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:名無しさん@おーぷん 2014/11/20(木)22:58:36 ID:jCMhcynqFちょっとおそくなっちった
気が付かなかった
続き気になる
風呂落ちw
たぶんみんなが思ってるような展開じゃないよ
なおちゃんとカラオケに行った。
なおちゃんと遊ぶ時は基本カラオケか、なおちゃんの家だった。
もう俺の部屋は汚くなっていたからな。
何曲か歌った後なおちゃんに言われた。
なおちゃん「ねえ安藤さん、楽しくないの?」
俺「えっ!?いや、楽しいよ」
なおちゃん「安藤さんたまにすごく悲しい顔してるよ」
俺「マジで?・・・ごめん」
長井のことを考えている時だろう。
俺「はあ?なんでそうなるんだよ」
なおちゃん「私ずっと思ってたんだよ!私がいくら楽しそうに話していても安藤さんまったく楽しそうじゃないもん!」
俺「そんなことないって」
なおちゃん「私のこと好きじゃないの!?」
その言葉に俺は異常に反応してしまった。
俺「好き?俺が一度でもなおちゃんに好きって言ったことあるか?」
なおちゃん「ないよ!でもわかるの!」
俺「意味わかんねえ、さっきと言ってることが逆じゃねえか!だいたい俺はなおちゃんのこと好きじゃねえよ!」
なおちゃん「・・・ひどい!なに!?私今まで安藤さんにいろいろやってあげたじゃん!」
俺「やってあげたってなんだよ!誘ってきたのは全部なおちゃんの方からだろ!!
だいたい俺は一回もなおちゃんを恋人だなんて思ったことねえよ!!」
なおちゃん「・・・最低。帰る」
そう言うとなおちゃんは荷物を持って部屋を出て行った。
思ってもないことを言いすぎてしまった。
だけど俺にはもう反省する気力もなかった。
終業式
高2最後の日。
終業式が終わった後、教室でクラス最後のホームルームがあった。
担任「今日は最後だからな、一人ずつみんなに一言だけ言っていこうか」
来ると思った。
みんなは慌てて何を言うか考えていた。
担任「じゃあ、まず安藤から」
一番前の端っこの席だから俺からなのは当然だろう。
俺「えーと・・・」
担任「立って言おうか」
俺「はい」
俺はだるそうに立ち上がった。
俺「えーと、この一年間、楽しかったこともあれば楽しくなかったこともありました。結果的に見れば楽しかったです。ありがとうございました」
適当に流した。
俺は長井の方を一切見ずに、聞き耳を立てた。
長井「私は3年生になったら週1のクラスに変わるので、バイトを頑張りたいと思います。今までありがとうございました」
え!?
今なんて言った?クラスが変わる!?
じゃあ俺が長井に会うのは今日が最後かもしれないのか!?
俺が長井を見ると、一瞬だけ目が合った。
だけどすぐに長井は視線を外した。
まあ、いても俺は声をかけられなかっただろうけど。
春休みの間、俺はバイトもせずにほとんど家の中(ベッドの中)にいた。
何もしたくない。
でも何かしていないと長井のことを考えてしまう。
だけどやっぱり何もしたくない。
という悪循環に陥っていた。
始業式
学校へ行くと、長井はいなかった。
唯一長井と会えたこの場所でももう会えない。
分かっていたのに辛かった。
担任に休み時間のとき生徒指導室に来るように言われていた。
ちなみに担任は高1からずっと同じマッチョの人だ。
部屋へ入ると、すでに担任は座って待っていた。
俺「僕、何か悪いことしましたかね」
担任「まあ座れ」
ひとまず担任の向かいの席に座った。
担任「なあ、お前どうしたんだ?」
俺「何がですか?」
担任「授業中、いや、学校で見かけるお前は最近いつもおかしい。明るさを失ったというか・・・生気を感じない」
そりゃそうだ。
もう長井と会うことはないから、明るくふるまう必要もない。
後でハマーから聞いたんだけど、
この時の俺は誰が見ても分かるほどにやさぐれてやつれていたらしい。
俺「・・・なんもないっすよ」
何かあったのは冬休みだ。
そもそもこの人に話すつもりはない。
担任「でも何かで悩んでいるだろ?学力のことか?」
俺「違います」
担任「家族のことか?」
俺「違います」
担任「友人関係か?」
俺「・・・違います」
担任「失恋か?」
俺「・・・」
「違います」の一言が言えなかった。
嘘をつけない自分の性格を恨んだ。
なぜか知らないけど続きが気になるぜ
担任も俺が長井と仲良くしていたのは知っていたから
すぐに長井のことって理解しただろうな。
担任「この失恋が初めてじゃないだろ?今まで何度も乗り越えてきたはずだ。今回もきっと大丈夫さ」
俺「・・・だといいですね」
この担任は何もわかっていない。
確かに今まで何度も人に恋をしてそのたびに失恋をしてきた。
しかし今回は違う。なぜなら相手は長井だ。
長井ほど好きになった人はこれまでにいないし、胸が痛くなったのも初めてだ。
この失恋に比べれば今までのなんて屁ほどに感じる。
何でそこまで長井のことを好きなったのかは正直わからない。
でもそんなもんなんじゃないかな。人を好きになるって。
安藤乙
サンクス
俺「ないです」
担任「好きなことは?」
俺「ないです」
長井とケンカしてからゲームも漫画も興味がなくなった。
クラトゥも長井を思い出すからまったく聴かなくなっていた。
その間にお前は好きなこと、やりたいことを見つけてこい。俺からの宿題だ」
俺「・・・気が向いたら」
担任「ああ、そんくらいの心構えで十分だ。もう教室に戻っていいぞ」
俺「はい」
俺は席を立った。
ハマー「なんて言われた?」
俺「まあいろいろ」
ハマー「明日お前んち行くから何を言われたか教えてくれよ。久しぶりにスマブラしたいしな」
俺「俺んちはダメだ。部屋が散らかりすぎてる」
ハマー「ああそうだった。じゃあ俺んちに来い。スマブラ持って」
俺「あいよ」
朝からハマーの家に行った。
ハマーの部屋は俺の部屋より狭いが、きれいにまとめられている。
俺「久しぶりだな、ハマーの家」
ハマー「そもそも遊ぶのが久しぶりだよ。最後に遊んだの大晦日じゃねえか?」
俺「そんな気がする」
一緒にラーメンに行ってからハマーは今までより遊びに誘っていてくれた。
だけど俺は毎回断っていた。
なおちゃんとは遊んでたのにな。
ごめんよハマー。
ハマー「変な宿題もらっちゃったな」
俺「ほんとだよ。元々将来のことなんかまったく考えてないっていうのに・・・」
ハマー「話戻るけど、なんで今回は俺の誘いに乗ってくれたんだ?」
俺「さあ、愚痴を言いたかっただけかも」
ハマー「まあ、それでいいか。安藤そろそろ腹減っただろ?俺が昼飯作るよ。今日は誰も家にいないから」
俺「お前料理できんの?」
ハマー「ん?カップラーメンに決まってるじゃねえか」
俺「だと思った」
ハマー「リビングに行こうぜ」
俺「うん」
でなぜかツボったwww
俺「ピアノ?ハマー、ピアノ始めたの?」
ハマー「そうか、久しぶりにうちに来たから知らないのか。妹が始めたんだよ」
俺「そうなんだ・・・。ちょっと弾いていい?」
ハマー「弾けんの?」
俺「いや、弾けない。音を鳴らすだけ」
ハマー「おういいぞ」
俺はピアノの電源を入れ、適当に選んだ鍵盤を3回連続でたたいた。
その瞬間、頭の中で『あの夏へ』が流れた。
俺は体が止まってしまった。
『あの夏へ』をピアノで弾いたことある人なら分かると思うけど、この曲は冒頭部分にミの音を4回鳴らすところがあるんだ。
だからこの時俺はたまたまミの音を鳴らして、同じ音がある『あの夏へ』を連想したんだ。
そもそも『あの夏へ』は長井からしか聴いたことがない。
次第に音だけではなくピアノを弾く長井の姿までもが脳裏に映し出された。
そして、あの時感じた感情が蘇ってきた。
・・・これだ!!!
ハマー「どうした安藤?固まってるぞ」
俺「ごめん、ちょっと帰る!」
ハマー「は!?」
俺はハマーの家を飛び出した。
嬉しくて、興奮を抑えるために、とにかく走った。
絶望の中でやっと見つけた唯一の光、
そして俺が本当にやりたいこと。
それはピアノだ!
海岸沿いを颯爽と走り抜ける時の気持ちよさは半端じゃなかったな。
しかし部屋が散らかりすぎてピアノを置く場所がない。
俺は部屋の大掃除を始めた。
掃除中ハマーから電話が掛かってきた。
ハマー「なんで急に帰ったんだよ」
俺「悪い、訳は今度説明する!」
ハマー「絶対だぞ」
俺「おう!」
ハマー「やけに嬉しそうだなww」
俺「まあなww」
大掃除は夜までかかった。
休み時間、担任のところへ行った。
担任「好きなことは見つかったか?」
俺「はい。ピアノです」
担任「ピアノ?なんでピアノが好きなんだ?」
俺「長井が弾いたピアノを聴いて、それで好きになりました」
担任「・・・そうか。じゃあ将来はピアノに関する職業に就くのか?」
俺「そのつもりです。今はそのことについて調べています」
担任「おお、いいじゃないか。先生も調べておくよ」
俺「ありがとうございます」
どうやら宿題は合格したらしい。
こういう親友って呼べる人が欲しかった…
放課後、担任から呼ばれた。
担任「安藤、ピアノに関われる良い職業があるぞ」
俺「なんですか?」
担任「ピアノ調律師だ」
俺「先生も!?」
担任「え!?じゃあお前・・・」
俺「はい。俺、ピアノ調律師になろうと思います」
担任「なんだ。最初から俺が心配することはなかったんだなww」
俺「そんなことないっすよ。心配してくれて嬉しかったです」
担任「今度三者面談があるから、その時に詳しく話そう」
俺「そうですね」
担任「でも安藤、そんな簡単に決めていいのか?」
俺「はい」
担任「分かった」
簡単に決めたわけがない。
自分なりにちゃんと考えたんだ。
反対されると思ったけど案外すんなり受け入れてくれた。
まあ『子供には自由を』みたいな教育だったから別に不思議じゃなかった。
理由を訊かれて、
ピアノが好きになった
今からピアニストにはなれない。
でもピアノに関わりたい。
と言ったら納得してくれた。
深く訊いてこなくて助かった。
親には長井のことをあんまり言いたくなかったからな。
でも急に長井がうちに来なくなったことは疑問に思っただろう。
ピアノが届いた。
一緒に頼んでいたピアノ初心者用の本を見ながら弾いて楽しんだ。
たぶん一日中弾いていたと思う。
三者面談
担任はピアノ調律が学べる学校をたくさん調べてきていた。
俺も調べていたが、それ以上だった。
長く話し合った末、ようやく一つの学校に絞れた。
その学校の入試は早くからやっていて、なんと7月から試験が行われていた。
(この前聞いた話だともうこんなに早くやっていないらしい)
俺はこの7月の試験を受けることにした。
母親や担任からはもっと遅くてもいいんじゃないかと反対されたけど、とにかく早く合格したかった。
今の状態からの変化がほしかった。
そして音楽に関する知識、いわゆる楽典の筆記試験の三つだった。
国語、数学、理科、社会、英語の試験がないことは俺にとって嬉しかった。
しかし重要な問題が残っていた。
俺は楽譜が全く読めないのだ。
おまけにピアノ初心者ときたもんだ。
ということで楽典の猛勉強とピアノの猛特訓が始まった。
もうこれでもかってほどに楽典の勉強とピアノを練習した。
試験では好きな曲を一曲披露ということだったから、久石譲の『Birthday』にした。
最初は『あの夏へ』にしようと思ったけど、それはやめておいた。
言葉では言い表しにくいけど、長井が弾いた『あの夏へ』を忘れそうだったんだ。
俺が弾くことによって上書きされるような、そんな気がした。
ピアノを弾いている時だけは長井のことを忘れられた。
皮肉なもんだよな。
俺がピアノにのめり込めばのめり込むほど、
長井が夢に出てくることも少なくなっていった。
ハマーとラーメンを食った後、一緒に俺の家に行った。
そして俺の髪を黒く染めるのを手伝ってもらった。
俺「サンキュー、一人じゃやりにくいんだよ」
ハマー「親にやってもらえよ」
俺「めんどくさいんだって」
ハマー「ほんとお前の親はお前に無干渉だなww」
俺「俺はそっちのほうが楽でいい」
ハマー「ラーメンおごってもらわなかったら絶対こんなことしないぞ」
俺「試験明日なのに髪が茶色のままだったからな」
ハマー「もし合格したら、一人暮らしだな」
俺「ああ、何百キロもこの家から通えないよww」
ハマー「暇だったら遊びいってやる」
俺「しょうがないな」
髪を染め終わった後はいつも通りスマブラをした。
俺はカービィーで頑張ってたwww
俺はほとんどネスだったな
使いにくかったけどマザー2が好きだから意地でも使ってたwww
なぜカービィーを使ってたかというと
友人のメタナイトの生贄にいつもされてたのwww
飛行機やら電車やらを使って志望校へ行った。
不安だったけど妙にワクワクした。
知らない土地だったからかな。
いや違うな、猛勉強・猛特訓の成果が試されるからだ。
受験生は俺以外にも何人かいた。
筆記試験はその人たちと一緒に受け、適性審査とピアノ実技は一人ひとり呼び出されてやっていくというものだった。
筆記試験は可もなく不可もない出来だった。
適性審査も終わらせ、あとはピアノ実技のみとなった。
ピアノの前に座った時、俺の手は猛烈に震えていた。
俺「えっ、えーと、グランドピアノなんですね」
試験管「?もちろんそうですけど」
俺「ですよねー・・・ww」
やばい、グランドピアノなんて弾いたことないぞ。
試験管「では『Birthday』お願いします」
俺「は、はい」
いつも通り、家にいると思って弾いた。
音や鍵盤の重みの違いに初めはとまどったが、すぐに慣れてきた。
そして無事、詰まることなく弾き終わることができた。
試験の結果は約二週間後に郵送されるということだった。
学校を出て、宿泊先のビジネスホテルに着くと俺はすぐに寝てしまった。
心身ともに疲れたのは久しぶりだ。
次の日は観光して帰った。
もちろんハマーへのお土産は買った。
ハマーと街に遊びに行った。
二人で人ごみの中を歩いていると急にハマーが後ろを振り向いた。
俺「どうした?」
ハマー「おい、あれ」
俺「ん?」
ハマーの視線の先に目をやると、
そこには一人でこちらに背を向けて歩く長井がいた。
すれ違ったんだろう。
長井の歩くペースが変わらないことからたぶん俺たちに気付いていない。
髪は少し伸びていた。
俺「・・・行こうぜ」
ハマー「いいのか?」
俺「うん」
俺たちはまた歩きはじめた。
変な夢を見た。
俺はニット帽にマフラーをしていたから季節は冬だと思う。
場所は俺の家の前の海岸で、夜の暗いその海岸沿いをただ一人で歩いていた。
水平線上には長井の地元で見た山々が並んでいた。
普段そこには何もないんだけど夢の中の俺はそのことを不思議に思わなかった。
しばらくすると、爆音とともに水平線上に並んだ山々が一斉に噴火を始めた。
すぐに俺がいるところまで火山灰が降ってきた。
その火山灰はキラキラ光っていて、まるで星のようだった。
あまりの美しさに感動していると、火山灰はあられに変わった。
体にビシビシと打ち付けるあられに耐えられなくなって
俺は自分の家に転がり込んだ。
長井は俺の顔を見るなり、あられが降り続く外へ飛び出していった。
そこで目が覚めた。
目が覚めて気付いたが、玄関に立っていたのは間違いなく長井ではなかった。
顔が全く違っていたんだ。
それなのに夢の中の俺はその人を長井だと思っていた。
ほんと夢って不思議。
長井と出会って一年後、
俺はどうしてもやっておきたいことがあった。
今日がその一年後かを確認するため、日記を開いた。
それだけ確認して閉じるはずだったのに、ついつい読んでしまう。
するとこの一年間のことが鮮明に蘇ってきた。
長井と仲良くなり、別れて、立ち直るまでのすべてが。
俺は日記を閉じ、机の引き出しから赤い液が入った小さなビンを持って海岸へ向かった。
太陽の光を反射して海がキラキラ光っている。
見飽きていたはずの光景なのになんだかその時は感動した。
砂浜に座り込み、ポケットに入れていたiPodを取り出してクラトゥを聴いた。
クラトゥはやっぱり最高だ。
今まで聴けなかった分を取り戻すかのように、満足いくまで聴き続けた。
茶封筒には合格通知書と書かれている。
やっと届いたんだ。
俺は恐る恐る茶封筒を開いた。
俺は両手を高く上げ「やったーーー!!!」と叫んだ。
そしてピアノの電源を付け、『あの夏へ』を弾いた。
まだ長井のことは好きだったけど、自分の中でやっと区切りがつけられた。
この一週間後くらいに始めたバイト先でゲイの先輩にケツを狙われそうになったのはまた別のお話。
今まで読んでくれてありがとう!
簡単にまとめるとただの片思いの話だったな
合格おめでとう
今長井さんが仮に現れたらどうする?
長井にはちゃんと面と向かって謝りたいしお礼も言いたい
でもそれを言われても長井はまったく嬉しくないよな
だからどこかで見かけても、俺は何もしないと思う
このモヤモヤは一生ついてくるものとして受けとめてる
1つ疑問
ビンにつめられた血って、固まらないの?
固形物と液体に分かれてたな
脳みそのホルマリン漬けみたいな感じww
すまんそん
なるほど。ありがとう
調律師はとてもいい選択だと思う
励んでくだされ
安月給だけどやりがいのある仕事だよ
最後に一言
長井、ありがとう!お前の幸せを心から願っているよ!
みんなもありがとう!
ばいばい