83の時に祖母(がっつり認知症だったので老老介護状態だった)を看取ってからは第二の人生を謳歌してる。
85から突然PCデビュー(ネットは未接続)、そして去年からスマホデビューした祖父だけど
スマホでネットサーフィンしてるうちに視野が広がったらしい。
俺の祖父が漁師やってて、新鮮な海の幸を時々送ってくれる。
殻付きのウニだったり、きれいな柵になった冷凍の大トロのマグロだったりなんだが
せっかく新鮮なものなのに、嫁が台無しにするんだよなぁ。
別に無茶苦茶まずい料理にするわけじゃないんだけど
自称料理好きの嫁が色々アレンジして料理するんだよ。
例えばウニオムレツとかウニのグラタンとかにしたり
せっかくの大トロなのにニンニク醤油に漬け込んでステーキにしたり、
こまかく叩いてマグロのハンバーグにしたり。
そう言うのじゃなくて、せっかく新鮮なものを送ってくれたんだから
そのままで食べたい、わさびを添えて刺身醤油でとぅるっっと口に入れたい。
火を通して食べるのは生だとヤバそうな時だけでいいって
それを幾度となく訴えるんだけど、何か手を加えて“料理した!”ってものにしたいらしい。
先日、高知の伯母から夜須のフルーツトマトがひと箱送られてきた。
これ、俺の大好物で小さいけどすごく甘くて味が濃くてウマいんだ。
届いた日にサラダにして食べて、まだ20個ぐらい箱に入ってたんだが
仕事から帰ってきたら空っぽになってて、どうしたのか聞いたら
残ってたの全部トマトソースにして冷凍したんだって。
それでなんかカッとしてしまい、「せっかく新鮮なものを送ってくれたのに
何故台無しにするんだよ!」って怒鳴ってしまった。
嫁はトマトなんて腐っちゃう前にソースにでもしないとダメじゃん!って言う。
夜須のトマトって実が固くて結構日持ちするんだよ。
ソースにするならそれからでもいいじゃないか。
ウニや大トロの事と言い、何故分かってくれないんだろうってムカついて
つい「料理が好きです、なんてただの自己満足じゃないか。
本当に料理が分かってる人間がすることじゃない」って言ったのがとどめを刺したみたいで
バッグに着替えとか詰め込んで出て行った。
嫁は身体があまり丈夫じゃなくて専業主婦やってて
そのぶん料理に力を注いでくれてるのは理解してるつもりなんだが
新鮮なものは新鮮なまま食べたいってのがどうも理解してもらえん。
どうしたらいいんだろう。
夜中になって爺さんが妙な布包み持って家に帰ってきた。
その中身にうちの一家の茶の間は凍りついた。黒光りする鉄の塊 64式自動小銃
簡単に言えば自衛隊さん用の鉄砲。
俺が高2の時に、祖母ちゃんを早くに亡くし、1人でデカイ家に住んでたじいちゃんがとうとう死んだ。
祖父ちゃんは、戦前から鉄工所を営み、その鉄工所はこの町一番の規模で有名だった。
天皇陛下に瑞宝章を賜った、町の有名人。
しかも祖父が座ってたのは
ちょうど寺の大きな仏様の正面最前列というバッチリなロケーション
法事の参加者が近年稀に見る大往生だ仏様がお迎えになられたんだと手を合わせるほどだった
父も祖父は往生したと思って氏亡確認してもらうつもりで救急車を呼んだ
母が祖父の入った棺に巾着袋を入れていた
何が入っているのかと母に聞いたら、祖父が生前棺に入れて欲しいと言われたものなのだと言う
ただ、絶対中は見ないでくれと言われたらしい
すごく気になった
だから叔父を巻き込み、金属が入っていたら焼けないからとか何とか言いくるめて中をあらためた
封筒と手拭いが二枚と風車や手裏剣の形に折られた折り紙がいくつか、四つ折りのメモが一枚
封筒には10年前に亡くなった祖母が祖父に宛てて書いた手紙が入っていた
平凡な人生をありがとう、あなたと一緒になれて幸せでした
そう書かれていた