ」
もうブチ切れましたね。
殺してろうと思いました。
女一人ぶん殴るぐらい簡単に出来ましたがそれじゃ何の解決にもならない。
俺:「必ず後悔するぞ?」
それでも百合香は笑いながら、
百合香:「あたしの周りはみーんなこのこの知ってるけど絶手ェあの女の味方とかしねぇからー(笑)」
そういって出て行った百合香の後ろ姿をみて単純に殺意を覚えました。
そこから教室を後にして、帰宅。
速攻なぎさに電話しました。
そして見てるぞー
やっぱそういう人がいないとダメですね!
なぎさ:「俺? 電話なんて珍しいね?どしたの?」
俺:「いや、あのさ、お前俺に隠してることない?」
なぎさ:「んー? 特にないよー?」
俺:「嘘だろ」
なぎさ:「なんでそんなに怒ってんの?」
マジでわからないみたいな感じで喋ってくるなぎさにこの時は少しいらっとした
俺:「なんでお前保健室登校なんだ?」
この質問をするのは二回目だった。
なぎさ:「だから、それはちょっといろいろ、、、」
俺:「お前はっ!いじめられてんじゃねぇのか!?」
本当にまぁ、デリカシーのカケラもない。
つーか、そんなん直接言われたら誰でも嫌なことぐらいわかるでしょうに。
でも、この時は頭に血が上ってわからなかったなぁ。
なぎさは黙ってしまった。
まぁ、普通黙るよね!
俺:「なんで、言ってくれなかったの?」
なぎさ:「・・・だって、俺にはバレたくなかったんだもん」
俺:「俺には?なんで?」
なぎさ:「だって、俺は絶対そんなんわかったらどうにかしようとするじゃん」
俺:「当たり前じゃろ」
なぎさ:「・・・俺には私がいじめられてるとか知ってほしくなかった」
ここらへんで多分なぎさは泣き出してしまった。
電話越しに泣いてるのを聞いてると何もできない自分の無力感が半端なかった。
俺:「でも、言ってくれたらなんかでき、、、」
なぎさ:「俺にいじめられっ子って見られることが嫌だったんだもん!!」
だから、そんななぎさを見てるのも聞くのも辛くて俺はとっさに言いました。
俺:「必ずなんとかするから」
なぎさ:「・・・へ?」
泣ながら、ふへっみたいな感じで聞き返されました。
俺:「お前がまた普通に学校に来られるようになんとかするから」
根拠も自身もありませんでしたがなぎさのことを思うといてもたってもいられませんでした。
なぎさ:「・・・ぅぅん いいの」
俺:「何が?」
なぎさ:「もしどうにかなった時、いじめられる対象が他の人になったら私嫌だもん」
グスグス泣きながらそんなことを言ってたと思う。
自分であったいじめの対象が他の人に行くのが嫌だと。
なぎさ:「だから、なにもしなくていいよ」
そういってへへっと笑った。
なぎさ:「俺が私のこと気づいてくれたことだけで頑張れるから」
なぎさ:「だから、大丈夫だよ」
俺:「そんなこと知ったことではありません」
半沢直樹じゃないよ?
本当にいったんだからね?疑わないでね?
なぎさ:「・・ぇ」
俺:「お前なんか勘違いしてるやろ?」
俺:「なんとかするっていうのは、いじめをやめさせるってことよ?」
俺:「そこにお前が偶然いじめられてただけで、誰だろうといじめはやめさせるで?」
内心、大嘘。
なぎさがいじめられてなかったらそんな必死にいじめをどうにかしようとか思わない。
そして、その後、なぎさが笑いだした。
なぎさ:「あはは。相変わらず俺は馬鹿だねぇ」
俺:「なぬ!?」
なぎさ:「昔っからなんか理由つけて私のこと助けようとしてくれる」
俺:「まぁな!」
なぎさ:「ま、してくれるだけで、助かったのはほとんど無いけどねっ!」
俺:「上げて落とすなよ!」
なんかおかしくて笑った。
久しぶりに聞いたなぎさの本当の笑い声はなんか新鮮だった。
なぎさ:「来年は一緒のクラスになりたい」
俺:「まかせろ。ちゃんとクラスに来れるようにしてやる」
なぎさ:「うん まってる」
少し雑談した後電話を切った。
なぎさの前では大見得切ったけど
いざ、どうすればいいのか。
まーったくわかりませんでしたね(笑)
なぎさのことをどうしようか考えていたところに変態がやってきた!
変態:「○組潰しましょー!!」
俺:「物騒やな、お前!」
変態:「いやぁ、まぁあの後もいろいろしらべてみたら主犯格のやつらがわかったんで」
俺:「百合香だろ?」
変態:「おー、さすが! それにプラス紗希と明里と麻衣ですねー」
女子のいじめは陰湿なもんで基本的に固まらないと何もできない。
変態は変態のくせに変態的にモテるのです。
あー、うまやらしぃ!
変態:「そうっすよー」
俺:「えー」
変態:「まぁそこは心配せんでください」
俺:「いじめてるやつと付き合ってるやつと供託すんのは、、、」
変態:「なに言ってんすか。俺と付き合って、やっちゃいけないことをしてるんすよ? それを教えてやるのが彼氏ってもんでしょ?」
不覚にも俺は変態に惚れた。
俺:「惚れた」
変態:「あ、パスで!」
俺:「Σ(゚□゚`)」
そういって、なにやら準備するものがあるからスタコラサッサと帰っていった。
俺はとりあえずなぎさの担任に話を聞こうと職員室に乗り込んだ。
○組の先生に話があるというと、個別指導室に通された。
先生:「それて、話ってなぁに?」
なぎさの担任はまだ新米の若い女教師で誰からも好かれそうな感じでニコニコしていた。
俺は裏がありそうでその先生があんまり好かなかった。
俺:「まぁ、単刀直入でお聞きします。なぎさがいじめられてるのはご存知ですよね?」
先生:「え?」
俺:「しらばっくれんでくださいです。」
それでもお面でも被ってんのかってぐらいニコニコしながら答えてくる。
先生:「うちのクラスにいじめはありませんよ?」
俺:「そんなわけないでしょ。なぎさの机どうなってるかぐらい知ってるでしょ」
先生:「普通の机よ?」
俺:「は?」
俺:「・・・失礼します」
職員室を飛び出し、なぎさの教室へ。
なぎさの机をみると、変えられていた。
他の人同様に普通の机になっていた。
また急いで職員室までもどる。
先生:「どうでしたか?」
俺:「普通でした。でも、昨日までは穴だらけでゴミ突っ込まれてたのに!」
先生:「そんなことはありませんよ? 前からずっとあの通りですよ?」
ここで俺は返す言葉が無くなった。
というか、その先生には何を言っても無駄そうだった。
大人しく職員室を後にしてこれからどうするかを考えた。
といっても、なにも思い浮かばなかった。
帰ろうと昇降棟で靴を履き替えてたら後ろから肩を叩かれた。
なぎさだった。
なぎさ:「大丈夫?」
俺:「いや、なんもしてないぞ、まだ」
なぎさ:「いや、まぁ無理はせんでよ?」
俺:「自分に言っとけ」
なぎさ:「(・3・)」
俺:「その顔うぜぇ!」
久しぶりに登下校を一緒にした。
本当にあの時は楽しかった。
なぎさ:「あ、俺ってさ、好きな人いるの?」
俺:「好きな人? いない」
なぎさ:「えーおもしろくなーい」
俺:「やかましっ! そのうち作るわいね!」
なぎさ:「そん時は報告してねー」
なぎさ:「えーだって気になるじゃん」
俺:「まぁ、できた時ね」
とかなんとか話しながら帰宅。
辛いのを一生懸命我慢して頑張ってるんだなぁと思ったらはやくどうにかしたかった。
変態:「なぎさちゃんを教室へ行かせてー」
俺:「はぃ?」
唐突に変態からの提案。
変態:「いじめってのは本人いないと証拠あんまりでてこないからさぁ」
というわけで、なぎさを教室へ。
行かせようと思ったが、そんなに甘くない!
なぎさ:「いやっ!」
ですよねー。拒否られました。
俺:「どーしても嫌?」
なぎさ:「いやだっ!」
行けというのも辛いのですが変態がどうしても行かせろというのでがんばって説得。
なぎさは何回も拒否したのですが、最終的に根負けして嫌になったら逃げていいという条件で承諾。
それを変態に報告。
変態:「さすが、夫婦と呼ばれるだけありますねー(笑)」
俺:「泣かされてぇのかΣ(゚□゚`)」
変態:「嫌です! とりあえず、これでたぶんいけます」
そして、なぎさが教室へ行く日と被せてそこからどうして行くかを話し合い。
とりあえず、唯一信頼できる俺の元担任のところへ。
俺:「康子ー」
康子:「誰が康子やっ!」
俺:「康子先生でした。 あの、お話があるんですけど」
康子:「あんたがあたしにお話とは珍しい」
俺:「○組にいじめがあるのご存知ですか?」
康子:「え? ごめん、あたしあのクラス担当してないから知らんのんよ」
大雑把に内容を説明する。
で、これからの予定を伝える。
俺:「ってことやるんですけど可能ですか?」
康子:「それあたしがやるの?」
俺:「ダメですか?」
康子:「ううん。任せなさい」
先生は笑顔で引き受けてくれた。
この先生だけは本当に熱心に生徒に働きかけてくれていた。
本当にいい人でした。
俺:「俺ですか?」
康子:「好きな子のために頑張るのはいいけどね」
好きな子。
夫婦とかは言われたことあるけど
好きな子と、言われたのは初めてだった。
俺:「やっぱり俺好きなんだと思いますか?」
康子:「違うの?」
俺:「さー、どーでしょ」
たぶん、俺はずっとなぎさのことが好きだったんだなぁと納得したのはこの時でした。
すいません!
軽く寝てました!
また夜再開します!
レスくれた人本当にありがとうです!
生活リズムがぐっだぐだなのでこの時間から再開します!
待ってくれてる人がいたことに感動です!
口調がイタいのは俺の人間性です(笑)
なぎさを教室にいかせる日になり
その時は確か、三時間目のお昼休み前の時間。
実際どんな風にいじめられてるのか、それを知るために授業をサボりベランダからなぎさの教室をこっそり覗いていました。
(うちの学校は、ベランダに境がなく全て繋がっているタイプでした。)
授業が始まる少し前になぎさが教室に。
それを見たクラスメイト達は一瞬時が止まったように固まりました。
しかし、すぐに百合香がなぎさに向かって
「あれぇ、なんか来たんだけどー(笑)」
みたいな感じでなぎさにふっかけました。
マジであの女をぶっ殺そう!
と、思いましたが、ここで出て行っては何の意味もないと、我慢。
必死に嫌なことに耐え、居心地の悪い場所にとどまり続けることは本当にキツいことなんだと心の中でずっと謝り続けました。
やがて授業が始まりました。
最初、見ているうちは特に何事もなかったのですが、開始十分後ぐらいから異変に気付きました。
なぎさが教科書を一ページも開かないのです。
ずっと机の上を凝視し、ほとんど動かない。
ノートも開きませんでした。
その時の担当の先生は国語の教師であり、同時になぎさの担任でもありました。
その先生は、文章を席順で読ませて行くシステムをとっており、なぎさの番に。
先生:「なぎささん、続きお願いします」
指名され、こちらには聞き取れない声で
たぶん、はぃ。と言って教科書を開きました。
窓から見えた教科書は、ページ丸々、黒のマジックで塗りつぶされていました。
なぎさ:「読めません、、、」
と言ったようで先生は、
先生:「ちゃんと教科書は持ってきましょうね」
とかわけのわからないことを言っていた。
見れば、教科書を持ってきていることぐらいわかる。
なのに、それを気にする様子もなく次の人へ。
本当に腹が立ちました。
グルになっていたほかの三人もなぎさのことを見て、笑っていました。
なぎさの泣きそうな表情をみていると胸が締め付けられて吐きそうでした。
授業の間じゅう、百合香達はなぎさに消しカスを投げたり、紙くずに暴言を書き、なぎさに回したりしていました。
乱入したい気持ちを必死に抑えて、最後まで授業を見ていました。
それを追って、俺はベランダからなぎさのところへ行きました。
なぎさは学校裏の小さな花壇のところへ座り込んでいました。
それを見つけて、俺は近づきました。
なぎさ:「あはは、やっぱりキツイね」
俺:「・・・」
その表情が痛々しすぎて何も言えませんでした。
なぎさ:「私って、そんなに嫌なことしたのかな?」
なぎさ:「私、なんでいじめられてるのかな?」
そう言って、ついに泣き出してしまいました。
なぎさの泣く姿を見たのは幼い頃ぶりのことで俺はどうしていいかわからず、突っ立っていました。
自分がいかに無力か。
なぎさ:「もう嫌だよ・・・」
自分がいかに恵まれているか。
なぎさ:「・・・もう・・・・・・死にたいよ」
だからもう、抱きしめることしかできませんでした。
思いっきり抱きしめて、震えているなぎさを止めようとすることしかできませんでした。
俺の腕の中で、小さく震えながら嗚咽を漏らす渚の姿を見て、本当に泣きたくなりました。
俺:「ごめんな。 辛かったよな」
俺:「嫌だったよな」
泣き続けるなぎさは、俺の背中を必死に掴んで胸に顔をうずめて泣いているのを必死に隠そうとしていました。
俺:「いままで、辛かったよな」
俺:「耐えてくれてありがとう。 もう大丈夫だから」
俺:「だから、泣かないで」
そっと頭に手を乗せました。
涙でいっぱい濡れているなぎさの顔は今でもはっきりと覚えています。
なぎさ:「・・・っ!」
すぐに顔が歪み、また泣きそうになりました。
だから、思いっきり引き寄せてキスしました。
唇は涙で濡れていて、少ししょっぱかったです。
なぎさもビックリしたようで、背中に回していた手がビクッと硬直しました。
なぎさの唇から自分の唇を離した瞬間。
「いい雰囲気のところすんませーん」
変態:「いやぁ、いいもの見せてもらいました」
のちに聞いた話だと、俺のいきなりのキスにビックリしたのではなく
上を向いたら背後にいた変態にビックリしたのだそう。なぎさ談。
変態UZEEEEEEEEEEE!!
変態:「俺さん、いちゃつくのは後でいくらでもやってください」
俺:「・・・」
変態:「そんな不機嫌な顔せんで、さっさと終わらしてしまいましょうよー」
俺:「そうですねっ!」
なぎさの頭を軽く撫でてから立ち上がる。
変態:「こっちの準備はできました」
俺:「は? こっち?」
変態:「そうです。 理由もなくなぎさちゃんを動物園の檻の中につっこますわけないですやん」
なにをしていたのか俺はまったく知りませんでした。
変態:「まぁ、いじめがどれだけいけないことがわからせてやりますよ」
ただ純粋に、恐ろしい子だった。
変態:「まぁ、とりあえずは校長から行きましょうか」
俺:「えらい軽々しくいいますね」
変態:「まぁ、校長はたぶん知ってると思いますけどね」
スタスタと歩いていく変態についていく。
ちなみになぎさは保健室に送り届けてきた。
俺:「俺のファーストキスを・・・」
変態:「男のファーストキスなんてゴミの価値にもなりませんよー」
俺:「お前、それ俺に対するいじめだからな?」
変態:「なに言ってすか! いじめじゃなく罵倒です」
俺:「よし喧嘩だ」
そんなくだらんやりとりをやってる間に校長室到着・・・
変態:「失礼しまーす」
変態:「どもです!」
校長:「私に何か用事ですか?」
変態:「簡単に申しますと、○組のいじめの事です」
この瞬間、校長の顔がハッとした。
変態:「ご存知ですよね?」
ここで、校長ら身を乗り出してきた。
校長:「いじめがあるとは聞いていました。しかし、担任が無いと言い張るのでどうにか動こうとは考えていたのですが」
変態:「本来ならもう少し早く動いていただきたかったですね」
この変態、ずいぶんと上からである。
変態はバックからノートパソコンを取り出すとその場で立ち上げ、画面を校長の方へ。
変態:「○組の授業風景です。 もちろんなぎささんには出席してもらいました」
そこにはさっきの教室での出来事が写っていた。
画面的に教室の左後ろの上から撮ったものだった。
俺:「まて、いつ仕掛けた?」
変態:「まぁちょろっと入ってちょろっと仕掛けました」
俺:「まったく説明になってないんだが?」
変態:「そんなことはどうでもよろし!」
その間も校長は画面を食い入るように見つめていた。
ただひたすらに、真剣な表情で。
重要な場所をピックアップした動画を見せ変態はノートパソコンを閉じた。
変態:「以上が○組のいじめの現状です」
校長:「・・・」
変態:「こちらからどうこう言うつもりはありません。あとは校長ご自身にお任せします」
俺は黙ってそれに続く。
変態:「俺さん、思った以上になにもしませんね」
俺:「お前の考えてることを全て話せっ! お前の行動予測とか普通できねぇんだよ!」
変態:「まだ俺さんの出番じゃないですからね。モブキャラでも仕方ないですね」
俺:「いちいち俺を蔑むのやめてくんない?!」
変態:「さて、次行きますよー」
続いて向かったのは、康子先生のところ。
まぁ、この人にはちょっとしたお願いがあったので。
同じように動画を見せてから、軽く現状報告。
変態:「ってな感じなんでお任せしますね」
康子:「・・・ごめんね」
俺と変態は二人で黙って康子先生を見た。
とても悲しそうな顔をしていた。
康子:「こういうのは私たち教師が動かないといけないのに」
俺:「動いてもらいますよ?」
康子:「そうね。今は解決することだけを考えるわ!」
そう言って、ももをパンっと叩いてこっちを見据えてくる。
康子:「ええ、任せなさい!」
それだけ伝え終わると職員室をでた。
変態:「さて、作戦その二も終わりましたし、最後の方の大詰めは明日にしますか!」
俺:「そうね」
もう授業が始まる時間だったのでそのままの足で変態は自身の教室に帰って行った。
俺はなぎさが心配だったので保健室へ。
保健室へ行くと先生が「なぎささん?」と聞いてきたので頷くとカーテンで仕切られたベッドを指差した。
「泣きながら寝ちゃったわ」と言って優しく微笑んでいた。
カーテンを開けて中に入るとなぎさは枕をぎゅっと握ってまだ涙の残る目元で、寝ていた。
時々フルフルと震えていたけど寒いのか、怖かったのかわからなかった。
なんだかとても愛おしくなってなぎさの頭をそっと撫で続けた。
撫で続けていると、不意にキュッとさっきまで枕を掴んでいた手で俺の手を握っていました。
手の位置を変えて、掴みやすいようにしてやると軽くにぎにぎしてきたので、こっちもにぎにぎし返してやりました。
少しするとスーッという寝息が聞こえてきた。
いっぱい辛いことに向かって行ったからずっと怖かったし、疲れたんだなぁと思いしばらくの間握り続けていました。
保健室の先生も見て無ぬふりをしてくれ
その時間はなぎさの隣で過ごしました。
こいつだけは、助けてやろうと心から思いました。