OL時代、大嫌いな上司がいた。
私は中途採用で当時26歳独身だった。
入社してすぐに歓迎会があって、私はお酒が飲めないし元々車で通勤していたので、お開きになってから店の駐車場に移動させていた車に乗り込もうとしたら、屑山(仮名/40代)が「悪いけど××の駅まで乗せて行ってもらえないか」と言ってきた。
上司だし、入社したばかりなので断れなくて乗せていくことになった。
何のことか分からず「は?」って感じで応じたら「君、すごいタイプなんだよ。1回やらせて」と。
「またまた御冗談を。彼氏に叱られますw」って断りつつ「駅、すぐですよ」って言ったら「その駅過ぎた所にホテルがあるんだよ。君だってそれぐらい行くだろ?」ってニタニタ。
「すいません、私そういうの気持ち悪くてダメなんです。ここで降ります?」って車を止めて降りて貰った。
平静を装ったものの、心臓がドキドキして気持ち悪さと明日からの不安で一杯だった。
案の定、翌日から嫌がらせが酷かった。
でもやっと手に入れた正社員の座だったし、なんとか頑張ろうとしたんだけど
ちゃんと何度もチェックして渡した筈の書類の枚数が足りなかったり、間違いなく伝えたことを聞いてないと言われたり、
仮払いの精算には屑山の印鑑が必要なんだけど、給料日前でキツイのに保留にされたりしたのはまだマシな方で、デスクの後を通る時に、うなじに手をいれてさわわわ〜って髪を撫でられたり、私がトイレに立つと後から付いてきて同時にトイレに入るような変態ぶり。(男女のトイレは隣同士だけど、偶然と言うには回数多過ぎ)
どれも他人に気付かれないように巧妙にやられて、ちょっと慣れてるなって感じだった。
同じ課の先輩女性に相談したこともあるけど「あれは病気だから我慢するか辞めるかだろうねぇ」とか言われて、私の前の人も色々やられて、でも証拠を押えられなくて結局我慢できなくて辞めたらしい。
「新しい人が入ってくるまでの辛抱だよ」って言われて、その先輩も入った時同じ目に遭ったんだって。
そんなことが続いてることが黙認されてるような会社ってなんなの?と怒りもあったけど、当時の私にはそれでもやっぱり「正社員」の座は捨てがたかった。
会社自体は地元では一応知名度もあったし。
そんなことが一年近く続いたある日、屑山が取引先を怒らせて取引を切られるという事件があった。
屑山は閑職に異動。平和がやってきた。
私の通勤用の車を一週間ほど妹に貸した為、電車通勤をしていたのだが、背広の男性に両側固められて駅長室に向かう屑山を見た。
(゚∀゚)アヒャと思って写メ撮って隠れたw
ざわついてる方に行って「どうしたんですか?あの人」って聞いたら、中年のおばさんが「痴漢よ、やぁねぇ」って教えてくれた。
ついに屑山完全失脚か!と思ったが、意に反して何事も起らなかった。
数日経っても、一週間経っても、屑山はいつも通りに出勤してきている。
ああいうのって会社に隠すことできるんだね。
もしかして他人の空似だったのかなと思って、プリントアウトした写真を匿名の社内便で屑山に送ってみた。
そしたらいきなり挙動不審になったので間違いないと思った。
これは制裁を与えるな今しかないと思って先輩に相談。
ふたりで考えに考えた末、あまり大事にし過ぎるとこっちも火の粉を被りかねないので
屑山の自宅<奥様>宛に<会社の封筒>で写真を同封し<ご主人の出方によっては社内メールで一斉送信する>と書き添えた。
夫婦でどういう話し合いがあったのかはもちろん分からないけど、閑職だったので特に引き継ぎもなく、有休を使い切って一ヶ月ほどで退職した。
あれからもう4年ぐらい経ってるが、住んでた家にはもういないみたい。
何処に行ったのかもわからない。