10年ほど前の今頃、当時はオレの妻だったアイツが、いきなり離婚を言い出した。
理由はDV もちろん覚えがない 無理矢理夜に誘ったのも我慢できなかったというが
断られたら、我慢して退いてしつこくしてなかった。
良くわからなくて離婚したくないって言ったら、嫁が出て行って、以降弁護士を通してしか話できなくなった。
アイツの携帯には着信拒否されて、アイツの実家の電話も全部当時の義理の父や母がでて、怒鳴られて切られた。
請求された慰謝料と財産分与の額は多くもない貯金が全部もっていかれてさらに借金が残るレベルで
むこうの女性弁護士は悪いと思ったらしっかりと支払うべきですと言ってにべもなかった。
その当時、どうやって暮らしてたのか自分でも大して覚えていないけど、
呑めもしない酒を飲んで吐いて布団にたまったゲロに顔を付けたまま死にたい死のうって同じことをぐるぐる考えてたことと
無断欠勤をやってしまって、もうオレはだめだ、なんで死なないんだろうって思ってたのは覚えている。
転機が来たのはすごい雨の日だったのを覚えている。上司からしばらく出てこなくていいって言われて、ああ、もういよいよだめかって
思いながら荷物をまとめて帰ろうとした間際に、オレに客がきたって総務のおっぱいでっかい太ったねーちゃんが知らせに来た。
応接室で落ち着いた感じのオレより少し上かなって年の髪の長い女性と弁護士って名乗った初老ですっごいはげた男が俺を待っていた。
彼らはいろいろ挨拶をしてから何か話していたけど、そのときの前半の話はぜんぜん覚えていない。
記憶に残っているのは、「あなたははめられているんですよ?」って弁護士の言葉から。
その時、つるっぱげの男がすごい真剣で親身な目をしてオレを見ていたことと、女性がなみだぐんでいた。
そこから、アイツが不倫、しかもW不倫していたこと、この女性が間男の妻だってことを説明されて
オレは正直、怒りもなんにも湧かなかった。ただ、あっけにとられただけだった。衝撃を受けて呆けた。
ネタスレから来た人ですか? ④
495氏でもネタスレの人でもないみたいね
新しい報告者さんのようですね >>504さん、どうぞ続けてください
「なんで嘘言うんだよ」とか自分でも訳のわからない絡み方をして、で電話中に猛烈に気分が悪くなって以降は覚えていない。
気がついたら入院していたのだけど、後から母が言うには、肺炎と急性アルコール中毒と肝臓障害、それと鬱病一歩手前と栄養失調
だったらしい。全然自覚してなかったけどね。
オレは病院ではずーっとぼーっとしてたんだけど、その間、例の間男の嫁さんがきていて、オレの両親に話をしたそうだ。
そして弁護士事務所への連絡先をおいてっていったらしく、両親が事務所に乗り込んでいったらしい。
それでことの次第が明らかになって、オレを挟んで、不倫組とサレ関係者が対立していったらしい。
幸い入院の終わり頃には、酒も抜けて、神経の薬もらってちょっと考えることが出来るようになってオレは離婚を承諾した。
薬のせいでどうでもよくなって、離婚した方がいいって周囲から言われまくったし、逆らう気力もなかった。
結果として言えばオレは慰謝料なしで別れることが出来た。あのつるっぱげ弁護士さんに親も依頼したところ
向こうの弁護士が慰謝料を取り下げて、分与分は少なかったんで、少額にこだわるより早く縁を切るという父の方針ですんなりといった。
子供は居なかったんで、親権で悩まなかったのはよかったと思う。
間男の嫁さんには、うちのPCのメールとかそういう資料を全部あげて協力したんで、慰謝料もらえて離婚したらしい。
家は賃貸だったから、親に任せて引き払うことにして、しばらく精神科でカウンセリング受けて、なんとか数ヶ月で会社には復帰できた。
首になる寸前だったらしいけど。
2年ほどで通院を終るころに、仕事は元通りにできるようになった。
もう家庭のことも考えなくていいんで、僻地から支社から営業所から途上国出張まで
いろいろやって、その途上国から帰ってきたときに、祖母が危篤になった。
可愛がってもらったし、離婚騒動では心配させたし、時間見つけて見舞いに行ったけど、
残念ながら死んでしまった。で、祖母がオレに遺産を残してくれていた。
本来は父親宛だったらしいけど、ヒドイ目にあったオレにせめてものものをということで
遺言書を書き換えたらしい。
これで有り難いことに家賃収入が入るようになって、生活が楽になったけど、女はこりごりだし
酒はもっとこりごりだし、特に使うあてもなく貯金していた。
で、その頃は間嫁さんとは年賀状だけのつきあいだったんだけど、父がお世話になったしことだし
一度良くなった姿を見せにいけっていってたのもあって、連絡を取って挨拶に行った。
オレとは同病相憐れむという感じで、色っぽくはない友人同士って感じのつきあいになった。
やっぱり間嫁さんにしても両親にも友人にも言えないことがあって、オレにはそれが言えて
オレにもやっぱり間嫁さんにしか話せないことがあったからだ。
結婚していたことをだんだん忘れて、アイツの声とか下の名前まで忘れてたころ、
会社の前でアイツとあった。
初めは、全然判らなかった。呼びかけられてこんな女の知り合いなんていたっけって思ってたら
アイツが俺の名前を呼ぶ時の独特の呼び方で、突然理解したけど
目の前にいる「けばい中年女性」が、なかなかアイツとは重ならなかったけど。
それでもなんとか今のアイツの姿なんだと思って、用件を訊いた。
「どうしてるのかなーって」
その日は特に目的を告げなかったんだけど、3日後には家の近くでまた出逢った。
初めの数回は挨拶程度だったけどちゃんと食べてる? とかなんか妙なことを言い始めた。
その頃、間嫁さんからメールが来たんで、いろいろ書いたあと、付け足しで最近「アイツ」によく逢います。
って書いて送ったら、5分ほどで珍しく間嫁さんから直電がきた。
このときの間嫁さんの声は妙に迫力があった。
普段よりオクターブが低くなっていたし、嫁と出会った場所とか時刻とかまるで詰問されるみたいに訊かれて
びっくりしたオレが理由を尋ねると
「あの2人、とっくの昔に別れて、素知らぬ顔でこの辺に戻ってきたの」
って本当にぞっとするような暗い声でオレに教えてくれたんで、さすがに鈍いオレもひらめくモノがあって
「ひょっとして復縁をいってきている?」
「うん……、ほんと、あの人達の頭の中どうなってるのかわからない」
その後ため息ばかりであまり会話にならなくて なんかあったらまた連絡するって話だけで電話を終って
その後「アイツ」のことを考えた、無音で天井の照明を見つめながら考えたたんだけど
もう自分でもびっくりするぐらい嫁に関心が湧かなかった。
もっともそれ以前に嫁が復縁ねらいかどうかすらわからないというのが結論だった。
ま、今から思えばノンキきわまりないんだけど。
マジで殲滅したい
その日は風邪が強い寒い日だった。
挨拶をして、何か言いたそうだったけど何も言わなかったんで
オレから口火を切った。
「間男とうまくやってる? せっかく離婚したんだし彼を大事にしなよ」
別にいじめようとかそんなつもりはなかったんだけど、口に出てしまっていた。
「アレのことは言わないで。私、どうかしていた」
目を伏せて反省みたいな表情だったけど良くわからなかった。
「そう? いろいろあるんだね。だけどまたいい男と出会うかもしれないし、がんばれよ。じゃあ」
自分でもがんばれよとか、空々しくて笑いそうだったけどそれ以上話すこともないし行こうとしたらコートの袖を引かれて
「あなたが私を見てくれなかったからこんなことになった。責任取ってやりなおしてよ!」
目の前の女がわめいた言葉が良くわからなかった。
「はぁ?」
「なんで、妻に優しくしないの? 一緒に暮らさないの?」
なんというか、仕事とかでやばいっていうのはあっても、この訳のわからないヤバイ感じは一段突き抜けていたと思う。
「離婚しただろ!」
って言って袖を振り払って思わず逃げた。それ以来会社の出入りに気をつけて出口も変えた。
元汚嫁「お前は黙って復縁に応じてATMに徹してりゃ良いんだよ」
祖母が死んだ後、俺名義の祖母の遺産のマンションの内、資産価値が下がりきった古い一棟を
父の金と、俺の増えた貯金とで建て替えることにして、両親がいろいろやってくれて建て替えをした。
で、最上階の2部屋に相当する部分を、俺の部屋にしたんだ。賃料がもったいないし、管理人代もうくし。
というわけで、アイツと出逢った頃、俺は新築のオシャレなマンションの最上階から通勤していた。
で時たまだけど、離婚の時にいろいろ世話になった人達や、古い友人を招くことがあったんだけど、
それ以前のボロ賃貸とは一線を画するだけに、「ばあさんの遺産だ」と言わないと変な勘ぐりをされるので
正直に答えていたのだけど、噂は広がっていたらしい。
「浮気されてその慰謝料でマンション建てた」って噂だけど、不倫側に届けばねぇ。
アイツから訳のわからない罵倒を受けた日の夜に、間嫁さんに電話を掛けた。
「こっちも、復縁? 良くわからないけど、きた」
電話の向こうで間嫁さんが可哀想なほどため息をついたのを良く覚えている。
「あの人ね、転職して給料下がったんで、ぶちぶち言われてたんだって。それでまた若い女に手を出して、
大げんかして、離婚して一緒になろうって若い女に言ったら、×2のおじさんなんかと結婚したら
かっこわるいからいやって言われたって。何を考えているのかな? 男って浮気やめられないの?」
「それは男の問題じゃなくて、間男の問題だから。俺は浮気してないし。というかされた方だし」
「……ごめんね。そっちは?」
「俺のせいでこうなったから責任とってやりなおして。妻にやさしくしてよって怒鳴られた」
「はあ? わけわかんないんですけど?」
「俺に言われても」
「復縁?」
「さあ?」
「……ほんと、わけわかんない」
「先生と相談する?」
「それがいいかも」
そういう流れで弁護士の先生ところに行くことになった。
久しぶりにあったら、その髪の毛もだいぶん白くなっていた。
もっとも誠実そうな目とか、信頼できそうなしゃべり方とかは変わらない。
なんとか平日に半休とって弁護士事務所にいって、先生に相談した。
それで正式に受任してもらって、
とにかく言い争わずに弁護士をとおしてと言うこと
家に入れないこと
暴力振るわれたらすぐに警察呼ぶこと
などなど
まあ当たり前のアドバイスをもらって
間嫁さんは接近禁止命令をもらってみることになった。
おれはまあ、もうちょっと激しいつきまといの例が出たらということになった
ただ先生のところを出ても間嫁さんの顔は晴れなかったんでコーヒーショップによって
話をしたら、間嫁さんが両親と同居している実家が一軒家で侵入しやすい(泥棒に2回ほどやられてるらしい)
上にお父さんは定年後も働いているので家にあんまりいないし、お母さんもわりと家をあけがちで
全開間男が来たときも、二人は居なかったらしい。
その話を聞いて、俺はすごく迷った。俺の中に女性不信はやっぱり残っていてもう恋愛も結婚もする気がなかったし、
それは間嫁さんもよく言ってたんで、微妙な関係であることで俺は救われていた。
けれど、オートロックに監視モニタがついている俺のマンションの屋上の部屋にくれば、問題はかなり解決する。
その日は、その案を言わないまま俺たちは別れた。
もうクリスマス商戦が始まった頃で、会社の出口を変えてアイツに逢わなくなって
ちょっと気が緩んでいた頃だった。
一旦家に帰って、資料作りのために、コンビニで資料をスキャンしようとまたマンションを出たときだった。
暗がりから、俺の名前を呼ばれて思わず立ち止まったのが失敗だったと思う。
昔離婚騒動の時は、それなりーにイケメンっていえる奴だったんだけど
見事に生え際が後退してテッペンが薄くなっていて、顔の作りがいいだけになんとも微妙な感じで
しかも酒飲んでるのかフラフラしながら、俺の前にでてきた。
「おい、おまえ、金持ってるからって人の女房寝取っていいっておもってるのかよ?」
うん、今書いてても前提がわかっていなければ意味不明な言葉だけど、当時の俺は全然わからなかった。
答えようもなく立ち尽くしていると
「間嫁から離れろよ! ふざけんじゃねーぞ。お前はお前の女と仲よくしてろよ」
なんていうか、なんで罵倒されているかわからないと、言い返すことってできないんだよね
「だまってないで、なんかいえよ!」
胸ぐらを捕まれて流石に茫然自失から立ち直って腕をふりほどき
「わけわかんないこと言うなよ。アイツと幸せにやってればいいだろ」
「なんだと、俺をだましやがって! 俺にくそ女をおしつけやがって! 笑ってたんだろ!
入院して弱いふりして、あんな女にマジになってた俺を笑ってたんだろ! クソ野郎が!」
ここまで無いこと無いことを言われるとさすがに腹が立って、なぐってやろうと思って目を据えたときに
「だれがクソ女よ!」
アイツだった。考えてみればマンション付近で見張っていたのだろう。
いきなり現れたアイツは間男に飛びかかり、間男はよろよろしながらアイツを払いのけようと暴れていて
俺はいきなり現れたアイツにぞっとして、これ幸いとコンビニに逃げこんだ。
帰り道は相当ビクビクして帰ったが幸い奴らと出会わなかった。
バカな奴らの場外乱闘か・・・大変だな
ちょっと 吹いた
週末に特別に弁護士先生を囲んで話し合いをしたんだが、
特別な妙案があるわけもなく、警察には連絡しておくという先生の話で終った
間男の勘違いの原因は、間嫁さんの近所のおばちゃんらしい。
「離婚して親と一緒に暮らしていて、男っ気がなかったのに、最近俺さんに家の前まで送ってもらったりしたから
私たちを見たその人、親公認の再婚だ-って勘違いしちゃって」
ホラーの原因が、こんなトホホだったことに、俺はひどくトホホな気分になったのだが
「間嫁さん、間男が俺の女房っていってたけど、より戻してもいいとか言っちゃった?」
「マジ、やめて。言ってないから」
女性の情けない困り顔って、このとき初めて見たと思う。
「じゃあ、間男、そうとうやばいよ? 酒かひょっとしたら変な薬やってるかも。全然わけわかんない事いってたし
きちがいって思った方がいいよ」
困り顔に濃い影がさして、怯えた顔になって、俺はちょっと言い方がきつすぎたと思った。
「どうすれば……どうしよう」
俺が迷ったのは少しだけだった。
「もしよければだけど、うちにくる?」
あんた、間嫁さんと再婚しちゃいなYO 4円
ただし二部屋だと冷暖房効率が悪いので、普段はスライドパネルで仕切っている。
端に扉がついていて普段はそこから出入りし、部屋を大きく使いたい時はパネルをたたむのだが
入居してからパネルをたたんだことは一度だけ。動作確認のみだ。
いつも使っていない方は、ゲストルームにしているが正直掃除の手が回っていない。
というわけで少しほこりっぽい部屋になっていたが、それでも初めて見た彼女とご両親は目を輝かしていた。
彼女の宿泊は、親公認で許可が下りた。
「うーん、最近のマンションはきれいなもんだね」
俺の部屋で、間嫁さんの親父さんがコーヒーを飲み、俺はミネラルウォーターを飲んでいた。
隣で掃除機がうなりをあげ、荷物を移動させるどたばたした音が続いていた。
「ま、玄関とか駐車場とか……
部屋のモニターを切り替え、玄関ロビーと夜の駐車場が映る。
「こうして監視も録画できますし、玄関も部屋もさっきみてもらったようにオートロックです」
「彼女の部屋はそことは別に廊下に面した出入り口がありますし、このドアは彼女側から鍵を掛けます」
「いや、これはすごいねぇ。家内も子供のように喜んでるよ」
そういう親父さんもしきりに部屋を眺め回していた。
ご両親が帰ると、パネルの扉から彼女が顔を出した。
「しばらく、よろしくです」
「住まないと荒れますし、気にしないで下さい。掃除やってもらって助かっています。それとマンション出るときは用心して下さい」
彼女が真剣な顔でうなずいた。なんか可愛く感じた。
でもクリスマスイブの前日に彼らは来た。
アイツは、オートロックを住人の後をついていくことで破ったと思う。
となりの部屋、つまり間嫁さんに貸している側のインターホンがなった。
俺は変に思った。こっちが管理人室で、向こうの部屋は通常人がいないことを住人が入居時と
俺が引っ越してきたときにマンション住人には説明してあり、そっちはならさないのだ。
止める間もなく、彼女がドアをあけて応対した。
響いた叫び声に俺は飛び上がり、自分の部屋の扉を開けて廊下に出た。
その時階下でガラスが盛大に割れる音がした。
不安に思ったが、隣の部屋に目を向けると間嫁さんとアイツが扉のところでもみあっていた。
「なにやってるんだ!」
叫んだがアイツは全然聞いていなかった。
「なんで私の部屋にあんたが……」
「わけのわからないことを言わないで」
「離れろ! なんでここにいるんだ!」
見たこともないほど怖ろしい顔でアイツが間嫁さんにつかみかかり、髪の毛をひっぱっていた。
「わたしの、私の家なのに! この女を追い出して! はやく!」
「いい加減に離せ!」
怒鳴ったが言うことを聞くわけもなく、アイツの太くて短い右手の指を力ずくで一本一本髪の毛からはがしていたとき、
俺の部屋のインターホンが鳴った。音色から各部屋間通話のものだが、もちろんでられるわけもなく
間嫁さんから引きはがすことを続けていた。
すると携帯電話が鳴り始め、しかもいつまで経っても鳴り止まない。
いらいらしながら、体を間嫁さんとアイツの間に押し入れつつ、指をはがすのをやめて電話をとった。
「管理人さん、玄関のガラスを壊して変な男が入ってきてる!」
「え? ええっ?」
まさかと思ったがとりあえず部屋から出ないでと伝えて、電話を切った。
そして全力で無理矢理、アイツへの気遣いを全部放り投げて、アイツを引きはがそうとした。
髪の毛をつかんでる手首を渾身の力で締め上げると、だんだんと指が緩んでくる。
反対側の手が俺の顔に伸びてきて、かきむしる、顔を動かして払いのけながらアイツの右手を押し下げた。
イヤな音と共に髪の毛が数本ちぎれたが、間嫁さんがアイツから離れた。
檻に閉じ込めてくれ
返事すらなく恐怖の顔で間嫁さんが扉をしめようとする。
そこへむかってアイツが突進しようとして俺が阻み押し返す。
彼女の部屋の扉が閉まり、ロック音が鳴った。
とたんにアイツが大声で泣き始めた。
「どうしてよー! なんで私の家に入るだけなのに!」
「なんでお前の部屋なんだよ! いいから帰れ!」
その時エレベーターの音が鳴って、扉が開いた。
出てきたのは、間男だった。曲がった金属バットを持っている。
「おい、成金。女をレイプする気かよ! それとも夫婦でレイプごっこかよ」
振り回した金属バットでエレバーターのドアをなぐりつけたもので、とんでもない金属音がした。
目がイヤな感じで逝っていた。
「クズが。俺の女房だけでなく、俺の女にも手を出しやがって」
足がすくみあがるって感じは腰から下がやたらと頼りなく軽いのに足が全然動かなくなる感じだった。
逃げないとって頭の中で叫んでるのになにもできず棒立ちだった。
バットが振られて思わず手を上げて頭をかばって、左手の前腕が熱くしびれた。
それでなんとか金縛りが解けた。アイツは恐怖の目で間男を見ながら呆然と座り込んでいる。
もう一度バッドを振りかざしたのを見て逃げ出して、廊下の端まで逃げたけど、そんなに距離はとれなかった。
最上階は部屋数が少ないので廊下も短かった。いつも掃除が楽ーとか思ってたけどこのときばかりは短さを呪った。
間男がバットを振りかぶりながらよたよたと歩いてきてもう逃げられないとイヤな覚悟が走り抜けたとき
間男が突然後ろを向いたのを俺は見た。間嫁さんが俺の部屋からドアをあけて間男に何かを語りかけていた。
なんにも考えられずにただ間男に向かって走って飛びかかり、金属バットを払うと、バットが飛んでいった。
で、次の瞬間目の前が真っ赤になって背中に衝撃が来た。
殴られて倒れたとわかったのは、間男にのしかかられて押さえつけられた時で、鼻がやたらと熱くぬるぬるしていた。
突然息苦しくなって首に掛かった手を夢中ではがそうとするけどなかなかはがれなかった。
間男の顔が真っ赤になっていて、奴の腕に爪を立てたけど手は外れず、やがて頭がガンガンしてきたとき、突然手が緩んだ。
修羅場こえぇぇ
間男が間嫁さんのほうを向いたとき、非常口から住民の男性達が何人かあがってきて
何してるんだ!とか、警察を呼べとか叫びはじめると、間男は非常口の男達に向かって走り出し
思わず退いた男達の間を抜けて消えていった。
アイツはただ呆然と座っていたけど、住人があなただれとか聞き始めると慌てて違う違うと騒ぎ初めた。
そしてやたらとゆっくりと(といっても間嫁さん曰く30分ほどだと)警察官がやってきて、俺の記憶はそこで途切れてる。
俺は救急車で病院に運ばれ、検査を受けて、左前腕の骨折以外はだいじょうぶと言われた。
とはいえ、喉は痛くて声も出せないわ、顔も鼻血にひっかききずでひどいわ、一晩入院って言われたけど病院ではろくに眠れなかった。
警察は現場検証をやって、俺も退院した後調書をとられたりした。
家の母親が泣くわ、間嫁さんの親がなぜか謝るわ、弁護士の先生にも謝られた。
会社の人には呆れられた。ただ仕事への差し障りは前とは違って少なめになりそうなのでなんとか許してもらえた。
大事になったので俺と間嫁さんは不安な年末年始を送った。間嫁さんは特にうっかり扉を開けてしまったことで
ものすごく泣いて落ち込んで、それで住み込んで俺の世話と守りをするって聞かなかった。
俺の親に土下座して許しを請い、一旦家に戻れっていう自分の親に泣いて抗議したもんで、誰にも止められなかった。
逃げていった間男が何時戻ってくるか、年末なもんで玄関ホールのガラスドアの修理は年明け以降になってしまうこともあって
俺も間嫁さんも神経を過敏にしていたんだが、結果から言うと間男は二度と来なかった。来られなかった。
間男は死んでいた。身元を示すものをあまり持っていなかったそうだけど
俺の家の住所を書いた紙を持っていたそうで、そこから俺たちに連絡がきたようだ。
霊安室に横たわる死人の顔は印象が変わるので俺は確証を持てなかったけど間嫁さんは間男と断言した。
後で警察から聞かされたけど、俺のマンションに残った指紋と死体の指紋も一致したそうだ。
死因は、凍死だったらしい。警察から逃げて人目の少ない公園のしげみに倒れ込んでそのまま泥酔して寝たようだ。
損害の請求はできなかった。間男の実家を知らせてもらったが、絶縁しましたというだけだった。
アイツは捕まったが、すぐに釈放された。ただ接近禁止令がおりて俺たちの前から消えた。
数年して偶然会ったとき、アイツは新興宗教に入信していた。幸運にも勧誘はされなかった。
間嫁さんは、左腕が使えないときに、うん。一発必中してしまった。ま、後悔はしてない。
昨日、祖母の命日で、俺と嫁と子供二人と父母義理父母で法要をやった。
祖母が遺言書を書き換えた話とかを聞いて書きたくなった、それだけだ
今が幸せならそれでいいんだ
今が幸せなら・・・
一発必中の話をkwsk
左手が使えないし、まだ間嫁さんだったころの彼女がいろいろと世話してくれてたので、
一人での処理が思いの外とどこおって、間嫁さんの臭いかいだだけで起ってしっまった。
しょうがないので小便出して沈めようとして小便するも、あんまり収まらなかったんで
パンツあげるのにひっかかって、四苦八苦している間にバランス崩してこけてしまったわけだ。
物音に驚いて見に来た彼女にズボンとパンツずり下がったままひっくり返ってあれをさらしてしまって、
もうこの関係終わりかなとか思ってたら、パンツとズボンを直してくれたんだけど、
「我慢してる?」って聞かれて、大丈夫って答えたんだけど、まあ、アレがしっかり主張してたんで台無し。
夜に彼女がベッドにやってきたんで、思わず抱きしめてしまったんだけど、腕のことがあって押し倒せなかったんで
彼女に上になってもらった。でもそれはこの日だけだった。
3ヶ月ぐらいして、彼女がやたら吐いて食べなくなったんで病気だと思っていたら、つわりだった。