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:ローカルルール変更議論中@VIP+[]2009/06/08(月) 05:09:15.37 ID:HqN3pPqtPコンチクショー、こうなったら絶対お前らを悶えさせてやるわ!
うはははははは
しらふじゃ書けネーヨ
ゲンドウ「構わん。やれ。」
ksk
ある日の帰り。
あの日から付き合った俺たちは、帰りを毎日一緒にしようと約束した。
どちらかが遅くてもしっかり待つこと。それを条件に。
「その前に」
「?」
ちなみに、この時は手をつないでいない。
というか結局繋がなかった。
なぜなら、
「今君は何をしている?」
「腕組んでいる」
俺たちはずっと腕を君で移動していた。
正直、はずかしいをこえて開き直りに近い心境だった。
「ダメ?」
「ダメではない……よ?」
ダメじゃないけど。
腕のちょうどいい位置に柔らかいものが当たる。
なんだこの野郎当ててんのか、と思いつつ敢えて指摘はしなかった。
だって、男の子だし。
「それでねそれで」
「ん?」
「ヤスは何が好き?」
「お前」
「はう……」
からかったつもりはない。条件反射で答えてしまった。
自分は相当毒されていると思い知った。
同時にこんな甘い毒なら一生使っていたいなあ、とも。
「そ、そうじゃなくて」
恥ずかしがって照れる彼女。
真っ赤になった顔は可愛い。
周りの学生が苛立ったような目で見ているが気にしない。
「ヤスの好きな食べ物を聞いているの」
「おま」
「真面目に!」
ksk
素直に疑問に思った。
「えっと、それは、その、ね……」
「ふむふむ」
「せっかく彼女なんだし、手料理、とか……」
先ほどよりも顔を赤くさせて呟く。
か弱い声は反則だな、と俺はのぼせた頭で思った。
「そういうことなら何でも食うぞ」
「えー。つくりがいないなあ」
「いや、お前が作ったものなら多分何でもうまいし」
彼女は家庭科の成績だけは抜群だった。
昔もらったクッキーが非常い美味しかったことを覚えている。
そんな経験談から言った言葉なのだが、
「うう、それは杀殳し文句だ」
彼女は更に顔を赤くしていた。
ゆでダコもネ果足で逃げ出すくらい。
「?」
改めて自分が言ったセリフを思い起こす。
……。
…………。
俺はバカか。バカップルか。
結局、その日はお互い顔を真っ赤にして家路についた。
腕は組んだままだったけど。
お前ら何を期待しているんだ
早く作業に戻るんだ。
いやしくも聞いてやっているのだぞ。
ksk
別のある日。
『明日デートしよう』
そういった旨のメールが送られてきた翌日。
俺は公園で彼女を待っていた。
近いんだから待ち合わせする必要ねー、と思ったが。彼女曰く必要何だとか。
即にすることもないので手持ち無沙汰に砂ばを弄っていた。
デート、生まれて初めてだった。
当然、思春期の妄想は膨らんでいた。
もうパンパンだった。
「いかんいかん。今日は健全なデートだ。うむ」
親には、友達と映画行ってくると言っていた。
嘘はついていない。彼女を友達の延長線上と考えるならば。
なんで親にバラしたくはなかったのか。
親にからかわれるのだけはごめんだった。
「お待たせ」
くだらない思考をしていると彼女がやってきた。
いつもと違う私服。動きやすそうだった。で、可愛い。
「おせえ」
九分待った。
「そこは『僕も今来たところだよ、ハニー』って優しく微笑むところでしょうがー
!」
「お前、それを本気で言っているのか?」
だったら病院へ行かなくては、と心配した。
「ちっげよー! もういい! サッサと行くよ」
「ハイハイ。あ、どうでもいいけど」
「なにさ!」
「似合ってるな、その服」
本心と礼儀に一致が見られる。実に素直な褒め言葉。
「う、あ、ありがとう」
彼女は顔を一転にやけさせて、映画館へ向かった。
一旦落ちる。
帰ってきてまだあったら完結させよう。
どんだけw
幼馴染みと交際中な俺が支援
なんだ胸が苦しい…
うらやましいなぁ
最後まで見たいような見たくないような・・・
ドキガむねむねだ 保守!
仕事を切りがいいとこで止めて、寝ていた。で、今起きた。
寝起きなのでしばらく待ってくれ。
濡れ場を期待している人には悪いんだが、どうも書けそうにない。
書けないこともないんだが、書きたくはない。
なんというか、これだけは公表するもんじゃないと思うんだ。自分の中で。
あの時の彼女の顔も反応も鮮明に思い出せるけど、それは俺だけのものにしておきたい。
我ままだけど許してくれ。
それ以外の要求、質問についてはできるだけ聞きたいと思う。
勝手なこと言ってスマン。
一応、一年くらいは続いていたからな。回数は少ないけど確かにあった。
ありがとう。察してくれて助かる。
相も変わらず遅レスだから今日中に終わるかわかんね。
でも見てくれたらうれしいさ。
以降は、『エリ』という名前をつかおうかと。
1がんがれ!
その中には当然カップルも。
だけど、腕を組んでいるカップルは明らかに少数派だった。
「なあ」
「ん? なに?」
恥ずかしいから離してくれ、と言おうと思った。
けど言えなかった。
間近で感じたエリの吐息が首筋をくすぐって、こそばゆく。
それだけで羞恥心なんてものは彼方へ吹き飛んだ。
ので、話題変更。
「なんの映画見るんだっけ」
「えー昨日言ったじゃん。聞いてなかったの?」
「いーえ言ってません。なぜならメールで連絡がきたからです」
「揚げ足とんな!」
相も変わらずなやりとり。
それはデートだろうとなんだろうと変わらなかった。
「もう、あれだよ」
そう言ってエリが指差したのは、双子の兄弟が出てくる有名な野球映画だった。
当時はちょうど上映した直後であり、人気の作品だった。
「へー」
原作を知っていた俺は大して面白そうとも思わなかったが。
「はやく! はやくいこう!」
楽しそうに目を輝かせて腕を引くエリを見ていると、悪くないかな、なんて思えた。
「えー」
受付のお姉さんが告げる言葉にエリは肩を落とした。
まあ、そうだろうな。
なんて言っても当時一番注目されていたので、チケット前日予約必須のシロモノだった。
「思いつきで行動するからこうなるんだ。今度からは少しは考えろ」
「今度? また、一緒にきてくれる?」
それはもう何度でも。というのは気恥ずかしいので、頷くだけにとどめた。
「あははっ♪ そっか、じゃあ、いいや! 今日は別のを見よう」
機嫌を直したようで、改めて映画を選ぶ。
俺はといえばとくに見たいものもなかったのでエリに任せていたのだが。
「んー。これにしよっ」
やがてエリが選んだのは。
「マジですか……」
「マジです」
原作少女漫画。二人の同じ名前の少女がそれぞれの道を歩むというお話。ちなみに。
「これって……そういうシーンなかったっけ?」
いわゆる濡れ場。
が、エリはそんなことも気にせずにすでにチケットを買ってしまっていた。
「これも見たかったんだよねー! 原作好きなんだ!」
「はあ……そうかい」
色々と諦めた。
俺は自分自身に気合を入れて敵地へと望んだ。
映画館から出てきた俺はモアイも真っ青なくらい石化していた。
エリはというと。
「あー! 面白かったね!」
実に楽しんだようだ。
何だろう。俺だけ意識して馬鹿げている気がした。
なので気合を入れなおす。
「よっし、それで? どこへいくよ」
「うん? こういうのって男の子がエスコートするもんじゃない」
「マジっすか」
「マジなのです」
さも当然のように頷かれる。
そんなこと言われても、突然のデートなので何も考えていなかった。
「ふーむ」
考える。考えて。考えていると。
きゅるるる~
「……」
「……」
エリは顔を真っ赤にして背けていた。
「アッハッハ!
」
俺、爆笑。
「しょ、しょうがないじゃん! 女の子がデート前にバクバク食べるわけにはいかないんだよ!?」
「アッハッハッハッハッハ!」
「笑いすぎー!」
俺たちは近くのファーストフード店で飯を済ませることにした。
今は、女と飯行こうとなったら酒絶対はいるもんな。
昔は、ハンバーガーとかだったな。
懐かしい・・・
俺たちはいつもの用に腕を組みながら歩いていた。
他愛もない話。
クラスの事や、差し迫った受験のこと。どうでもいい話まで。
やがて、二人の家の近くにある公園に着く。あたりはだいぶ暗くなっていた。
「ねえ、ちょっと休んでいかない?」
エリの提案。初デートと言うことで一日中緊張していた俺にはありがたい話だった。
「オーケー。じゃああそこに座ろう」
二人でベンチに座る。
フーッと吐いた息はどちらのものだったのか。
俺たちは顔を見合わせて笑った。
「そっち行っていい?」
「おう」
エリが距離を詰める。
彼女の匂いと体温がすぐ近くにあった。それこそ抱きしめられるほど側に。
「昔さ」
「ああ」
「よくこの公園で遊んだよね」
「ああ」
「懐かしいね」
「だな」
「……」
「……」
沈黙。でもそれはいつだかのように重いものではなくて。甘かった。
「私ね」
「うん」
「あの頃から好きだよ」
「……そう」
「ずっと。ずっと」
「ヤスは? どう?」
「そう、だな」
面と向かってその言葉を言うのは初めてかもしれない。
だから俺はきちんと体をエリの方へ向けて、言った。
「ずっと、好きだった……」
彼女の眼は少し潤んでいて、俺は吸い込まれるような錯覚を覚えた。
いや、確かに吸い込まれていた。
少しずつ近づく顔。
伏せられる瞳。顔の輪郭。唇の紅。
それらが闇の中、鮮明に浮かび上がって。
「……ん、ぅん」
俺たちは、初めてのキスをした。
家に帰った俺を待っていたのは母親のにやけた笑顔。
「今日ねえ、『お友達』のお母さんからわざわざ電話があってねえ。ムフフ、よろしく言っておいてだってえ」
恥ずかしさのあまり、窓から飛びおりてやろうかと思った。
それでも、会えるときは絶対にあったしなるべく長く一緒にいた。
ただどうしても厄介な障害が存在した。
それは、俺の塾だった。
俺は県内の小規模な塾に通っていた。小規模、といってもそれなりの実績はある。
自慢ではないがその中で俺はトップのクラスに在籍していた。
そこの目標は、高校では最高峰に位置する開成や国立高校だった。
そんなところを狙っているので、当然教師は厳しい。
いや、全員が全員そういうわけではないのだが、一人だけ恐ろしい男がいた。
曰く、
『携帯なんてなぁ、受験生が持つもんじゃねぇ。即刻解約しろ』
『学校の授業なんてきかなくていいんだよ。どうせクズな事しかやってないんだから』
とのこと。
当然だが、この先生の価値観では恋愛なんてもっての外。
付き合っているやつは今すぐ別れちまえ、というのは実際に言っていた言葉。
が、俺にはそんなつもりはない。
なので自己申告もせず、親に口封じもした。
これで平気だろうと思っていると、思わぬところからバレてしまう。
駅でデートしているところを目撃されてしまった。よりにもよってその教師に。
彼女は居た方が助かる時もあると思う
俺彼女いない歴=年齢だけど
彼女にうつつを抜かしている暇があったら勉強しろ、ということらしい。
当然、呼び出される俺。
それから奴は恋人という存在外貨に受験の弊害になるのかを延々一時間語り。
挙句、携帯まで没収されてしまった。
翌日、そのことをエリに話した。
「それは……ひどいね」
「ひどいなんてもんじゃねえし。アイツは人の温かみが通ってないんだね。鬼だ、鬼」
「あ、あはは」
エリは困ったように笑って、それからため息をついた。
「でも、それじゃあこれからどんどん会えなくなるね。イヤだなぁ……」
それは俺もイヤだった。
だからといって塾をやめるわけにもいかない。親の期待、というものがあった。
「私もヤスくらい頭良かったらいいんだけどね」
エリの志望校は県内にある、私立の女子校だった。
俺が男子校へいくといった際、ならばと進路を公立から変更していた。
本当なら同じ高校にいきたかった、けど。
この時の俺には選択肢がなかった。
というのも俺の塾がさらに過酷化したからだ。
平日はもちろんのこと、休日も朝の九時から夜の九時まで、と。
今思い返してもこの頃が一番勉強していたと思う。
だけど、いない分だけエリヘの思いは募っていった。
だから会えるときはなるべくくっ付いていた。それこそ周りの寒さを溶かすほどに。
季節は冬。クリスマスが近づいていた。
この日ばかりはサボってやろうかと思ったが、ヘタレな俺にはできなかった。
いつもの用に十二時間の塾が始まる。
クリスマスだというのに男ばかりで勉強というのは、悲しくあると同時に申し訳なかった。
エリは今頃何をしているのだろう。
それだけを考えて授業を過ごした。
そして塾が終わり、極寒と呼べるほどの寒さの中、家に向かう。
途中、エリの家に寄ってみた。
が、結局チャイムを押すことなく俺は引き換えしてしまった。
何もできない自分が歯がゆくて。どうしようもなかった。
そして自宅の前まで行くと、俺は自分の目を疑った。
誰かがしゃがんでいるのが見えた。
それは、
「エリ」
「ん? ヤス? ……おそい」
俺の声に気づいたエリは立ち上がりこちらへ駆けてきた。
「お前、なんで……」
「なんでも何もクリスマスでしょ。もー。彼氏彼女が一緒にいるのは義務なの法律なの」
エリの唇は寒さで青くなっていた。
つД`)・゚・。・゚゚・
「や、あったか~い」
彼女の頬は柔らかさそのままに、氷のように冷えきっていた。
俺はもう片方の手でも彼女の頬を包む。少しでも熱が伝わるように、と。
「むふふ~」
彼女は幸せそうに笑んだ。
その笑顔に、俺の緊張も溶けた。いつもの軽口がきける。
「お前なあ、一体いつからここにいたんだよ」
「んーと、ヤスの塾が終わる九時から」
じゃあ三十分近く待っていたことになる。
凍てつくような寒さの中。
「ねえねえ、私、偉いでしょ。まさに彼女の鏡だね」
「ア ホ か」
両頬に添えたてに力を込めて頬を押しつぶす。
「んん~! ひゃひふんらよぉ~」
「うっせ、バーカバーカウルトラバーカ」
「ひゃんふぁふぉ~」
とりあえず、彼女の残念な顔をこれ以上晒すのは忍びないので、手を離してやった。
「うう、タヒね! スーパーバカ野郎」
「プッ、ハハッハハ!」
「笑うなー!」
久しぶりのやりとり。
冬だから、体は冷えていたけど、心は暖かくなった。
親には、塾で残されていたと言えば何とでもなるだろうと思った。
「そうそうそう」
「ん?」
「クリスマスプレゼントあるですよ」
「何ですと?」
突然の事に驚いてしまう。
いや、クリスマスだから当然なんだけど。
「ほれ、ありがたく受け取るがいい」
やたら不遜な態度が鼻についたが、もらう立場なので文句はいえない。
差し出された紙袋を受け取った。
「見ていいか?」
「どうぞどうぞ」
中を開ける。
入っていたのは、手作りと思わしきクッキーと、棒状の何か。
「何これ」
「万年筆。割と高かったよ」
「なんで、万年筆?」
悪いが俺は万年筆なんて生まれてこの方触ったことがなかった。
「んーんー」
なぜか恥ずかしそうに悶えた。
「どうした。あまりの寒さに脳がタヒんだのか」
「違うに決まってるでしょ! ヤスはもっとムードを大事にしろよ!」
とっても怒られた。
「じゃあなんだよ」
「うん。……あの、ね」
「ああ、うん」
ちなみにまだ帰ってきていない。
およそ一ヶ月も奪われたままだ。
だったらいっそのこと解約して新しいのを買うか、なんて思っていたりした。
「だからね、その……手紙」
「はあ? 手紙?」
「うん。それで、手紙書いて送ってほしいなって。んー、いわゆる文通?」
「なぜ?」
そんなまどろっこしいことを。
聞くと、エリは頬を朱に染めて呻くように呟いた。
「だって、寂しいよ……」
あ、やばい。
この時の俺は、確かに何かが崩れる音を聞いた。
それはおそらく理性とかそんなもんだったのだろう。
気がつくと、力いっぱいエリのことを抱きしめていた。
「え、ええ!? な、なにさ!! いいいいきなりこんなとこで!?」
離さないように強く、強く。
忘れないようにしっかりと彼女を感じた。
彼女のぬくもりを、柔らかさを、甘い匂いを。
「エリ、ヤバい」
「な、なにが?」
「好きすぎてヤバい」
「う、ううううう……」
それまで騒いでいた彼女がおとなしくなった。
「んー?」
しばらくその体勢でいると、えりが話をかけてきた。
すっぽりと収まるように俺に抱き締められているので、暖かい息が胸に当たった。
「あの、ね。私も、プレゼント欲しい……」
「あっ」
すっかり忘れていた。
そうだよな彼氏だけがもらうっていうのは変だよな。
だけど、
「悪い、急なことで何も用意してなかった」
「えー」
「ほんっとうにごめん。その代わり、なんでも言うこと聞くから」
「なんでも……?」
「うん、そう、なんでも」
正直、キスでも何でもしてやる、と思っていた。というかむしろ俺がしたかった。
しかし、エリの回答は予想を上回っていた。
「じゃじゃ、じゃあ! あーのねっ! しっ、しっ、シよう!!」
俺の脳はフリーズした。
どうしたらいい?
King Crimson!!
ちなみに向こうも初めてだった。
クリスマスプレゼントはゴムということになったよ。
いいぞもっとやれ
つまりこっからはは落ちていくよッと。
警告
甘々で終わりたい人はここでスレ閉じてください。ありがとうございました。
じゃあこっからは割と神経使うからさらに遅くなるかも。
それでも見てやってください<(_ _)>
だが
、辛くなったら何時でも止めて良いんだぜ
残念ながら、二つの高校はかなり離れていて、会うのは容易ではなかった。
さらに、俺は剣道部に入りバイトも始めたので、更に困難だ。
剣道を続ける気なんてサラサラなかったが、一回だけ練習を見たエリに『かっこいい!』と言われたから続けていた。
我ながら実に単純だと思う。
バイトを始めたのは、エリと遊ぶ金を作るためだった。
そのせいでエリと会う時間が減ってしまい、本末転倒になっているとも気づかずに。
今思えばあの時の俺はのぼせていたのだろう。
受験に成功し、恋も成就した。
だから、俺は前しか見えなかった。自分のことを疑わなかった。
それは、とてもとても愚かなことで。
どうしようもなくバカな俺はそのことに失ってから初めて気づいたんだ。
頑張って終わらせたい。色々を。
それは唐突に訪れた。
その日曜日。俺は午後九時頃までバイトをしていた。
バイトを終えて着替えると、携帯に着信があった。
エリからだった。
不在着信で、三件あった。
「なんだろう?」
俺は疑問に思い、エリに電話をかける。
しかし、繋がらなかった。
答えたのは無機質なアナウンス。
仕方ないので、俺は要件を聞く旨のメールを送り。
家へと帰った。
エリと話をしたのはいつぶりだったろう。
メールでは、ほとんど毎日話していた。
それでも、やっぱり、
「会いたいよなぁ」
会って話したかった。抱きしめたかった。笑い合いたかった。
だけど、それが叶うことはなかった。
エリだった。
何の躊躇いもなく携帯を開く。
「ああ、エリ。どうした?」
「…………ねえ、ヤス」
帰ってきた声は何時になく暗い。
おそらく、エリのこんな声を聞いたのは初めてだった。
いやな、予感がした。
「ヤスは、私のこと好き?」
「何、言ってんだよ……。当たり前だろ」
声が震えた。
「私は、ヤスのこと好きだよ」
エリが言葉を紡ぐ。
「好き。好き。でもね……私の好きと、ヤスの好きは違ったのかなぁ」
声は泣いていた。
泣いてほしく何かないのに。笑って欲しいのに。
電話越しに聞くエリの声は泣いていた。
「ヤスは、私と会えなくても平気? 辛くない?」
「そ、んなことは……」
「私は辛いよ」
「……それは」
言い訳なんてできない。
一部の隙もなく、俺が悪かった。
「わかってるよ。忙しいんだよね。学校も違うし」
「でもね、ほんの少しで良かった」
「ちょっとだけでも、会って、キスして、抱いてほしかった」
「それだけで、好きって言えるのに……」
「このままじゃ、私、嫌いになっちゃうよ……」
「大好きなのに、大好きだから、嫌いになっちゃうよ」
嫌だ。
「ねえ、ヤス」
嫌だ嫌だ嫌だ。
「私たち、もう」
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!
「……終わりにしよう」