母(当時37歳)
父(当時40歳)
私(投下者です。当時16歳)
兄(当時20歳)
相手は自営業の男性。
当時の母はスナックで働いており、父はそこのお客さんだった。
父も×1でお子持ちだったが、奥さんと一緒に子供は遠い所へ行ってしまったので一人暮らし。
何でも父の実子は私と同じ年の女の子と、2つ下の男の子らしかった。
前の奥さんと別れた理由は詳しくは知らないが性格が合わなかったと聞いている。
結婚する時は親戚全員に反対された。
どうせ金目的なんだろう、と。
当時の父の財政状況は悲惨なもので、養育費を払っていたり、前の家族のために建てた家の借金があったりと貧乏であった。
私達家族はそこに住むことになった。
でも3歳の時から父がいない家庭だったので、両親がいるということと、父がとても子供好きで優しい性格だったため、
お金がなくても苦ではなかった。
幸せだった日々は長く続かない。
母が父の浮気の証拠を見つけてしまう。
なんと出会い系をやっていた(携帯で)。
問い詰めていた所を見たのだが、大人のことだからと思いあまり介入しないようにした。
その日から夫婦の仲が悪くなる。
母は以前のように笑わなくなった。
父は毎晩帰りが遅い。
高校生ながら家庭の崩壊を目の当たりにした。
「休み時間になったら電話くれ」、とだけ。
兄からは滅多にメールなど来ないので慌てて電話をした。
すると兄は慌てた様子で先ほどあったことを説明してくれた。
兄が用事があり実家に帰ると(兄は一人暮らし)、知らない車が停まっている。
無視して家に入ろうとすると車から二人の男が出てきて父の名前をいい、「いますか?」と聞いてきたという。
「家の車庫に車がないので出かけている」、というと「ではもう少しここで待たせていただきます」と言って車に戻った。
兄はお客さんかなと思い、気にせず実家でくつろいでいた。
しかし何時間経っても車が出て行く様子はない。
母に電話しても父に電話しても出ない。
兄は不安になり、思い切って先ほどの車の人に「何かご用でしたか」と聞いた。
その二人組みは裁判所の人で、今日は父が時間空いていると聞いていたので話し合いに来たと言った。
父が何かしたかを聞くと、どうやら家のローンを去年から滞納しているとのこと。
何度か手紙を送ったが返事がないし、家に訪ねても「今お客様がいるので今度にしてください」と言われ話し合いができない。
やっとスケジュールを入れてもらった今日も不在である。
今日本当は家の中を見せてもらって売却の話をしに来たと…。
兄は聞いたことのない話だったのパニックになり、とりあえず父がいないのでと伝え家で待機することに。
やはり母も父も電話が繋がらない。
そこで私に電話してきたのだ。
その時はすでに裁判所の人たちは帰った様子だった。
私は急に不安になり、学校を早退して実家に帰った。
帰ると兄と母が家にいた。
母は買い物に出てたそうだが今その話を聞いて、何がなんだかわからない様子。
父との連絡はつかない。
父はきっと帰ってくるだろうからその時話すと言ってその日は終わった。
どうしたのかと聞くと、父の仕事場のディスクを見ていると何通もの督促状が。
家は最早売却する事になっている。
それだけじゃない、父のディスクに10万円入っており、貯金通帳などは姿を消していた。
父からの連絡は来ない。
母は裁判所のことなど全く知らなかったらしい。
母と一緒に警察に行き、捜索願を出した。
数日後、父が見つかったとの連絡が。
父は私達が住んでいる場所の郊外で、当時ニュースでやっていた練炭自殺をしようとしていたところ
巡回中の警察官に見つかったそうだ。
その時父はすでに意識はなく、脳にも酸素が行き届いてない状態。
病院にかけつけたが、医者から前みたいに仕事はできないし、後遺症は残ると診断された。
その通り父はオシメの生活で、誰が来てもよくわからない表情をする。
私は母と泣いた。
父が失踪して見つかってから何度も父の携帯に着信が。
一度出てみたが、女性の声だった。
父の様子をしきりに聞いてくる。
名乗りもしないし、聞いたこともない声だったので軽く流して「今居ません」とか適当な事をいっておいた。
母が出た時に、「あなたが奥さんね!」と怒鳴ってきたらしい。
事情を聞くと「私は父さんの恋人だ」「先日まで一緒にいた」「会わせてほしい」と言う。
どうやら出会い系の相手っぽい。
その時父は高濃度酸素療法、みたいな名前の治療をしていて、一時前の父に戻り、時間が経つとオシメに戻る
という状態にあったため、治療をした後でなら会えると伝えたところ大喜び。
さっそく病院に呼びつけて会うことになった。
会って母は愕然としたらしい。
45歳でなんというピッツァ。
そして出会い系ではなかった。
ソ◯プ嬢だと…。
父に会わせると喜んでお話ししていたらしい。
父もニコニコしていたとのこと。
その日から治療が効いてきたのか、みるみる前みたいに一人で歩いたり食べたりできるようになっていった。
記憶も自殺の頃も思い出せるようになってきて、退院できることになった。
自宅に無事帰ってきたが、なぜかソ◯プ嬢の話、離婚の話、家の話をするとまたわからない状態になる。
父も交えて親戚と離婚の話をしていた時も父は「???」という顔で皆を見ているだけであった。
そんな状態だから親戚が言いたい放題に。
父がこんな風になったのは母のせい、母に責任がある、そもそも結婚は賛成じゃなかった、など。
慰謝料は30万しか払いません、と言われてしまった。
家は売却され、私達家族はアパートへ引っ越した。
それから生活を軌道に乗せるのに1年間頑張り、何んとか母の仕事も落ち着き始めた頃。
父の噂を聞いた。
ソ◯プ嬢と同棲しているとか…。
でも父はまだ後遺症が残っていて、入院することもあったので、果たしてソ◯プ嬢が受け入れるかどうか…
何となく様子を見に行った私。
ソ◯プ嬢の家はわかっていたので、学校に行く前に寄ってみた。
なんとそこにはやはり父の姿が。
しかも誰の子供かわからない子とキャッキャッしていた。
そこへソ◯プ嬢も一緒にきた。
父はどうみても後遺症などない。
母が時々父に会うのだが、その度に「もう抜け殻みたいだよ、何話してもわからないの」と言っていたので、こんな元気だとは思わなかった。
それからまた噂によると、父たちは地元を離れて遠い町で暮らしているらしい。
そこで父は自分の自営業の経験をいかして、専門学校の講師をしているとか。
もう何年も前の話なので今は気持ちが穏やかだが、当時はショックで母と一緒に通院していた。
以上です。
なんという疫病神。
周りに不幸を振り撒いているな。
なんだろうな・・・
世の中そんな奴ばかりじゃないとしか言えん。
頑張れよ。