前記事⇨女の子「煙草一本くれません?」俺「え、吸うんですか?」女の子「吸わないけど、なんか見てたら…」→運命の出会いをした結果…【5/6】
そして、その約一ヶ月後に、彼女の誕生日だった。
俺は自分の誕生日の日にも、いつもと変わらず病室に向かった。
彼女にはちょろっと教えていたが、前日にも何も言われなかったし、
きっと忘れているだろうな、と思ってた。
病室に着くと、彼女がニヤニヤしていた。
その日はいつもよりだいぶ元気そうで、俺は驚いた。
小さなショートケーキを3つ取り出す。彼女は「おめでとう!」と言った。
俺が「ありがとうー」とビックリして言うと彼女はそのまま歌い出した。
「きょうはとくべつなよるさー!すてきなーゆめをみれたらなー!」
それはフジファブリックのbirthdayだった。
歌ってこちらを見て笑った。
ありがとう、と言って頭を撫でると、彼女は「わんわん」と小さく言った。
お母さんがいるから恥ずかしかったのだろうか。
彼女が良いと言った音楽や本は、家にいる時に狂ったようにチェックしていたから、
その曲もフジのそれだと、すぐ気付いた。
彼女「プレゼントがあるのです」
そう言って彼女は俺にマフラーを渡した。
彼女「それ、わたしの使ってたマフラーなんだ。これから寒くなるでしょ?
ここに来てもらうのに、風邪ひいたりとか心配だし…」
俺「うわーありがとう!」
彼女「あとね…」
お母さんが何やら包みから取り出す。それは格ゲーのアケコンだった。
彼女「これでもっと練習してねw」
俺は思わず吹き出してしまった。
病院にいながら、病気と闘いながら、どれだけ俺のことを思ってくれていたんだろう。
彼女の笑顔を見ながら、俺は決心した。
その日の後、俺は彼女が元気な日にそっけなく聞いた。
「やっぱり、ウェディングドレスとかって、女の子は憧れるの?」
彼女「それは憧れるよー!真っ白だしね。なんで?着せてくれるの?w」
俺「いや…wなんとなく聞いただけ」
俺は、すぐさま実家に帰って妹に相談した。
ウェディングドレスのような衣装が作りたい、と妹に相談した。
妹は不審そうにしていた。
けど、ワケを話せることもなく、大学のサークルで必要なんだとかそれっぽい
理由をつけて、どうにかこうにか生地選びや作り方まで、一から聞いた。
何かできるなら、もう今しかない、そう思って必死になっていた。
悠長なことは言っていられなかった。本当に必死だった。
純白なドレスを作ったのだった。
それでも俺は妹と一緒に生地を買いに行ったり、生地を切ったり、
一緒にどういうデザインにしたいか草案を考えた。
二週間くらい、作るのに時間がかかってしまった。
俺はその間も、実家と彼女の病院を行き来したりしていた。
その出来は、決していいものではなかった。でも、白いドレスの形にはなっていた。
ウェディングドレスと言えば、そう見えないこともない。
手伝ってくれた妹には、本当に頭があがらない。
俺はこれを着た彼女の姿を想像して、ついつい口がにやけてしまった。
ドレス作りは間に合った。
完成したときは嬉しくて本当に泣きそうになった。
俺は、それを宅配便で送るつもりでいたが、もう時間も迫っていたので
大きな紙袋にいれて、自力で、向こうの自分の家まで持っていくことにした。
このときは本当に寝不足続きで、目薬とフリスクが手放せなかった。
まず、彼女の調子がよければいいが。行っても寝ている時が増えていたのだ。
そして俺は重大なことに気づく。
「俺、自分のタキシードとかねえじゃん…」
俺は仕方なく、スーツで行くことにした。ちょっと洒落たネクタイをすればいいだろう。
俺は、紙袋にドレスと想いを込めて、家を飛び出した。
そして、この日は俺にとって忘れられない日となる。
ブーケのつもりだった。
気分は新郎。楽しい気分で一杯だった。
病室に着く。彼女は、起きていた!
俺は心のなかで「やった」と思うと、彼女に向かって
「誕生日おめでとう!!」と言って花束を渡した。
彼女は一度「わっ」と言うと笑顔で
「嬉しいー!ありがとう~!」と言った。
彼女「スーツなんて気合い入ってるねーw」
俺「ちっちっちっ。今日はこれだけじゃないんですよ」
正直緊張で胸がやばかった。
俺は紙袋から、想いを詰めたドレスを取り出す。
「じゃーん!」
彼女「え!え!何これ!!ウェディングドレス!?」
彼女は途端に興奮して目をキラキラと輝かせた。
俺「俺が作ったんだーw」
俺は照れながら、誇らしげに答えた。
俺「着てみる?」
彼女「うんうん、着る着る!!」
少し、大変だった。お母さんとか看護婦さんを呼んで、
どうにか彼女が着替えられる体勢にした。
その後、
彼女「着替えるから待っててね。」
といわれてカーテンが閉じられた。新婦のお色直しを待つ、新郎のような気分だった。
二人だけの結婚式?
。。。ごめん、言葉にしたらすごく切ないな
カーテンが開いたその向こうには、
俺の作ったちょっぴり不格好な純白のドレスを着て、はにかむ彼女がいた。
「似合ってるでしょー?」
と彼女は笑いながら俺に尋ねた。
俺は、この日見たこの光景を一生忘れることはない。
彼女は、ただただ、綺麗だった。
嫌なことも辛いことも、何もかもがふっとんだ。
そうすると、彼女は歌い出した。
「ばたふらいーきょうはーいままーでーの」
「どんなーときよーりすばらしいー!」
木村カエラのbutterflyだった。その歌は、彼女が歌い出すと
近くにいた看護婦さんまで歌い出した。
4人部屋だったんだけど、病室の人たちは笑って手拍子をしていた。
俺は彼女に向かって言った。
俺「一生にそばにいるね。」
彼女は「わたしも。」と小さく頷いた。
俺たちはお母さんやら患者さん、看護婦さんたちの前で
小さくキスをした。唇が触れ合うくらいの、優しいものだった。
そして何より、これが彼女との初めてのキスだった。
自然と拍手みたいのが起きてしまって、とても恥ずかしかった。
俺たちはお互いに見あって、笑いあった。
キスしたらそれがおかしくて、ふたりで笑いが止まらなかった。
このペースなら間違いなく今日このまま完結しますので、
お付き合い頂けたら幸いです。
頑張れ
1こんな素敵な話をお裾分けしてくれてありがとう
語弊あるかもしれないけど悲しくて幸せな不思議な気分だ
しばらく、スーツとドレスのままで二人で話した。
不思議な気分で、一生このままならいいのに、と願わずにいられなかった。
彼女はすごく喜んでくれた。
「ありがとう、すごく幸せ」と言ってつけている俺のあげたネックレスを握っていた。
「こんな日にはAnthemが似合う」と一人でフジファブリックのそれを口ずさんでいた。
しばらくするとお母さんが来て、
「写真撮るね。」と言って写真を撮った。
「何も言わなくても、幸せそうな顔してるねw」
そう言われたのが印象的だった。
http://www.youtube.com/watch?v=N0FMAHuG354
この日はそれ以上に特別だった。
楽しくて、時が止まれと思った。
この日が過ぎたあとも、しばらくは穏やかな日が続いた。
俺たちはいつも病室で一緒にいたけど、いてもいても足りないくらいだった。
普通だったら毎日毎日顔合わせてたら少しは退屈になったりするんだろうけど、
俺たちはどんなに話しても笑いが絶えなかった。
どうしてだろう、話しても話しても、もっと一緒にいたい、
そういう想いが募るだけだった。
奇跡よ起こってくれ!!!
彼女「この病院には七不思議があるんだよ。」
俺「へえ~何それ?」
それは彼女が勝手に考えたヘンテコなものだった。
実に下らない内容で、俺は一緒になって笑った。
俺「7つ目は?」
彼女「わたしが入院してることかなー」
俺はそれを言われて言葉を失った。
彼女「はやく、元気になりたいなー」
それが彼女が珍しく弱音を吐いた瞬間だった。
俺「すぐによくなるよ、必ずね。」
俺だって、すごく不安だったけど、信じるしかなかった。
現実が、音を立てて彼女と俺に牙をむき始めた。
彼女は辛そうにしていることが増え、行っても一日話せないことが増えた。
クリスマスイブもクリスマスも行った。
クリスマスは、まだなんとか調子がよくて、少しは話すことができた。
正念場だった。俺はストレス性の胃炎に何回かなった。
これほど世間の「あけおめ」ムードが恨めしかったことはない。
浮かれている人々が、すごく憎たらしく感じた。
この頃から、俺は彼女の両親とも連絡をより密にとるようにした。
そろそろ、いつ何が起こるか分からない状態、にまで来ていた。
そう、いざそういう状態になってからは、状況はみるみるうちに進展していった。
昨日までの状態が、次の日になれば嘘みたいになっていることも、ありうる。
夢のすべてはいつまでも続くよ
弱った彼女を見るのは辛かった。けど、優しく、笑顔で、話しかけた。
俺は今までも、楽しかった日のことは決して忘れないように日記にしたためていたが、
この頃から彼女の写真や映像もより積極的に撮るようにしていた。
俺は、今、自分が何をしているのか分からなくて、
どうしようもなく辛くなるときもあったが、病室に行って彼女の顔を見て
どうにか耐えていた。
彼女の両親との協力は、不可欠だった。
しばらくすると、彼女はとうとう個室に移った。
俺と、彼女だけ。
俺は優しく語りかける。
「今日は寒いね。」
「最近スパ4強くなったんだ俺ー」
「今度画材屋行こうと思うんだけど、何か欲しい?」
「俺はね、水彩色鉛筆がしたくて…」
返事が返ってこない日のほうが多かった。
たまに、すごくゆっくりだけど、答えてきたり、
自分から話そうとすることもあった。
彼女は俺に言った。
彼女「富澤…いるの…?」
俺「いるよ!俺はここにいるよ!」
彼女は少し笑みをこぼしてみせた。
彼女「あのね…。少しだけね…言いたいの…。」
俺「ゆっくりでいいんだよ、俺は、ずっと、ずっと、そばにいるんだから。」
彼女「いつもね…一緒に…いてくれた…人…」
俺「うん、うん。」
俺は半泣きだった。
彼女の両親も、泣き出していた。
こい!
来てくれ…
俺「うん、俺も、吹石が大切だよ…」
彼女「わたしが…いなくなっても…富澤はきっと…しあわせに…なってね…」
俺「違うんだよ!!吹石も一緒に幸せになるんだよ、ずっと一緒なんだから!」
彼女は少し笑みを含んで、
彼女「こんなわたしを…大切に想ってくれて…ありがとう…ありがと…」
俺「うん、うん。」
彼女「わたしは…だいじょうぶ…たのしかった…」
彼女はゆっくりだけど、確かに、俺にそう伝えると、
そのあとお母さんやお父さんに懸命に、話していた。
俺は、泣きすぎた。
その日だけで一年分くらいの量の涙を流したかもしれない。
享年24歳。
最後は安らかに、眠りに落ちるようだった。
俺はしばらく式やその他の彼女に関わることの整理で、忙しくなり、気が張った。
目の前で進行していく数々の出来事が、俺の脳をただただ通過していくだけだった。
ああ・・・・・・ああ・・・・・・
くっそおおおおおおおおおおおおおおお
くっそ・・・・・・
俺は、ただ呆然としていた。
心にぽっかり、穴が開いた。
彼女のお墓の前に言った時、俺があまりに号泣しすぎて
周りにも奇異な眼差しで見られた。
この涙が彼女に届きますように・・・
俺と彼女は最初から最後まで「好き」という言葉を互いに
口にすることがなかった。なぜなのか俺にも未だに不思議なんだけど、
そんなこと口にしなくてもお互いが大切に想ってるって分かってたし、
一緒にいて共に過ごしてること自体がそういうことなんだから、
口にしなかったんだと思う。
言おうと思ったこともなかった。
誰かが磁石が惹きあうみたいって言ってくれたけど、それがすごくしっくりきた。
多分好きという言葉じゃ足りないほどなんだろうな
神様一つ聞いてくれよ
風切る足を僕にくれよ
星降る丘に行きたい
あの娘に一度星見せてあげたい
突き出す前足をくれよ
蹴り出す後ろ足をくれよ
あの娘を笑顔にしたい
灰色の夜を駆け抜けて
べースボールの音が鳴った
誰もギャラリーいないグラウンド
上空に君を映した
ベースボールは終わらないよ
誰一人言わないゲームセット
大飛球を追い駆けるのよ
ベースボールの音が鳴った
誰もギャラリーいないグラウンド
上空に君を映した
さようなら 会えなくなるけど
さみしくなんかないよ
そのうちきっと
大きな声で 笑える日が来るから
動き出した 僕の夢
高い山越えて 星になれたらいいな
今日は特別な夜さ
素敵な夢を見れたらなあ
明日が待ってる ゆっくり帰ろう
今日は特別な夜さ
素敵な夜になりそうだ
みんなが待ってる 急いで帰ろう
ここまで書くのは、正直本当に辛かったけど、みんなの支えがあったおかげで、
途中で折れずに最後まで書けました。
一服、と言って泣いてることも実はけっこうありましたw
今は乗り越えたとは言えませんが、整理はつきました。
最後に、花言葉でしめた方がいいのでしょうか?
Butterfly 今日は今までの
どんな時より 素晴らしい
赤い糸でむすばれてく
光の輪の なかへ
Butterfly 今日は今までの
どんな君より 美しい
白い羽ではばたいてく
幸せと共に
闇の夜は 君を想う
それら ありったけを 描くんだ
鳴り響け 君の街まで
闇を裂く このアンセムが
何年間で遠く離れてしまった
いつでも君は 僕の味方でいたんだ
でも いない いない いない
いない いない いない いない
いないや
もう いない いない いない いない
いない いない いない いないや
花言葉お願いします。
彼女が大好きだったトルコキキョウの花言葉は、
「永遠の愛」です。
彼女のことはこれからも、ずっと想い続けます。
彼女は幸せだったと思うよ。このことを書いてくれて本当にありがとう。
ご冥福をお祈りします
いや、知ってただろうね…
彼女も天国で見守ってるよ
>>1の人生に幸せが訪れることを願います
何度でもいうほんとにありがとう
絶対幸せになれよ!!
お疲れさま!!
どのくらいの幸せをもらっただろうね
大きいものや小さいもの
気付かずにいたようなものもあっただろうね
言葉や言葉じゃないもの
涙やケンカの後の朝日の色
2人の道は決して平らではなかったけれど
あーよかったな あなたがいて
あーよかったな あなたといて
あーよかったな 一緒にいて
あーよかったな2人でいて
ttp://www.youtube.com/watch?v=qvUao2k0nCo
本当に、ありがとう。
彼女が亡くなった直後は一ヶ月近くまともにメシ食べれませんでした。
でも今は割と穏やかに、普通に過ごしています。
ゲーセンにも行っているよ。
やっぱり、あそこは楽しい。
みんなも、もっとゲーセンに行ってゲーセンを盛り上げてくれるといいな。
それでは、本当にありがとう。
またいつか、今度はゲーセンとかで会えたらいいね。
もっかいあげてくれたら嬉しいな
あれ、なんかすごい気に入ったんだ。
どうやって普段通りの生活に戻ったのかも、別スレで気が向いたら頼むよ
こんな気持ちにしてくれてありがとう
この気持ちを表そうと思ったけど言葉が見つからない
ただただありがとう
by John Lennon
www.youtube.com/watch?v=3G-qAKmACDE
俺にとって彼女は永遠に大切な存在。
それは変わりません。
しかし、大学は留年してしまいましたが、夏に新しく部活に入ったり、
自分でも新しい一歩が踏み出せるよう、ゆっくりとではありますが、
前に進もうと努力はしています。
俺がいつまでも孤独に落ち込んでいて、彼女が喜ぶわけないって
一番分かっているのは俺です。
ゲーセンに行くのはやめません。純粋に好きだからです。
そこには彼女以外の仲間もいます。
友人と行くこともあります。
だから、俺はこれからもゆっくりですが、歩いていこうと思うのです。
みんな、最後まで心配してくれるレスをありがとう。
その上で、また、今度はゲーセンで会おう。
俺もゲーセンで知り合った友達と15年以上続いてるよ
今でも一緒にネトゲしたりTRPGしたりしてる
小中の友達なんかみんな疎遠になっちまったのにな
次からゲーセンに行くたびに富澤に似てる奴探すよwww
あとスパ4でピンク色のTホーク見かけたたら多分俺だからよろしくな
トルコキキョウの花言葉は”永遠の愛”か…。
>>1さんは彼女をずっと忘れないでいるだろうね…でもこの先自分が幸せになる事があっても良いんだよ、彼女は>>1が幸せになる事を望んでいたんだから。
関係ないけど俺もね、大好きな人に必ず渡す花がある、それは向日葵、向日葵の花言葉は”あなたの事をずっと見つめています”なんだ。
>>1が目一杯幸せになる事を祈ってる。
私は3年半前に亡くした母の事を思っては日々いじけてばかりいるので>>1を見習ってしっかり全て受け止めて行きたいと思えた。
ほんとうにありがとう。
こうした別れも運命か
残酷だよな、本当に。運命って奴は
精一杯生きろよ、>>1もお前らも
もう各所でまとめられていて驚きました。
自由にまとめて頂いてけっこうです。
わがままを言うと、彼女が歌っていた曲には動画のリンク等も
貼ってくれたら嬉しいです。
彼女が歌っていた曲は本当にいい曲ばかりだったので、みなさんにも是非聴いてもらいたいので。
ゲーセンかここのどこかでまた。
ずっとROMってたよ
感動をありがとう
本当にありがとう
俺も忘れん!!!
おつかれ
彼女はあんたに会えたこと、きっと感謝してるよ
命ってのはホントに大切なものなんだよな
命あるってのが当たり前なことじゃなく、その影でついえて行った命もあるわけで
改めて思った
命の大切さを知ってもらうために俺は頑張るよ>>1ありがとう
その悲しみを完全に乗り越えた時新たな幸せが訪れる・・・そう思う
このスレに出会えて良かった!