ネタだったらよかったけど、残念ながら事実
長文&ムナクソなのでヒマな人だけ読んでください
高身長で仕事ができて性格も育ちも良くて爽やかで
正に非のうちどころがない
学生時代から付き合ってる超美人の彼女もいる
どれくらいイケメンかというと、何度も芸能事務所にスカウトされてて
それは断ってたけど、女性誌の街角イケメン特集くらいは何度か出てた
会社の事務員さんが産休に入るので、
産休期間中だけ派遣社員を雇うことに
そして現れたのが「引っ越しおばさん」にそっくりな40近い女性
以下彼女のことを「引越し顔」とする
雇う側に決定権があるから、
気に入らないなら別の派遣会社に要請して
別の人と面談してから決めればよかったのに
当時はまだ派遣社員制度が浸透していなくて
うちの会社も初めて派遣社員を雇うので、そういう考えもなかった
第一印象の良い女性ではなかったけれどPCスキルはハイレベルで
断ったら「容姿で断った」みたいになるので
当時の決裁者は引越し顔と契約してしまった
ノーメイクの小汚い格好で出社するし
挨拶もできなければ若い正社員にタメ口を叩くので
働き出してからも微妙に距離をおかれていた
引越し顔の歓迎会も規則に従って開催された
イケメン先輩は酒が飲めない
乾杯だけ付き合って2杯目からはウーロン茶
そしたら引越し顔が「イケメン先輩と一緒に飲みたい」と
強引に先輩の隣に座ってお酌し始めた
優しいイケメン先輩は仕方なく何杯か付き合うも潰れた
先輩を介抱する為、俺達数人は静かなバーに移動した
店に入ると、備考してきた引越し顔が現れて「私も一緒に飲みます♪」
一応その日の主役だし、誰も追い返すことができず一緒に席につく
引越し顔はイケメン先輩を一生懸命介抱して水を飲ませてたし
俺たちは隣の席になった見知らぬ若い女性達と意気投合して盛り上がってしまい
先輩の世話を引越し顔に任せてしまった
このバーでのことは未だに後悔してるし
引越し顔が先輩に飲ませてたのがウォッカだったとのちに知る
日付も変わってお開きとなり帰ることに
俺たちの家はみんな先輩の家とは逆方向だった
そして引越し顔が同じ方向だからとさっさとタクシーを停めて乗り込んだ
若い女性なら酔いが冷めるまでファミレスに拘束するか
同性の社員が責任もって送るんだけど
先輩も男だし、まあいっかと全員解散した
うちの会社は朝礼と夕礼があるんだけど
夕礼の最後に引越し顔が発言
昨日の御礼の挨拶かなと思いきや
「私はイケメン先輩と結婚を前提にお付き合いすることになりました」
全員フリーズ
課長が「いや、何言ってんだ君、冗談だろ?」
引越顔「いえ、昨夜結ばれました」
再度全員フリーズ
みんな慌てて先輩に連絡するも繋がらない
結局先輩は体調不良で一週間休んだ
一週間後に出社した先輩はビックリするほどやつれていた
話を聞くと「違うんだ、違う、俺は絶対に何もしてない」
朝起きたら引越し顔のアパートに居て、
となりに裸の引越し顔が居たらしい
でも絶対に何もしてないし、むしろ強引に連れ込まれたんだと
ちなみに引越し顔、身長175cmくらいあってガタイがいい
引越し顔が交際宣言してしまったので、先輩は全員に丁寧に誤解を解いた
社員は全員先輩の味方で
可哀相に思った課長が上司としての立場で口を挟むも
引越し顔は「私たちは愛し合ってる」と聞く耳もたない
勤務時間中に先輩の婚約者だとデマを広げるので
遂に部長まで話が行って、引越し顔は部長から注意された
「私はあの夜レ◯プされ、しかも妊娠してしまった」と公言
先輩はどんどん痩せていくし、もう弁護士案件だという時に
どこで調達したのか、陽性反応の出た妊娠検査薬を朝礼で披露した
この頃先輩は遂に精神疲労で入院した
「プライベートなことを社内で話さない」という
引越し顔対策のルールができ
部長が弁護士を紹介するも、
憔悴した先輩は極度のストレスで言葉があまり言葉が発せなくなっていた
引越し顔はというと、基地の両親が出てきて先輩の実家に乗り込み
「うちの娘がキズものにされた!責任とって結婚しろ!」と騒いだ
後出しになるけど、先輩のお父さんは地方議員さん
お母さんはお料理教室・ピアノ教室などの主宰
妹さんは若くして財閥系の資産家に嫁いだエリート一家
引越し顔両親は893みたいな弁護士を雇い
結婚しないなら家族がどうなってもいいのか等
病床で無抵抗な先輩に脅迫して、
朦朧とする意識の中で婚姻届にサインをしたというかさせられたらしい
先輩は廃人になって、そのまま自死
一緒に精神を病んだ長年付き合っていた彼女も、
2カ月後に先輩の後を追った
20代で独身だったけれど先輩の実家がエリートなので
先輩にもある程度の資産があった
戸籍上の妻である引越し顔の手にまんまと渡った
投資用マンションや株券など、推定数億
どう考えても事件だし、当時は先輩の家族友人会社関係者
みんなで頑張ったけれど、
頃されたわけでもないし、意識朦朧とはいえ婚姻届も自筆で書いたらしいし
我々の努力むなしく先輩の肉体と精神がもたなかったので敗北した
先輩の10周忌のお墓参りに行ってきたので
1人の男性の不幸な記録として書かせてもらった