170:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)08:01:18 ID:NxZVmT20u
目が覚めた。もう周囲は明るくなっていた。
子の感じ的にS子は来ていないだろう。

オレは昨日夢の中で怒男に言われた事を思い出し、カバンを確認した。

http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1406618076/
170:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)08:01:18 ID:NxZVmT20u
オレ「……!」
今でも胸がバクッ!て音を立てたのを覚えている。
てか、アレが胸が飛び出しそうになるとか言う状態なのだろうか。

オレ「S子って……なんなんだよ……」
カバンの中を確認したオレは思わず声に出したと思う。

数 珠 は 粉 々 に な っ て い た 。

ゴムではない、糸で纏められた数珠だったが、その紐だけを残し、数珠は粉々だった。
カバンの中がすさまじくお香の香りが充満していた。

何処かにぶつけた記憶も、そうなる様な事をした覚えもない。

……S子の仕業なのだろう。
これは意図的な物かどうか……今日は、結構強く聞くしかなさそうだ。

171:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)08:07:50 ID:NxZVmT20u
家で遅い朝食を食べていると、S子の気配がした。
急いで食べ終え、門を確認すると、やはりいた。

肩まで伸びた髪の毛、学生服を着た、黒ストッキングで、ナイスボディな女の子が。
キョロキョロと背伸びしながらこちらを覗き込んでいた。
そして俺の顔を見つけると「ニコッ」と笑い手を振ってきた。

何ちゅうかわいい子なんだぁああああああああああああああああ、と俺の心は暴走しかけた。

オレは直にしたくをし「出かけてくる」と祖父と祖母に言う。

祖父と祖母は「ああ……気を付けてね、警察の厄介になるなよ」と言った。

外に出て、一言目はS子の方だった。

S子「あれ、オレさん……今日はなんか近寄りやすい」

オレの第二の危機は、この日に訪れた。

172:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)08:32:01 ID:NxZVmT20u
その日は、少し遠出した。
家から遠いところにある植物園にである。

幼い頃から、なんでこういう所を作ったんだ?と何度も疑問に思いながら、数度訪れた事がある場所だ。
お祭りでしか見ない様な屋台や、当園で作ったキュウリ棒が自慢らしい(詳しくは今も知らない。)

避暑地には最適で土日は無料である。
その為か、DQNやホームレス、少しの親子ずれがいたが、それでも広すぎる園内。

人気が無い所など沢山あった。……主に日当たりだったが。

173:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)08:55:41 ID:NxZVmT20u
S子「オレさんどうしたのですか、元気ないですよ(´・ω・`?)」
オレ「オレ、あ、いや!そんな事はないよ!(・∀・;)」
S子「この時期は暑いみたいだし……」
オレ「え……だだ、大丈夫だよ!デブだし痩せるしちょうどいいよ!(・∀・!)」

S子「……やっぱり私のせいですか?」
オレ「え?」
S子「昨日考えていたのですけど……やっぱり、私が居ると変なこと起きていますよね?」
オレ「……まぁ」

あんなに朝意気込んでいたくせに、S子の方からそれを察して聞かれてしまった。
S子の顔は真剣だった、あんなにかわいい子が、今はジッと見て来ている。

オレ「……S子が初めて、俺の家に来た時のことは話したよね?」
S子「はい」
オレ「ラップ音って言う怪奇現象と、黒い水たまりがーって」
S子「……うん(`;ω;´)」
少しS子が泣きそうな顔をしていたが真剣に聞いてきたので、俺は構わず続けた。
こう言うのがモテない理由だろうな。

174:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)08:59:04 ID:NxZVmT20u
オレ「実はそれだけじゃないんだ……」
S子が俺の肩に掴まると腕に異常が出ること、
親父の親父が使っていた数珠が砕け散っていたこと、
怒男から聞いた話(多分守護霊と説明して)。

S子「ごめんなさい……、ごめんなさい(´;ω;`)」
S子は只管謝りだした。

恐らく俺の胸が苦しかったのは、S子のチカラとは別の理由だろう。

オレ「S子さん……(・∀・;)」
S子「ごめんなさい……昨日も私のせいでお巡りさんに捕まっちゃうし……」

この時、風も吹いていないのに植物園の木々が激しく揺れていた。
どこかのDQNが「え?え!?なに!?マヤの大予言!?」とか騒いでいたと思う。

それぐらい揺れてた。なお、地面などは揺れていない。

176:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)09:04:40 ID:NxZVmT20u
オレ「だだだ、大丈夫だよ!掴まってないよ!注意されただけだよ!」
S子「でも……でも……(;∀;)」

オレ「でもじゃない!本当に大丈夫だから!」
適当に励まそうと頑張る俺。
ただ、女心を読めないオレ。

S子「本当のことを言ってよッッッ!!!!!!」

木々『 ガサガサガサ!ガタガタガタ!ガッタン!』

ちょーーーーーーーーー、木が揺れた。

オレ( ゚д゚)ポカーン

そりゃ、蒼い葉がボトトッて落ちてくれるぐらい揺れた。
失礼ながら俺は死を覚悟した。

S子「……うう(´;ω;`)ごめん」
オレ「へ、平気だよ……ただ落ち着いて……お願い、俺も悪かったよ」

177:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)09:08:59 ID:NxZVmT20u
俺は、すぐに2ちゃんねるの怖い話だか何かで読んだ、悪霊化した話を思い出した。

きっと負の感情を与えては駄目だ。きっとそうだ。

とにかく、この状態を何とかしないと、俺のみも、S子もいたたまれない!!
てか木がすっごい!なにこれすっごい!
S子もそんな悲しそうな顔しないで!こっちを向いて!うわあああああああああ!

頭に過るのは、ネトゲで俺らをまとめ上げる、あのカリスマスターの姿。

オレ「……オレの話を聞いてください」

そう……、 社長の真似 を始めたのだ。

179:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)09:18:00 ID:NxZVmT20u
S子「は、はい……」
S子は急に大人しくなった。そして俺の顔を泣き顔で真剣に見つめる。

オレ(社長、社長……アンタの切り出し文句、すげーっすよ――ッ!(;^ω^)ロリコン言ってごめんな!)
そんな風に社長の凄さを再確認しながら、S子に話した。

オレ「S子さんは、別に……そうしたくてしている訳じゃないでしょ?」
S子「うん……殆どそうだよ……」
オレ「ほんど……って言うと、意識して出来ることはあるの?」
そうだ、社長は聞く所は相手の心容赦なく聞いてくる。
こういう感じが良い。

S子「そう言う訳じゃないけど……昨日のおまわりさんの時は……」

聞くと、警察官の時は「オレさん助けなきゃ!」と必死に頑張ったら、ああいう事が出来たらしい。

オレ「……ってことはね」

オレ「つまり、それ以外の、家のラップ音や水たまりや、腕の変化や、数珠など。
 君はまったく意図しないでやっているって事じゃん、それって悪いことなのかな?」

S子「(´;ω;`)でも私、迷惑じゃ……」

オレ「オレの話を聞いて。
 俺は思うんだけど、そうなってるなーって気が付けてるだけで偉いと思うよ。
 たしかに治せれば凄く良いけど、治らないなら仕方がない。

 いつか治れるようになれば、いいじゃないかな。急ぐことでもないよ」

S子「……はい(´^ω^`)」

180:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)09:25:37 ID:NxZVmT20u
S子が笑ってくれた、いや、泣いていたけど。
でも、素敵でかわいい笑顔だった。

オレ「……うし、気分転換に歩こうか」
S子「は、はい……!」

その時、一応周囲を確認する。
DQNが馬鹿騒ぎしているだけど、こっちの異変や、コッチが原因だとは思ってなさそうだ。

オレ「うし、行きますか」
S子「は、はい……」

俺は励ますつもりで園内を見て回った。

この歳になってから見まわる植物園は少し小さく感じた。
あの飽き飽きと見ていた花も「綺麗だなー」とか思える様になって、不思議な感覚だった。

何より、となりに女の子がいるのが、もの凄く………………ものすっごく、良かった(´∀`*)
そうとしか言えなかった。

しかも、可愛いんだよ。

花を見てて「あ、花だー」とか、指さして「鳥がいるー」とか、
もっと近くで見たいとか言って、柵をすり抜けて見に行っちゃったりとか。

オレ「……(^ω^)うん、かわいい」
S子「近くで見たら、そうでもなかった……あははw」
オレ「wwww」
S子「色分からないけど、綺麗な花なんだろうねーw」

オレ「すごくきれいな花だよ」
それ以上に、君の方がとか、なんだとか、DT拗らせて、
脳内床ばんばん叩いて、顔真っ赤ッかになっちゃってて。

もう、わああああああああああ(^ω^)

落 ち 着 け オ レ 。

181:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)09:37:48 ID:NxZVmT20u
落ち着いた。

結構時間を潰し、ゆっくりと花壇ゾーンを歩いていたときだ。

名前は分からないけど、色とりどりの花が咲いていた。
説明には四季ごとの花が咲くように出来ているらしい。

S子「オレさん、私って怖いですか?」
オレ「……怖くないって言えばウソになるよ」
S子「そうですか……」
オレ「でも、こうして話しているのは楽しいよ(・∀・)」

全部本当の気持ち。てか、怖いって気持ちはあんまりない。
怖い事が起これば怖いって思うのが普通だし、それ以外の時は「幸せ~ふにゃ~」って俺は思ってた。

S子「オレさんって、本当にやさしいですね」
オレ「え、そ、そうかな……」

口元がモニャモニャした。

S子がそれを指摘してイタズラに笑ってくる。

老婆「あら、仲が良いのねェ~」

そんな状態の時に、 突 然 の 老 婆 (しかも、S子見えてる。

オレ・S子「「え?」」

老婆「あれ、今の子はどこに……?」
80ぐらいの見事な婆様だ、そう言えばお年寄りをよく見かける。

オレ「な、なんのことですかーw」
そう言うが、S子は俺の後ろに隠れていた。
え、何で隠れるんだろう。すごくかわいいだけど、

老婆「はて……?」
その後老婆に、花の話をつき合わされ、時間が1時間ぐらい過ぎた。

なんであんなに花の話長いんだろう。

S子はその間、俺の近くの花や屋台を見て回っていた。

182:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)09:42:45 ID:NxZVmT20u
オレは、花が詳しいと思い、老婆に聞いてみた。

オレ「●●にあった青い?白い?みたいな花ってなんですかね」
先ほど、S子が見に行った花だ。

老婆「水辺にあったやつかい?(・~・?)」
オレ「そう、それです!」

この老婆が植物園マスターか。

老婆「そりゃ、スイレンだね(・∀・)」
オレ「ほうほう……」
老婆「その花が好きなのかい?」
オレ「はい」
老婆「言い花だよ。花言葉は『純粋』だったかの」

183:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)09:55:22 ID:NxZVmT20u
老婆の息子たちが迎えに来て、連れて帰って行った。

S子「……長かったね」
オレ「お年寄りはね……w」

む、なんかいじけてないか?

S子「そうですか……」
オレ「ところで、なんで隠れたの?」
S子「匂いが……」
オレ「え、匂いは分かるの……?」

S子「違うの、あのね……昨日オレさんに会ったときもしていたんだけど、
 すごく薬みたいな、線香かな?、そんな感じの匂いがしてたの。

 その匂いがする人は、前々から近寄りづらくて……。
 近寄ると押し返されるみたいな感じがしたの」

オレは服の匂いを嗅ぐ。
……うん、オッサンな匂いだ。

S子「ただ、今日はオレさんから匂いはしないし、凄く近寄りやすいよ!」
ニッと愛想笑いでS子は言った。

オレ「本当に?」
S子「……少ししているけど、昨日ほどじゃ」
オレ「なんなんだろう……」

察するに数珠のことだろう。凄い匂いしてたし。

S子「でも、昨日帰る頃には匂いはしなくなってたよ!」
あ、多分その時だ、砕けたの。

そう思いながら俺は言わずにコーラを飲んでいた。

184:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)10:02:48 ID:NxZVmT20u
その後は、適当に遅いお昼を食べ、適当に雑談した。
今日のお題は、日頃何をしているかーだった。

バイトがある時以外は、ネトゲー漬けのオレだ。
それでもS子は「知らない人と遊べるってすごいよ!」と、何故か励まし気味にほめられた。

S子「やっぱオレさんは、そう言う人なんですよ……w」
フフッと、笑うS子は凄い可愛い……。

オレ「S子さんは?」
S子「うーん……、いつもボーッとしてたかな」
オレ「時間の感覚って……?」
S子「そうだね……特に感じないかな?」
オレ「そっか、不便だねー……」

S子「……でも。」
S子が小声で言う。

S子「オレさんを待ってるときは長く感じるなー」
照れくさそうにS子は言う。
チラッと俺の顔を見て、目線をそらす。

あかん、オレ、オレの胸よ、鼓動よ、息子様よ、鎮まりたまえ。
俺は動揺し、興奮し、何も言えず、

S子をガン見してしまったorz

S子「へっ……wなんですかw」
オレ「いやいやいやいや、なんでもないw」

――――そこで本日の危機が訪れた。

185:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)10:12:32 ID:NxZVmT20u
S子「なんなんですかー(`・ω・´)」
オレ「い、いやいや……w」

S子「オレさんおもしろーいw(・∀・)」
オレ「は、ははは……ww」
チラッと、目線を下に提げる。

S子の魅力的なスカートと、そのスカートから伸びる黒ストッキングの足を見る。
ふっくらとした健康的な太もも、ただふと過ぎずスラッと綺麗なラインを描く足。

股の所に手を置き、モジモジとしているその仕草(やましい事してないよ)

にしても、本当に綺麗な足だ。
ストッキングのしたの足も、肌の様に白く綺麗なんだろう……。

S子「もー!オレさん何見ているんですかっww(´∀`*)」
顔は照れ臭そうに笑っていたよ。
俺も笑いながら「へへっ」って思っていた。

恥ずかしがるように、S子が左手で俺の右肩を押した。

正確には、右肩をS子の左手がすり抜け、背中へ流れたのだが。

オレ「えっ( ゚д゚ )」

途 端 、 視 界 が 暗 転 し た 。

186:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)10:15:52 ID:NxZVmT20u
右肩に強烈に重いドロッとしたような、
ズズッと車で100キロ以上出した時のGが掛かっているような、

妙な感覚が右肩を襲った。

暗転する視界が空を映し出す。

ボーッとオレが眺めていると、係員らしき人が走って来て何か声を上げてる。

その横でS子が「オレさん!オレさん!」って叫んでいた。

オレは地面に吸い寄せられるかの様に肩を持って行かれ、
起き上がりたくとも力が入らず、声も出ず。

オレ(これ金縛り?)
多分違う。
押さえつけられると言うより、そこに体の感覚が無いのだ。

S子「オレさん!オレさん!」
オレ「は、ははは……(´∀`;)」
俺は妙に冷静に、ただS子の顔を見て元気が出る様に笑う。

係員は容赦なくバケツの水を俺にかける。
溺れかける。

――気が付けば、病院に居た。

親父「起きたか!」
親父が俯いてて、俺が目を開けた時「(゚∀゚)」と嬉しそうな顔をした。
ああ、迷惑かけたんだなーって申し訳なく思った。

S子「……(´;ω;`)」
その横に、S子が泣きそうな顔で少し浮いて立っていた。(10cmぐらい)
ちょっと怖かった。

187:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)10:18:56 ID:NxZVmT20u
切の良い所で、休憩するよ。

188:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)10:51:37 ID:NxZVmT20u
再開する。

お医者様がきて「熱中症でしょう」と言われた。
園の人たちで応急処置し、救急車で運ばれてったそうだ。

医者「熱も下がり、汗も出てるし安心でしょう」
そう言うと、医者は出て行った。

親父は、恐らくS子と会っているからだと、言いたそうなことを沢山言って来た。
少し頭に来たが、親心で行っていると思うと、何も言えなかく、ただ黙って聞いた。

その後ろにS子が居たが、S子は怒るよりも、申し訳なさそうな顔で俺を見ていた。

親父「●●(親戚)に電話した、すぐに北海道に行くぞ」
オレまさかの東北旅行決定。
拒否権はなさそうだった、ちなみに確認したのか数珠のことを知ってた。

オレ「……ちなみに、その子が今そこに居るんだけど」
親父のバッと、驚いた顔を今でもよく覚えてる。
同時に、凄く怒っている様な、怖い顔をしていた。

親父「……どこに居る?」
オレ「もういないよ」
嘘だけど、ほどなくしてS子は親父の顔を見ると廊下へ出て行った。
小さくだけど、頭を下げていたと思う。

病院の方は点滴が終わったら家に帰っていいと、言われた。
親父とオレは先生に頭を下げた。

その日S子に会うことはなかった。

189:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)10:55:57 ID:NxZVmT20u
家に帰宅してから、親父は「明日詳しく話す」と言うと自室に入って行った。
久しぶりに本当に怒ってる親父を見たと思う。

部屋の中からは、親戚に電話しているだろう親父の声がしていたが、
盗み聞きする訳でもなく、俺も自室へと戻っていった。

ベットに横になり、S子を考えた。

怒ってるだろうか、なんで庇ってあげられなかったのか。
気に病んでいないだろうか、どこかで泣いていないだろうか。

なにより「もう会えないのかな」と思うと、自然と涙が出てきた。
すごく苦しかった。

そんな気持ちを紛らす為に、俺はパソコンへと向かった。

190:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)11:03:05 ID:NxZVmT20u
専門「オレさーーーんwwwwwwこんばんわーwwwww」
専門は謎テンションだった。
後に知ったけど、その日は専門の誕生日だったらしい。

二ト「うっせーな、ガキ」
社長「まあまあ、二人とも^^:」
速攻でニトがツッコミを入れ、社長が宥めていた。

オレ「いやー、ちょっと病院に行ってまして」
専門「あれ?もしかして熱中症ですかー?」
専門は意外に勘が鋭い奴だった。
どうでも良い事を結構鋭く当ててくるタイプ。

オレ「……そうなんだけど」
専門「あー、幽霊絡みもありそうですねー……詳しく教えてくださいよ、旦那~」
オレ((# ゚Д゚)うぜぇ……!!)
ぶっちゃけ主っきり机を蹴飛ばしてた。
それを聞えたのか専門の口調は大人しくなった。

社長「……なにがあったか、話してくれるかな?」
ニト「そうだぞー、相談ぐらい乗ってやるよ」
専門「そうですよ、教えてください」

オレ「実は……」
今日あったことを話した。

夢の中の守護霊のこと、数珠のこと、植物園言ったこと、
最初のS子のチカラ、花を見たこと、S子に叩かれてからおかしくなったこと

ニト「が、ガチすぎるわ……w」と苦笑いしていた。
専門は唸りながら何かを考えていたようだ。いや、言いづらかったのかもしれない。

俺が少し頼りにしていた社長は一言。

社長「親父さんの言う通りにしなさい。」とだけ、言った。

191:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)11:09:07 ID:NxZVmT20u
専門「でも、憑かれてる訳じゃないし、オレさんの話的には悪い霊じゃないんじゃないですか?(・∀・)」

ニト「とは言っても、除霊できるならするべきじゃないか?(‘A`)」

社長「私もそう思う。同時に、今回病院に運ばれるような事態になったのだから、真剣に考えなさい(`・ω・´)」

オレ「ですよね……(ヽ’ω`)」

専門「ただ、思うのですが――」

専門の言葉に全員が集中する。

専門「オレさんに、祓う意思がなきゃ失敗しませんか?(・∀・)」

ニト(‘A`)「は?オレは祓う気あるんだろ?」
長(・ω・)「そうだよね、オレ君?」

オレ「…………実は、一緒に居たいと思ってる」
ようやく、俺は”S子とどうなりたいか”を初めて口にした瞬間だった。

192:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)11:15:39 ID:NxZVmT20u
ニトが「ばかじゃねーの?」と速攻だった。

ニト「身体的に影響出てて、ご家族さんも心配してくれてるんだぞ。
 お前はもう少し自分を大切に考えたらどうなんだ?
 それに俺だってテメーの相談に乗ってやってたんだぞ。

 確かに幽霊と仲良くなってるお前とか思い浮かべたら面白かったけどよ、
 お前の身体が駄目になるようなら、俺は其処まで望んじゃいねーよ。

 てか、お前お祓いしろよ、メンドクセー奴だな。それだけだろ?

 それにな、お前がそう感情を抱いている相手は”幽霊”だからな。
 お前や俺が住んでる世界じゃねーんだよ、ボケ。
 二次元に恋する系のオタク野郎か、気持ちワーナ。いや、お前の場合はもっとヒデーよ
 何お前はその子の為に死ねるの?死んで会いに行けるの?

 もっと自分が味わった状況を考えろよks」

DQN口調で、ニトは俺をまくし立てた。

社長「ニト君、少し黙れるか?(#^ω^)」
苛立った声で社長は言う。

ニト「え、ああ?」
社長「ニト君は優しいから、そう言うのかもしれないが」
ニト「きれいごとですよ、綺麗事」
社長「……そうだな、ただ言っちゃいけない事も言ったから気を付けろ」
ニト「うっせーな、昔から口は悪いだよ」

社長「 黙 れ 話 を 聞 け 」
ニト「 嫌 だ 、 糞 社 長 」

193:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)11:26:05 ID:NxZVmT20u
何故かバトルが始まっていた。

ニトに口のきき方を直せと、社長が怒鳴り。
ニトはお前の態度が偉そうだ、と社長を怒鳴り。

専門と俺は何も言えず、いや、止めようと苦笑いしてたけど、二人の闘いは凄かった。
ニトの音割れ怒鳴りボイスは凄かった。

専門「お前ら本当に煩いwwww何熱くなってるんだよwwww」
そこに油を注ぐかのように登場したのは、専門の爆笑した声だった。

専門「喧嘩するなよwwwwww」
社長「……ふむ」
ニト「んだ(゚Д゚#)ゴラァァァァァァァァァァァァア!!」

専門「貴方たちが喧嘩して決めた所で、無駄って分からないのですか?」
社長「ふむふむ……」
ニト「ああ゛《゚Д゚#》ゴラァァァァァァァァァァァァア!!」

専門「もうオレさんは、この話をこの会議チャットに持ち込まないでください。」

専門が、あのウザイ性格ながら、怒鳴りはするがニトも認めている長所を発揮していた。

『決断と切り捨』てが、何より早いのである。

300m掛かった装備も使おうとか考えず、速攻転用し、壊れても「ははは、壊れた」で済ませれる人なのだ。

チーム内でも揉め事があり、専門が仲裁に入るが。
ニトや、俺、骨顔さんが、マスターや他の役所持ちが来るまで待ちましょうと言う中、良くも悪くも一人で解決しようとする。

凄い場合はマスターに許可なく、メンバーを追放するようなこともする。

仲良こよしチームで唯一、残虐無比な性格している一面を持つのだ。
なお、チーム内で一番怖がられて居ると思う。揉めると面倒だし、ウザイし。

194:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)11:30:09 ID:NxZVmT20u
専門「もう一度いいますよ?」

専門「もうオレさんは、この話をこの会議チャットに持ち込まないでください。」

こう言う、言い方をしなければ、間違いなく専門のオレの中での株は上がっていた。

結局、ニトも社長も落ち着きを取り戻し、互いに「さっきは」と謝り合ってた。
なお、専門がヤバイぐらい、社長とニトに怒られてた。

専門「……誰か怒れる人が居てよかったですね(#・∀・)d」

ニト「うんだと《゚Д゚》ゴラァァァァァァァァァァァァア!!」

やはり、専門……お前、惜しいよ……本当におしい……。

社長「今回はすまなかった。とりあえず、相談は個別チャットで受けるよ」
ニト「はぁはぁ……そうだな。まあ、祓ってもらって来い」
専門「俺には個別に話を教えてほしいなー」

ニト「もう怒る気も失せたわ……(# ゚Д゚)はぁはぁ」

195:名無しさん@おーぷん2014/07/31(木)11:30:14 ID:Hwvgbf7er
ニートのニートたる所以がわかった感じだな

196:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)11:35:30 ID:NxZVmT20u
専門が個別チャットで、こう言って来た。

専門『多分、俺さん、S子さんのこと好きになってますよ(・∀・)ニヤニヤ』

オレ『ウンな訳ww(*^ω^)』

専門『好きだと、怖い物も、酷い物も、許せるんですよ♪(・∀・)』

オレ『……そうなの?』

専門『ただ……幽霊じゃなければねー、お祓いは免れませんよ。
 でも、どうしても……って言うなら止めません。』

専門『で す が 、 彼 女 の 幸 せ を 考 え て あ げ て 。』

専門『もっともお祓いが、彼女の幸せな気もしないけど。』

何となく、俺の頭の中に深く突き刺さった。

197:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)11:37:10 ID:NxZVmT20u
その後、なんでそう思えるのか専門はこう言い締めくくった。

専門「俺も彼女にはそう言う感情を抱くので」

何故か、とても説得力を失った。

お前女ったらしだろうが……
ちなみにチーム内のリアル女が何故か専門を好きらしい。
何故こういう奴がモテるのだろうか。

198:名無しさん@おーぷん2014/07/31(木)11:40:52 ID:Hwvgbf7er
>>197

どうしようもないクズ男好きな女多いよね・・

うちの職場に恩を仇で返しまくるクズ野郎がいるんだけど、同じ職場の人妻と不倫して、更に独身の女とも付き合ってるわ。

そういう男とつきあう女もろくでもないのしかおらんから、お互いクズ同士引き付けあうのかも。

199:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)11:49:00 ID:NxZVmT20u
S子に出会って5日目。

その日の夢は、怒男も呆れた様に「(´Д`)ハァ…」と言う顔をしていた。
なんでそう言う顔をしているかは、直に分かった。

ただ、今日の場面は怒男が門の前に立ち、「あれあれ(´Д`)ハァ…」と指さしていた。

バッと、目が覚める。
頭にピリッと電気が走る。

そ の 日 、 S 子 は 家 の 前 で 体 育 座 り  し て い た 。

足を寄せ、膝にデコを当てて、太ももの下に手を回し。
俯いていて髪の毛が顔を隠している。ただ泣いているように見えた。

S子は、我が家の門に背中を向けて座っている。

朝5時頃だったと思う。俺は迷わず外へ飛び出した。

200:名無しさん@おーぷん2014/07/31(木)11:53:53 ID:RktC84i1h
デリヘル呼ぶとこまで読んだ

202:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)11:54:59 ID:NxZVmT20u
S子「オレさん(´・ω・`)」
オレ「(・∀・)!」

S子「(´・ω・`).;:…(´・ω…:.;::..(´・;::: .:.;: 」

S子は俺の顔を見ると、どこかにすーっと消えて行った。
歩くように道路を歩き出して、消えて行った。
いや、本当に空気に溶け込む下の様に薄くなって消えて行ったんだよね。

オレは酷く悲しい気持ちになった。

ただ、こんな朝から叫ぶにも、叫ぶにしても相手は幽霊だ……。

俺は自身の声を抑え込み、家へ戻るしかなかった。

204:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)12:01:45 ID:NxZVmT20u
朝、親父と遭遇。

親父「その子でも来てたのか?」
オレ「うん……」
親父「参ったな……憑りつかれてるじゃないか」
オレ「それは無いと思う」
とは言うも、親父は聞く耳を持たなかった。

そして、北海道へ向かう話になった。

親父「オレはついていけない。だから、お前だけ行って来い」
予定は来週らしい。
それまで出来るだけS子には近づかず、家の中で大人しくして居ろと言われた。

バイトが来週から始まるはずだったが、急きょ延長してもらった。
夏休みに調子こいてオーナーと俺で学生を雇いまくったのが幸いして、かなり長く貰えた。

205:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)12:06:06 ID:NxZVmT20u
で も さ 。
俺 が 我 慢 で き る わ け が 無  か っ た 。

今すぐにもS子に会いたかった。

それも分っていただろう、親父は、親戚たちは、俺にあることを隠していた。

206:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)12:08:14 ID:NxZVmT20u
昼飯食べてくるわー

>>201
オカルトな話だし、ありきたりな話だ。>>1でも言ったけど。
で大体分かる人は分かると思うよ、オチは。

207:フロンガス◆KeXH31ItRuOi2014/07/31(木)12:08:37 ID:rEcU4RdYv
なかなかいいよ、続けて続けて

208:名無しさん@おーぷん2014/07/31(木)12:11:22 ID:Hwvgbf7er
勘のいい俺の予想するオチは、

1の婆ちゃんが爺ちゃんに邪王炎殺黒龍波を放って大団円やと思う。

209:名無しさん@おーぷん2014/07/31(木)12:16:46 ID:q8KyCGkL1
>>208甘いな
>>1の100パーセントの力を見くびるな

210:名無しさん@おーぷん2014/07/31(木)12:20:21 ID:Hwvgbf7er
>>209
そして、S子はよく見たら戸愚呂兄だった

211:名無しさん@おーぷん2014/07/31(木)15:28:31 ID:YgbwFNBV8
S子の妄想で抜いたりしねーの?

212:名無しさん@おーぷん2014/07/31(木)16:24:29 ID:izvIXBnUE
イチ失踪かな。

213:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)16:32:35 ID:NxZVmT20u
すまん、体調崩したみたいで頭が痛い。
怠さもやばい。
もう少しよくなったら続き話します。

>>208-210
黒龍波じゃないけど、こないだ祖母が黒スイカを祖父に投げつけてた。破ッ!

>>211
そりゃ……ねぇ……。
この先見ていれば分かるよ。

>>212
どうも怠い+頭痛い……。

214:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)18:09:15 ID:NxZVmT20u
>>204の続き。

その日は、家から出ずに只管ネトゲしていた。気が付けば午後8か9時だった。
まあ、いつものことだ。

ネトゲはしていたが、その頭の中ではS子のことばかり考えていた。

一体なぜ、家の前に居たのか。
何で何も言わずに消えたのか。
オレはS子になって言って上がればいいのか。

まだ短い間でしか会ったことないけど、あの笑っていたS子の顔を思い出すと、凄く愛しいと言うのかな、
今すぐにでも会いたい!って変な気持ちになった。

ニトとオレと他メンバーで高難易度()なクエストをやっていた。
ただ、ニトが俺の異変に気が付いたらしく。

ニト『どうしたんだ、死に過ぎだぞksが(´・ω・`)』
まさかの暴言に俺は面を喰らったが、微かに元気になった。

オレ『S子が居なくなっちゃったのかもしれない』
ニト『そりゃ、良かったんじゃないのか?』
オレ『どうなんだろう……よくは無いと思うんだ』

ニト『それは、また…メンドクさ(´・ω・`)』
オレ『S子に会いたいよ……』

ニト『俺の考えは、やっぱりS子と関わるのは反対だわ』

オレ『うん……』

ニト『ただ、実行するのはオレじゃないし、オレは正直どうでもいい』

ニト『……もういいや、お前が好きにやりたいようにやれば?』

冷たい突き離すような言い方だったけど、オレは目覚めた。

215:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)18:16:30 ID:NxZVmT20u
オレ「翌日会いに行こう。見つけよう……」
俺は強く決意多。

その夜は、社長から個別でチャットが来ていた。
本格的にお祓いを勧めてきのである。

ただ、家の方でお祓いすることになったと伝えると、良かったと笑っていた。
もちろん、明日、S子を探しに行くとは言っていない。
言えば、迷惑や面倒事になると思ったからだ。

専門は、その日は会議チャットの方に顔は出さなかった。
ニトや社長とは距離を置いて、他メンバーとクエストに出かけていた。
たぶん、昨日事があってだと思う。

ちなみに、ニトも社長も、専門には個別で謝ることにしたらしい。
専門の態度や言い方には腹立たしいが、そうなるのも無理が無い、と言うのが社長の見解だった。
ニトは、「まあ形だけでもー、一応チームメンバーだしー」と謎のデレを見せていた。
たぶん社長がニトをおだてて、ついでに謝ることを勧めたのだと思う。

専門の方も、オレに『謝んなきゃ駄目かな?』と相談してきた。
俺は『その方が良い』とだけ言った。
専門からは『(´・ω・`)』の返答以外、何も来なかった。

そんなこともあって、俺は何だかチームに居るもの辛くなり、いつもより大分早く(とは言っても、ここ最近は早かったけど)
ログアウトし、眠りについた。

216:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)18:22:49 ID:NxZVmT20u
あんまり話す事がないから、早く進むよ。

翌日、図書館に行くなど、適当な理由で外に出た。
S子と出会った交差点、図書館、公園、川……長い間探したが見つからなかった。

その夜、親父には「会いに行ってないよな?」と問いただされた。
オレ「うん」とだけ答えた。

親父はジーっと見ていたが、直に表情を変え「●●に行ったらこれ買ってきてくれー」と来週の話が始まった。

どうやら親戚一同はヤル気十二分で、
同時に8年ぶりぐらいに来るオレを歓迎する準備を進めているらしい。
内心少し楽しみだった。

217:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)18:28:56 ID:NxZVmT20u
その次の日も、次の日も、街中を適当に散歩していたが会うことはなかった。
怒男が一度出てきたのだが、何を話したか本当に覚えてない。
ネトゲの方も、勝手に考え込みログインしなくなっていた。

S子に会って9日目、S子が消えて4日目。

三日後、新幹線と船を利用して北海道へ向かうことになった。
それを朝告げられ、俺はボーっと聞き、日課になってしまっていたS子探しに出かけた。

初めてS子に会った場所、いない。
図書館……いない。公園……いない。川……いない。

もう会えないのかな、と思い始めた。
と言うか、これでお祓いして効果はあるのか?とさえ思い出していた時だ。

頭に電気が走る様な、直感を感じた。

――町の商店街をゆらーゆらーっと、灰色の視界で歩いている誰か。
俺は直に分かった。

これはS子の視界だ。S子は商店街に居る!と。

218:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)18:32:48 ID:NxZVmT20u
川から商店街まで、そんなに遠くはなかった。
自転車を立ちこぎし5分程度の距離だ。

商店街のコンビニと時計が見えたから、恐らくこの辺り……。
と思いながら、周囲を見渡すがS子の姿は見えない。

俺は必死に考え、S子のあの動きが何処へ向かっていたのか、を考えた。

オレ(この方向で進むなら、図書館か?)
何度も確認したし、何度も見た場所。
いやいや、もう一度確認しに行こう。S子居る筈だ!

無駄に変な自信と興奮を抱きながら、俺は図書館へ向かった。

219:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)18:37:13 ID:NxZVmT20u
図書館について。

若干、係員の人とは顔見知りになっていた。
……と言うより、印象に残っていたのだろう。
それもそうだ、本も読まずキョロキョロと辺りを見渡しただけで出て行くオレだ。

俺は息を整えながら図書館内を探索した。
ただ、一向に見つけることはできなかった。

―― そ し て 、 俺 は あ る 奇 行 に 出 る こ と に し た 。

220:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)18:44:35 ID:NxZVmT20u
オレ「どこに居るんだよ!出て来いよ!《゚Д゚#》ゴラァァァァァァァァァァァァア!!」
周囲(´・ω・`!?) (!?・∀・) (‘A`!?) ( ゚д゚ !?)

周囲の痛い視線が俺に突き刺さる。
ただ、俺は構わず叫んだ。

オレ「別に気にしてないから!出て来てくれない方が気にするから!」
恥を忍んで叫んだ。
駆けつける警備員や係員の足音を聞き、( ゚д゚)ハッ!として冷静さを保った。

係員「どどどd、どうしたのですか( ゚д゚ )」
警備「騒いでるんじゃないぞ!」
オレ「……(´;ω;`)」

気が付いたら俺は泣いていた。
それに気が付いたのか係員がポケットテッシュを差し出した。

周囲に人が集まりだして、大学生みたいなやつがニヤニヤしながらスマホを向けた。
それを警備員が「何、撮影しようとしているんだ《゚Д゚#》ゴラァァァァァァァァァァァァア!!」と超絶怒鳴り声をあげてた。
ササッて、カメラ向けてた若者が逃げてった。

てか警備員メッチャ顔怖いの。
安岡力也みたいな顔で体格180ぐらいあった。

222:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)18:55:32 ID:NxZVmT20u
なんか貸出カウンターの裏みたいな、学校の図書室のような事務室へ案内された。

警備員の人が半分強引に俺の首元を掴みながら、こいっと連れてかれた。
内臓売られるかと思った。

事務所の応接室に入る、オレ・係員・安岡。
高そうなソファーとガラスのテーブル、あと周囲になにかの証と写真が飾られてる「ザ・応接室!」っという感じの部屋だった。

近くにある棚から紅茶を取りだし、「何を飲みますかー?」と係員のお姉さんが優しく尋ねる。

リプトンのアップルティーをお願いした、図々しかったかもしれない。
安岡は「コーヒーで」と、お前も飲むのかって心の中でツッコミを入れた。

安岡はコーヒーを飲みながら、オレを睨んでいた。
超恐かった。懐にドス入っててもおかしくない顔をしている。

てか、よく見ると日焼けしていたが、額になんか切られた(?)みたいな傷跡あった。

一方で係員のお姉さんは「落ち着きましたか^^」と笑顔で話しかけてくれた。
ちなみに係員の人は眼鏡をかけたベッキーみたいな顔してた。美人さんの分類だと思う。

223:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)18:58:32 ID:NxZVmT20u
やたらと安岡が俺に茶菓子を勧めてくる状況で、説教がはじまった。
お前クッキー好き過ぎるだろ。

係員「ここは公共の場ですので……」から、「●●な行為はご遠慮願ってます―」とか。
普通に、あたりまえな、当然なことを怒られた。
その後、何かをプリンターから印刷し、謝罪書?なのかな、

簡単に書くと『今後このような行為はしません』と言う契約書を書いた。最悪出入り禁止と書かれていた。

安岡の方はコーヒー5杯目に突入していた。
ちなみに「そうだぞ」とか、「こないだもホームレスが」とか、小さく相槌入れながらこの話に乗ってた。

224:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)19:06:26 ID:NxZVmT20u
係員「……ふぅ、まあオレさんは最近よく来てますよねーw」
オレ「え、あはい!」
突然言われて、俺は動揺した。

安岡「そうなのか?勉強か?」オラッオラッ
何故かニヤニヤとうより、ニカニカした笑みでオレを小突く安岡。
てか、アンタ最初オレの目に座ってただろ。いつ横来た。

係員「でも直に何か探して出てっちゃいますけど、お探しの本とかあるのですか?」
オレ「あ、それは……」

流石に「幽霊を探しています」とは言えず。

オレ「人を探していて……」
安岡「人?女か?」オラッオラッ、ニカッ

オレ「ええ、あ、はい……」
係員「あらあら(・∀・*)」

安岡「どんな子だ?」
オレ「えーっと、肩まで髪の毛があって、セーラー服姿の、高校生ぐらいの女の子です」

安岡と係員の顔が「へ?」と曇った。
たしかにパッと聞くと、不信極まりない発言だった。

安岡「まさか、間違ったことしている訳じゃねーよな?(# ゚Д゚)」
オレ「そそs、それはありません!」
安岡「本当だな?……にしてもこの時期にセーラー服か……私立高校か……」ブツブツ

係員「うーん……少なくとも今日は見てないわね……」
安岡「プライベートなことを聞くが、その子とはどういう関係なんだ?」オラッオラッ

225:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)19:10:09 ID:NxZVmT20u
半分、安岡に押され気味に、いつぞやかの「自供するしかねーぞ」な空気になりながら話した。

オレ「こないだ、ここでその子と会いまして……
 それで……仲良くなって……向こうから会いに来てくれたりとかして……」

オレ「適当にお話しとかして、植物園行ったりとかして……、
 別にやましいことしてないですよ!」

ハッと気が付いた。

係員・警備員(・∀・)(`・ω・´)ニヤニヤ

こ、こいつら……楽しんでやがる…………ッ!!!!

226:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)19:18:07 ID:NxZVmT20u
安岡「でもなんで、その子は消えちまったんだ?」
ズキッとしながらも、答えた。

オレ「植物園で熱中症にかかっちゃいまして……それを気にしているみたいで」
係員「あー、私のせいとか思っちゃった感じかな?」
安岡「思う物か?お前の体調管理が悪いんだろ」

うーん……、彼女のチカラが原因だから……いや、でも……。

係員「今の子は、結構自分のせいだ!って抱え込むんですよー
 うーん……そうだねぇ。
 一番はやっぱりその子と会って話をするしかないよね」

安岡「そうだな……ただ、今日みてーなことは駄目だ。迷惑だ」

その後、安岡に今日は家に帰れと入口まで送られた。
係員さんは「お幸せにー」と小さく手を振って見送ってくれた。

※次レスでご飯行きます。

227:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)19:21:24 ID:NxZVmT20u
最後、安岡から。
安岡「……男なら女の一人二人、めそめそするな」
オレ「……。」
安岡「ただ、女の一人二人、大切にも出来ない奴より、お前は良い奴だ」バンバンッと背中を叩く。

ちょっと惚れた。
無駄に夕日がバックにそう言う安岡はカッコよかった。

安岡「もう暴れるなよ!がんばれ、坊主!(゚Д゚”)明日があるさ!」オラッオラッ
オレのようなオッサンを坊主とは……

てか台詞イケメンすぎるだろ……。

この人なにものだよ……。

俺は奇行を反省しながら、家へ向かい自転車を勧めた。

そして、この日の奇行が報われるのは、意外な形でやってきたのである。

それもその日のうちに。

228:名無しさん@おーぷん2014/07/31(木)19:26:46 ID:izvIXBnUE
飯行ってんじゃねーぞ!!!
オラオラっ

なんかお前の人生充実しているな。
てか安岡ワロタ、テルマエロマエの人でしょ?

229:名無しさん@おーぷん2014/07/31(木)20:26:37 ID:4066L6vbY
やっと追いついた!
久々の良スレ

230:名無しさん@おーぷん2014/07/31(木)20:57:41 ID:tn00BBXEQ
1が来るまで、みんなで般若心経唱えて待ってようぜ!

231:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)21:41:21 ID:NxZVmT20u
ただいまー

>>228
このスレ厳しい人大杉……ww

テルマエロマエ見てないから分からないや(´・ω・`)

>>229
こんな長い文読んでくれてありがとうございます。
そう言ってくれると嬉しい。

>>230
なんでや!

232:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)21:54:29 ID:NxZVmT20u
>>227の続き。

オレ「( ゚д゚)」
家について俺は驚いて声が出なかった。

家の前に居るその子に、オレは目が釘付けになった。

その人は「……オレさん」と、小さな声で言う。

泣きそうな顔をしながらも、強い表情で、オレを見つめていた。

オレも似たような表情でその子を見ていたと思う。

オレ「( ;д;)ぇ、え……?」

肩まで伸びた艶のある髪に、綺麗な肌。

適度に膨らんだ胸と、スラッとした身体。

セーラー服に、膝上程度のスカート、そこから延びる黒ストッキングの足。

S子「オレさん……(´・ω・`)」
オレ「S子さん(;∀;)」

S子が居た。
二日ぶり(大体三日ぶりかな?)に見たS子はやっぱり可愛かった。

233:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)21:59:28 ID:NxZVmT20u
そこからはあまりよく覚えてないけど、凄いきょどってたww
DT拗らせまくってたww

S子も「え!?え、なに!?(・∀・;)」って感じになっていた。

オレは小躍りしながら、S子に近寄る。
やっぱりS子は何処から見ても可愛い子だった。
オレが、見間違えるわけが無い。

S子「近寄らないでッッッ!!!!!!」
その体の何処に、そんな大きな声がさせる力があるのだろう。
いや、もしかしたら霊的な物だったのかもしれない。

オレ「Σ(・∀・;)」
S子の声が俺の頭の中に響く。

木々 ガサガサガサガサッ!!!
同 時 に 激 し く 揺 れ る 家 付 近 の 木 々 。

それをハッとした表情でS子は見て、また泣きそうになっていた。

234:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)22:01:51 ID:NxZVmT20u
S子「……私が近くに居ると、オレさんに迷惑掛かる」
オレ「え、そんな事は……(・∀・;)」

S子「嘘言わないでいいですよっ……」
オレ「……ごめん」

S子「謝らないでも良いです……、私が悪いです……」
オレ「……そうか。」

俺の頭のなかで、社長が呟く『聞いてあげろ』と。
俺は再びの社長モードに突入した。

235:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)22:13:44 ID:NxZVmT20u
S子「ずっと考えていたんです。

 どうして、私は変なことを貴方にしてしまったのか。
 でも、貴方も言ってたけど『意図してやってない』から、どうすればいいか分かんないです。

 貴方は『いつか治れるようになれば』って言いましたけど、それじゃダメなんです。
 今すぐ治せなきゃ、貴方の傍にいることはできません。」

S子から、オレのことを「貴方」って呼ばれる度に、胸がギスギスした。
直にでも励ましの言葉を言いたかったが、社長モードの俺は黙って聞く事にした。

S子「それにオレさんから離れている間にある程度試したんです。
 でも、やっぱり何もできませんでした。

 それに腹が立って、悲しくなって、どうすればいいか分からなくなって……」

ここ等辺からS子が過呼吸気味になっていた、
俺はそれを見るのが辛かったが、見ることを選んだ。

S子「そしたら、今みたいに木が揺れたんです。強く」

S子はグッと顔に手を当てた。
……泣いていた。

S子「――これじゃ、またオレさんに迷惑かけちゃう……っ!!!!」
また木が揺れた。

今度は怖くなかった、
それ所か、寧ろS子にすごく集中していて気にもしなかった。

S子「あの日、オレさんを叩いた時、変な感触がしたんです。
 もの凄く嫌な感触でした。ブニョブニョの生肉を触ったかのような感触でした。

 その時、”駄目”ってすごく強く感じたんです。
 だから慌てて手を引いたけど、間に合いませんでした。

 そしたら……オレさんが、オレさんが……」

S子は早口でそう言い、泣いている。
それに合わせる様に周囲の物がカタカタと揺れている。

236:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)22:19:21 ID:NxZVmT20u
オレは意を決して声をかけた。
ただ、言葉選びを間違えた。

オレ「だ、大丈夫だよ……!」
社長モードが切れてしまってたのか、いや、適当な上っ面だけの言葉をかけてしまった。
たぶん、それが間違っていた。嘘はついてないけど、間違った。

S子「大丈夫じゃない!!この変なチカラをどうにかしないと傍にいれないの!!!!!」
S子は怒鳴り、俺を睨みつけていた。
その途端、体が動かなくなった。

金縛りだろう。それ所か、締め付けられてるような、嫌な空気が辺りに立ち込めている様な気がした。

生ぬるい空気が俺を包み込んでいると言うべきだろうか、

植物園の熱帯雨林ゾーンの中の湿度高めのような空間だ。

S子「適当な言葉を言わないでよ!!!!私は……私は……」
そう言いながらS子は頭に手を当てて、過呼吸になって、暴走していた。

237:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)22:25:20 ID:NxZVmT20u
S子「本当に嬉しかったんだよ。

 オレさんに会えて、オレさんが話しかけて来てくれて。
 オレさんは優しいし、どんな状況でも明るい言葉をかけてくれた。
 楽しい話もしてくれた。でも……それなのに、私は……!

 オレさんに酷いことをしてしまった……!!それが許せないの……!!嫌なの!!!

 分ってよ!!!!!!!!!!!!!!」

意識が飛ぶんじゃないかと言うほど、強い衝撃を頭に受けた。
いや、物理的な衝撃じゃないけど、ガクンッとなる様な。
そんな摩訶不思議な衝撃だった。

ただ、それを受けてから、俺は”変なモノ”が見えた。

S子の周りを黒いモヤが包み込んでいる、そんな感じの様子が見えた。

S子は気が付いていないのだろうが、そのモヤはしっかりと足に纏わりついている。

オレは本能的に察した。このままじゃ、S子が危ないと。

238:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)22:35:10 ID:NxZVmT20u
ただ、どうしようもできない。

それも本当だった。

だんだん泣き声が大きくなるにつれ、S子の周囲のモヤは濃くなっていく。

オレは、それをどうにかしたかった。何となくフーフーしていた。
意味はもちろんなかった。

それに、だんだんと身体を縛り付けるチカラが強くなってきている様な気がした。
意識も飛ぶんじゃないかと言う衝撃も、度々飛んできている。

S子、元気になってほしい。笑ってほしい。
そんなに泣かないでほしい。またお話ししよう、とか、心の中で凄い念じた。

S子は「オレさんに、オレさんに……っ!」
どうしようもできないだろう。

下手したら俺は、これで死ぬのだろうか?死因は心臓発作かな?熱中症かな?テクノブレイクはないよな?

ネトゲもう少しやりたかったなー、次のアプデどうなるのかなー。
社長やニトや専門に謝りたいなー、そう言うのも全部やれなくなるのかなー。

ネットで馬鹿なスレみたいな、SSの続きみたいな、あのラノベの続きどうなるんだろう。

オレは思った。

そ れ で も 良 い 。 S 子 を を ど う に か し た い 。

??「オレ君、コッチだッ!!!」
俺の後ろから若い声が聞えた。

そ の 願 い は 通 じ た の だ 。

240:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)22:38:25 ID:NxZVmT20u
親父は、オレがS子に会うことを想定していた。

止めても会いに行くなーっと親心ながら分っていたらしい。

それで親父と同じように上京した”ある人”を呼んでいたのだ。

親戚からもそうするように頼まれていたその人は、俺も”よく知る人”だった。

オレ「あれ……?」
本当に突然だった。

後ろから、誰かが俺の名前を呼んだ。

その途端、身体がフッと軽くなったんだ。

声がした方を振り向いた。

――北海道に行くたびに、よく遊んだ”従兄”だった。

242:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)22:50:26 ID:NxZVmT20u
従兄「今だ、こっちに来なさい!オレ君!!」
久しぶりに見る従兄は手にうちわのような、妙な道具を持って、オレをの方に叫んでいた。

歳は俺より上だが、たしか医者になる為に、東京の医大に入学したとは聞いていた。

イケメンで、元バスケ全国大会出場者で、医学生、背はもちろん高い。
運動神経がよく、ヘルプでバレーの大会にも出ていたと聞く。

俺とは住む世界が別の人間だ。
短大で文系、とは言えFランを卒業したオレと比べれば、明らかに優秀な人だ。

そんなのは別としても、東京に近いとは言え、ここに来ているとは思わなかった。

従兄「はやく!!早くコッチにきなさい!!!!」
従兄は必至に怒鳴る様に俺に行っている。
うちわを俺へ向け、鈴(?)みたいな金具を鳴らしていた。

ワゴン車のドアが開いていて、そこから、祖父や祖母が手招きしていた。

オレは、久しぶりに会う従兄や、この窮地を救ってくれる状況に感謝しながらも。

従兄「えッ!?」

力がみなぎった。
不思議とやましい感じじゃないけど、滾った。
従兄や祖父祖母には申し訳ないなーって、思った。

でもしょうがないよ。気が付いたら

S 子 の 方 へ 走 っ て た 。 
迷う暇もなかった

243:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)22:51:21 ID:NxZVmT20u
S 子 は と て も 驚 い た 顔 を し て い た 。

可愛かった(´∀`*)

いいよ、可愛いから許すよ。許せるよ。

お願いだから元のS子に戻って、またお話ししよう、S子は優しい子だし、良い子だって、オレ知ってるよ。

ヤンデレ化してたと思う。
頭の中で何回も「S子」連呼してた。

もう頭の中本当に。

S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子
S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子
S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子S子。

と言う具合だった。変態だった。

それでもいい。死んでもいい。

これが覚悟を決めると言うことなのだろうか。
妙に冷静で、妙に時間が無く感じれて、妙に幸福感に溢れていた。

俺は、家の前で泣きじゃくるS子へ一直線だった。

245:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)22:56:48 ID:NxZVmT20u
S子「来ないで!」ってありがちなセリフを叫んでた。

オレは「いいねー萌えるねー(´∀`*)」と声には出さないが、変態モードで突撃した。

S子は、何回も「来るな来るな!!」って叫んでいた。

うん、たしかに、そう嫌がるたびに、俺の身体に、もの凄く重いぬるい塊が張り付いた気がした。

ガクッと、意識が後ろに飛ばされると言うのだろうか、
先ほどとはくらべものにならないほどの衝撃を受けたが、不思議と意識は飛ばなかった。

にしても……

そう嫌がるS子も可愛かった。そう可愛いから、話がしたい(´∀`*)

DT拗らせ気味に、S子より暴走気味に、S子へ突撃した。

247:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)23:06:23 ID:NxZVmT20u
家の前に来た時には、S子はぶるぶると震えていた。

なんだろう……今思い出すと、凄くいけない同人誌のような感じだったと思う。

オッサンが鼻息荒あげ、笑顔で、震えてる女の子を追い詰めてるでしょ?
そのサークル並びますわ。買いますわ。

S子「……なんで来るんですか?」
泣きながらS子は言った。
涙が流せないS子だが、泣いているんだとオレは直に分かった。

S子「これ以上、貴方に迷惑かけたくないんです!!」
S子が強がって睨んでくる。

うーん、かわいいね、いいよ、いいよ、なんでも聞いてやるよ。

S子「もう傷つけたくない、迷惑かけたくない……嫌だ……

 分かったんじゃないの?今ので、今日ので、うんうん、違う……。

 一昨日の所で、私が変な子で怖い子だって、分かったんじゃないの!?ねえねえ!!!」

ガツーンっと、俺の頭に衝撃が来る。
ただ、不思議とニッコリとした。言っておくけど、Mじゃない。

オレ「全部知りたい?」
S子「……うん」

オレ「初めて会った時から、S子のことは怖いと思ったよ。」
S子は「やっぱり……」と言った表彰で暗くなる。

オレ「夜中なんか、親父と一緒に寝ちまったよ。怖かったさ。
 次の日あったよ、左腕が変色して焦ったよ。怖かった。
 警察官に変なことしてたよね、あれ見てて怖かったよ。
 植物園で木がメッチャ強く揺れた時は、死ぬかと思ったぐらいだ」

S子はまた泣きそうになる。

オレ「最後に、植物園でオレの意識が飛んでしまったことだね……もちろん、怖かったさ」

S子「じゃあ、なんでよ!!!!!」
また、ガツーンと、俺に変な衝撃波が飛んでくる。本当になんなんだこれ。

オレ「……ふぅ、それ以上にS子が勝手に居なくなるのが怖いんだよ!!!!!!!!!!!!!!!!
 そう不安になって、心配になって、何が悪いんだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

俺は中二病モードに突入していた。
……いや、嘘。マジで本音だった。

S子

248:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)23:10:30 ID:NxZVmT20u
オレ「たしかに、怖いよ。今みたいのだって怖いよ!!見てよ震えてるんだぜwwww」
と、ガクガクした足を指さす。
自分で言って気が付いた、足が震えていた。

オレ「でもな!すごくS子のことを探したんだよ!!ほんとうだよ!!!」
S子「……。」

オレ「なんでだろう、なんで伝わらないの!?ねえ!?俺がDTだから!?」
S子「……。」

オレ「今さっき、家の前にいてどれだけ嬉しかったか、分かる!?」
S子「……。」
オレ「図書館で雄叫びあげちゃうぐらい、俺が寂しい思いしたの分かる!?」
S子「……。」
オレ「家族にな、S子のお祓いしようってなったんだけど、それだって凄く嫌がってるの!!!!!」

オレ「S子、居なくならないでよ……」

気が付いたら、何故か俺の方が号泣してた。

249:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)23:12:34 ID:NxZVmT20u
ばっかだよね。結局俺泣いてたよ。

誰かを励ます時は、気丈に振る舞ったり、その人より早く心折れちゃだめだって、
ネトゲのマスター(社長)で学んだんだけど、俺が泣いちゃってるの。

失敗したかなーって、思った。

だって、そうやって叫んでいる間も、どんどんS子の周りの黒いモヤが濃くなっていくだもん。

最後言い切った時なんか、S子の下半身は見えなくなっていた。ただ、ある意味、そこで止まってたのかもしれない。

250:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)23:16:50 ID:NxZVmT20u
S子「……オレさん」
オレ「なにィ!?」(少し声が裏返った

S子「……本当にごめんなさい」
オレ「――うん、いいよ(´∀`*)」

即答、即返答、すごーっく、あっさり。
俺はここで許した。

もちろんS子のほうは納得してなさそうだったけど。

S子「ごめんね、勝手に考えて……でも、考えるほど駄目になってて」
オレ「はっはっはw俺もそう言うことしょっちゅうだよ!ww」
S子「本当にオレさんに、迷惑かけたこと、どうしても謝りたいと思ってたの、それは本当だよ」

オレ「大丈夫大丈夫、分かるって!」

号泣しながら、オッサン、笑顔。
通 報 待 っ た な し 。

通報されなかったけどね。

251:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)23:22:21 ID:NxZVmT20u
その後、何を話したか、あんまり覚えてないけど、
只管やまってくるS子に、オレは「いいよいよ!」って泣きながら言ってた気がする。

S子は、オレに迷惑をかけた事が本当に許せなかったそうだ。

自分が自分を許せないって言う状況ほど、惨い事はこの世界無いなーって、この時知った。

オレ「もう、暴れないでね。大丈夫だから、落ち着いて」
そう、その時には、もう謎の揺れや金縛りとか衝撃波とか飛び交っていなかった。
その事を伝えて「ほら、大丈夫じゃん!落ち着けば!」って俺は言ってあげた。

S子は、やっぱり納得してない様子だけど、「オレさんが言うなら」って言う感じで落ち着いてた。

まあ、俺が一番うれしかったのは、何より。

オレ「S子さん、居なくなるとか言わないでね!」
S子「…………はい!」

S 子 、 笑 っ て た 。
ニコニコしてた、すごく明るく笑ってた。
俺の心は温かくなった、幸せになって、幸福感ぱねぇってなった。

いつの間にか、理性が外れてS子に抱き着こうとしてたけど、
スカッてなって、それ見てS子が「怖いよ……w」とか笑って、俺も笑って。

何より、気持ちが落ち着いて、幸せだった。

252:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)23:26:22 ID:NxZVmT20u
従兄「あ、あの……オレ君……」
大分時間が立ってからだろうか、ものすごーーーーーーーーーーく苦笑いしながら従兄が言った。

俺は忘れてた、急に恥ずかしくなって顔が熱くなる。

従兄「そ、その……うん、よかったね」
肝心に不審者を見る、あの俺が痴漢冤罪で捕まった日の乗客たちの目を向けられていた。

祖父「うむ……好きなのか……」
祖母「なんとま…………」
ひ孫の顔を見せることは、今も叶う気配ないけど、この時「ごめん無理だ!」って感じた。

従兄「えーっと、ごめん、状況整理しよ」
オレ「えっと、何から話せば……」

従兄「とりあえず、オレ君は、そのモヤモヤした人影が見えてる訳だね?」
オレ「え?モヤモヤ?」
従兄「え、ちがうの?」

オレ「カワイイ女の子が……」
従兄「え……、どういうことだ、全く分からないぞ、困ったなぁ……」

253:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)23:31:02 ID:NxZVmT20u
その後、S子を門の前に待ってもらい従兄とオレ、祖父、祖母は家の中へ上がった。

オレ「うわーぉー……」
思わず声が漏れた。

従兄「……どうしよう、すごいな、これ」
従兄は一生懸命うちわを振っていた。

家の中は悲惨なことになっていた、と言っても玄関、祖父祖母の部屋だけだが。

まず、祖父・祖母の部屋はタンスが全て飛び出し
仏壇のところ以外、全て嵐が過ぎ去ったようになっていた。

玄関も似た様に、棚から靴が飛び出し散乱している。
あとから来た、祖父と祖母が後片付けしていた。

255:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)23:40:31 ID:NxZVmT20u
従兄「どこから、話せばいいかな……」
と言いながら、話し始めた。

俺が熱中症(S子に触れられた)日の翌日、従兄に電話が来たそうだ。
幸いなことに、丁度従兄は夏休みに入り、適当に過ごそうとしていた所だったらしい。

とは言え、20日あるうちの半分以上を講習に当ててたそうだ。
ちなみに俺に関わる為に、今週中は全てキャンセルしたとの事。単位は問題ないらしい。

従兄の母、つまり、親父の妹(叔母)から電話が来たそうだ。
叔母「オレ君が危ないみたいなんだ」

従兄は、昔から自分の家がどういう家系かは知って居たそうで、お祓いをしているも知っていた。

叔母「でね、親父さんが、そんな危なくてもオレ君が会いに行きそうなんだって」
親父から、叔母に伝わった内容が判明した。

まず、俺は幽霊に憑りつかれたと思っていたらしい。
オレ(間違っている様な、間違っていない様な……(;^ω^))

そして、その憑りついた霊は、相当強く昔、オレに憑りついた地縛霊クラスかも、と言ったらしい。
オレ(大げさな……と思うが、大げさでもないかもしれない(´∀`;))

その地縛霊の時がどういう感じであったか分からないが、事故死した女性の方で、怪奇現象が酷かったらしい。
記憶にないけど、従兄は運ばれてきたオレを見ていて、俺が「アハ、アハハハハッ!」と女の声で笑ってたと言った。

俺の中二設定能力がカスタマイズされた。

256:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)23:47:01 ID:NxZVmT20u
叔母「お守りに預けたうちわを使いなさい!」
曰く、北海道の祖母自家製の魔除けらしい。
ちなみに効果は、さきほどのオレの金縛りを打ち飛ばした時点で、バッチリだ。

従兄「それでオレ君の傍に結構いたんだよね……w」
親父とコンタクトを取り、俺の動向を観察していたらしい。

しかし、徒歩の従兄に対して、自転車の俺で、慣れない町。
迷子になりまくって、酷かったそうだ。

従兄「……で、一時間ぐらい前、おあばちゃんから電話があってね」
北海道の祖母から電話が来たそうだ。

祖母「急いで、○○(親父)の家に行けー!!!!!」
従兄「夢に出るような声だったよwただ、直に伯父さん(>>149)からも電話があってね……」
そして直に駆けつけ、祖父と祖母を、我が家のワゴン車に乗せ、逃げたのだと言う。

その途中、とてつもなく巨大な黒いモヤの塊を見つけ、その塊がオレの家の前に止まったのを確認。
祖父と祖母、従兄で、念仏を唱えていたそうだ。

従兄「効果はなかったどころか、オレ君が横通り過ぎるの見逃したけどね……w」

S 子 は や っ ぱ り 凄 い 子 だ。

257:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)23:50:25 ID:NxZVmT20u
従兄「うーん……、俺はそう言う道行ってないから分からないのだけど。
 あの子は本当に大丈夫な霊なのかな?」

従兄に見えるS子は、黒いモヤモヤの塊がヒトガタになってるのだと言う。
そもそも、黒いモヤって言う時点で鳥肌が止まらないそうだ。

ちなみに、通り過ぎた時ほどの巨大な黒いモヤではなくなっているのだと言う。

オレ「……まあ、いい子だよ。すごく優しいこなんですよ」
従兄「憑りつかれておかしくなった?」
オレ「そう言う訳では……でも、本当です。責任は取ります」
従兄「また家がこういうことになるし、オレ君はさっきどういう状況だったか分からなかったの?」

そして、従兄は話し始めた。

260:◆Jv4G8upKnw2014/07/31(木)23:53:47 ID:NxZVmT20u
まず、俺が横を通り過ぎた時、黒いモヤがぐわっと俺を包み込んだのだと言う。

個人的解釈だけど、異常なほどS子が見えた、久しぶりの再会時、あれがそう言うことだったのかもしれない。
俺のDTと変態と愛のパワーの可能性も捨てきれないけど。

次に、最初の木々が揺れた瞬間だ。
この時、従兄は危険だと判断し、ワゴン車の近くに居たらしい。

その時は、黒いモヤが周囲に広がり霧の様に立ち込めていたそうだ。

261:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)00:00:37 ID:agkvzEh31
そして俺が、金縛りにあっている時が問題だった。

俺は気が付かなかったが……いや、分っていたかもしれないけど、

黒いモヤがオレに憑くなり、色々な所から白い腕が現れを、オレを縛り付けていたらしい。
明らかにタヒ人の、病院でよく見る白い肌の、腕があり得ないほど、縛り付いてたそうだ。

また、黒い巨大な塊から、時置き、黒い小さな塊が飛び出し、それが何度もオレにぶつけられていたそうだ。
あの衝撃波のことだろうか。

他にも、ギョロギョロとした顔など出現しだし、これは駄目だと、助けに向かったらしい。

あの生ぬるい感触なのは、息とか、腕の熱とかだったんだろうね。

従兄「……で、うちわを振ったら、全員霧のようにきえたよ」
そやって、ゆっくりとオレに近付き、俺にうちわを振ったそうだ。

途端、黒いモヤなどは消え、つまり金縛りが解けた状況になったらしい。

従兄「大変だったんだよ、何度呼んでも気が付かないし」
オレ「ははは……、すみません……」

従兄「ただ、本当に肝が冷えたよ……」

従兄「オ レ 君 、 そ の モ ヤ モ ヤ に 突 撃 す る ん だ も ん (笑)」

従兄は苦笑いしながらアイスコーヒーを飲んでいた。
イケメンはなんでも似合うなーとか、呑気に俺は感じていた。

262:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)00:04:32 ID:agkvzEh31
そこまで来ると、従兄の霊視には何も見えなかったらしい。

なお祖父が言うには、俺がまるで重い荷物を持つかのようにドスドス歩き、門の前で直立不動していたらしい。

オレ「なんだそれw」と笑ったが、祖父は真剣な顔だった。

従兄「さて……ところでさ、聞こえたんだけど」
オレ「は、はい……」
従兄「お 祓 い 嫌 が っ て る っ て 、 本 当 か い ?」

笑顔ながら、明らかに従兄は怒り気味だった。
そりゃそうだ、休みを返上して、命を懸けて、俺を助けようとして。

なのに、俺はお祓いなどを望んでない。

ましてや従兄は見える人で、どういう規模の相手か見えてしまった訳で。

263:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)00:14:51 ID:agkvzEh31
従兄「……まあ、色で判断するもあれだけどね」
黙ったままでいた俺に、従兄は優しく笑ってくれた。

従兄「その子は意思はちゃんとしているの?」
オレ「は、はい……」
従兄「記憶とかは?」
オレ「分からないみたいです……、名前も知らないです……」
従兄「だから、お前とか君とか言ってたのね……はいはいはい……」

そう言えば、今更だけど、オレはS子を呼ぶ時『君』とか『お前』で読んでた。
……いや、実は勝手に名前つけてたけどね(;^ω^)ちなみにイニシャルS。だからS子よ。

そして、この後、名前つけことになった。

従兄「ふむ……送るなら真の名前のほうがいいけど……」
オレ「え?送らなきゃだめですか?」
従兄「ああ、もちろん」
オレ「……そうですか」

従兄「――うーーーーーーーん、と、とりあえずさ!」
従兄が折れた。心の中で俺はニヤリとした。

従兄「お前とか、君じゃ、可哀相だし、名前付けてあげなよ!」
従兄曰く、お祓いするときに名前、仮名でもある方が効果がでるらしい。
もちろん、天国に連れて行く際にも色々効果あるそうだ。

たしかに、「お前」や「キミ」じゃ、なんかかわいそうだと思いだした。

従兄「なにかないの?」

オレ「うーん……、あると言えばあるのですが」

オレ「S子って……勝手に呼んでたり」

従兄「え、それって……」

俺の株が落ちて行く音がした。ああ……ラノベよ……。

266:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)00:21:36 ID:agkvzEh31
ちなみに、この名前で奇跡が起こるんですが、それはまだ先になりますね……w

268:名無しさん@おーぷん2014/08/01(金)00:35:43 ID:eL13s6Maq
まあ、あり得ないと思うんだけど、最近2ちゃんねるからの書籍化って多いじゃん。
で、オープンは著作権破棄してるじゃん?

この話が書籍化するとしたら、
まとめたアフィブログとか、オープンの管理人が著作権もって儲けれるってなるのかな?

イチのガチ大切な思い出で美味い思いする奴出てきたら、どうするんだ?
イチ耐え切れるのかな。

文章見ててそう思った。あと実話なの?

269:名無しさん@おーぷん2014/08/01(金)00:38:05 ID:RBBrxvThv
著作権放棄じゃね?

270:名無しさん@おーぷん2014/08/01(金)00:48:35 ID:eL13s6Maq
放棄か。

どちらにせよ、なんだかんだ真剣に読んでたんだけど、
この話で書籍化とか映像化されて、
イチに何の利益ももたらせられないのはかわいそうだ、と思うんだが…。

なにより、イチタヒぬんじゃね。違う奴が自称し出したら

272:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)07:32:26 ID:agkvzEh31
おはようございます。

>>268>>270
そんな、なる様な事はないと思いますけどね。

ただ、”そう言う感じ”で誰かが儲けるとかは、凄く嫌かな。
ブログに転載するとか言うのは、ここに居る以上OKなのですが。

私はある板の転載の投票で、明らかに不満を感じてオープンに来た身でして、あまり詳しくは分からないからなぁ。

あと、実話。
もちろん脚色や変更していることあるけど。

273:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)07:38:54 ID:agkvzEh31
>>263の続き

従兄は一度、実家(祖母)に電話すると言い外に出て行った。
俺も外で待つS子に会うために一緒について行った。

オレ「お待たせしてごめん」だとか、ありきたりな言葉をS子にかけた。

S子「さっきは本当にごめんね……」
ギュッと自分の手を握りながらそう言うS子。
その仕草、動作、すべてが可愛かった(´∀`*)

従兄「……。」
従兄はジッとS子を見ていた。いや、S子の方向を見ていたのだろうか。
凄く不振がって警戒している目だった。

耳にスマホを当て、実家に電話掛けているだろう間も、オレやS子をチラチラ見ていた。

オレは下手なことが言えないと言う緊張感の中で、S子と話をした。

274:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)07:47:32 ID:agkvzEh31
オレ「そ、そう言えばさ……!お前とか君とか凄く失礼だったよね」
S子「え、そ、そんなことないよっ!」
一瞬驚いた顔をしたS子は、直に手を振りながら否定してくれた。

オレ「それで、今従兄とも話をしていたんだけど、名前ってあった方が良いと思うんだよね」
心の中で「S子」って読んでたけど。

S子「……S子?」
オレ「Σ(゚д゚) エッ!? 」
俺の心の中で読んでいた名前を呟くS子。

S子「ほら、時々オレさん、私のことS子って……」

どうやら、DTをこじらせていた様だorz

名前も知らない見ず知らずの女性を勝手に名前付けて呼んでいたらしい。

オレ「そそ、そうなの……?」
S子「もーwあんまりそう言う事しちゃダメですからね
小さな声で「バーンッ」て言いながら右こぶしを俺へ向けるS子。
ただ意識してか、結構距離がある所で手は止まっていた。

オレ「アッハハハ、それで”S子”ってどうかな?」
S子「良いよ!なんか他所よそしいなーって感じてたんですっ」
ニコッと、S子は笑った。

……先ほどの嵐のような出来事が嘘かと思えるような時間が流れていた。

275:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)07:57:48 ID:agkvzEh31
従兄「取り込み中のところ、ごめんね」
従兄が手で会釈しながら言った。

従兄「いま、ばあちゃんと話がついた。
 オレ君、やっぱりお祓いしなくては駄目だよ。

 それと……そこのS子さん。
 S子さんも、オレ君のことを思うなら、それを受け入れてほしい」

オレ「い、行き成りなんなんですか!?(# ゚Д゚)」
ちょっとイラッとして強めに言うオレ。
ただ従兄は真剣な眼差しでオレを見て言う。

従兄「S子さんは凄く強い分類の霊だと思うのね。
 で、おばあちゃんが言うには、そこまで強いなら本来なら天国に上がって神格化していてもおかしくないんじゃないかって。」

俺の守護霊の怒男のような感じか?

従兄「……でオレの推測もあるけど、S子さんは悪霊化していると思うよ」
オレ・S子「「え……。」」

従兄「完全とか、全部が全部そうなっている訳じゃないと思うけどさ。
 今とかは、さっきまで黒いモヤの人影だったS子さんだけど、ぼんやりと人の姿に見えるよ」

従兄が言うぼんやり見えるとは、眼鏡を外して人を見ている様な感じらしい。
女性だとは分かったそうだ。

従兄「ただ、モヤも残ってる。
 俺も結構見えるのだけど、なんでそこで?って言う事故が多発する場所とか、
 病院で危篤状態の患者さんの部屋に集まる影とか、――そう言うところで見るモヤモヤに似ているんだ。」

オレとS子は黙って、従兄の話を聞いた。

277:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)08:03:45 ID:agkvzEh31
従兄「オレの家の見栄もあると思うけど、
 S子さんは、そこらへんの霊媒師や除霊師が相手できる様な存在じゃないと思うんだ。

 下手な人に任せれば、それこそS子さんを酷い結末に導いてしまうと思う。」

オレ「……一緒に居られないのですか?」
そこで俺はネットで知り合った社長の話を従兄にした。

従兄「そうだね、おばあちゃんの所に幽霊と共存したいと言った人も来たことあったね。

 結論から言う。

 オレ君、それは無謀って言う話だ。可能だとしても、S子さんとはオススメしない」

S子は動揺してアタフタしているオレと対象的に、凄く真剣な眼差しで従兄を見ていた。

ちなみに従兄は視界がクラクラ点滅していたらしい。
だから、尚更俺にS子と一緒に居ると言う選択肢を取らせたくなかったと、あとから聞いた。

276:名無しさん@おーぷん2014/08/01(金)07:59:16 ID:mtwcP4JDs
節子?

278:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)08:04:30 ID:agkvzEh31
>>276
節子じゃねーよ!!!!!!!!!!!!!!!

シから始まる名前じゃああああああああああああ!!!!!!!!!

脳内再生されちまうだろ(笑)!!!!!!!!!!!!!!!!!

279:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)08:09:16 ID:agkvzEh31
S子「こっちの声って聞こえているのかな……?」

従兄「ん?何か言ってる?」
オレ「S子の声が従兄さんに聞こえているのかなって」
従兄「ああ……、ブツブツ質の悪いイヤホンのような音が聞こえだけかな……」

S子「そうですか……、オレさん、伝えて貰えますか?」
オレ「な、何を?」

S子「 私 を 成 仏 さ せ て く だ さ い 、 って」

オレ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」

オレの聞き間違えだったのかな。

280:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)08:13:16 ID:agkvzEh31
オレ「え、え、え、え、え、どうして!?
 折角、折角……え。え……」

再び泣き出すオッサン。

S子「私だって嫌です……。
でも、やっぱりオレさんにこの先迷惑かけるほうが嫌なんです」

オレ「構わないって!大丈夫だって!」

S子「私、ずっと生きているって思ってました。
 ずっと、もしかしたら”タヒんでいる”じゃないかって、考えられなかった。
 生きていたかった。そう思っていたかった。

 ……でも、オレさんに会って、オレさんに色々して。
 ああ……私は、普通に生きている人と違うんだなーってね」

そこには明るく気丈に振る舞っているS子がいた。
オレは泣きながら嫌だと、ガキの様に駄々をこねていた。

281:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)08:19:10 ID:agkvzEh31
S子「もうね、迷惑かけないで済むなら、そうしたいの。
 オレさんと、仲良くしていたいけど、やっぱり……許せないの」

植物園で俺にしてしまったこと、今さっきしてしまったこと。
やっぱり、嫌だし、それをどうにか償いたい、そして、迷惑をかけたくないと。

従兄「……うーん、オレ君、今どういうところ?」
オレ「くぁwせdrftgtyふじこlp;@:」
従兄「おk、落ち着いて。」
オレ「S子は……成仏したいって……」

従兄「そうか……。えーと、S子さん、少しオレ君借りていいかな?」
S子「え、あ、はい……」

その時の俺の頭の中は、再びの「S子」連呼の嵐だった。

なんで、居なくなっちゃうのか。
何でようやく会えて、S子と良い感じで仲直りできそうだったのに。
S子、なんで、なんで……と、寂しい気持ちで一杯だった。

282:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)08:24:09 ID:agkvzEh31
従兄に連れられワゴンへ。
門の床には、俺を励ますかのように笑顔で手を振るS子。

従兄「……いいかい、オレ君」
オレ「は、はい……」
従兄は少し怖い顔をしていた。

従兄「お葬式って、もう何度も経験したよね?」
オレ「はい……」

従兄「タヒんだ人を丁寧に天国へ送る……それがお葬式だよね。

 ただ、その場で誰かが「逝かない!」って何度も泣いて居たら、どう思う?

 きっと、心配になって天国へいけないと思うよ。」

オレ「……。」

従兄「それで逝くことできなくて、ずーっとさ迷うことになったら、どう。
 心配で心配で、不安で不安で、そんな気持ちでこの世に残っちゃったらどうする。

 それって、かわいそうじゃないかなーってオレは思うだけど、どうかな?」

従兄の話はまだ続く。

283:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)08:28:19 ID:agkvzEh31
従兄「あのS子ちゃんはね、これからお葬式して貰うと考えて。
 みんな……って訳じゃないけど、オレ君に見守られながら天国へ行くの。

 その時、オレ君の方から引き留めていいのかな。
 引き留めたい気持ちは分かるけど、それでS子さんが幸せになれるのかな」

オレ「……それが幸せだって保障できるんですか?」

従兄「うーん、どうだろうね。現に天国へ逝ってないしね。

 ……ただ。

 俺らが 『 昇 天 す る の が 幸 せ  だ 』 って思って送り出さないと駄目だと思うよ」

284:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)08:31:35 ID:agkvzEh31
オレ「それって、それって……勝手なコッチの都合じゃないですか」

従兄「それは違うよ」

従兄「天国に上がる者って、皆自分であがるんだ。最終的に。
 俺らはそれを見送るだけ。見守るだけ。

 俺らが大丈夫だよーって言いながら送り出していても、本人が逝かないなら、逝けないの。

 ただ、S子さんは自分から『逝く』ことを選んだ。
 その理由をオレ君が納得できないであれ、納得できているであれ、

 それを止める権利はオレ君にはないよ。」

285:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)08:35:28 ID:agkvzEh31
従兄「それと、君はお葬式とか除霊を少し勘違いしているのかもしれない。

 除霊は、ぬーべーとか、一方的にお祓いする印象の方が強いのかもね。

 実際は、いや、少なくとも我が家は。

 霊とお話ししながら、霊が天国へ上がるのを、”手伝い”しているってスタンスなんだ。

 そりゃ、お祓いで強制的に追いやる事もする。
 今回がそうなるのかなーって思ってたけど、結果は違った。

 S 子 さ ん か ら 、 成 仏 し た い と 言 っ た 。
 応 援 し て あ げ る べ き な ん だ よ 、 オ レ 君 !」

287:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)08:40:02 ID:agkvzEh31
思い返すと、ばりっばりの誘導尋問だ。
今でも納得しきれていない。

ただ……S子が望むなら、俺も出来る限り応援するべきなんだ。

その日は納得できないまま、項垂れて、ワゴンから出た。

S子が「何かされたの!?」と心配した声で話しかけてきてくれた。
従兄が何か気配を察したのか「今日は疲れてるんだよ(;´∀`)」と、なんか咄嗟に身を守ってた。

気がつけば、夏なのに周囲は暗くなっていた。
オレは、あの日ほど一日が短く感じた日は、永遠に訪れないと変に悟った。

288:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)08:44:53 ID:agkvzEh31
その夜、いつもより皆遅い夕食を取った。
親父は従兄から話を聞いて、酷く起こって居たが、

祖父「色沙汰は人を惑わす……婆さんのように」
祖母「(#^ω^)ああ゛」
祖父「昔は可愛かったのに、今じゃすぐにこれだ!」
祖母「なに●●さん(祖父の下の名前)」
祖父「なんでもない(‘A`)」

と、遠まわしでオレの気持ちを説明してくれたので、親父も察したらしい。
従兄も察していて、それを説明した。

親父「二次元が好きだとか、女に興味ないとか、そう言うのは分かるが……幽霊はこまるぞ」
. .: : : : : : : : :: :::: :: :: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
    . . : : : :: : : :: : ::: :: : :::: :: ::: ::: ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
   . . …. ..: : :: :: ::: :::::: :::::::::::: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
        Λ_Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::
親父→    /:彡ミ゛ヽ;)ー、 . . .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
      / :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: ::: . :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
      / :::/;;:   ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄ ̄ ̄ ̄

289:名無しさん@おーぷん2014/08/01(金)08:45:45 ID:mtwcP4JDs
>>288
じいさんとばあさん面白いなww

290:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)08:50:18 ID:agkvzEh31
まあ……さすがの子の時になれば、「これが恋なのか」と自分でも気が付けた。

理由なく行動できる、その理由が、恋だったのか。
ラブだったのか……。
そう思うと、今でも顔が熱くなる。

親父「どちらにせよ、確りと……お祓いしてもらってこいよ……」
オレ「うん……なんかゴメンね」
親父「孫の顔が見たい……」
オレ「やめて(‘A`)」

くたくたに疲れたオレは、そのまま二階にあがると、あっと言う間に眠りについた。

291:名無しさん@おーぷん2014/08/01(金)08:50:47 ID:Z82l5Iktd
なげぇなww

292:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)08:59:40 ID:agkvzEh31
ちょっと休憩するから、これで最後。

その日の夢は、怒男だった。
その怒男が門の前に立ち、S子を見ていた。
ただその表情は怒っていると言うより、憐れんでいるかのような顔だった。

怒男が、門の近くで体育座りして寝ているS子を見ている。
少しふわふわしていて、宙に浮いていた。
オレは呑気にも「へー、こうやって寝てるんだー」と思っていた。

怒男「……ゴホン」
いつの時代も共通なのだろうか、人を呼ぶ時咳払いをするようだ。

怒男「反省したか?」
S子は凄く驚いて、本当に怖がっている表情を浮かべていた。

そりゃそうだろう、怒男の見た目は日本人にしてはかなり背が大きい着物を着た大男だ。
顔は渋くないのだが、かなり目付きが悪く、怖い。

怒男「……●●(オレ)がお前のことを気に入っているようだ」
S子「え、あ、はい……ありがとうございます」
なんで感謝しているの、なんかそのキョドリかた可愛い(‘A`*)

怒男「悪気があって、偽りを持って、接触しているのか?」
S子「そ、そんなことは……」
怒男「……はっはっは、そうだな。失敬な事を尋ねた」
S子「い、いえいえ……」
怒男「こっちへ来なさい。中へ入れてあげよう」

そう怒男が言った時、オレの方を見てニヤッと笑ってる気がした。
不安ではないのだけど、なんか……。

NTRを思い出して、心が苦しかった。もちろんその心配はアホだったと気が付くけど。

299:名無しさん@おーぷん2014/08/01(金)13:08:46 ID:agkvzEh31
ご丁寧にお答えありがとう。
そっか実話なのかー…羨ましいww

いやイチには大変だったと思うけど、こうして話せるわけだし羨ましいよwwww

あと、どこかイチと別のやつが出版とかしても平気かもしれん。
人としてのモラルを疑うがな。

完走楽しみに更新待ってるよ

300:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)13:10:14 ID:agkvzEh31
>>299
まて、お前……え、今どこに居る?

301:名無しさん@おーぷん2014/08/01(金)13:10:42 ID:agkvzEh31

302:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)13:12:11 ID:agkvzEh31
>>301
あ、じゃねーよwwwww
は?wはぁ?wwwwww

リビング来い^q^

304:名無しさん@おーぷん2014/08/01(金)13:12:53 ID:agkvzEh31
ワロタ、マジか

今行くわ

305:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)13:14:16 ID:agkvzEh31
>>303
ID同じ
家に友人お泊りなう
リビングに来て爆笑。

306:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)13:18:56 ID:agkvzEh31
なにこれ、タヒねる。
嘘言ってないけど、なんかスゲー恥ずかしい。

今から、事情説明になるのでかなり長くなりそう。

ハァ……身内に見られてたかorz

308:名無しさん@おーぷん2014/08/01(金)13:25:48 ID:qdtUMDFiT
説明はよ

結局ガチ話なのは、本当なのか、答えろ>>1

あと、友人さんは何でこのスレ見つけたんだ。

盛り上げる為の自演か?

309:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)13:43:52 ID:agkvzEh31
>>308
話しは実話。いまも友人に話したけど、実話。
去年の7月後半からの出来事。

>>268>>270でなんか、変な質問してくるやつだなーって思ってんだよ……

あんまり説明すると尚更自演乙臭いから、もう単純に言う。
友人はオレなんじゃねーっと疑ってたらしい。(スレを見て)
今年の初めに家族ぐるみで飲み会した時に、聞いたそうだ。俺は知らん。

昨日の夜中に突然訪れ(>>263頃)、確認しようとしたんだと。
で、俺が汗臭いから風呂入っている間に>>268>>270書き込み。

友人「書籍化しようぜwwwwww自費出版wwww自費www」←現在

なんかもうさぁ……(‘A`;)友人には帰っていただいた。
さっさと、話し切ってスレ落とすよ。

創作でもガチ話でも、好きに受け止めて聞いてくれ。
信じて貰えるような話だと思ってないし(´;ω;`)(不貞腐

310:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)13:45:48 ID:agkvzEh31
こう言う展開が、一番萎えるわ……orz

「イチタヒぬんじゃね。違う奴が自称し出したら」って伏線だったのかよ。

311:名無しさん@おーぷん2014/08/01(金)13:46:31 ID:mtwcP4JDs
聞くから普通に語っておくれ

313:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)13:59:32 ID:agkvzEh31
>>292の続きから…………話すけど、もしかしたら酷くなってるかもしれん。
スレ自体が壊れるような書き方になったら、気持ち落ち着くまで書き込むのは控えるわ。

>>292続き
翌朝、俺は朝遅くまで寝ていた。
自分で思っていた以上に疲れていたらしい。

あとで従兄や伯父に言われるのだが、普通の人間なら昏睡状態になってもおかしくないんじゃないか、との事。
それだけS子の霊力は強く、同時に影響を及ぼせるらしい。
オレの中二設定力は一体、どこまで上り詰めるのだろうか。

??「……オレさん♪」
オレ(む、なんかやけに明るく、可愛い声がするぞ……。)
寝起きでボケてる視界。
ただ、俺のベットの横に間違いなく誰かいた。
オレの名前を呼んでいる。

オレ「……え」
一気に目が覚めた、

S子「おはようございます……かな?w」
そう言いながら、笑うS子が俺の部屋に居たのだ。

俺の部屋の、俺のベットの、俺の足元の方に。
腰を下し、顔をこっちへ向けて、ニコッと笑っている(´∀`*)ウッヒョー

S子「おはようございます……ですよね?(´・ω・`)」
オレ「はははは、はい!おはようございます!!(´∀`*)」
S子「(´^ω^`)おはようございます!」
オレ「でででも、どうして家の中に、え、何でいるの!?」

そして、ここで俺は怒男の夢を思い出す。

オレ(……まさか、怒男)
(‘A`)な顔してた癖に……オレの為に……!!

早朝からかなりのテンション上昇を人生で初めて経験した。

314:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)14:05:47 ID:agkvzEh31
S子「昨日、オレさんの家から凄く眩しい人が出て来て……」
恐らく怒男のことだろう。

S子「最初、凄く怖かったんですけど……オレさんの話が出て来て……」
あとは夢で見た話だった。

夢の続きにもなるのだが。
怒男は、S子の方へ手を伸ばしたのだと言う。
するとS子が家に近付くほど感じていた風や押される感覚が、フッと消えたらしい。
そのまま怒男に引かれるまま、門を通り抜け、二階へ案内されたそうだ。

怒男「オレの傍に居てあげてほしい。その方が喜ぶ」
と最後、言っていたそうだ。

S子「あの人は何なんですか?」
オレ「うーん……、良くわからないけど守護霊らしいよ」
S子「へー、守護霊なんだ……」
オレ「らしいね……あんまりよく知らないけど」

S子は「大切にされているんですね」と明るく言って来た。
オレにとっては、S子に大切にされている方が幸せだよ(´∀`*)

315:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)14:11:19 ID:agkvzEh31
その後、色々お話をした。
……と言っても、殆どオレの家、親父の家系についてだった。
オレはこの時まで、親父の家系について知らされていなかったし、あまり説明できなかったけど、
聞いた話と、従兄がどういう人だーとか、話した。

あと、俺の中二設定の話もした。
群馬県で地縛霊を引っ張ってきたと言う話だ。

S子「私も、その地縛霊って言うやつなのかな?」
オレ「いや、違うと思うよ。本来、地縛霊って土地に縛られてる幽霊のことを言うんだし」
S子「なら大丈夫かも、結構移動してますしっ!」

何故か安心した顔で嬉しそうにS子は言った。

S子「でも、やっぱりオレさんは私が見えるみたいに、特別チカラが強いんですかね」
オレ「そうだねー……そうなるね」
S子「……よかった」
オレ「え、なんで?」

S子「じゃなきゃ、オレさんに見つけて貰えなかったじゃないですか!」
頭の中で3回ほどエコーで響く。

オレ「そ 、 そ う だ ね !! (゚∀゚*)」
もう、なんていうか。
もう……語れないほど、もの凄く幸せだった。嬉しかった。

ここまで喜んで罰が当たるんじゃないかってほど、その言葉が嬉しかった。

316:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)14:13:11 ID:agkvzEh31
従兄「うー……オレ、起きているのかって、うわああああ!?」
ドアを開けたと思ったら、一目散に階段を駆け下りて行く従兄。

従兄「な、ななな、なんでソイツが家に居るんだよ!?」
かなりきょどってた。
言い方が結構面白かった。

オレ「なんか、俺の守護霊があげたみたい」
従兄「は、はあ!?」

従兄は半分切れ気味に、うちわを持って構えてた。

317:佐藤カードマン!鳩2014/08/01(金)14:16:10 ID:DyacUqodr
プククwwww

318:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)14:17:02 ID:agkvzEh31
S子「……出てった方がいいですかね?」
S子は寂しそうな顔をしながら、俺に聞いてきた。

そ、そんな訳在るか、寧ろずっと此処に居てもいいだぜ!!(`・ω・´*)
……とは言えず。

オレ「俺の守護霊が”あげた”んだから、大丈夫だよ!」
と、守護霊で済ませた。

下で、祖母と親父がなんだなんだと集まっていた。
祖母の方は、何かを感じ取ったらしく「居るね」と呟いてた。

従兄は何回も「まて、俺に分かる様に説明しろ!!(# ゚Д゚)」って半ギレしてた。

319:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)14:20:25 ID:agkvzEh31
その後、俺は昼飯兼朝食を食べに向かった。

S子はふわーっと、2回から飛んで降りてきた。
何て言うか、凄く体のラインが)ってなってて。それでふわーってコッチにやって来て。

それが何とも見ぼれちゃうほど綺麗なの。
魅力的と言うか、なんというか、凄く幻想的なの。

なんだろう、この幻想郷。俺のユートピアはここにあったんだ。

オレ「(# ゚Д゚)親方、空から女の子が!!!!!」ってリアルで使う所あったんだなぁ。

320:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)14:22:49 ID:agkvzEh31
ごめん、朝食の所はそれだけだ。

従兄から「油断はできない」とか、親父が「なんでまた……」とか。
祖父は「カワイイ子、見たかったな(`・ω・´)」と、祖母は「コッチ見なさい(`・ω・´)」と。

それを見てS子は「楽しい家族ですねーっ(´∀`)」と、笑ってた。

従兄は、ご飯を食べた後、お風呂へ向かった。
恐らく夜ひとりで風呂に入れなかったのだと思う。

S子「怖い思いさせちゃってすみません……」って小声で謝ってたw

321:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)14:31:12 ID:agkvzEh31
祖父の顔文字ショボーンだった、キリになってた。(>>320

その後、流石に疲労感が酷く何処かに行く気にもならなかった。
親父も「行かないでほしい」と言っていたのもあり、結局自室でS子と話すしかなかった。

S子は、俺の部屋に来ると、ベットに座った。
因みに階段で二階に上がる時は一歩ずつ階段を上っていた。
どういう仕組みだったんだろう。

S子「そう言えば……オレさん、えっと……その……あの。」
急にS子が何かモジモジと言うか、言いづらいと言うか、そんな様子で何かを伝えようとしてきた。

オレ「どうしたの?」
オレは内心、また昨日の様になるのかなーって小さく心配しながらも、S子を見ながら言った。

S子「そ、その……!昨日図書館で大声あげましたよね!!(*`・ω・´*)」

オレ「は、はい!!!( ゚д゚ )」

S子「ああ言うのは、誰がどんな人であれ、恥ずかしいのでやめてください(*>Д<*)」

・・・・・・・・・・・・・・・なんか、言い方と表情に凄い萌えた(´∀`*)

322:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)14:35:33 ID:agkvzEh31
S子「真面目に聞いてますかっ!?」
オレ「は、はい……(´∀`*)ニヘラ…」
S子「――ッ!真面目に聞いてくださいってば!」
ちょっとラノベが詰まった本棚が揺れる。

オレ「そ、その……ごめんね、でもS子に会いたくて……」
S子「えっ……(゚д゚*)」
なんか照れ臭そう……。

オレ「てか、聞こえてたんだ。居たんだね(´∀`:)」
S子「そ、それは……い、居ましたよ!悪いですか!(#・∀・)」

オレ「なんで出て来てくれなかったの?」

S子「あの時は、会いたくなかったから……それと、は、恥ずかしかった……(´・ω・`:)」

あの叫び声をあげたのが、かなり恥ずかしかったらしい。
S子にとっては、例え周りが見えなくても、凄く恥ずかしかったそうだ。

323:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)14:39:12 ID:agkvzEh31
S子「それに、まだありますよ!!!!!!!」
突然立ち上がり、俺へ攻め寄るS子。

ビビるオレ、カタカタしてる本棚。

S子「あ、あの……あの部屋で話した説明なんですか!!!(>Д<*)」
オレ「……へ?」

S子「そ、その……言い方が…………」
オレ「は、はい?」

S子「でで、デートしていたみたいな……言い方してましたよね……(´・ω・`*)」
S子はプルプルとしていた、顔が赤くなってた。
いや、赤くなってたように思えたのかな。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・萌えた(´∀`*)

324:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)14:41:20 ID:agkvzEh31
ただ、萌えているだけじゃなかった。
俺も照れ臭くなり、顔があかくなり、呼吸する音が無駄に大きくなり、
スゲー胸がバクバクしだして、今にも頭を殴って記憶を消したいぐらいになって、

あああ、あの安岡とベッキー似の係員さんに聞かれたのかーとか思うと

ってかってか。それ以上に。

S子に聞かれていたのかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

もう、顔から火が出るどころか、顔から出た火で家が燃えるレベルだった。

325:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)14:44:10 ID:agkvzEh31
オレ「あ、ああっ、あっ……ああ、言うしか、方法がな、ななくて……」
本棚より恥ずかしさで震えながらオレは言った。

S子「そ、それでも……!あのいい方、で、で……デートですよ」
やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

最後、”小声”になるのやめろおおおおおおおおおおおお

DT拗らせてタヒぬ、タヒぬタヒんじゃう、

ふぁあああああああああああん、うわあああああああああん。

ルイズのコピペ並みの状況になっていた。

かなりキモイ変態モードにオレは突入していた。

DTが拗らせすぎて一周してた。

326:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)14:48:51 ID:agkvzEh31
オレ「そ、そうだよね!デートとか、彼氏彼女のリア充爆発しろって感じだよね!」

S子「そうですよ!彼氏彼女みたいな関係になって言うような話ですよ!」

オレ「は、ははははは……(´∀`:)」
S子「例え、オレさんがDTだとしても、勝手に一人で思っちゃだめですよ(>Д<#)」

オレ「す、すみません……(´∀`:)」

S子「……私は良かったですけどね」

……ん?

オレ「え^q^?」

S子「だ、だから……」

S子「 私 は 言 わ れ て も 良 か っ た で す け ど…… って……」プルプル

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

( ゚д゚ )

327:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)14:49:15 ID:agkvzEh31
( ゚д゚ )

328:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)14:49:24 ID:agkvzEh31
( ゚д゚ )聞いた?

329:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)14:50:28 ID:agkvzEh31
今ここで、スレタイ訂正する。

しょうもない思いでとか言ってごめん。
全然しょうもなくない。しょうもないどころか、大切すぎて、幸せすぎる。

ごめん。

…………( ゚д゚ )ね?

330:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)14:55:21 ID:agkvzEh31
オレ「えっ、それは……あのその……」
S子「……私はデートって言われてもいいってことですよ(´∀`*)」

オレ「・・・・・・・・( ゚д゚ )」

S子「どうしたんですか?w」

オレ「オレオッサンだよ、四捨五入したら30代になるよ?」
S子「へーwそうなんだw」

オレ「それにオレ、デブだよ、きもいよ、オタクだよ?」
S子「よ、よくわからないけど、それが?」

オレ「DTだよ?ビビリだよ、思ってる以上に変態だよ?」
S子「……足ばっかみてますもんね(・∀・)ニヤニヤ」

く、ばれてたか。

S子「……それでも私はオレさんのこと、『 ” 好 き ” 』ですから」

オレ「( ゚д゚ )…………ふへぇ!?」

うん、マジで変な驚いた声出たんです。

もう気分も空気も台無しだし、イスから落ちるし、起き上がろうとして本棚つかまったら、
本棚崩れるし、もうなにやってるんだ俺、マジ何してるんだよ、オレ。

もう、なんとも酷いありさまでした。もう、マジm9(^Д^)プギャー

331:DT拗らせた。◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)15:00:30 ID:agkvzEh31
幸せでタヒにそうなので、お風呂入ってくる。
ちょっと落ち着きます。なんか全然、この後のことかけない。
文字うてない。やばい。

ちなみにS子は凄くかわいかった。
俺に気持ちを伝えてきた瞬間、凄くかわいかった。

いやいや、なんていうか。

いつもより数倍可愛くなってたし、
なんか勇気出してたんだなーってすごく大人な、やりきった笑顔してたの(´∀`*)

凄く萌え……いや、可愛かったです。凄かったです。

やっぱS子強いよ。凄い子だよ。最高の女性だった。

332:名無しさん@おーぷん2014/08/01(金)15:02:24 ID:qdtUMDFiT
頼むから、そのままタヒね。
壁殴り代行はよ

333:フロンガス◆KeXH31ItRuOi2014/08/01(金)15:17:17 ID:G1dTRnRgi
よし、パンツ脱いだ!

334:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)15:25:12 ID:agkvzEh31
すまん、友人が話があるらしいからやっぱ行ってくるよ。
帰ってきたら続き書く。

>>332
代行は……こない(・∀・)ニヤッ

>>333
穿けwww俺も脱いだけど……(別の意味で)

337:みっちゃん◆KK1/GhBRzM2014/08/01(金)16:00:01 ID:mtwcP4JDs
何かパンツ飛んできたんだけど

338:名無しさん@おーぷん2014/08/01(金)16:02:37 ID:cblp72hAH
パンツ通りすぎてった

339:名無しさん@おーぷん2014/08/01(金)16:04:39 ID:40K4W7v2o
一周回ってパンツが股間に張り付いた

340:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)16:43:43 ID:agkvzEh31
何故か、友人から書き方のアドバイスを話された……だんだん良くはなっているらしいな。
……ま!いかせられる気がしないけどッ!

>>335-339
お前ら……お前ら……。

341:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)16:46:34 ID:agkvzEh31
>>331の続き。

S子「……それでオレさんはどう思ってるんですか?」
オレ「え、え。そりゃ……えっと……」

S子「なんなんですか(#・∀・)」

オレ「……そ、そりゃ、好きです。初めての経験なので分からないけど、好きです」

S子「初めてなの!?Σ(´∀`)」

オレ「……はい、この歳まで初恋もありませんでした」

……お前ら、俺のDTパワーを見誤るなよ。
てかS子にツッコミ入れられると思わなかったよ……ww

342:みっちゃん◆KK1/GhBRzM2014/08/01(金)16:46:35 ID:mtwcP4JDs
責めるつもりはないのだが

変換はちゃんと使っておくれ

343:名無しさん@おーぷん2014/08/01(金)16:47:08 ID:dKbfiiDIV
>>340
今の文体もいいけど、俺としては新宿鮫みたいなハードボイルドな文体がいいかも。

344:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)16:50:17 ID:agkvzEh31
>>342
ごめん。誤字脱字多いよな……
多分勢いで書いているのが悪いんだろうな。落ち着くよ

>>343
素人は、プロには顔向けできない。
俺が読んでいるのも精々ラノベだけだし。新聞もあまり読まないしなぁ。

別に煽る訳じゃないけど、見本って書ける?
書けるなら、どういう風になるのか見てみたい

346:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)16:56:53 ID:agkvzEh31
>>341続き。

S子も流石に「え……そうなの……」と申し訳なさそうになっていた。
いやいや構わねーよ、チクショウ。・゚・(ノД`)・゚・。

ともあれ、DTをこじらせているのもあれだ……。
何かいい言い回りはないものか……。

オレ「はは、でもなんだろうねー」
オレ「S子に、好きって言われると凄い嬉しいよ」

だめだ、ストレートに言うしかできない。

S子「……。」
駄目だったか(/ω\)
S子「あははははははww私はオレさんのそう言うところ、大好きだよ!!」

オレ「う、うん……!ありがとう!俺も……S子の事が好きだよ!!」

なんかこうして文章に起こすと、凄く変だなww
でもオレはこれで十分幸せだったし、やけにテンション高かった。

S子はベットに座りながら、ニコニコとオレの方を見ていた。
俺も無言でニコニコ……いや、俺の場合はニヤニヤか。そんな半分変態モードになっていた。

S子「……オレさん、ありがとね」
オレ「は、はははは……ww」

何も言えず、有頂天にくるって、何故かイスでグルグル回ってた。
S子に「また落ちるよーw」って言われたけど、回っていた。

345:名無しさん@おーぷん2014/08/01(金)16:53:44 ID:dKbfiiDIV
>>344
ありのままの1が好きやで

347:みっちゃん◆KK1/GhBRzM2014/08/01(金)16:56:55 ID:mtwcP4JDs
>>344
転んでもいいさ
君は君が素敵さ

348:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)16:58:33 ID:agkvzEh31
ちなみに友人曰く「た。」で止まるのが悪いらしい。
けど、小説の書き方だし、こういう風にかくのも間違ってないそうだ。

>>345 >>347
お前ら……センスあるな……(絶望

349:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)17:02:33 ID:agkvzEh31
二階で騒ぎ過ぎて、下の階にいる祖父や祖母から「うるさいぞー!」って怒られた。
その時S子が「すみませーん」って声出して謝ったんだ。

祖父「え!?」祖母「女!?」
従兄・親父「「き、聞こえた……!!」」
どうやら、S子の綺麗な声が聞えたらしい。すごく騒がしかった。

オレは喉が渇き、下に降りた時だ。

祖父か親父のどっちかが「本当にかわいらしい声だなー」と言っていたのが印象的だ。
流石に親父や祖父もニヤニヤなのか、モニモニなのか、絶妙な表情でオレを見ていた。

それ以上に、俺はニヤニヤ、ニコニコしていた(´∀`*)

351:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)17:10:35 ID:agkvzEh31
その後は、特に大した会話はしなかった。
いや、凄く幸せで、今まで以上にS子も良く笑っていたりして、天国だったけど。

オレ「そう言えば、居ない間、どこでなにしてたの?」
S子「ずーっと、人気が無いビルとか公園で色々抑えられるのか頑張ってた」
そう言えば昨日言ってたな。

S子「あと、オレさんを見かけたら逃げてた……」
オレ「ぇぇ……」
そこで思い出した、なんで姿が消えて行ったのか。
それで尋ねたのだが。

S子「え、そんなの知らないよ?」
半分面白そうに笑いながらS子は言った。
笑っていたから、実は何か隠しているのかも――――なんて考えたけど、本当に知らなさそうだった。

S子「ただ、もうオレさんに会いたくない、見つかりたくないって思ったかな」

S子の言う推測では。
オレに会いたくないと強く願ったから、姿が見えなくなったんじゃないかと言うこと。

オレ「そっか……不思議だね。でもすごく不安になるから、何か言ってほしかったなぁ……」
とか、オレは言っていた。

、今だからオレの推測を混ぜると。
S子の場合は主に他に影響を及ぼす感じのチカラが強い子だった。
つまりオレの視界に怪奇現象を起こしたんじゃないか、と思っている。

それぐらい、俺に会いたくなかった……と言うより、会わせる顔が無かったんだろうね。

352:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)17:15:24 ID:agkvzEh31
となると不思議なことがあった。
オレの頭の中に、何故S子が商店街を歩いているビジョンが浮かんだのか。

S子「私は知らないですよ?」
そうS子は言いながらも、何か心当たり有る様な顔をし、少し考えていた。

S子「そう言えば……、やけにオレさんの声が聞えたかもしれません」
オレ「どういうこと?」
S子「なんか、歩いているとき、”S子どこかなー”って、ほら今の名前で考えていませんでした?」
オレ「あ……っ」

心当たり有り過ぎてやばかった。

S子「オレさんは……w」
鼻で微かに笑いながら、S子はニコッとした。

353:みっちゃん◆KK1/GhBRzM2014/08/01(金)17:17:09 ID:mtwcP4JDs
イッチとS子には精神的というか、物理法則を超えた繋がりがあるということだろうか

354:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)17:18:31 ID:agkvzEh31
>>353
うーん……ネタバレになっちゃうけど、そう言う所かな。
この後、北海道に行ったら色々判明するし、この時のオレの状態も判明するから。

そこで納得してもらうしかない。

ちなみに、俺は愛のチカラだと思ってる!!!!!!!!!!!!!!!!!!

……嘘です(゚∀゚*)いや、半分そうだと思ってるよww

355:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)17:23:31 ID:agkvzEh31
従兄「ちょっと良いかな、オレ君?」
ドアを開け従兄が俺を呼ぶ。
従兄はS子の方を見ていたが、敵対心と言うより、観察するように見ていた。

オレ「ちょっと言ってくるね……」
S子「はーい」
そう言うとベットの上に座るS子が手を振った。
内心ちょっと押し倒したい衝動に駆られた。同人の見すぎだ。

従兄「……オレ君は、覚悟できたのかな?」
それはS子のお祓い……と言うより、成仏についての話だった。

従兄の方から、親父の実家に話をつけてくれたそうだ。
霊視できる伯父は、オレの家が、とてつもない大きなオーラ(霧?)に包まれてるとか、騒いでいるらしい。

なお、この小父、銀行マンである。
信用が商売のような人である。
そんな人が大真面目にそう言っているのを想像して少し笑いかけた。

356:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)17:29:53 ID:agkvzEh31
従兄「ただ、お爺ちゃんとお婆ちゃんもかなり感じているみたいだね……S子ちゃんのこと」

おーっと、まさかの従兄が「ちゃん付け」したぞ……などと、思ったが言わずに真剣な顔で聞いた。

従兄「正直、家でも困ってるそうだ。
 今回の相手はデカすぎるって。地縛霊の時の比じゃないらしい。
 おばあちゃん曰くね」

オレ「……S子はやっぱり、そう言う子なのですかね」
あの異常現象……本当にS子は何者なんだろう。

従兄「オレは専門じゃないか分からないけど、凄い方だと本当に思うよ」
オレ「ふむ……じゃあ、成仏は?」
従兄「本人に”成仏したい”って少しでもあるなら大丈夫だって!」
オレ「そ、そうなの……?」
従兄「未練があれば、残ることもあるけど、それもゆっくり一つづつ上げるんだよ」

俺にはよくわからないが、そうらしい。

357:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)17:31:39 ID:agkvzEh31
その後、北海道までの予定について話をされた。
北海道に到着したら、電車に乗り、それで実家に行くらしい。

……ただ、それで行き成りお祓いじゃあんまりだから、到着してから3日後に始めるそうだ。
それまでの間、色々な所を観光しようとなった。

――実は、従兄と親父の気遣いだと、俺は気が付かず。

359:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)17:40:03 ID:agkvzEh31
部屋へ戻り、S子へその事を話した。
S子は寂しいとも、元気とも、どちらともとれない真剣な顔で「うんうん」と頷いてくれた。

S子「そっか……明後日なんだね、北海道いくの」
オレ「そうだね……」
S子「短いね……」
オレ「……そう言うこと言わないでよ」
顔は笑っていたが、多分半泣きしてたと思う。

S子は俺の方を見て、ニコニコしていた。

オレは強い子だなーなんて、呑気に思っていたけど。

S子「……大体一週間かー、遠いのか、短いのかーわかんないよ」
S子は怖かったと思う。
初めての経験だし、どうなるか分かった物じゃないからね。

それにやっぱり悲しさが伝わってきた。
初めに動機かな……って感じの脈がしたんだよね。
そしたら、なんか、S子の方を見ていると凄く悲しくなってきたんだ。

S子「このお話は、その時になったらまたしよっ?」
オレ「そ、そうだね(´∀`;)」

そうS子に言われなければ、泣いていたかもしれない。
てか、思い出すと本当にオレ駄目だめだな……ww

360:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)17:45:28 ID:agkvzEh31
その後、S子にパソコンのことを聞かれた。
オレは、話しをしているなかで、パソコンを起動させた。

S子「……デスクトップ以外に普通なんだね?」
オレは少し傷ついたぞーーーーーー( ;∀;)

S子「いや、オタクって言ってたから、可愛い女の子の絵とかなーって……」
オレ「一時期そうしていたんだけど、親にね……」
S子「あっ……ごめん」

なお実話である。

出張から帰ってきた母親が、何故かオレの部屋を掃除し、何故か本棚の裏の同人誌を見つけ、
何故かオレのデスクトップを起動し、何故かオレの隠しフォルダの属性を解除し、

何故か、メモ帳で「……いつまでも子供じゃなくてよかったです」と書かれていた。

この恐怖、もしかすればS子以上かもしれない。

361:みっちゃん◆KK1/GhBRzM2014/08/01(金)17:46:23 ID:mtwcP4JDs
>>360
母親こえーww

362:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)17:47:02 ID:agkvzEh31
その時、行き成りスカイプが鳴った。

オレはS子に「ごめん、友人からだ!」と言いヘッドホンマイクを取る。
S子は何故か「おおー、かっこいい……」と言いながら目を輝かせていた。

電話相手は、社長・ニト・専門……そして、髑髏さんだった。

363:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)17:49:56 ID:agkvzEh31
骨顔さんだった、すまん。

社長「どうしたんだい、最近急にログインしなくなったけど?(‘A`;)」
ニト「そうだぞ、スカイプだって無視しやがって……ったく(# ゚Д゚)」
専門「オレさんおひさー(´∀`v)」

オレ「ははは……、色々ありまして」
と言うが、全員がいっぺんに色々ゴチャゴチャ、なんか凄く心配していたようで、
意外にニトがデレてたり、社長が「無事でよかった」とか、専門が「で、どうなったのー」とか。

とにかく、カオスな通話だった。

しかし、そんなカオス通話も10秒ぐらいしてから。

骨顔「オレさん!!!!!今どこに居るんですか!!!!?」

――と、骨顔さんの大きな声が響いてきた。

364:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)17:53:58 ID:agkvzEh31
骨顔「話は、社長さんたちから聞きました!!!今すぐ逃げたほうがいいですよ!!!」
オレ「えっと……」
骨顔「実はですね、ずーっとオレさんが夢に出て来て、そのオレさんに黒いモヤがまとわりついているのを見ているんです!!!!」
オレ「音割れェ……」
骨顔「それに、そう言う夢をみるようになってから、オレさんログインしなくなるし!!!」
オレ「その……」
骨顔「オレが変なことを言っちゃったから、気にしているのかなとか、思ったりもしたんですけど!!!」

骨顔「とりあえず、今オレさんは危ないと思うんです!!神社とかに逃げてください!!!」

オレ「うん、分ってる大丈夫だよー(´∀`;)」

骨顔「行き成り変なことを言っているのは承知な……の、です……え?」

ここまで喋る骨顔さんは初めてだった。
チャットだと物静かで、同時にオフ会でも周りの空気を保とうと努める人で。
もっぱら自分から話をしに来る人ではなかったからである。

自称霊能力者()とか、内心馬鹿にしていたが、俺は骨顔さんを信じれた。

365:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)17:59:28 ID:agkvzEh31
その間、S子は部屋の中を見て回ってた。
正直、カーテンが勝手に開いた気がしたけど、それは気にしなかった。

社長「そ、それで……どうなったんだ?(‘A`;)」
ニト「うん、言え、はやく( ゚д゚ #)
専門「気になります!(ここ二日でハマッたらしい)」

骨顔「……話して、くれ……ますよね」
やけに骨顔さん神妙な言い方だった。

オレ「すこしまって。」
そう言うと、スカイプのボイスをオフにし、S子へ説明する。

S子「えw信じてる人がいたのですか?」
オレ「遊び半分だけど、ネットはそう言う所だよ」
S子「うーん……、オレさんが話したいなら話していいと思いますよ?」
オレ「そっか、ありがとー(´∀`*)」
S子「た、ただ、さっきの好きは内緒で(>Д<;)」

オレ「もちろん( ゚д゚ )←真顔」

そんな話をしたら、専門やニトの弄りが計り知れないじゃないか……。
もちろん、バレて、今となっては専門とニトに弄られてるけど……それは、かなり先のお話になる。

366:みっちゃん◆KK1/GhBRzM2014/08/01(金)18:00:46 ID:mtwcP4JDs
骨顔さんの喋り方が気になる
え?が引っ掛かるんだ

367:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)18:05:02 ID:agkvzEh31
>>366
純粋に俺が危険な状況になってると、理解しているのを知ってて驚いたみたい。
ちなみに少し脚色した。

本来は。

骨顔「とりあえず、今オレさんは危ないと思うんです!!神社とかに逃げてください!!!」
オレ「う、うん……」
骨顔「行き成り変なことを言っているのは承知の上なのですが!!!」
オレ「ちょっと聞いて……」
骨顔「ほんとうに危ないんですよ!!!」

オレ「うん、分ってるから大丈夫だよ(かなり大きな声)」

骨顔「・・・え?」

ちょい、離席します。すぐに戻ってくると思います。

369:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)18:18:29 ID:agkvzEh31
オレは、スカイプに戻り、ここ三日間S子を探していたと話した。
本当ならS子を見つけた、で終わりにしたかったけど、

骨顔「……それだけじゃ、ないですよね……?( ○w○)」
と、骨顔さんが妙に鋭かった。かなりの自身があるような。
にしても、なんだろう……だんだん刑事ドラマの取り調べ中な感じになってきたぞ。
いや、本人はかなり真面目らしいですがね。

専門「私、気になります><」
ニト「チッうせーな、タヒね(# ゚Д゚)」
こんな感じで外野は騒いでた。

オレ「そんなことは……」
社長「ふむ……もしかしてだけど……、近くにS子がいるんじゃないのかな?」
社長、社長モード突入。

骨顔「たぶん、居ますよね……。憑りつかれました?」
オレ「……いやぁ」

社長「私たちに話してくれるよね。場合によるなら、休日だし駆けつけようか?」

しゃちょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお。

行動力ありすぎぃいいいいいいいいいいいいいいいいいい。

流石マスタァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!

数百万人居ると言うプレイヤーの中から、極限られた者しかなれないと言う、その称号。

『”カリスマスター”』の称号を持つだけあって、凄まじいぞ……。

まあ、見方かけると「大きなお世話」なんだけど、社長は真面目だったんだと思う。
ちなみに、社長とは別ゲーからの付き合いもあり、チーム内ではダントツで一番付き合いが長い人です。

370:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)18:19:25 ID:agkvzEh31
>まあ、見方かけると「大きなお世話」なんだけど、社長は真面目だったんだと思う。

見方変えると、でした。失礼しました。

372:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)18:25:54 ID:agkvzEh31
オレは観念し、話をした。

オレ「今、S子が俺の傍に居ます……」
コナンの自供するときのBGMが、頭の中で流れ出す。

骨顔「え?じゃあ憑りつかれたの∑(○w○;)」

オレ「そうじゃなくて……オレとS子で和解しました」

社長「ふむ……私みたいな感じかな……(‘A`?)」

専門「おおおおwwwwwwwktkrwwwwww」
ニト「専門。黙れ、落ち着け、くたばれ」
専門「は、はーい……^^;」
ニト「そのままマイクオフにしろ、分かったな?」
社長「うん、専門君は少し静かにしてもらうと助かる」

専門「は、はーい……」専門マイクoff

オレ「ま、まあ、とにかく、なので大丈夫です……!」
骨顔「いや、絶対よくないですよ……直にお祓いを(○w○;)」

オレ「うん、S子は自分から『成仏したい』って決めました」

専門「マジですか!?!!?!wwwwwwww」専門マイクon

オレ「お 前 、 さ っ き か ら ウ ル セ ー よ 。」専門マイクoff

373:みっちゃん◆KK1/GhBRzM2014/08/01(金)18:26:48 ID:mtwcP4JDs
専門ワロタww
頼むからゲーム名教えてくれぇww

376:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)18:33:04 ID:agkvzEh31
社長「あとで話教えるからー^^#」

専 門 会 議 チ ャ ッ ト 追 放 。

オレ「……何を言えばいいでしたっけ?」

そんな感じの空気が流れる会議チャット。

骨顔「……うーん、なにか害とかはでていないんですか?(○w○;)」
オレ「え……無くはないけど……」
骨顔「近くに居るの危険じゃないの……?(○w○#)」なんか熱くなってきた。
オレ「それはないよ!(断言)」

骨顔「 本 当 で す か !? 絶 対 に 大 丈 夫 な の で す か !?」

社長「まあまあ、骨顔さん。落ち着いてください」
骨顔「は、はい……すみません……」

社長「代弁させて頂くけど、骨顔さんは凄くオレ君を心配していてね……
 オレ君も、骨顔さんのこと悪くは思っていないだろ?」

オレ「そ、そりゃもちろん……」

社長「そうだよね。

 いやーwでも昨日は面白かったぞーw

 骨顔さん『オレさんタヒんでないよね?』とか真顔ならぬ、真声でいうんだからさwwww

 ワッハッハッハwww」

ニト「お、おお、俺が変なこと言ったから……(泣き声)」

骨顔「わーーーーー、わーーーーー、わあああああああああああ(○w○!)」

377:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)18:35:44 ID:agkvzEh31
どうやら、かなり骨顔さんは、オレのことを心配してくれていたらしい。
それはホモ的意味ではなく、昔からもっている霊感ゆえだそうだ。

骨顔さんが、オフ会でした怖い話もそうだった。
友人たちが心霊スポットに行くのを止めていたけど、嫌々ついて行き、
そこで怒る怪奇現象から救う、とか言うありきたりな話だった。

ただ、それも本当だったのだろう。

ちなみに骨顔さんも、かなりの守護霊をもっているらしい……が、心霊事じゃないと働かないらしい。

ちなみに骨顔さんの凄さは、この会議チャットでも判明する。

378:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)18:37:44 ID:agkvzEh31
骨顔「そういえば、さっきから……女性?の声がしますけど……(○w○?)」
オレ「え?」
オレは、不意にS子を見る。

S子は崩れてとりあえず、重ねまとめた本を見ている。
なにか、鼻歌を歌っていた。

オレ「ちなみにどんな感じの声?」
骨顔「うーん……言葉は聞き取れないけど、歌かな?」

こ い つ 、 ガ チ だ 。

380:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)18:43:55 ID:agkvzEh31
社長とニトは、もちろん聞くことはできなかった。

社長の提案でブーストかけたが、特に聞えなかった。
骨顔さんは、大分聞こえる様になって「カワイイ声の子でしょ?」と言っていた。

骨顔「まあ……、問題ないみたいでよかったです」
社長「骨顔さんは心配し過ぎだよww」

どっちも、どっち、レベルで心配し過ぎだとオレは思ったが、言わなかった。

ニト「はー、でもなんか、よかったよ」
オレ「え?」
ニト「やっぱり、ゲームや漫画やテレビでも言われているけどさ。
 成仏できないで、唯何もできないまま過ごすのって嫌じゃん。
 そりゃマンガ本読めたり、ネトゲできるなら、俺はいいかなーって思うけどよ、

 そう考えれば、S子が『成仏したい』って選んだのは正しいと思うし、応援しなきゃだなー」

オレ・社長・骨顔「「「(・∀・)・(‘A`)・(○w○)」」」

ニト「え、なんだよ……」

オレ「ニトって、そう考えることできるんだーって……(・∀・)相談乗ってくれてたけど」
社長「いやー、今の言葉、少し見直したよ(‘A`)」
骨顔「日頃暴言多いから、自己中心的な人だと思いましたけど、優しい人なんですね(○w○;)」

ニト「なんでオレ、フルボッコにされてるんだwwwタヒねよwwwww」

381:名無しさん@おーぷん2014/08/01(金)18:46:42 ID:cblp72hAH
ニトかわええなwwwww

382:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)18:48:49 ID:agkvzEh31
この後、そう言う流から結構楽しい雑談会になっていた。
専門のコンタクトが、ピコピコしていたが、俺は見なかった。

ただ、俺はあんまりS子をほっとけず、その会議から申し訳なかったが抜けた。

話しが変わるけど、後日、社長・ニト・骨顔の三人が専門を懲らしめた。
その時の様子を見た、チムメン曰く『骨顔さんが怖かった』との事。

ちなみに、釣りじゃないけど、AAで表すとしたらこんな感じになると思う。
オレはその為に、骨顔さんに(○w○)な顔文字を付けた。

 /|
 L| ノノノノノ
  |(○○ )  ←骨顔さん。
  V||||\>        『骨顔さんは、かなり怖かったそうだ(笑)』
     /\
T  <ニm< ̄>
○<二≡3 ←専門

384:名無しさん@おーぷん2014/08/01(金)19:24:38 ID:1at0mFGOr
今日中におわりそう??

385:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)19:56:34 ID:agkvzEh31
休憩もうすこし……寝るかも……(ぁ

>>384
たぶん、と言うより確実に終わらない。
明日中に終わるかな……、たぶんこの先特に書くことがないから、飛び飛びになるけど、
明日中に終わればいい方かもしれない。

なるべく自分の中で話したい事をまとめているんだけど、書いている途中に思い出すと暴走する。

S子かわいい……可愛すぎるよ……(´∀`*)

386:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)20:39:44 ID:agkvzEh31
>>382の続き

S子「……面白いひとたちだったね」
オレ「え、聞こえてたの(・∀・)?」
S子「少し音漏れてたよ(´∀`)」

通話を得てS子との最初の会話だった。
……いや、違和感に気が付いた。なんか、笑顔なんだけど、すごーーーーーーく。すごーーーーーく。

ほら、教室で黒板消しをドアに挟んで、先生を待つ学生のような顔って言うのかな?
なんか、すごーーーーく、そんなニヤニヤした顔してるの。

オレ「……ど、どどうしたの?」
オレは苦笑いしながら聞いた。

S子「エッチな本が……ねぇー……」
す ご い 、 リ ア ル ジ ト 目 な S 子 。

いや、なんかその表情と苦笑いな感じ、凄くかわいいのだけど。
その目線の先には、先ほど崩した本棚があった。

そして、その崩れた本には、もちろん

オレの戦利品が混ざり、事もあろうに、大体表向きだった。

387:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)20:44:17 ID:agkvzEh31
オレは硬直した。
なぜ、よりによって、ああいう本を一番上に置いていたのか。

なぜ、S子はその本を見ながら「へへ~」と(・∀・)ニヤニヤしているのか。

…………。

何より、何故S子は『胸が露わになった少女の表紙の本』を指さしているのか。

ああ、そうだとも。

うん、その少女……

学生服(破れてる)に、肩まで伸びた髪の毛に、穴空き黒ストッキング。

オレ「……顔は違うよ(´∀`:)」
S子「エッチ……」
オレ「……大丈夫区別ついてるよ(´∀`:)」
S子「でも似てるよね……」
オレ「……はい。」

S子「……こういうの好きなの?」

なんて答えればよかったのか、俺は未だに、その真理にたどり着けていない。

388:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)20:46:46 ID:agkvzEh31
オレは、ネットでよく見かける”結婚するから捨てる”や、”嫁に見つかったから捨てる”を甘く見ていた。

昔:オレ「なんで捨てるんだよwwwくれよwwwww」
今:オレ「そうだな、捨てなきゃ駄目……だよな……(哀愁」

S子「……まあ、オレさんも男の子ってことですね」
オレ「は、はい……」
S子「この本はいいけど、他の本は……つ、ツル?」

ごめんなさい、そうです、私は変態でーーーーーーーすっ!!!!

え?知ってた!?いやー、こまったなー……(´∀`;)

389:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)20:50:40 ID:agkvzEh31
S子「なんていうか……もっと普通の本はなかったの?」
オレ「ご、ごめんなさい……」

S子「もぉ……私は許すよ、けど、他の子は引いちゃうよ?」

優しくオレをさとすS子。

ただ、その言葉、既に2度目だ。(by姉貴

S子「……にしても、本当に足が好きなの?」
オレはハッとした。

たしかに、足が綺麗な感じ系が多いかもしれない。
いや、滅茶苦茶な顔の奴は流石に無理だが、足が綺麗なら逝ける。

オレ「……そ、そう言うわけじゃ」
S子「さっきも聞いたけど、結構足ばっかみていたよねーw( ^ω^ )ニコニコ」
オレ「は、はい……」
S子「足みたいですか?」

見たいです、とは言えず、なんか俯いた。

390:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)20:53:27 ID:agkvzEh31
S子「……ははは、でも正直気になってたんですよ。
 このスカートの中、どうなってるのかなーって。」

オレ「え?」

S子「自分で上げることもできるんだけど、なんか……嫌じゃないですか……」

オレ「ああ……」

なるほどひとりでやる時に、自分のパンツ見て萎えちゃうのと同じか。

S子「……見たいですか?」

二度目の質問……。オレの理性は臨界点突破のフル稼働だった。

391:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)20:56:34 ID:agkvzEh31
オレは時刻を確認する。
もう十分に夜だ……時間が経つのは本当にはやいなぁ……

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

オレ「うん、やっぱやめよう、話替えよう」
S子「え、あ……そうだよね……なんか変なこと言ってごめんね」

DT、本能に勝てずorz

392:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)20:57:30 ID:agkvzEh31
すまん、思い出してたら、なんか凄く恥ずかしくなってきた。

くっそ、書いちゃった以上、しかたがないのだけど。

……期待していた方々、ご安心ください。大丈夫です。

393:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)21:07:26 ID:agkvzEh31
その後は、S子が見守るなか、本棚整理をしていた。

S子「えー、それじゃ読もうとするとメンドウじゃないですか?」
言う発言がかなり印象的だった。

オレ「大丈夫、これは男の見栄なんだ……策略なんだ……(大汗」
ちなみに今日来た友人にラノベを貸したつもりが、官能小説だったことが多々ある。
見栄も糞も、策略も、あったもんじゃない。

そんな謎な公開処刑されながら、オレはS子の見守るもと、せっせと本棚を片付けた。
ちなみにS子は同人誌を見るたびに、こうツッコミを入れて来た。

S子「えーっと、この本なんて言うだっけ……」
わーお、それは社長が好きそうな本じゃないですか、てか社長オススメの本じゃないですか^q^
思い出さないで良いよ、かたずけるよー^w^

S子「……こういうの見てて楽しい?」
わーお、それは獣○な同人誌じゃないですかー、ぶっちゃけそれは友人に頼まれて秋葉でかって、俺がハマった物です。
友人に会わなければこうはならなかったです^w^

S子「やっぱり学生もの多いですねw」
好きと言えば、好きですから……。てか、やめて、そんなに見ないで。
この服カワイイーとか言わないで、しかもその本触手者だから。召喚獣に襲われる系だから。

S子「スクール水着にニーソってなにがいいのですか?」
オレ「えっ?」
S子「男で言うなら」

S子「 ふ ん ど し に 学 ラ ン っ て 感 じ じ ゃ な い で す か ?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
S子はやっぱり凄い子だ。

どうしてそう、変なこと覚えてるの。てか、発想できたの。
なに、男の惹かれるポイントふんどしなの?
そのふんどしに、さらにそそられちゃうポイント加えるなら学ランなの?

そんな感じで、昨日より疲れながら、オレは本棚を片付け切った。

394:◆Jv4G8upKnw2014/08/01(金)21:13:13 ID:agkvzEh31
今日はここまでで、終わりにします。眠気が……ww

ちなみにS子は「変なこと言ってごめん」と言ってたから……
普通の子だよ。良い子だよ、カワイイ子だよ。
多分オレに毒されたんだと思うよ。そうだと思うよ。

ちょっと変な本見て暴走しちゃった幼稚園児的な感じだったんだろうと、思う。

396:名無しさん@おーぷん2014/08/02(土)00:02:10 ID:Jq0dbIjSy
>>1
楽しみにしてるよ

397:名無しさん@おーぷん2014/08/02(土)07:24:38 ID:mUv3VYVpg
おいついた
す、すごく
お。、面白いです

PickUp!