俺も思い出すとキュンとします…
DVDを見終わったら本棚をあさっていた。
持ってきたのはバガボンドだった。
そして、コタツから頭だけ出して黙々と読みだした。
あさひ「俺さん、このDVD借りてもいいですか?」
あさひが持ってきたのは「水曜どうでしょう」だった。
「次に会うきっかけができた。
しかも、シリーズ物だから一度に観れる訳がない。
しばらくは会っていられるんだ。」とほっとした。
あさひは、「水曜どうでしょう」を全て持って行った…
メールの話題は自然とクリスマスになった。
俺「今年の明石家サンタも楽しみだなぁ。」
あさひ「クリスマスなのに自宅ですかw」
俺「ほっとけwあさひさんは?」
あさひ「ヒミツです(ハート)」
俺はメールを返さなかった。
24日を迎え、俺は会社の付き合いで買った
チーズケーキを食べていた。
見栄を張ってホールで買った。
全部、食った。気持ち悪くなった。
あさひの事を考えて悶々とした。
11時半になるころ、携帯が鳴った。
あさひからだった。
光の速さで電話に出た。
俺「どうしたの?酔ってる?」
あさひ「たいじょうぶれす。あの…申し訳ございまへんが…」
俺「なによwww」
あさひ「迎えにきてくれまへんか?」
俺「えっ?どうしたの?」
あさひ「たいじょうぶなんれすけど、
なんか怖くて…おもいだひちゃって」
俺「なんでそんなに飲んじゃうんだよwww」
あさひ「すひまへん、すひまへん」
俺「いいよ、どこ?」
ひとめ見て分かった、あさひは間違いなく泥酔していた。
俺「後ろに乗って。」
あさひ「寝ててもいいれすか?」
俺「いいですよw気持ち悪くなったら言って」
あさひ「たいじょうぶれす。すひまへん」
後ろに乗せて寝させたのは失敗だった。
あさひが「ぼえ~」と鳴いた。
まるで壊れた蛇口の様だった。
窓を全開にした。
風が冷たかった。
臭かった。
泣けた。
あさひがかろうじてしゃべった。
「トイレ。はく。」
トイレにつながる洗面所に連れて行った。
これも失敗だった。
その場にあさひを残して、車の掃除を始めた。
午前3時まで掛かった。
そして家に帰って、あさひの様子をみてorzした。
トイレのフタを開けるつもりで、それ開けちゃったの…
いや、似てるけど…違うから…
それは…
それは…
洗濯機…
何かの間違いかと思った。
夢だと思った。
ワロタ。
寝た。
嫉妬する。
俺が起きたとき、あさひは洗濯機の掃除をしていた。
あさひ
「すいません!本当にすいません!弁償します!させて下さい!」
あさひ
「うちの洗濯機と交換しましょう!乾燥機付いてます」
あさひ
「今日、買って来ますから!すいません!」
あさひ
「とりあえずお詫びの品を!」
俺「…」
あさひは泣き出した。
今日がクリスマスとは思えなかった。
洗濯機を買うために、ヤマダ電気へ向った。
あさひのクレジット1回払いで購入した。
設置と回収を頼んだのだが、
排水ホースの取り外しの時は少しドキドキして見ていた。
排水溝に少しついていた…
業者が帰ると、それまで無言だったあさひが話しだした。
「実は、俺さんの事を今年の4月頃から見ていました…」
俺「えっ?なんで?」
あさひ
「駐車場に白い猫がいたんです。
私が猫と遊ぼうと思って階段を降りていったら、
俺さんが先に遊んでて…手を咬まれてました…
それで見たのが最初」
俺「あぁあぁ。最近は咬まないよw」
あさひ
「はい。よく見てましたから知ってます。
その時から何回か見ていて、
休みの日ごとに車に釣竿を積んで出かけるのも見てました。」
あさひ
「知ってます?おはようございますって
挨拶もしてくれてたんですよ?会うたびに」
俺
「…ごめん覚えてない。会う人みんなにしてるからw」
あさひ
「知ってます、みんなに挨拶してたの。優しい笑顔でした…」
俺「…」
あさひ
「ひったくりから助けてくれたときも、優しい笑顔でした。」
俺「…」
あさひ
「もう、いろいろ申し訳ないんですけど、
ここまで迷惑をかけてしまったら逆にふっきれました。
もうどうにでもなれ!って感じです。
好きです!すいません!」
俺「…?えっ?…?」
あさひ
「俺さんの優しい笑顔が好きです!付き合ってください!」
あさひの顔は真っ赤だった。
俺の心が拉致されました。
ちょっと距離をおいて
人指を1本立てて
「あの…もう1回…」
下を向きながら、はにかんだ笑顔で言った。
ゆっくりキスをした。
身長 168cm
体重 54kg
趣味 旅行
ちょっとマンション前で猫と遊んでくるわ!
こんなイベントいつになっても起きないぞ・・・
先日男連れ込むとこ見ちゃったし・・・
あさひはどう振る舞っていいかわからないようだった。
あえて言おう。
あさひは下手だった。
俺も頑固だが、あさひも頑固だった。
結局、あさひの意見に押されてしまった。
あさひは部屋を解約した。
引っ越し先は201号室。
洗濯物の干しかたで喧嘩になった。
食器の洗い方でも喧嘩した。
コタツで寝るあさひに何度も注意した。
喧嘩になるとあさひは怖かった。
リモコンをへし折られたこともあった。
でも、楽しかった。
あさひはとてつもない雨女だった。
「景色が綺麗だから」と行った箱根は豪雨。
京都へ行くと吹雪で新幹線立ち往生。
函館で行った朝市では「本日・時化のため休みます」の看板
でも、楽しかった。
ドレスを試着し出てきたあさひはとても綺麗だった。
あのときと変わらぬ、はにかんだ笑顔だった。
新婚旅行はオーストラリアへ行った。
乾季の砂漠に雨が降った。
でも、楽しかった。
でも、ふたりでいる時間は楽しかった。
東日本大震災
収容所になっていた体育館に入った。
棺桶の上に故人が身につけていた衣服や下着がならんでいる。
しかし、どれも泥で汚れていて区別がつかない。
だた1つ、指輪の写真が目についた。
俺は泣き崩れた。
ドヤッ
ドヤッ…
どy…
…
嘘だと言ってくれ。
釣りだと
奥さん元気だよww
って
たぶんクリスマスが来るたびに思い出すでしょう。
でも、かまいません。
よきクリスマスを。
おわり。
過去形で何か変だと思ったけど…
ご冥福をお祈りいたします。
奥さんの分までしっかり生きてくれ・・・
ありがとう
吉田が幸せでありますよう
俺もだが、出来た時には大事にする。
このスレが貼られていて見にきた
はじめはこんなにあたたかい話が何故貼られたのかわからず、
でもあたたかさにつられて読み進めてきたらまさか…
奥様のご冥福と
吉田さんのこれからの幸せを心から祈っています
本当に可愛らしい奥様ですね
お前は一人じゃない。
俺らがそばにいる。
お前の笑顔を嫁さんは好きだったんだろ??
だったらこれからも嫁さんの為に笑えよ。
明るくいきろよ。
そしたら嫁さんも笑ってくれるよ。
お前のその明るさならできるって!!
スレ立てたって事は心の整理がだいぶ出来たんだよな?
会った事もない俺達だけどまた歩いていこう。