夏休み中に親が何か用事で遠出していて家に居ない真夜中、弟と妹と自分の三人で留守番をしていた。
母親「まだ、峠なんだー。家は大丈夫?」
自分「大丈夫だよー」
母親「ごめんねー。帰りに、冷たい物か何か買って帰るからさー」
自分「気をつけてねー」
そんな電話が親からかかってきて、「となりのト●ロ」を見ていたら、夜中の遅くなのに「コンコンコン」どこかから、そんな音が聞こえる。
弟「お父さんかな?」
妹「はあ?兄ちゃん、何言ってんのさ」
自分「さっき、▲▲▲峠からの電話だったよ」
弟「嘘じゃない?もう、帰って来たんだよ」
妹「外に置いてある物が転がった音じゃない?」
自分「インターホン、取ってみるよ」
我が家のインターホン(カメラ付ではなく音声だけ)の受話器取ると、外の車が通る音とインターホン特有のザーっという音に混じって何かが聞こえる。
ガサゴソ何かが動いている音がする。
自分「ちょっと、玄関の様子見てくる」
妹「(自分)、やめときなよ」
自分「近くで交通事故とかあったのかも」
妹「何で家に来るのさ。絶対、変だよ」
自分「(弟)、アンタ電気消しなさい」
状況が悪化したので、家中の電気を消して「居留守作戦」を開始。
三人兄弟で食卓テーブルにもぐって静かになるのを待った。
すると、音がまったくしなくなってほっとした。
弟「ヤベッ、ト●ロつけたまんまだ」
自分「テレビ消してくるから、ちゃんと、ここに居てよ」
暗がりの中即効テレビを消して、食卓テーブルの下に戻ろうとすると何かがおかしい。
目がなれて窓をじーと見ると、大きな影がある。
自分の影ではもちろん無い。
「カタカタ」
誰かが居る。
妹「どうしたの?」
自分「窓に人が居る」
弟「玄関の奴?」
自分「解かんない。ケーサツに、電話してみる」
弟「110?俺、押したい」
自分「遊びじゃないんだよ!」
人生初の通報をジャンケンで公平に決めようと言い出す弟に譲ると、弟は11だけ押して切ってしまう。
結局、自分が通報。
通報中、弟がまたすっと立ち上がって、窓のカーテンをザーーーっと開けに行ってしまう。
自分「ケーサツですか?あの、家に変な人が来て、知らない人が来てて、困ってます」
とりあえず、意味不明なことを言って後悔。
弟「お姉ちゃん、包丁!包丁持ってる!!!!」
自分「包丁持った人が来て家に入ろうとしてます。助けて下さい」
通報し終わると、窓が割れて、自分フリーズ。
弟と妹は家のどこかに逃げる。
自分、置いてきぼりorz
包丁男に押し倒され、自分フリーズ。
髪の毛撫でられる。
何だ、こいつ?と自分、ポカーン。
体中、撫でられる。
家の外には、続々とパトカー&救急車。
担架に乗せられた自分、ポカーン。
警察官「動かないで」
自分「何で救急車に乗るの?」
警察官「動いちゃだめだって。病院、行こうね」
自分「何?何?」
警察官「お父さんとお母さんには、ちゃんと連絡するからね」
包丁が体にさくっと刺さったまま乗せられたらしい。
自分は全然痛くなかったのに、大人は大げさだなーと考えている間に眠くなって寝てしまった。
あの頃は全然怖くなくて、通報してかえって大騒ぎになって大変だったなーくらいにしか思わなかった。
今考えると、めちゃくちゃ怖い。
どこに包丁刺さったの?
警察の話だと、誘拐とかイタズラとかしようとしてた云々。
胴部の端っこにプスッと包丁が入った。
変質者か。わざわざ子供だけで留守番してるのを確認してたのなら、かなり気持ち悪いよね。
妹さんに被害が無かったのが不幸中の幸いというか。