その中のA社、テナントビルに入ってるそこそこ名の知れた会社の営業所で
入ロすぐにあるカウンター窓ロでやり取りをするんだが
いつも奥の方の席に座ってる気になる女性がいた。
気になるって言っても好意があるとかそういうのじゃない。
そこの席だけロッカーや観葉植物で影になったような席でちょっと暗くて
他の人たちが談笑してても話に加わらず、表情もなく黙ってる。
その中のA社、テナントビルに入ってるそこそこ名の知れた会社の営業所で
入ロすぐにあるカウンター窓ロでやり取りをするんだが
いつも奥の方の席に座ってる気になる女性がいた。
気になるって言っても好意があるとかそういうのじゃない。
そこの席だけロッカーや観葉植物で影になったような席でちょっと暗くて
他の人たちが談笑してても話に加わらず、表情もなく黙ってる。
「今日でお店終わり。あなたが最後のお客さん。
ひいきにしてくれてありがとう。これ、おみやげ」と、折詰めを二つくれた。
俺は何と言っていいかわかんなかったけど
「とても残念です。おみやげ、ありがたく頂戴します。お疲れさまでした」と挨拶して
店を出たんだ。
お酒飲んでない時はめちゃめちゃ腰が低くて優しい人なのに、一杯でも飲んだら豹変する。
アル中専用の病棟みたいなのがあるらしくて(檻付きのやつ)
そこに三回入院したけど無駄だった。
私の夫は芸能人っていうほど立派なものではないけれど
ありがたいことにファンがつくようなお仕事をしてる。
漫画家とか小説家とかそういう仕事をイメージしてもらうとちょうどいいかもしれない。
その女の存在を知ったのはSNSで「○○(夫)の彼女」として話題になっていたから。
夕飯を食べてくつろいでいた日。
玄関でチャイムの音がしたから、10歳くらいだった自分は率先して出た。
両親共働きで祖父母と小さな弟しかいなかったから。
すでに鍵を掛けてしまっていたが、玄関ドアと磨りガラスごしに女性だとわかった。
近所の人かと思い、何も考えずに開けてしまった。
入ってきたのは初老の女性で見たことも無い人だった。
真夜中で、しかも暗い部屋の中での出来事なんで寝ぼけていたのかもしれないし
何かの見間違いかもしれないけど・・・。
携帯からなんでぶつ切りになるかもだけど書き込んでみる。
次の日がお休みだったんでその日は部屋で夜中までDVDを観ていた。
嫁があまり好きじゃないジャンルの映画だったので嫁は先に寝室で寝ていた。
「子供はしらせてるから悪いんですよ
昨日転んで泣いてたでしょ」 って書いてある
確かに昨日あった出来事だけどなんか覗き見されてるみたいで恐い
一ヶ月くらい前に夕方ピンポンされて出たら
「子供を走らせるのをやめてください」って言われたんだよね
下の階の人も子蟻なのに、神経質すぎるよ
うちは1歳児と5歳児だから仕方ないのにな
刻々と時間は過ぎ、面会時間終了のチャイムが鳴ると同時に
『ガラガラガラ・・・』
廊下の奥の方からゴミ運搬台車の音が聞こえてきた。
『。。来たな。。。』
淳がボソッと呟いた。
俺は固唾を飲んで部屋の扉へ視線を送った。
『ガラガラガラ、』
台車の音が部屋の前で止まった。
部屋の扉が開いた。
作業服の『中年女』が会釈しながら入室してきた。俺と淳はその姿を目で追った。
『中年女』は奥のベットから順にゴミ箱のゴミを回収し始めた。
『ごくろうさん。』
と患者から声を掛けられ、笑顔で会釈をする中年女。。。とても昔の『中年女』と同一人物とは思えない。
そして、ついに淳のベットのゴミ回収に中年女がやってきた。