幼いときは「中性的な見た目の男」だと思われていたのでそういう風に育てられたものの、自覚している性は女性だったので
そのギャップに長年苦しみました。
小学校高学年のときにこれとは関係のない病気で入院して、そこで初めて性染色体異常がわかりました。
(生まれたときにはわからなかったみたいです。親が私を嫌っていて詳細を聞けなかったので不明)
違和感の正体はこれかと知り、成人してすぐに家族の反対を押し切って手術等をして肉体も戸籍も女性になりました。
その後すぐに、手術の資金を援助してくれた祖父が亡くなったのを機に、遠く離れた県へ移住しました。
その後、夫と出会い、紆余曲折ありましたが(スレ違いなので割愛します)結婚しました。
結婚してから夫の転勤があって、2人ともに全く縁もゆかりもない土地に行きました。
私も働きたかったのですが、過去に仕事をしたときに男性だったことが思いもよらないところからバレて、
夫婦ともにそこで暮らしていけないくらいの思いをしたことがあったので、そのときは完全に専業主婦になっていました。
引越し先の社宅にボス的な奥さん(以下A)がいて、20代の主婦は皆いじめられていました。
子供を生んで一人前、働いて一人前、な考え方の人だったので、子供もいない若い専業主婦は見下す対象だったみたいです。
「2年だけ正社員をして寿退社」した私も、見下されていました。
Aも専業主婦でしたが、子供を生むまで10年も働いていたからいいのだそうです。
そのまま返してくれないということをされていました。
私は居留守を使っていたのですが、そのうち「いつも家を空けている。何をしているかわかったもんじゃない」と陰湿な噂を
流されるようになり、過去のこともあったので怖くなって、情けないですがAを受け入れるようにしました。
Aの旦那は会社の役員(社長の縁者)で、同族経営のいやらしいところがある会社だったので、A旦那に言いつけたら
私の夫に何か被害が行く危険があったため、泣く泣く諦めていました。(他の奥さんたちも同じ状態でした)
ある日の朝、Aが「私さんの家で社宅の奥さんたちとお茶会を開きたい」と言い出し、慌てて掃除をして受け入れました。
お茶会中にAがトイレに立ち、しばらくして「えーーー」と大きな声が聞こえてきて、何事かと思ったらAが勝手に寝室に入り込み、
あろうことかクローゼットの中の金庫を開けて、保管していた書類を見ていたところでした。
大慌てで掃除をしたために、金庫の鍵を寝室の机の上に置いたままにしていたんです。
夫が古物市で気に入って買ってきたアンティークな金庫なので、鍵も同様で、金庫本体を見てこれの鍵だとぴんときたんだと思います。
Aは「見て!私さんって男だったんだって!」と、性別を変更した際の裁判所の通知書やら医者の診断書やらを他の奥さんに見せました。
わざわざ、医者の所見のところも大きな声で読み上げられました。
面白おかしくあざ笑われ、私の夫のことも「同性愛者の変態」と罵られました。(念のため、私の夫は同性愛者ではありません)
書類や貴金属類を持って帰ろうとしたのを何とか取り返して、家からAや他の奥さんを追い出しましたが、翌日からひどいことになりました。
社宅中に私のことが広まって、それまで味方だったはずの他の奥さんからも露骨に嫌な顔をされるようになりました。
郵便物が廊下にばら撒かれたり、必要な情報が回ってこなかったり、自転車や洗濯物がなくなり、車は傷だらけになりました。
Aがうちでやったことは明らかに犯罪なのに、それはうやむやにされました。
警察もあてになりませんでした。
翌月には、私の夫がいきなり解雇通知を受けました。
解雇理由証明書の請求をしても応じてくれず、明らかな不当解雇だということで労基に駆け込んだところで、夫の友人が自分の経営する
会社に誘ってくれたのでそちらへ転職しました。
結局裁判寸前まで行って、会社から解雇予告金+退職金を通常より上乗せした金額を支払われることになったので手打ちにしました。
転職して他県の営業所に行っても、怖くて人付き合いができず、精神科のお世話になりました。
寝付いてしまって家事もろくにできず、転職したばかりの多忙な夫に大変な苦労をさせてしまいました。
精神が落ち着いてきた頃、Aに対する恐怖がようやく怒りに変わりました。
本当に、Aが憎くて憎くて仕方なかった。
復讐しようと思いながら過ごしていましたが、ある日突発的に刃物を鞄に入れてAの社宅に向かいました。
でも社宅の前で偶然、唯一優しくしてくれた奥さんに見つかって声をかけられたときに、何故だか泣けてきてしまって、
その日は何もせずに家に帰りました。
冷静になれば夫を犯罪者の身内にすることもできず、毎日Aを呪うことしかできませんでした。
たまに呼ばれて体験談を話したりしますが、要はマイノリティ同士が横のつながりを持とうという趣旨の会です。
数年ぶりに会合に呼ばれて行って、本当になんという偶然か、Aと同じ苗字の若い男性がいました。
Aは珍名なので、身内でないにしろ血縁者には違いないと思い、それとなく話を聞いたらAの息子でした。
A息子は当時他県で就職して一人暮らしで、親に性同一性障害のことは内緒にしている、金ができたら手術したいと言っていました。
神様っているんだと思いました。
帰宅して私は夫に全て打ち明けました。
夫もA夫婦を恨んでいたので、私の復讐に乗ってくれることになりました。
結論から言うと、そのときから数年足らずでA息子はA娘になりました。
何をしたのか。
金と情報をA息子に渡したのです。
私はA息子に、自分が職場でバレて悲惨な目にあったことを話し、ぜひとも早いうちに手術するべきだと勧め続けました。
成人したばかりの人間が性別を帰るときに必要な手続きやノウハウも教えました。
「自分の境遇と被って不憫でならないから」と、A息子への金銭的な援助もほのめかしました。
就職先も、夫の勤める会社で確保しました。
夫を誘ってくれた友人も、ある種のマイノリティだったので理解がありましたし。
その中で、はっきりとAの名前は出しませんでしたが、Aにいじめを受けたことを暴露しました。
会社名や社宅の場所、A旦那の役職等を出せば、実名を出さなくとも身内には言ったも同然でした。
A息子は何も言いませんでしたが、黙ってしまったので理解してくれたんだと思います。
今日、以前の社宅で唯一優しくしてくれた奥さんからメールがあり、Aが自殺したと知らされました。
A娘のことを苦にしてのことだそうです。
何故だか社宅だけでなく、近隣住民にもA娘のことが広まっていたそうです。
それについては私は何もしていないのですが、因果応報ってことなんでしょうね。
週末にお葬式があるそうなので、祝電を打つ準備をしています。
祝電を目にしたA娘のことを思うと、本当に笑えて仕方がないです。
数年ぶりに晴れやかな気持ちになったので、誰かに聞いて欲しくてここに書き込みました。
ネタみたいな話しですが、フェイクは一切入れていませんので、知っている人が見たら私が誰かわかるかと思います。
長々と失礼しました。
乙だけど、これはちょっと…