突然降ってきた夕立に濡れながら最後という事で急遽呼び出された翔も来てくれた。
二人が集まってくれて、本当に嬉しかった
その日は最後にも関わらず、しんみりした話など一切しなかった。
いつもと同じ、馬廘話ばっかりの楽しい飲みだった。
ついつい、「じゃあまた明日」と言ってしまそうな程、みんな普通に笑ってた。
しかしやはり時は来る。
明日からはまた新しい職場の仕事が始まる。
私は最終の新幹線には絶対乗らなくては行けなかった。
もう遅いし、大丈夫だと断ったけど、マキコさんも翔も駅まで付いて来てくれた。
駅に着いた時に、新幹線の最終まで、20分程あったので翔はトイレに行き
私とマキコさんは駅の外の喫煙所で二人でタバコを吸った。
その時は余り会話は無かったが、マキコさんがふと、こう聞いてきた
「1、この町は、楽しかったたか?」
マキコさんにそう問われ、言いたい事がいっぱい浮かんだが、なんだかギューと胸の中を搾られ、はい、とか勿論とか
ありきたりな言葉しか出て来なかった。
そうこうしてるうちに新幹線の時刻は迫り、私達はホームに向かった
私は切符を通し、改札をくぐった。
振り返れば、マキコさんと翔が改札から身を乗り出しブンブン手を振っていた
「1〜!!じゃーねー!!またこいよー!!」
酔っ払ってるせいか、デカイ声で叫び、二人でなんか爆笑してた
その様子に私も笑った。
帰りの新幹線の中、私はずっと外の景色を眺めていた。
これからは、こっちが帰り道だ。
今まで、この二年間は地元が行き先で、この町が家だったが
これからは、この町に帰る、という事は無くなる
とそんな事を思っていた。
まだオープン準備で客はいない。
ひたすらにTシャツを畳んでいく、という作業をやっていた。
そんな単純な作業なだけに、有線がやけに耳に入る。
ふと流れていた曲の歌詞を聞いた、普段なら聞かないジャンルなのでいつもなら聞き流すのだが、何故か歌詞が胸にピシャピシャ入って気が付けば手も止まって聞きいっていた。
ちなみに当時流行っていた上〇雄輔の「ひまわり」という曲だった。
本当は歌詞全体的に心情どんぴしゃだったのだが、特に響いた部分はこういう歌詞だった。
心配掛けた、あなた傷付けた
迷惑掛けた、でも歩き続けた
残した涙、俺馬廘だから
お互いの夢、それ宝だから
その部分を聞いた瞬間、涙がボロボロボロボロ出てきた。
二年間の日々を一気に思い出した。
駅でマキコさんに
「この町は楽しかった?」
と聞かれたが、ボロボロ泣きながら、私が楽しく過ごせたのは全部マキコさんのお陰だったと思った。
最初の人との縁を馬廘にしてるような、人を信用しきれていたに私のままじゃ
絶対にこんなふうに楽しく過ごせなかったし
成長も出来なかった
何度もダメになりそうになって、何度もマキコさんに助けられた。
楽しい時はいつも一緒に居て
どんなにドン底な時も絶対見捨てないでいてくれた。
全部マキコさんのお陰だった。
Tシャツを畳みながら突然泣きだした私に、周りは目茶苦茶びっくりしていたwww
やべえwwと思った私はごまかして笑った。
そして二人で星みながら話した日の、マキコさんを思い出した
「でも頑張れ!」
そーだった、寂しいけど、切ないけど、泣いてる場合ではない。
頑張らなければ
私はまた、Tシャツを畳み始めた。
【終】
でも現実ってこんなもんですよね
聞いてくれた皆様、本当に歯切れの悪い駄文にお付き合い頂きありがとうございました
何か質問あれば答えます
ここまで話してくれてありがとう!
面白かったよ!
差し支えない範囲で答えてくれればいいんだが、今でもマキコさん達とは付き合いある?
親父さんの具合やら実家家業あたりはもう落ち着いた?
1は話の最後にある雑貨店で今も頑張ってる?
質問多くてスマソ。
なんで文章にしてみようと思ったの?
一線引いてるところあるなぁ〜
話してても裏を読んでしまうというか。
社会人になってマキコさん達のような人達に出逢えて1は本当によかったね〜
何気ない話なんだけど見入ってしまう内容だった
明日から仕事頑張ろうという意欲もらったよ
完乙!
夏休みの深夜に地上波でやってたら食いついちゃうよな
ともあれお疲れ。
1もホールチーフとして成長したのかそうか
昔の1みたいのが入ってきたら仲良くしてやれ
たくさんのありがとうをこちらこそありがとうございます
いいね。
俺は家族が出来てからつるむ友達も減ったというか、今はほとんど個人的な付き合いしなくなった。
でもやっぱり大切だよな。
うん。
俺もこんな風に
人との繋がりを大切にしたいと思った
今日からまたがんばれる
昨日言っていたマキコさんとの番外編エピをちょっと書こうと思います
トントンと展開させる為にかなりはしょって書いていましたが
まだまだマキコさんに関するなんとも言えないエピソードはいっぱいあります笑
【マキコさん、さすがにこの日はの飲みすぎです編】
私とマキコさんは当時のメンバーの中でもかなり飲む方だった。
当時の居酒屋は姉妹店があと二店舗あり、その三店の中でマキコさん私、そしてもう一人姉妹店にいるマキコさんの先輩アケミさん(仮名)という人
この三人が一番飲む飲み過ぎと周りから言われていた。
アケミさんはマキコさんの丁度6個上で、アケミさんとマキコさんは
マキコさんと私のような関係だった。
マキコさんは、いつもアケミさんに説教されて、アケミさんの言う事だけは素直に聞くマキコさんの姿は面白かった。
アケミさんはキャラ的にはマキコさんと正反対で、落ち着いて物腰柔らかでしっかりしてて大人
でも沖縄から北海道、全国17県色んな所で働いた経験や、ヒッチハイクで全国を回ったり、結構有名な某バンドにサーフィン中にナンパされ意気投合し友達になってそのバンドの自宅で一緒に飲んだり、かなりイケてる30代だったので、マキコさんとはまた別の感じで私も尊敬していた。
マキコさんとアケミさんの三人で飲む時は焼酎一升開けるのはザラだった。
そんなアケミさんも、私が地元に帰った翌年の秋、ついに結婚する事になった。
その結婚式の為に久々にあの町に行きマキコさんと再会した時のエピソードです
私
マキコさん
ゆみさん(アケミさんが働いていた姉妹店のバイトの女性当時22歳)
メグさん(同じくアケミさんが以下略当時22歳)
畠山さん(アケミさんが働いていた姉妹店店長当時50歳くらい)
このメンバーとは昔から仲良くしてもらってたので再会は嬉しかった。
式が始まった飲み放題だし酒豪番長アケミさんの結婚式だったのでみんな飲みまくった。
しかし楽しいめでたいお祝いムードだったのでこの時はまだみんなマトモだった。
式の中盤、事件は起こった。
司会者がアナウンスする
「では次は新婦のご友人、1さんによる歌のお祝いです。曲は木村カエラさんのButterfly」
ビールが食道辺りで止まった。
歌のお祝い!?聞いてねーよ!カエラちゃんなんて一曲も歌えねーよ!
マキコさんを見た、目を逸らされた。が、ニヤニヤしている
やっぱりこの人の仕業だった。
出てこない私に会場がざわつく。
司会者と緊急会議をした。
Butterflyをてんとう虫のサンバに変えてもらい赤面しながらなんとかこなした。
テーブルに戻るとマキコさんがタヒぬ程爆笑していた。
マキコさんが羽織っていたストールを狂暴化したアライグマのように引っ掻いた
移動中、何やら、マキコさんとゆみさんが盛り上っていた。
何でも、アケミさんの旦那さん側の友人テーブルに格好いい人が居てゆみさんが気になってるというマキコさんからの礼が出た
「おい1!連絡先聞いてこい」
私はマキコさんの子分だったので、格好いい人が居た時の逆ナンなどの汚れ役は私の仕事だった。
私は盛り上がる二次会の様子を羨ましげに眺めながらトイレの横で待ち伏せて、ヒデ様(何故かそういうあだ名が付けられてたww)のアドレスをゲットした
んで三次会
私とマキコさんとゆみさんと、ヒデ様、ヒデ様の友人五人で居酒屋に行った。
念願のヒデ様と飲みに行ったのだが、ヒデ様はハンサムな見た目に反してホラー映画と電気グルーヴの話しかしない。
ゆみさんが冷めてしまっているのは私の目からも明らかだった。
ゆみさんは明日早いと言って途中で帰ってしまった。
結局、私とヒデ様で電気グルーヴを語りマキコさんとヒデ様の友人は何故かマハラジャの話で盛り上っていたww
そして4次会電気グルーヴの話で熱くなったので四人でカラオケに行く事になった。
マキコさんはカラオケ大好きなので、マキコさんとは何回も一緒に言った事がある。
しかしその時のマキコさんは一曲目に相川七瀬の「チョット」という今までにない選曲をしてて私は吹いてしまった。
いつもは青山テルマとかCrystal Kayとか歌うのに
何故、相川七瀬!しかも、「チョット」ww
懐かし過ぎるんじゃないんですか…wwwと突っ込みたかったが、初対面の人が居たので控えた。
そしてカラオケ終了。
元々結婚式後に仕事終わりの藤井さんと合流して三人で飲む予定だったので、二人と別れてコンビニで藤井さんを待っていた。
するとマキコさんが真顔で
「ねえ…マキコなんで最初に「チョット」なんて入れたんだろ、今まで一回も歌った事無かったのにwww」
とションボリして言ってきたwww
さすがに4次会まで言ったので流石に私達は酔っ払いだった。
マキコさんは何故か無意識にチョットを入れてしまう、という珍しい酔い方をしていた。
しかし、私達の会はまだまだ続く
藤井さんと合流してダイニングバーへ
藤井さん一件目の時に私達は既に五次会だったwww
ではでは行ってきます
マキコさんやっぱり只者じゃないwwwww
アライグマの下りは声出してワロタwww
まぁ、ぼちぼち書けばいいよ〜
仕事頑張って〜ノシ
修三さんの存在が・・・w
藤井さんと再会した私達は、私がこの町に住んでいた当時かなりよく行ってたダイニングバーで乾杯した
このダイニングバーに行くのはいつも三件目くらいで
別名「記憶喪失の店」
かなりよく行ってたのに、この店で記憶があった事はあまり無かったww
この日も例外無くこの店での事を全く覚えていない
多分三つくらいグラス割った
藤井さんが美容師としてのなんたるかを2時間くらい語っていたが、一切何を言ったか覚えてない
客としても、飲み仲間としても最低だったwww
にも関わらず、私達は次へ移動した
飲み過ぎである。
しかしそんな正論酔っ払いには聞こえない。
次は、マキコさんの自宅近くにある飲みや街にタクシーで移動した
この店もよく行った。
マキコさんがお腹すいた、と言うので炒飯を注文した。
炒飯がきて、一口食べるマキコさん
「うーん…これにネギが入ってたらもっと美味い」
私にネギを貰え!とマキコさんが急かすので、店員の人に謝りながらネギを貰った。
ネギを加えた炒飯を、またマキコさんが一口食べる
「うーん…あ!分かった刻み海苔だ!」
せっかくネギを貰ったのに、またマキコさんが海苔を貰え!と脅してくるので私は土下座の勢いで店員さんから海苔を貰った
既に最初の炒飯からはかなり別物になっている
そして海苔を加え、またマキコさんが一口食べた
「………そうだ、やっと分かった!小海老だ!小海老さえあれば」
小海老をもらってこい、と言われる前に、私はついに覚悟してマキコさんに反抗した
マキコさん…!小海老は薬味じゃありません!
小海老なんて貰えません…!!
で、その日はそこで2時間くらい飲んで一日目終了。
その日はそのままマキコさんちに泊まった
当たり前である。あれだけ飲んで二日酔いにならない放が困る。
ダリーと思いながら身体を上げた。
マキコさんがビール飲んでた。
マキコ「おーおはよ」
1「何でビール飲んでるんすか…」
マキコ「起きたらさあ…二日酔いでさあ…、でも今日も色々動くじゃん、どうしよう、と思って。ビール飲むしかないかなと思って」
未だにマキコさんのこの理屈の謎は解明出来てない。
ビールを飲んでるマキコさんを横に、私は煙草を吸おうとした、が、ない。
マキコさんちのマンションの下にはコンビニがあった
1「マキコさん、ちょっと煙草買ってくるす」
マキコ「あーそう、じゃあついでにビール買ってきて」
何がついでなのか、よく分から無かったが
私はもう色々諦めてコンビニでビールを買って
朝8時からマキコさんと飲みを再会した
おやすみなさい
自分のことしか考えないで押すだけのヤツと
相手のことをわかった上で、思いやっての強引さってのがあるよね。
1はいい人と知り合えたね。心がほっこりした。
他の番外編ものんびり期待。
最初の方で、マキコさんは上戸彩ぽいと書きましたが、もっとマジでどんぴしゃりに似てる人が!
マキコさんは、「カンナさん大成功です」という少女漫画に出てくる隅田川菜々子というキャラに似てるっていうかそのものです笑
顔も性格もまんまです
隅田川菜々子の髪をミディアムにして背をちっちゃくしたらマキコさんです
誰か知ってる人いないでしょうか…ww