その頃はほとんど毎日一緒だったし、誰に見られたって不思議じゃなかった。
脇が甘かったといえばそうだが、高三のカップルが会いたい欲求を我慢できる訳もなかった。
親父は感情的になっていた。
ようはブチキレていた。
かつての不祥事から時間もたち、最近長老の次のポジションにまで復帰したのに、まさかのスキャンダル。
息子が真面目な信者の娘をたぶらかし、しょっちゅうデートしているというのだ。
立場はないだろう。
俺は別に悪いことをしたつもりはなかったが、嫁が心配だった。
俺はどっちでも良かったが、嫁の立場を考えただの友達だの一点張りで通した。
親父は宣言した。
卒業と同時に出ていけ、親子の縁もそれまでだと。
母親は泣いていたが、なにもいわなかった。
子は親を選べないのだ、諦めるしかなかった。
高校から駅までの道中、遠回りして人気の少ない道を歩いた。
近々、真理委員会(だっけな)というものにかけられると言われたらしい。
組織における裁判のようなものだ。
事実関係を確認し、組織の教えに反する行動が確認されれば処罰されるのだ。
俺が謝ると嫁は言った。
嫁「大丈夫だよ、集会にはもう行かないから」
俺「え、いいの?お母さんは?」
嫁「お母さんね、私がよく男の子とデートしてるの、気がついてたみたい」
俺「そうなの?」
嫁「いっぱい遊んだもの、当然だよ笑、まさか俺君が相手とは思わなかったみたいだけど」
俺「そっか、ごめんね」
嫁「お母さんに正直に言ったの、ほんとはずっと前から辞めたかった、でもお母さんの悲しむ顔を想像したら言えなかったって」
俺「うん」
嫁「そしたらお母さんごめんね、って、今まで気がつかなくてごめんねって」
そう言って嫁は涙を浮かべた。
恥ずかしいが、俺も泣いた。
嫁の母親がうちの両親のようなクズじゃなくて、本当に本当に安心したのだ。
嫁「ねえ」
俺「何?」
嫁「私、今日から俺君の彼女でいい?」
そう言って嫁が立ち止まった。
俺はしばらく固まり、もちろんと言って嫁にキスをした。
その日から俺達は正式に恋人同士な
なった。
電気工事の会社に就職し、都内で一人暮らしを始めた。
嫁はフリーターになった。
組織では大学進学は推奨されていない、フルタイムの仕事も推奨されていない。
嫁は卒業土壇場までなんの準備もしていなかったのだ、仕方なかった。
ハタチになった歳に結婚を決めた。
一応プロポーズ的なことを言ったのだが、嫁の中でのプロポーズは、初デートのときの舞浜駅での俺のセリフなんだそうだ。
「キミと一緒なら、ハルマゲドンが来てタヒんでもいい」(実際はちょっと違うけど)
今では子供も二人産まれ、上はもう14歳だ。
両親には卒業以来会っていない、もちろん孫も見せていない。
義両親との関係は良好。
そこからの情報だと、両親はまだ細々と組織で活動しているようだ。
ハルマゲドンがくる気配はない。
両親は賃貸だし、ます間違いなく貯蓄もない。
悪魔の社会と見下したこの社会から、生活保護を受けるのだけはやめて欲しい。
潔くタヒんで欲しいと願うばかり。
スレチ、ではないですよね?
まとめて投下しようとしたんですが、初っぱな書きかけでフライングしてしまい、以降は慌てて書きました。
途中やめろとの声も見ましたが、取り合えず書きかけもあれだし、続きをとの声もあったし、書いちゃいました、すみません。
断じてアフィの一味ではありません。
長々と失礼致しました。
とりあえず、嫁とハルマキドンでも食っとけ。俺のおごりだ。
長文、乙でした!
親が毒だと大変だねぇ。
しかも両親だとか、大変の二乗だ(汗)。
途中で「やめろ」とか「続けて」とかあったけど、最後まで続けてくれて良かった。
読んでいる途中はヒヤヒヤものでした。
今も大変だろうけど、奥さんにお子さん2人、大切にしてあげて下さい。
今までもこれからも、>>146 氏が幸せでありますように‥‥。
奥さんはもっと青春楽しみたかったんじゃね
しかしヤメロヤメロ叫んでるやつはなんなんだ
これで処/女じゃなかったらワケわからんわ
これエホバでしょ
クラスに一人くらいいたわ
剣道とか見学してたやつら、あと輸血もダメなんだっけな
結構ガチガチの宗/教っぽい
最近勧誘来ないな
まあ、カルト集団であることに何も変わらないけど。
幼い頃から世紀末思想を実の親から教え込まれたら逃げ場ないわ
この二人、とくに嫁さんはギリギリのところで離脱できて良かった
宗/教の話はもうやめてくれ全然面白くない
創価も池田犬作の姿を久しく見てないけど生きてんの?
エホバ関係者が話題反らしに必死なのか
不自然なヤメロ連呼だったが、書いてるのはひとりなんだろうな
ハルマゲドンというのがリアルな重みのある二人の間で
好きな人と一緒ならハルマゲドンでタヒんでもいい
という科白は痺れるほどカッコイイ
アニメとか映画みたい
>>212なんて完全にエホバから創価に話題を変えようとしてるしなw
デズニーデート以降プラトニックの関係続けてたのがいいね。
出逢いが2歳というのもすごい。
別に泣ける話じゃないのにウルッときたよ。
しかし両親はクソだな。
90年代前半までは体罰が凄かった。
親同士で体罰用アイテムの情報交換をするほど。
ぬけた人間への切り捨てっぷりもすごいよ。
例え身内でもね。
普通の信者じゃない人より、一度教えに触れた上でぬけた人間の方が罪深いとされているから。
家族全員が信者のところは神権家族と呼ばれ、そこの子供は世間からかなり隔離された状態で育つから、かなり変わった子になる。
>>146はよくぬけられたよ。
ぬける人はだいたいみんな親に抵抗できる力を持った高校生以降にぬけるんだよね。
オレは20代半ばにぬけたから、青春なにそれ状態。
残ってる二世は信じてるというより、よそではもう生きていけないからという理由の人がおおいよ。
信者は道徳観がしっかりしていていい人が多いけど、闇は深いよね。
馴れ初めのとこは盛ったかもしれないけど、話はすごいリアルだよ。
でも経験してない人には、創作に見えても仕方ないね。