123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/01/25(水) 21:57:35.34 ID:alpydwtj0
優ちゃんは、俺とみぃちゃんが付き合っている状態にあることは知らなかったとはいえ、誘ったらOKしてくれるくらい、俺のことを認めてくれていたとは・・・

https://www.logsoku.com/r/2ch.net/news4vip/1327492120/
123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/01/25(水) 21:57:35.34 ID:alpydwtj0
モヤモヤを抱えながらも、デート当日、俺は緊張しながら駅前で優ちゃんを待っていた。
正直言うとこの時になっても、おれはまだみぃちゃんのことが少し気になっていたが、ふらふらしている自分の気持ちを確かめるためにも、今日が大事なんだ、と自分を鼓舞していた。 

紅葉も終わり、街が騒がしくなるちょっと手前、11月の事だった。 

日に日に寒さは増していき、人が恋しくなる季節だった。

124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/01/25(水) 21:57:55.23 ID:alpydwtj0
優ちゃんはコートを着て、イメージ通りのカジュアルな私服で待ち合わせ場所に現れた。 

優「待った?」 

俺「いや、待ってないよ。」 

などというありきたりな、しかし贅沢なやり取りの後、 

とりあえずちょっと歩こうか、なんて言いながら、街を二人で散歩した。 

俺「あの飛行機雲ってどのぐらいの速さで消えていくんだろう」 

優「計算したらわかるかなw」 

なんてどうでもいい会話をして、ちょっとオシャレなカフェで休憩した後、駅に二人で向かった。 

デート中にもう完全に俺の心は優ちゃんに奪われていた。 

みぃちゃん?ナニソレオイシイノ?

126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/01/25(水) 21:58:30.30 ID:alpydwtj0
そこで俺は勇気を振り絞って言った。 

俺「手・・・・つながない?」 

優「うん、いいよ」 

この子の良いところは、こういうとき変に勘ぐったりせず、素直に反応できるところだ。 

そういって手をつないで駅まで向かった。 

いわゆる恋人つなぎだった。

127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/01/25(水) 21:59:35.69 ID:alpydwtj0
その日はただ歩いただけで、特にイベントもなかったが、駅に着き、じゃあまた明日ね、なんて言って素直にバイバイできる優ちゃんとの関係が心地よかった。 

ここから「お茶ぐらいさそうよね?」みたいな世間一般の男女関係みたいなのは、面倒だ。 

俺は早速Dに会いに行き、 

俺「やってやったぜ、これ行けるんじゃね?」 

と話した。 

Dはミスチルの弾き語りに夢中だったが、俺は続けた。 

俺「これ脈あると思うんだよね。みぃちゃんと別れた方がいいかな」 

D「まぁ二股はよくないよね。そうすべきだな。」 

俺はみぃちゃんにやっぱり別れたいとメールで伝えた。 

みぃちゃんは、そっか、と短く返事をしただけだった。 

-みぃちゃん編・終了- 
-優ちゃん編・始動-

130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/01/25(水) 22:00:24.77 ID:alpydwtj0
それからほどなくして、俺はまた優ちゃんを遊びに誘った。 

今回は張り切ってボーリングから始まるデートプランを考えていた。 

その日は俺たちの学校の創立記念日で休み。 

町はいつも通り騒がしかったのに、俺たちはそのいつもの喧騒とは別の、ちょっとのんびりした雰囲気で落ち合った。 

ボーリング場に向かうまでに話しながら優ちゃんが言った一言に俺はこの恋の成功を確信する。 

優ちゃん「周りから見たら私たち、学校サボってデートしてるみたいだね」

132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/01/25(水) 22:01:42.64 ID:alpydwtj0
ボーリングも終わって、公園でも行こうか(計画済み)、なんて話しながら公園のベンチに二人で座った。 

近くから見る優ちゃんは、寒さに目をしぱしぱさせて、長めのマフラーを一生懸命顔に当てている。 

他の女子とは違う、化粧をしていないのに真っ白な頬が、寒さで赤く染まっていた。 

優「うーん、寒いねぇ」 

ここで俺の無駄に積極的な部分がまた表出する。 

俺「そのマフラー、一緒に巻かない?」 

優「えっ・・・。」 

こういう正直にびっくりしちゃうところがまたカワイイ。 

優「恥ずかしいな。・・・うん。でもいいよ・・・」 

そう言って、俺にマフラーを巻いてくれる優ちゃん。

134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/01/25(水) 22:03:05.61 ID:YmZT8PXs0
133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/01/25(水) 22:02:51.46 ID:alpydwtj0
もう雰囲気は完璧だ。 

お互いの気持ちは分かっている。 

あとは言うだけだった。 

ここで思い出されたのはNMBの悲劇だった。 

早合点して暴走したら、失敗することだってある。 

いやでもこの雰囲気はさすがに行けるだろ。 

でも振られたらもうおしまいだぜ? 

思考が錯綜する。 

そうして10分間悶々とした後、なぜか俺の口から出たセリフは、 

俺「キスしたらさ、付き合ってることになるのかな」 

だった。

135:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/01/25(水) 22:04:04.50 ID:YmZT8PXs0
138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/01/25(水) 22:05:09.27 ID:alpydwtj0
これは俺GJだと思った。 

一見、一般論を語っているように見えつつ、着実にコトを進めている。 

うん、まあキモイけど。 

優「うん、やっぱり普通はそうじゃないかな?」 

その時、ちょっと目線をそらした優ちゃんを見て、俺は「行ける」と思った。 

俺の目に「チェックマーク」をつけていた時の獰猛さが帰ってきた。 

俺は「じゃあさ・・・キスしない?」

141:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/01/25(水) 22:07:03.87 ID:alpydwtj0
優「ええっ・・・?。 

うん 

いいよ」

142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/01/25(水) 22:07:20.14 ID:alpydwtj0
決まった! 

ドラマだったら、このまま無言で二人の顔が近づいて・・・ 

となるところだが 

俺「えぇと、じゃあ・・・あー・・・どういう風にしようかな、どこに座る?」 

こんな状況でも細部に拘ろうとする俺。

143:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/01/25(水) 22:09:34.31 ID:alpydwtj0
俺がどういう風にしようとしようか悩んでいたその瞬間。 

チュッ 

優ちゃんからのファーストキスだった。

144:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/01/25(水) 22:09:51.50 ID:UabkBlgI0
あああああぁぁぁ

145:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/01/25(水) 22:10:15.52 ID:kPoPlAXU0
まじか、優ちゃん積極的www

146:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/01/25(水) 22:10:18.89 ID:FfKXTE6q0
えんだaあああああああ

147:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/01/25(水) 22:11:09.32 ID:alpydwtj0
俺「えっ」 

優「だっていつまでたってもしないんだもん」 

なんということでしょう。 

この子は俺よりも何枚も上手だった。 

俺「・・・えぇと、じゃあ俺達ってもう付き合ってんのかな」 

優「キスしたら付き合うんでしょ。だからそうじゃない?」 

俺「え、俺の事好きなの?」 

優ちゃん「うん・・・ 

・・・好きだよ////」 

て、照れやがった。 

かわいい。 

そして 

街はクリスマスに向けて動き出した。

148:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/01/25(水) 22:11:42.41 ID:CzTAFVrZ0
くそ

150:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/01/25(水) 22:13:11.12 ID:alpydwtj0
俺と優ちゃんは放課後一緒に帰ったり、時々二人で週末遊びに行ったりして、 

まったりと「恋人」としての日々を過ごすようになった。 

二人とも初めて付き合ったということもあり(俺も実質初めて)、なんとなく距離を確認しながらの安全運転のような恋だったと思う。 

俺なんかでも、女の子と手をつないだり、キスしたりできるんだ、ということがうれしくてたまらなかった。 

俺と優ちゃんは、とても仲が良かったが、時々些細なことで喧嘩もした。 

多分二人の距離が近すぎたんだと思う。 

感情を押さえつける理性も、気持ちを落ち着かせる経験も、当時の俺にはなかったが、ふたりで一生懸命努力して、その喧嘩さえも、愛に変えていくことができていたと思う。

151:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/01/25(水) 22:14:49.00 ID:alpydwtj0
さて高校生活もラスト1年に突入するわけですが、ここでまた青春が加速する。 

Dが親の都合で一人暮らしを始めたのだ。 

この家が俺の家からも、ともちんの家からも絶妙な距離にあったので、よく俺と優ちゃんとDとともちんで集まったりしていた。 

4人でダブルデートにネズミーランドに行ったりもした。 

しかしそれ以上に、俺がDの家に入り浸るようになり、よりえげつない作戦会議がおこなわれるようになった 

この作戦会議が深夜にまで及んで、テンションがおかしくなり、Dとふざけて、彼女への思いを歌にしてみたりした。
さすがに誰にも披露したことはないがw

152:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/01/25(水) 22:15:33.96 ID:alpydwtj0
当時俺たちのクラスには何組かカップルがいたが、「俺と優ちゃん」、「Dとともちん」、とあと「もう2組カップル」合わせて、「8人組」などと呼び、4カップルで遊びに行ったりもした。 

今から思えば超絶リア充に聞こえるが、当時は普通だと思ってた。 

特別を意識したことなんてなかった。 

そんな風に、幸せな時間をかみしめる暇もなく、もう二度と来ないかもしれない時を携えて、時間は流れて行った。 

青春が終わりに近づいてることも俺たちは知らずに、春が目の前にあった。

153:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/01/25(水) 22:16:04.89 ID:alpydwtj0
高校に入りたての俺には考えられないことだが、俺の人間関係はこれまでと変わっていった。 

一人でいることは少なくなり、「8人組」といることが増えた。 

もちろん一番一緒にいたのはDと優ちゃんだったが、Dたちとダブルデートなんかしてるうちに、俺はともちんとも仲良くなった。

154:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage2012/01/25(水) 22:16:05.93 ID:FNGjGS9i0
リア充・・・くそ

155:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/01/25(水) 22:16:45.56 ID:alpydwtj0
俺優Dとも、の4人は、全員の共通の話題だけでなく、それぞれ組み合わせの共通の話題なんかも結構豊富で、その4人でいると話が尽きなかった。 

優ちゃんとDは、よくモーニング娘。の話で盛り上がっていた。 

俺とともちんは、Jリーグの話を良くしていた。 

俺「え、ともちん川崎フロンターレ好きなの?」 

ともちん「うん!テレビだけだけどよく見るよ!応援してる!」 

俺「へえ、意外なチームが好きなんだね。誰が好きなの?」 

ともちん「中村憲剛」 

俺「^^;」

156:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/01/25(水) 22:17:12.11 ID:alpydwtj0
そもそも俺は、ともちんの天然な性格を、バカだと一刀両断して、片思い時代のDとの雰囲気を悪くしたこともあったぐらいだった、が、実際に話してみると、とても気が合った。 

Dがいなければ、仲良くなろうとも思わなかっただろうが、 

ともちん「あたしたち、意外に相性ぴったりだね!」 

とかふざけ合うぐらいになっていた。

159:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/01/25(水) 22:18:34.75 ID:alpydwtj0
ともちんがどう思っていたかは今でも分からない。 

更にいえば、当時俺がどう思っていたかも、あまり思い出せない。 

でも少なくとも、今冷静に思うと、俺は「ともちんが好き」という気持ちが芽生え始めていた。 

別に優ちゃんが好きじゃなくなったわけじゃない。 

その「好き」もカイワレ大根程度のちっちゃい芽だった。 

優ちゃんのことは、それはそれは大好きだった。 

だから、正確に言えば二人がそれぞれ「好き」だったのだと思う。

160:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/01/25(水) 22:18:53.63 ID:alpydwtj0
しかし、世間的には優ちゃんは俺の彼女。 

しかも、ともちんはDの彼女。 

しかも、4人は仲良しだ。 

色々な思いを抱えながら、でもそんな罪悪感を触媒に俺の気持ちは加速度を付けてともちんに近づいていった。

161:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/01/25(水) 22:19:40.29 ID:03ft4dof0
なんかやばくなってきた

162:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/01/25(水) 22:19:59.05 ID:cRSmAzmx0
なんだ、ただのスクイズか

163:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/01/25(水) 22:20:00.28 ID:alpydwtj0
そんなこんなで 

高校生活も終わりを迎え、桜の散る中、卒業式。 

卒業式は、どこにでもある、ありふれたものだった。 

D「ううぇーいwwwww」 

こいつのテンションは相変わらずふっきれてた。 

特に、何の感慨もなく、俺は高校を卒業した。 

が、波乱はこの後にあった。

164:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2012/01/25(水) 22:20:04.06 ID:CzTAFVrZ0
やな予感しかしない

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