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:名も無き被検体774号+ 2011/12/10(土) 13:17:28.13 ID:VGpSkQUy0同級生は助かったのか?
同級生一家はお父さんだけが助かりました。
仲が一番良かったそうで、泊まりでよく行っていたそうです。
>同級生一家はお父さんだけが助かりました。
・・・・・・・・・・・・・・・・もうね
人との出/会/いというのは意味があるんだとは思ってる
>>1 が恵子さんと出会ったのだって意味があるんだと思う。
もしかすると出会ってなかったら、もっと不幸になってたかもしれないしな。
再開します。
半年してようやく普通の生活ができるかもという、なんとも微妙な回復まで漕ぎ着けた。
一旦、渡米し諸手続きや引越しを済ませ日本に帰国した。
そのスポーツではもう飯を食うことはできない。食わせることもできない。
未来が見えなくなった俺。
ママの言葉「生きろ」が毎日のように頭に響いていました。
ですがここから数年何もできなかった。今でいうニートです。何もできなかった。
目標もなにもない。悲観も高揚もない。本当に何もなかった。
細かく書こうにもこの時期の記憶が曖昧です。
俺の20代は震災後なにもなかったのです。
仕事は期間工を数ヶ月やっては数ヶ月休むというのを繰り返していた。
スポーツ関連の人達とは音信不通で、一切連絡は絶っていた。
人の活躍等を目にしたりすると嫌な自分が出てきてしまいそうで、情報を断っていた。
あるとき偶然、以前お世話になっていたスポンサーの人Aと街中で会ってしまい、
猛烈に怒られた。
連絡しても出ない
スポンサーとか契約とかの以前に俺とお前は友人じゃないのか
俺がどんな気持ちだったのか考えたことあるのか
大声で怒られた。本気で怒ってくれていた。
身体を押されシリ餅ついてしゃがみ込んでた俺をAさんは引き起こし連れて行った。
個室へ連行されソファに座らされた。
Aさん「で何やってんだ」
俺「何もしてないです」
Aさん「仕事は」
俺「していないです」
Aさん「ずっとか」
俺「今はしていないです」
Aさん「身体は」
俺「動きます」
Aさん「できんのか」
俺「辞めました」
Aさん「わかった」
個室から出て行ったAさん
部屋を見回すとコルクボードに張られた写真の中に俺とAさんと恵子が並んで写る写真があった。
初めてスポンサーについてくれた会社の担当者がAさんでした。
彼は独立して子会社の社長になっていた。
このスポーツの黎明期から携わっているAさんは俺と恵子を年の離れた友達といつも呼んでくれていた。
Aさんが部屋に戻ってくると後ろに当時のライバルがスポーツ用具を持って続いて入ってきた。
Aさん「これ持って帰れ。ウチで扱っている商品のサンプルだ」
俺「…」正直見たくもない物だった。目線を外す。
Aさん「見たくないか?楽しむスポーツに切り替えろ。技術云々じゃなく楽しめ」
俺「もうできないと思います」
Aさん「いいからやれ」静かに部屋に声が響いた
用具を机に置くライバルの身体の動きがおかしい
ライバル「俺もやっちゃったけどまだやってるよ」
俺「え?」
ライバル「たぶんお前と一緒の箇所やってるはず」
Aさん「しつこいよなお前は」
ライバル「楽しいんすもん」
俺「できるの?」
ライバル「できないことが大半。でも楽しいよ」退室する後姿がかっこよかった
俺「そっか…」
ライバルは引退後Aさんに拾われて働き始めたそうだ。
Aさん「お前も働くか?」
俺「俺はこの業界はもう…」
Aさん「そうかぁ恵ちゃんは残念だったけど、どう思うかな今のお前を見たら」
俺「」
Aさん「こんど一緒に行くからお前も来い」
俺「いや俺は」
Aさん「来い」すごく…怖いです…
怪我をしてから7年していない。怖かった。
いざやってみると下手糞でかっこわるくてどうしようもなかった
Aさんは煽ってくるが身体が動かない。でも同じく下手糞なAさんが
俺へったくそー!でもたのしー!とはしゃいでいる。
おまえ恵ちゃんより下手なのねw そんな煽りに乗せられたのでしょう。
なにくそ!恵子はこんなんより上手かった!
意外や意外普通にできた。
俺「…」
Aさん「なっ」
俺「うるさいっす。他の人に迷惑ですよ」
Aさん「ちょっとは楽しめ」
俺「うす」
身体的には現役には全く敵わないだろうが
その日、一般レベルからしたらそこそこの腕前までできることが確認できた。
その日の帰り
Aさんは恵子の思い出を語り出し、涙で運転できず俺が代行した。
かわいい人ですAさん。
斡旋してくれようとしたAさんからの働き口を断り、自分で職探しを始めた。
30歳、職歴:期間工数回。詰んでる。
実に一年かかったが機械メーカーに就職できた。
現職場です。何故か管理職にまで昇進できました。
スポーツは趣味として身体に負担がかからない程度にやり始めました。
ただ、昔の仲間とはレベルも世界も違っているので一人でやっていたのでした。
某SNSで楽しむ程度のサークルを見つけた俺は
何か変わればいいなと参加してみることに。
競技する人達ではなかったので俺の事は知る人もいない
※実際そんな名のある人ではないです。
俺にとっては都合の良い環境だったのです。
独身者は出/会/いを皆求めている感じで、新しい人が来ると誰かしらがくっつく。
そしてフェードアウトが常でした。サークルの年齢層は20歳から30歳
俺はおじさん※童/貞:魔法が使える
数年後
入れ替わりがたくさんありましたが、
俺は目的がそこじゃなかったので気付けばサークルの古参になっていました。
一般レベルよりかは上手いので俺の評判は悪くはないものだったと思う。
女の子に誘われてもなびかない。ああ童/貞だよ。言わせんな恥ずかしい
男の子には技術的な面でのアドバイスが好評でサークルの兄としての立ち位置だった。
告白されても断ってしまう。そういうのがいつしか悪評に変わる。
男の子達は女の子の意見に左右されることなく慕ってくれていたが
居辛くなった為、退会してしまった。
そんな俺を見ていた数人はサークル抜きで一緒にスポーツをやってくれた。
その子達は俺の過去なんか知らない。話してもいないし当然だ。
あるとき飲み会で、どうして誰とも付き合わないのか聞かれた。
童/貞だからとある意味正直に答えた。
笑われた。
ふいに
それだけじゃないでしょ?
私はそれだけじゃないと思うんだけど?
女の子が言った。彼女も出/会/い/系に惑わされない人で純粋にスポーツをする人だった。
笑いが場から消え
女の子「ずっと見てるもんわかるよ」
俺はぽかーんとしながら気付いたら涙が流れていた。
みんな女の子のほうを向いていたので気付かれなかったが、
女の子は見ていた。
女の子「でも童/貞だもんねぇ」
笑いが起こり、なんとかごまかせた。
恵子のことが好きな気持ちを数年ぶりに再確認したのだった。
やっぱりまだ好きなんだなぁ。
ちゃんと好きって恵子にいっていない。
恵子の感情を無視し続けた後悔。
別の話題になっていて上辺だけ笑いながらそんなことを考えていた。
女の子「俺さーん」
女の子が走って追い掛けてきた。
女の子「ごめんね」
俺「ん?なにが?」
女の子「ううんごめんね」
俺「あーあれコンタクトコンタクト」
女の子「メガネですよ」
俺「」
女の子「なんかあったんですか?」
俺「いやなんにもな…」
俺「時間ある?」
俺はこの子なら聞いてくれるかも知れない。でもこのグループにいられなくなるんじゃないか。でも話してみたい衝動に駆られた。
女の子「あります」「いきましょう」
俺「」あれ?なにこれ?
最後まで書き切ったので後で投下しに戻ります。
特定は避けたいけど、みんなに見てもらいたいので上げます
待ってるよ
女の子はカラオケ屋に入っていく。同意とか全く取らずがんがん進んでいく。
女の子「飲み物お茶でいいですね」
俺「はい」
部屋に入って丸イスをもってきて対面に座る
女の子「話してください」
俺「へ?」
女の子「涙」
俺「」
俺はこのスレに書いたことと同じ話を女の子にした。
女の子「よくわかりました」
女の子「話してくれてありがとう」
女の子「できればこれで鼻水拭いてください」
俺号泣しながら鼻水だらだらで話してた。
女の子「ありきたりですけど、恵子さんは俺さんに幸せになってもらいたいでしょうね」
俺「うん」
女の子「私俺さんのこと誤解してた。女の子の気持ちを弄ぶ男とサークルでは悪評だったんですよ」
俺「うん知ってる」
女の子「違うってわかってよかった」
俺「うん。うん?」
女の子「あ私俺さんのこと好きですから」サラッと言われた。
俺「」ポカーン
俺「」ポカーン
女の子「何年も俺さん見てますけど、誰にでもやさしいし、子供とか犬とかは俺さんに一番懐きますよね」
俺「」ポカーン
女の子「そういうとことが好きなんです」
俺「」ポカーン
女の子「喋れ」
俺「あ、ありがとう。」
女の子「よし黙れ」
女の子「じゃ始発で帰りますか」
俺「ありがとう」
女の子「あんまり溜め込んじゃだめですよ」
女の子「私の告白は気にしないで、これからも指導お願いします」
俺「はい。ありがとうございました」ちゃんと今日のお礼言ったら
女の子「そういうところも好きです」
俺「」ポカーン
女の子「じゃ」
後姿かっこよかったです。
かといって俺からどうすることもできなかった。
そんな折、女の子がある国家試験を受けると言うので、合格したら豪華ディナーという
特典を用意した。女の子は無事突破し、俺はディナーの約束を取り付けた。
女の子「ほんと大変でしたよ」
俺「すごいね。おめでとう」
女の子「いやいや何の誘いもなく、あれから一年くらい経ってますよ」
俺「あ、そっちの話か」
女の子「まーそういうのも好きなところですけどね」
俺「え?まだ好きでいてくれてたの?」
女の子「私は滅多に人を好きになりません」
俺「すみません…」
女の子「何か変わりました?」
俺「正直に言うとあの子のことは何も変わらない」
女の子「当たり前じゃないですか、恵子ちゃんがいて今の俺さんがあるんだから」
女の子「忘れたなんて言ったら怒りますよ」
俺「」
女の子「私が聞いているのはこの一年で心境の変化はありましたかってこと」
俺「…君が気になっている。」
俺「恵子がいて今の俺があるって当たり前だけど嬉しい言葉です」
女の子「おーようやくこっち向いたか。あと何年かかるのかなって思ってた」
女の子「恵子ちゃんは俺さんが笑顔になれる方向へ行ってくれないと生きていた意味ないんだよ」
女の子がシクシク泣き始めた。
とたんぴゃーって泣き始めた。恵子と一緒の泣き方だ。
不幸のうえに幸福を積み重ねるのは俺には容易ではなかった。
かなり長く時間がかかりましたが、俺は幸福をひとつ重ねる事ができました。
東北大震災で被災された方々、未だ避難生活を強いられている方々
負けないでください。俺は草の根ですが支援をしていきます。
一人でも多く、幸福を重ねられますように。
中断してすみませんでした。
女の子とは今年結婚しました。
>>1お疲れ様でした。
で下世話な話その女の子は今の嫁さんなん?
子供の名前が恵子ならさらに涙なんだが
ただ
お幸せに。
女の子が嫁です。
子供は童/貞卒業し立てなのでまだです。
嫁の強い希望で女の子ができたら恵子にします。
>>243
ありがとう
>>244
ありがとう
シリに敷かれてるの?w
ホントに良い嫁さんだな。この一言だけで、また泣きそうだ。
恵子ちゃんの事は残念だけど、きっと天国から笑顔で今の>>1さんのことを見守ってくれてると思います。
そのときは報告ヨロ
そのころに今回東北で>>1のような思いをした人々に少しでも幸せが訪れていますように
結婚したとき?
魔法使い卒業したとき?w
しっかりと敷かれております
>>249
俺にはもったいない人です
>>250
ありがとう。笑ってくれているかな
>>252
願って止みません。
>>256
ど童/貞ちゃうわっ
結婚したときです
>>1はとてつもなくいいやつなんだろうなー。すげーなー
どうも違うっぽいなー、そんなに歴史のあるスポーツでもないようだしなんだろう
テニスとかじゃそんな大怪我しないだろうし・・・ホッケー系かな?
詮索はしないほうが良いな
お幸せに
何かほっこりした
恵子ちゃんが産まれても男の子が産まれても>>1さんが幸せになれることを願います
話してくれてありがとう!!
ありがとう!
あと嫁さんは何歳?
今のスペックは昔と変わりません。
少し毛髪が後退したくらいです。
穏やかとは言われますが、そんないいやつじゃないです。
>>261
そこは伏せさせていただきます。
>>265
詮索しないでくれてありがとう。
>>269
ありがとう
男の子が生まれても恵の字を授けます。
結婚式の時ママこの話したら泣かれました。
>>274
ありがとう
嫁さんは恵子と同じ歳です。
昨夜寝落ちしました。
全員にレスしないと気が済まない。
俺の語りに共感してくれてる人はなんだか他人じゃない。
出勤ギリギリまでになんとか書けました。
みなさんありがとう
1の社会復帰を促がした、Aさんにも感謝だね
良い友人はかけがえのない存在
>>1に一層の幸あれっ!
「生きろ」は響くね、幸せになってください
俺も>>301と同様だから、突っ走る形になる
けど側に居てくれるひとは待ってくれるかわからない
それくらい時間がかかることだと思うし、叶わないことも十分ありえる
恵子も、女の子はずっと待つ意志を持ってた、どちらも素敵な人ですね
大切にしてあげてください(長々すまん)
今、独立して2年なんだけど、まぁ・・・大変でね。
なんか、上手くいかないんだわ。
スーパーポジティブな俺が、少し自暴自棄になりそうな感じだしw
今年度末には、まぁ軌道に乗るとは思うんだけど・・・何度騙されたことかw
でも、めげずにがんばる勇気が再燃した!ありがとう!
ありがとう
Aさんには転機を与えてもらいました。
まだなにも恩返しが出来ていないのが気掛かりです。
>>301
ありがとう
突っ走って下さい。結果は付いてきますよきっと。
>>302
ありがとう
女の子には感謝しかないです。
彼女が居なければ今俺何していたのか。
>>303
ありがとう
役に立てたのなら本望です。
幸せにね
みんなに知って貰えて
恵子さんも喜ぶよ
海外行ってるときに女が出来そうな感じにはならなかったの?
ありがとう
俺もそう思います。
>>307
恋人いないなら付き合いましょうというお誘いはありました。
でもこういう人が日本に居ることを伝えると
みんな応援してくれました。
リンクのtwitterでのつぶやきを見てきました。
何かを感じ取ってもらえたみたいなので嬉しいです。
書いてよかったです。
あっ、オレのレスもまとめに載ってた。
いいスレを建てて下さってありがとうございました。
なんか今すごく幸せな自分がいます。
お嫁さんと、いずれ生まれてくるお子さんと>>1がいつまでも幸せでありますように。
クソっ…講義中に泣いちまったぜ…
本当にいい話だった。
阪神淡路大震災を経験した人間にとって、色んな事を思い出させてくれる内容だったよ。
俺は大阪在住だったから助かったけど、知り合いが数人あれで亡くなった。
> 不幸を不幸だと言うのは簡単です。
> 不幸のうえに幸福を積み重ねるのは俺には容易ではなかった。
> かなり長く時間がかかりましたが、俺は幸福をひとつ重ねる事ができました。
この言葉はムネに響いた。
彼女の分までお幸せに。
ありがとう
震災は当事者には風化しないものですね。
必ず幸せにします。
>>337
仮名ということにしておいて下さい。
まとめサイトに転載して頂いて多くの人に見てもらえてよかったです。
返事はないでしょうけど、中の人にお礼のメール送りました。
Twitterのつぶやきは全部見ました。
共感してもらえるというのは嬉しい。
恵子は見てくれているのかな
なんて言うだろう
絶望の中に居る人や、そばに絶望を抱えた人が居る人に、こんな人も居るんだよってお伝え下さい。
長々とお付き合いありがとうございました。
書籍化希望
> 不幸のうえに幸福を積み重ねるのは俺には容易ではなかった。
> かなり長く時間がかかりましたが、俺は幸福をひとつ重ねる事ができました。
本当にムネに刺さった。自分も少しずつでも前に進めるように頑張ろうって思えた。ありがとう。どこまで出来るか分からんけど足掻いてみる。
>>1の幸福を祈ります。