ある理不尽な修羅場で異動になった事もあって、仕事が終わったら飯作って寝る生活。
工場のまわりには飲み屋もなく、帰りにスーパーによるだけの生活だった。
その日は、朝から風が強く嵐が近づいていたので、スーパーで買い物を済ませて車に戻る途中で
強い雨と風で自転車を持って立ち往生している彼女と目があった。
職場では顔は知っているが、あまり話したこともない派遣社員である事は知っていた。
俺は、この嵐じゃ自転車じゃ無理だから家の人に迎えに来てもらったらと言うと
彼女は頼める人がいないと言うので、俺の車で送る事にした。
俺のアパートの向かいのアパートに住んでいることが分かったので、家まで送る事にした
次の日、一緒に車で出勤して帰りに自転車が置いてあるスーパーに行ったが
彼女の自転車が無くなっていたので、自転車を買うのにも徒歩じゃいけない距離だし
自転車を購入するまで俺の車で通勤することに。
それから彼女が気を使ってくれて、おかずを持ってくれて一緒に晩飯を食べたりしてた。
彼女は、感情を表に出さないし、聞いたことしか答えないけど
それでも彼女の生い立ちをポツリポツリ、話してくれた。
放置子でネグレクトにもあっていて、施設に預けられて高校卒業後に働きだしたが、
親が稼いだお金を全て持っていくので周りの人に助けられて、
誰も知らないこの土地に逃げてきたことを話してくれた。
彼女が自転車購入後も天候の悪い日は、一緒に通勤することも多くなり
自然に広めのアパートで一緒に住むことになった。
あまり笑わない。
工場の同僚からは、彼女と付き合い始めてのころの飲み会で
俺は幸薄うそうな女が好きそうな感じがしていたって言われたな
俺自体が幸が薄いからいいんだと笑って返したが。
一緒にいてて楽しいんだろうかと思う事もあったんだが
彼女が書いている、雑記帳みたいな日記を彼女用の衣装ケースから見つけた
そこには、彼女が作った料理に対する俺の反応が書かれていた。
12/10 ポトフ 彼が喜んでお替りしてくれた。次も頑張る
12/24 クリスマスイブ、キチンをハーブで焼いた うれしそうに食べてくれた
初めてクリスマスが楽しいものだと知った
1/1 初めてのお雑煮 彼の田舎の味じゃなかったみたい 工夫したい
1/2 彼に聞いて一緒に作った彼の田舎のお雑煮 美味しかった 今年も一緒に居られますように
俺のパソコンで料理のレシピを検索して、いろいろ作ってくれているけど
俺の反応をこんなに観察しているって知らなかった
愛されていることも、彼女が楽しいこともわかった。
子に田舎に来ることになった理不尽な出来事が解消されて、
本社から帰還命令が出ているがもう少しこの生活を続けていたい
3年経ってこちらの生活慣れたし、本社の出来事は忘れたいので戻りたくない。
本社にいた時に、同期に結婚を約束した彼女がいた。その彼女をAとする。
俺の親は遠距離だったが電話で了解を取って、Aの両親とも賛成していただいた。
会社には言わずに交際していたが、俺達の上司には知られてしまった。
上司はAに言い寄っていることも有り、内緒にしていたのだが
同棲予定のアパートに先にAが住むことになって、定期券の関係で出した異動届を
その上司に見つかり、先に住んでいたAのアパートに来るようになった。
俺が工場に出張している時に、上司が押し掛けて大変だと電話があって心配していた
Aから、上司に交際していることを話して、帰ってもらったから大丈夫とメールがあった
その次の夜に、Aと上司の行為の画像を張り付けたメールが上司から届いた
Aにメールや電話を入れたが連絡が取れず、Aのご両親に連絡した。
所属の責任者である部長に当日中に田舎の工場の異動を言い渡された。
部長に俺とAの事を上司からのメールの事などで説明したが
部長からどんな理由であれ上司を殴るのは駄目だ
今ある出張先の工場に残した仕事を終了した後も、そのまま転籍せよ。
何を言っても、部長は親戚である上司を庇い、俺は減給され異動になった
Aは強姦のショックで発作的に自殺して、命に別状はなかったが激しい鬱になって入院した
Aは入院中に退職させられた、Aの両親はそっとしてやってほしいと言われ
Aとの面接も叶わずに婚約解消になった。
例えAが治っても俺を見てフラッシュバックを起こすかもしれないと
Aの姉妹や両親に言われたら別れるしかなかった
今後何かの役に立つかもしれないと上司からのメールを渡して、田舎の工場に行った
Aが治療を終えて退院し、上司に対して裁判を起こして
3年前の事が部長以外の役員の耳に入る事になり、上司と部長が解雇となった。
専務と総務部長と俺との面談で、不当な減給とボーナスも他の社員の半分以下だったのを
原状復帰、今までの不利益分の補填として慰謝料込で500万が会社から振り込まれた。
そのかわり、会社に対して訴えないと言う念書は書かされた。
給料もいきなり10万増えて、本社に昇格して戻るように通知がされた。
引き継ぎやこちらの事情もあるので、1年の猶予を貰った。
1年後には大阪に戻る事になると話した時に、彼女からAと復縁するのかと聞かれた。
Aの両親から言われた言葉を話して、もう終わった事だと言った。
もし復縁の可能性があれば、退院した時や裁判が終わった時に連絡があるだろうがいまだにない。
上司と部長は、裁判で前科になったら再就職も出来ないだろうから示談で終わったと聞いた。
事件が表沙汰になって、Aと同僚だった女子からは復縁を望むメールもあったが
AとA家族も今や復縁を望んでいないし、俺の事も忘れたいはずだと返事した。
彼女のことは、1年でどうするか決めないといけないが
彼女からも大阪に着いていくと言わないので、着いてきてくれるかとは、何故か怖くて聞けていない。
彼女の過去を考えれば自分から着いていきたいなんて要求してくるはずもないだろうからさ
そういうタイプの女性は、自分から着いていきたいとか言わないんじゃね?
迷惑じゃないだろうかとか考えてそう
来て欲しいなら、おまえさんから切り出してやるべきじゃないかね
結婚して、大阪に着いてきてほしいと言ったら
泣き出して止まらないので、フォローしてくる。
これ以上書くこともないので、名無しに戻ります。
おめでとう! 幸せにしてやりなよ!!
良かったよおめでとう!
ご結婚おめでとうございます。奥様と共にお幸せに~