といってももう起承転結の転あたりだ。
その後、俺はかつての勢いを完全に失い
マンガとゲームが友達のような人間になっていった。
飛影には苦汁を舐めさせられたので、蔵馬派となった俺は
手から植物を自在に出せるという能力を身につけていた。と信じていた。
帰り道、そこらへんに生えてる雑草をみては
「こんなところにも異変が…くっ」とかやってた。
まさに一人世界恐慌だった。この時期、もううまいことも言えない。
他人につけるあだ名もより直球な、草とか輪ゴムとかになっていった。
早く壁に激突して寝かせてくれ
イケメンはもはや我が道を逝く状態で、女子からは相当にモテたはずだが
依然として彼女はいなかった。
デブは驚くべき事に相変わらず肉チンと付き合っていた。
それもなんでも同じ高校に行こうというのだから信じられない。
でも相変わらずこの二人とは仲が良かった。
一時期デブを邪念樹で殺してやろうかと思ったが、その気も失せた。
俺が植物のように暮らしたい…と思ってもこいつらだけは話しかけてくれたからだ。
そして、俺は高校…?魔界の人間には必要ないな…という重傷ぶりだった。
夏休みも終わりにさしかかろうというある日、唐突に事件は起きた。
その頃、イケメンもデブも塾に通ってしまっていて俺は専らゲームをして過ごした。
夜。
ぷよぷよでいかに緑ぷよだけ残すかという実に下らないことに熱を入れていた俺だった。
そこに一本の電話が入る。
女神からだった。
フラグなのか・・・それとも・・・・
要約するとそんな内容だった。
実際はもっとあのね…とかえっとね…とかが大量に挿入されるのだが
今でこそ可愛く思っても、当時の俺にとっては煩わしいだけだった。
しかし、変な人がいるから来て、というシチュエーション。
これは厨二病患者としては願ってもない奇跡。
俺の妄想は爆発した。
一瞬にして、俺が華麗に魔界の植物を呼び出し
悪漢に人質として捕られている彼女を救い出すという絵が浮かんだ。
もちろん俺の頬には一本の血筋が走っているのは説明するまでもないだろう。
そのコンビニは自転車ですぐだったので、俺はぷよぷよもそのままにかけだした。
というより泥酔したイケメンの兄軍団だった。
しかし、俺は知り合いだったからちょwwなにやってんすかwwと言えたが
たしかに赤の他人として見たら多少怖かった。というよりキモかった。
イケメン兄はコンビニの駐車場にへたり込み、アイスを四つくらい頬張っていたのだ。
なんだ、妖怪じゃないじゃないか。白けるぜ。と思い俺は彼に声をかける。
しかし、イケメン兄もといS級妖怪が
俺をD級妖怪からいっぱしの魔界のツワモノにしてくれた。
酒飲むか?と勧められたが、「酒はダメなんで…オレンジジュースもらえますか」
と言った。通じなかった。素直にオレンジジュースが出てきた。
神はめざとく俺が女神と話していたところを見ていたらしく
あの子彼女?と聞いてきた。
弟から聞いてないのか。俺の黒歴史が蘇る…。
「いや…違います。ただの同級生で」と答えた。
しかし、神からは意外な言葉が返ってきた。
「じゃ付き合っちゃえよ!応援してるぜ!(ニコッ)」
なんという笑顔。
なぜかこのとき俺の厨二病は少し和らいだ。
神であり悪魔であり妖怪である兄とイケメンながら二次元道をひた走る弟
イケメン家はサラブレッド一家かwww
羨ましいぞコラ