鳴る回数が増えたメールの着信音も、私の前で出ることが無くなった電話も、
私が寝たのを見計らって外に電話しに行くさまも、
全てそれを物語っていましたよ
そんなのとっくに知ってますけど?と、
つい即答しそうになったのをグッと飲み込み、私は問います
「多分って何?」
自分でも驚くほど淡々とした声が出ました
この一週間、心の準備に要する時間は
それはもう有り余るほどにあったのですから、当然っちゃ当然ですが
「それは、いや、あの」
ソファーにふんぞり返るように座った私の前で、彼は居心地悪そうに立っていました
「座って」私の指示に、彼は軍人のような機敏な動きで三角座りしました
>ソファーにふんぞり返るように座った私の前
何この子怖い
「ゼミの女の子の…友達」誰だよ、と思いました
「どんな流れで」私は声のトーンを一定に保ち尋ねます
「ゼミの飲み会にその子も来て…なんかずっと俺の隣にいて…」
いちいち私の反応を待って話す彼に苛立ちを覚えたので、
敢えて相槌を入れないようにしました
「前から俺のこといいって思ってたとか言われて」
「二次会のカラオケにもついてきて、なんか最後までいて」
「でもその子最後潰れてて…、解散ってなった時、
その子は俺が何とかしろってみんなに言われて」
「家まで送ってあげたら、鍵が見あたらないって言い出して」
「俺が鍵見つけてあげて、鍵開けてあげたら、フラフラって玄関に座り込んじゃって」
もうこの時点で、それなんて漫画?状態でした
ゆうたんが気付いたのに気付いたか…
もしくは、ただの正直者だからか…
「ホイホイ乗せられて馬鹿じゃないの?」
思わず飛び出しそうになったその言葉達もグッと飲み込んで、
続けて、とジェスチャーしました
「体支えてあげて、その子んち入って」
「座らせてあげようとしたら抱きつかれて」
はいはいテンプレテンプレ
「チューされて」
そろそろ胸糞悪くなってきました
「そのままベットに連れてかれて」
「もういい」私は制しました
「いやプレイもなにも・・・」
「やったんでしょーが」
「いや最後までは」
「証拠は?やってない証拠」
「…その子に聞いてもらえれば…」
「無理に決まってんだろ本気で言ってんの」
「そうだね…ごめん」
「なんでよ」
「え?」
「もしそれが本当なら、なんで最後までやんなかったの?」
「え、いや、あの」
「なんでよ」
「萎えた…から」
萎えたからって・・・
けんごのけんご!!!
「え」
「なんで萎えんのよ」
「ずっと最中にゆうちゃんの顔がチラついてて…」
ィィィィイラッッッとしました
「で、彼女の事忘れてとか言われて…
その瞬間バーンってゆうちゃんの存在が大きくなって…なんか萎えt
「あんたの不能を私のせいみたいな言い方しないでよ!!!!」
一貫して保っていた声のトーンが大幅に上昇しました
「いや、そういうつもりじゃ…」
こんな時にまで子犬のような目で私を見る彼に、沸点が最大値まで跳ね上がり、
もう!!!!と何故かクッションに一喝しました
彼は怯えながらも視線を私から外しませんでした
「それで?」私は息を整えながら続けました
「私にその告白をしたと言うことは、私と別れようと思ってるの?」
彼はぶんぶんと首を振りました
「そうじゃなくて、最近ゆうちゃんの機嫌が悪かったからバレてるんだろうなって思ってた」
「それで、もうバレてるのに張本人が素知らぬ顔して謝罪しないってのは…最低だなって思ったんだ」
彼は真っ直ぐな目で私にそう言いました
「一時の気の迷いとは言え、一番大事にしなきゃいけない人を裏切ってしまった」
「凄く凄く傷付けたと思うから、許してほしいなんて言えない」
「ゆうちゃんが別れたいって言うなら、俺は従わないといけない」
「ゆうちゃんが決めてほしい」
私は彼に問いました
「その子のこと、好きなの?」
「私と別れたら、その子に行くの?」
この時ばかりは情けない声が出たと思います
「こんな時に言うのもアレだけど、今回のことで、
俺やっぱりゆうちゃんじゃないと駄目なんだって実感した」
「…何言っても浮気男の下手な言い訳にしか聞こえないだろうけど」
それに、と彼が付け加えました
「多分俺今振られても、またゆうちゃんに告っちゃうと思う」
「自分でも、なんでこんなに一人の人間に執着できるのか謎だけど、」
「ゆうちゃんはもう…なんか俺の人生、みたいな」
いくら目の前に座った男が十年来の付き合いであろうと
彼の目や仕草や滲み出ている雰囲気が、全く嘘の色をしてないことに気付いている自分がいようと
あっさり「もういいよ」「けんごの気持ち、嬉しいから」なんて、
やすやすと許してあげるわけにはいかないのです
私には言わねばならぬことがありました
「私が今から言うことは、もう金輪際二度と言いたくないことだから」
「一度しか言わないから、よく聞いて」
けんごが背筋を伸ばし、頷きました
「私が今から言うことは、もう金輪際二度と言いたくないことだから」
こえーな。
「それはごくごく自然なこと」
「だってけんごは私しか女を知らないじゃん」
「遊びたい盛りの男の子を、私がずっと独り占めしてしまってる」
「だから君がよその魅力的な女の子に目がいくのは、男としてしょうがないこと」
「でも、解ってても、それが私の目に付くのは嫌なの」
「もう何年も付き合ってるのに、余裕でヤキモチ妬けちゃうの、いい気がしないの」
「だから、やるなら、1ミリも私に気付かれないよう、上手くやんなさい」
「今回のあんたは最悪だったよ、バレッバレの上に、おずおずと白状しちゃってさ」
「オドオドするくらいなら最初からするな!やってしまったなら徹底的に隠せ!」
息継ぎなしでまくし立てたので、最後はハァハァ言ってました
そして目の前には、唇を真一文字に結び、私をジッと見てるけんご
彼が視線を床に落として言いました
「俺がゆうちゃんだったら、そんなこと言えないよ」
「やるなら上手くやれ、なんて」
「多分俺だったら、…どうなるんだろう、
想像もつかないけど、今のゆうちゃんみたいなことは言えない」
少し黙り込んだあと、
「いやはや、惚れ直しました」
目尻の下がった苦笑いで彼がそう言ったとき、私も大概頭が沸いているんでしょうね、
悪い気がしませんでした
「小さな頃から私だけに愛情を注いでくれたんだもん、そりゃ嫌でも信用しちゃうよ」
「だから、体の浮気はあっても、心の浮気はないって信じてるの」
「絶対に私のとこに帰ってきてくれるって信じてるから、こんな風に言えるんだよ」
牽制にも似たそれを、私はできる限りの優しい声で言いました
彼は相変わらず唇を噛みしめ、うんうんと頷きました
「もう絶対しないって思えるけど、
もし万が一億が一しちゃっても、絶対ゆうちゃんとこに帰ってくる!」
犬が忠誠心を見せ付けるように、彼は言いました
ゆうちゃんめっちゃ筋の通った女の子や(T_T)
「ま、そういうわけだから、次からは気をつけるように」
「次また私にバレるようだったら、刺すから」
「その間女を」
私史上最大の冷えた声で言えたと思います
ゴクリ・・・と鳴らんばかりの顔でこちらを見てた彼が印象的でした
さぁスッキリしたところで
「一週間私に触らないで」
「よその女の乳揉んだ手で私に触らないで」
「ソファーで寝てください」
そう言い放った私に彼は絶句しました
だってそれはしょうがない、本当に嫌なんですもん
彼はその日からソファーで睡眠を取ってます
まあ、われらが女神様にヤンデレフラグがたたないように祈る
彼の浮気騒動で、無意識に昔の彼を反芻する時間が増えたからです
下手くそに浮気を隠す彼に苛々しながら、
昔の彼はこうだったな、ああだったな、と振り返る時間が増えました
いざ事が解決しても、一人眠るベットの中でなかなか昔話から抜け出せない自分がいました
思い出せば思い出す程、幼い二人がなんだか微笑ましくなってきて、
文字に起こして形に残そうって思ったのです
みなさんにはそれに付き合ってもらう形になりまして、本当に感謝してます
ゆうちゃん、最高だったぜ!
楽しい1週間をありがとう!
あぁ彼のこんなところは変わってないなーとか、
私ってものすごく幸せ者なんじゃね?とか
色んな感情が込み上げてきて、とても実のある一週間になりました
なんだか彼に優しくなれたりしてw
ちなみに彼には「ネットにあんたのこと書いてるw」とだけ伝えました
のろけてるの?と喜ぶ彼に、初体験のこと書いたったwと心の中でニマニマしてました
そのうちバレるかなーと内心ドキドキしてます
でも2ちゃんしないからな
上手いこと行くこと、願っとります。
いられたらいいですね
私にはもうけんご以外の選択肢はないし
なんてプレッシャーかけてみたりw
ということで、どんどん文章が雑になっていきましたが、
私の自己満足に長い間お付き合いいただきありがとうございました
レスを残してくれた全てのみなさんに感謝してます
もちろんロムってくれてた方にも!
本当に本当にありがとうございました!!
雨降って地固まったね。
よかったです。
わたしも人生やり直したいよー。
経済学部だそうな
全くなかったんですそれが
でもまあジャニヲタだけど
仕方ない、て理解してる?
あと合コンも誘われてそうだけど許してるのかな?
しょうがないよね・・・
彼女いるって公言してくれてるから良しとしてる
合コンは今回のことで女の子こわくなっちゃったからなー・・
でもありかな
二人の幸せを願ってます
けんごはもう、ゆうちゃん解禁してもらえたのかな?
これからも2人仲良くね!
けんごが浮気したらまたスレ立ててね
わたしも一緒に刺しに行きたい
ばいばいゆうちゃん!
間女刺してゆうちゃんの手を汚すことはなかろう。。。
それよりそこまで従順な彼氏ならゴミを見る目で「クズが。」と冷ややかに言った方が、
ダメージが大きいじゃろうよ。
鬼畜すぎ和ロスww
本当にこんな糞駄文に付き合ってくれて、
素敵な言葉かけてくれてありがとう!!
ワンコ彼氏かわいいよワンコ彼氏
お腹さすると喜ぶよかわいいよ///
みんなもいい恋を!!!
さようならー
面白かった、あとハッピーエンドで良かったわ
ゆうちゃん乙でした
お幸せに