すみません、くっそ長いです。
この時期になると思い出す修羅場。
中学校一年生の時に、親と些細な事で喧嘩した。
家を飛び出して、少ない小遣いで行けるところまでいった。
死のうかな、なんて思い、田舎のとある駅で下車。
死ぬ場所求めて藪の中に入った。
当時都会でしか暮らしたことがなく、田舎の寒さや夜の暗さなんて想像してなく、急に心細くなった。
家に帰りたい、親に謝ろうと考えた。
そうしたらお腹が空いて仕方なくなった。
藪から何とか抜け出すと、また駅に戻った。
駅にコンビニすらなかったので、取り敢えず電車に乗り数駅先の大きな駅に出た。
改札を出ようとすると、切符がない。
それを駅員に伝えると、切符を無くしたら東京都内からの金額(2000円くらいだったか?)を支払わないとダメだと言われた。
それを払ってしまったら、もう家に帰れない。
早く払え、迷惑だ、早く払え、クソガキ、と罵った。
怖くて怖くて、気付いたら払っていた。
そのあと、駅前のロータリーでぼうっとしていた。
お金を払ってしまったので、ご飯すら食べられなくなってしまった。
仕方なく、5円チョコを買って舐めた。
親に連絡をして…と思ったが、新居に引っ越したてだったので家の番号がわからなかった。
警察なんかに行ったら、余計親に怒られると思うと怖かった。
ボロボロと涙を溢れさせたら、おじさんが優しい声音で声をかけてくれた。
事情を話すと、おじさんは涙を零しながら話した。
もう今日は東京までいける電車がないこと。
真冬のロータリーで、一晩明かすなんて無茶だということ。
おじさんの家に泊めてあげるし、帰りのお金を貸してあげるということ。
安心して涙が溢れた。
もう私にはおじさんしか縋るものが無かった。
私はおじさんの家に一晩お世話になった。
その代わり、初めてを失った。
おじさんはいきなり人格が変わったようだった。されるがままだった。
私の処○が諭吉に化けた。
なんとも言えない虚無感でいっぱいだった。
18になった時、おじさんは私の家の近くで、いきなり私の手首を握った。
なんで、あのおじさんがこんなところに。
頭が真っ白になった。
おじさんは、私が泊まった日、身につけていたものから学校を特定し、そこから私の家を探し出したようだった。
ゾッとした。
おじさんは、にこにこと笑いながら久しぶりといった。
さすがに大声を、と思ったが、おじさんに先手を打たれた。
「言うこと聞かないと、お父さんとお母さんにあの日の事を話すよ。
あの日の出来事は全部録画してあるんだよ。
お父さんお母さんだけじゃないよ、ネットにも流すし、君の学校にも、お友達も、みんなに見せてあげるよ。
嫌だったら、あの日のお金、返してよ。」
何も言えなかった。
涙目で頷くことしか出来なかった。
震える手で財布を取り出すと、私の手に、おじさんは手を重ねて「そうじゃないよ」と笑顔で首を横に振った。
おじさんのお手伝いするだけでいいんだよ。
そうして私は、一ヶ月、美人局のような詐欺の片棒を、かつがされた。
懲役1年、執行猶予3年の有罪判決になった。
犯罪を犯したのは18の時だが、警察に捕まった時は成人していたので罪になったらしい。
おじさんはまだ塀の中にいる。
私は、過去も土地も捨ててOLとして働いている。
今だに、おじさんと出会った駅のある路線には乗れない。