マツコデラックスとゆきをあわせ、マツゆきなんていうあだ名なんかもできましたw
ゆきは、吐き出してすっきりしたのか、自分の中の「女の子」の部分?をあまり隠さなくなりました。
だんだん、私も慣れてきて、一緒にファッション雑誌を読んだりなんかもしました。
浴衣の件以来のことだったので、少しびっくりしましたがゆきの必死のお願いに、私も折れました。
この頃には私は、ゆきの女装を手つだってあげたいという気持ちが大きくなっていました。
前回浴衣を貸したときは、やっぱり違和感があったことを思い出しました。
ゆき「あー、たしかに…」
1「前の浴衣は、何かやっぱり、ゆき!って感じだったよね…。女ってかんじじゃなかった」
ゆき「ひでぇ」
1「やっぱり、ウィッグとか化粧とかもしたほうがいいよ」
ゆき「持ってる?」
1「ううん」
1「…町に買いに行ってみる?」
ゆき「えっ」
1「女装したままで」
ゆき「えwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
ゆきにワンピースとストッキングを着せて、町へでかけました。
周りの視線を気にしながら、おどおどとしているゆきに、申し訳ありませんが笑ってしまいましたw
1「大丈夫、絶対ばれないwww」
ゆき「無理、無理!やばいよ、風とか吹いたら絶対やばい」
1「wwwwwwwwww」
化粧品は全くの素人だったので、店員さんに聞きましたが、そのときのゆきも面白かったw
店員さんに好みの色を聞かれて、すごくキョドってましたw
結局、ゆきの心配に反して、誰にもばれることなく買い物を終えました。
なんだか、妹ができたみたいで楽しかったw
本当に女の子っぽくて、劣等感を感じました。
感心していると、ゆきは私にも化粧をするよう促してきました。
雑誌を見て練習?していたのか、ゆきはすいすい化粧をしていきます。
女なのに、私は全く上手くできませんでした。
1「黙れマツゆき」
ゆき「ちょっと貸してみw」
ゆきは、道具を取り上げて、私の顔に化粧をしてくれました。
普通なら、きっと断っていたでしょう。けど、何故かこの日だけは、異常なほど親密な雰囲気だったので、なんとなく受け入れました。
ゆきは、丁寧に眉を描いたり、チークを塗ったりしていきました。
顔が近くて、多分お互いの息がかかっていたかもしれません。
わたしはゆきにされるがままでした。
ゆきは、リップを塗ろうとして、少し動きを止めました。
あー、流石にリップはダメだよなーと、ぼんやり思っていると
ゆきは急にリップを置いて、私のほっぺたを両手で包みました。
え?なにこれwww
と思いました。一瞬、何が起こったか分かりませんでした。
多分、ものすごいマヌケ面だったと思います。
しばらくして、ゆきは唇を離しました。
ゆき「…」
1「え、何?」
ゆき「…ごめん」
1「え、ごめんって何」
ゆき「…しちゃった」
1「何が」
ゆき「キスw」
…
はい?
期待
どうでしょうwノーマルなはず
なんか、怒りに似た感情がこみあげてきて、でも、何も言えませんでした。
ゆき「ごめん」
1「いや、ごめんとかじゃないでしょ」
ゆき「つい」
1「ふざっけんな」
の、はずが、ゆきの体はびくともしませんでした。
一人であたふたする私に対し、ゆきはびっくりするほど冷静でした。
ゆき「1ちゃん、ごめんってば」
1「帰れ!帰れオカマ!」
ゆき「騒いだら、人来ちゃうよ」
ゆきは、今度は私の手首を掴んできました。振りほどこうとすると、ギュっと力が入って、引き寄せられました。
びっくりしてもがくと、そのまま抱きしめられました。力が強くて、全く動かない。
ゆきは首の角度を変える?みたいにして、唇を甘噛みしてきました。
全身に鳥肌がたち、力が抜けていきました。
ゆきは何度も何度も、音を立ててキスをしてきました。
耳元に顔を寄せて、一層強くぎゅーっとしてきました。
体が熱くて、呼吸が荒かったので、多分興奮していたんだと思います。
ゆきは、今まで聞いたこともない、甘えた声で私の名前を呼びました。
そこでハッとなって、おもいっきりゆきの後ろ髪を引っ張りました。
ゆきは悲鳴をあげて、床に転がりました。ダッシュで離れ、呼吸を整えました。
ゆき「いてぇー…。1ちゃん、これ抜けてるでしょ絶対」
1「うるさい、黙れ、喋るな、なんでこんなことした」
ゆき「ごめん、我慢できなくなった」
1「なななななななにが」
もう足も口もがたがたで、言葉にできませんでした。ゆきは申し訳なさそうでした。
1「違う、びっくりした」
ゆき「嫌だった?」
1「当たり前だろ、ふざけんなふざけんなふざけんな」
ゆき「でも1ちゃん、ちゅーしたとき、ちょっと、とろんってしてたよ」
私激昂。 しかし、人間って動転しすぎると、言葉すら出なくなるものでした。
思わず身を堅くすると、ゆきは「ごめん、もうしない。本当ごめん」と眉を下げた犬みたいな顔で謝ってきました。
1「な、何でこんなことしたの」
ゆき「え、好きだったから」
1「なんで」
ゆき「何でも何も…。1ちゃんが好きだし」
1「意味分からん」
ゆき「俺も、何でこんなことしたのか分からないや。本当ごめん」
1「そうか、帰れ」
ゆき「うん。ごめん」
呆然として部屋から出ると、おばちゃんが「何その顔wwww」
と笑ってきました。鏡を見ると、汗や涙で顔がわけ分からん状態になっていました。
夜になって携帯を見ると、ゆきからメールがきていました。
「今日はほんとうにごめん、でも、1ちゃんが好きです。
驚かせてごめんなさい。反省しています。責任をとるので、付き合ってください。」
謙虚なのか図々しいのか不明なメールでした。ぼんやりと、奴も動揺してるのかなーと思いました。
「市ね」
一言だけ返信して、布団に入りましたが、その日は全く眠れませんでした。
俺にもゆきとキスさせてくれ
>>1さん
IDかわった??
迷った末に、ゆきに「昨日のなに?」とメールを送ってみましたが、返信が何時間待っても来ない。
ああ、部活だわ。と気付きました。
しかし、気になって気になってしかたなかった。
謎でした。なんでこんな、派手でもなければ色気もない幼馴染にキスなんかしたのでしょうか。
男子特有のあれだったのでしょうか。それにしても妥協しすぎじゃないか…
「会って話したいんだけど、いいですか?」
警戒心は十分にあったので、公民館の近くに呼び出しました。
木の下で、いらいらしながら待っていると、奴が走ってきました。
1「メールしたほうが遅れるとか」
ゆき「申し訳ないです。お詫びです、1様」
ゆきはコンビニの袋を渡してきました。なんと、ハーゲンダッツのバニラが入っていました!
少し気をよくして、アイスをいただいていると、ゆきがじっと見てきました。
1「何すか」モグモグ
ゆき「昨日のこと…」
1「ああ、メダパニ」
ゆき「メダパニって…。一応、本気だったんだけど」
1「きもい」モグモグ
ゆき「酷い…」
あーん、と口を開けてきたので、アイスを掬って、口に入れる
ふりをして、抜いた雑草をぶちこみました。
1「wwwwwwwwwww」
ゆき「はにふんだよ!!!」
ゆきは涙目で、口を濯いでいました。