いきなりの集合でも、集まりの良いメンバー。和気アイアイと飲んでた。
そしたら何故か結婚の話になった。
独身組は結婚願望があるのかとか。
私はハッキリ「あります!」と答えた。彼氏居なかったけど。
営業男は「したいですよぉ。でも良いと思う人は皆結婚してたり、彼氏居たりするからなぁ」って言ってた。
聞かれてもないのにアントンが「私は今フリーだし」って言ってた。
無視されてた。
するとワンマン社長が営業男に「どんなんがタイプやねん。」って聞いた。
営業男「クリステルさんみたいな人がいいです。何で結婚してるんすかぁ」
怖くてアントン見れなかった。
そしたら、トイレのドアをトントンされた。
絶対アントンだと思って開けたら、猪木の顔真似したベテランさんだった。
アントンは帰ったらしい。
帰る前にクリステルを思いっきり睨んで帰ったらしい。
クリステル・・・ごめんなさい・・・。
ここで営業男がある告白をしてきた。
聞くところによると、アントンが営業男を好きなことは営業男も知ってた。
でも、気づかない振りをしてた。
自分のせいで、こんな事になって申し訳ないので何か出来ることがあれば言ってくれという事だった。
無茶苦茶すぎる。
営業男はもちろん「無理です。嫌です。」って断ってた。
そりゃそうだ。
とりあえず、問題が起こらないことを祈りつつ、その日は帰った。
アントンのいじめ方は、内側からズンズンくる。
人の心をボロボロにして喜ぶタイプのいじめ方だった。
何かある毎に、「高卒のくせに」とか「貧乏人は金稼ぐの必タヒやな」とか。
仕事と全く関係ない事でズンズンくる。
こないだまで恋の相談してたくせに、記憶障害なのかと思った。
あいかわらずヘンテコな『出来る女』で
「部下に注意して何が悪い!」とキレる。
クリステルも人間なので、100回に1回は計算ミスしたりする。
そういう時のアントンは「高卒、足し算教えたろか?」とか口出ししてくる。
そんな執拗なイジメが続いて、クリステルも皆も限界だった。
普段ベテランさんが金庫の管理やお金を合わせてたけど、帰りが遅くなるので社長もベテランさんも、その日はクリステルに任せてた。
社長はともかく、ベテランさんには居てほしかった。
何か不安でしょうがなかった。
私が入れそうなくらいの大きさ。
銀行印とかも、その金庫に入れてたんだけど、金庫を開けると銀行印が無い。
焦って探すクリステル。
皆も一緒に探した。
アントンだけは知らん顔してる。
金庫を隅々まで探しても見つからなかった。
証拠はないけど、私も友近さんも犯人はアントンだと思った。
ちょっと泣きそうになってるクリステルを見て、友近さんが強行突破に出た。
アントンの机にいき、横の引き出しを開けようとした。
もちろん抵抗するアントン。
必タヒの2人を見て、どうしていいか皆分からなかった。
もう会社の事務所じゃなかった。修羅場だった。
その時、社長とベテランさんが帰ってきた。
ベテランさんは何となく分かったみたいだった。
アントンと友近さんと所へ行って、理由を聞いてた。
そしてまず私に「あんたの机の中、探していいか?」って聞いてきた。
もちろんOKした。
ベテランさんは一人一人に承諾を得ながら、社長の机まで探して廻った。
最後にアントンの所にいって、「探していいな?」って言った。
ベテランさんの顔には、何の表情もなかった。
一つ一つ引き出しを開けていくベテランさん。
途中で動きが止まった。手には銀行印があった。
無表情のまま金庫へ直した。
そしてアントンに「どういう事?」って聞いた。
あんな怖いベテランさんを始めて見た。
イケウーマン?
「私じゃないし。クリステルが入れたんやろ?」ってクリステルを睨んでた。
コイツ本当に凄いと思った。
事務所の空気は重くて真っ黒で、耐えられなかった。
アントンが来るまでは、とっても楽しくていい会社だったのに。
悲しくて悔しくてちょっと泣いた。
社長はずっと黙ってた。
ベテランさんが
「社長、ここまできたら今後何が起きてもおかしくない。
誰が必要で誰が不必要な人材なのは分かってるはずですよね?」
って言っても社長はずっと黙ってた。
やっと社長が口を開いたけど、ビックリする内容だった。
「ベテランが言うことも分かる。
でもアントンさんは俺が世話になった人に頼まれたから辞めさせるわけにはいかん」
その言葉を聞いたとたん、アントンは普通に「おつかれさん」って帰っていった。
クリステルも辞めていった。
その後もどんどん辞めていって、新しい人が大半になりアントンがますます調子に乗った頃、
私と友近さんも辞めた。
クリステルは専業主婦になった。
友近さんも別の会社に就職した。
私は派遣登録をし、ボチボチ働いた
今でもクリステルとベテランさんとは年賀状のやりとりはしている。
友近さんとは、お互い忙しくなってだんだん連絡を取らなくなった。
ベテランさんとクリステルと同じ35歳鬼婚小梨生活してるけど、あの2人みたいに、素晴らしい人にはなれなかった。
仕事もそれなりに頑張って、常に笑顔でいるように心がけてるけど、やっぱりあの2人には適わないと思う。
ベテランさん情報です。
アントンはどうしてるのかわからないけど、3人からプロポーズされ続けてるんだろう。
おしまいです。
グダグダ文章読んでくださりありがとうございました。
ベテランさんは、何か知ってるみたいだけど教えてくれないんですよ。
おもしろっかった。
ぜひその後に関してサグリを入れて欲しいw