嫁がipadにデータ読み込ませてる間、俺は珈琲のむ準備してた。
なんとなく緊張する決して広いとは言えないテントで嫁と二人かぁ。。。
ipad で見た限りでは嫁は露出やシャッタースピードなどまだ手探り状態のようで普段はプログラムモードで撮影してるんだろうなと推測した。
そこで俺ならこう撮るという感じで教えて嫁も分からないこと質問する、俺答えるという感じでテントで過ごした。
なんというか嫁といるのが居心地よいと感じる自分がいた。
最初の嫁ではなく今の嫁に対してだけど趣味が同じで好きな被写体も一緒だと異性でも意気投合するんだなと認識できた。
嫁のリアクションも素直で教え甲斐があるのも理由のひとつだと思う。
風はドンドン強くなるので今日はもう撮影無理かもしれないなぁと考えてると嫁が話だした。
嫁「あの頃は就職活動も上手く行かなくて好きでもない人と付き合ってワガママな事言って嫌な人間でした。」
嫁「元カレも私のワガママに付き合わせてホント迷惑かけたと思います。。父にも殴られたし」
嫁「俺さんは助けくれたのに失礼な態度とって私がちゃんとしないから父が誤解して俺さんに怪我させて」
嫁「俺さんが帰った翌日に母に助けて頂いたことちゃんと説明したら怒られました。」
嫁「いますぐ俺さんに謝らなといけないから電話番号おしえなさいって」
嫁「連絡手段なにもないって言ったらアンタそんな常識ない子だったの!って更に怒られて」
俺「・・・・無言」
俺「いや、その事は本当にもういいよ。2年前の話だよw」
そうなんだよ。
遭難した嫁を見つけたとき俺は30歳、嫁は21歳、今は俺32歳、嫁23歳になってた。
その間で会ったのはたったの3日間、互いに連絡先の交換もしてないけど今こうして一緒に出会った場所にいる
すごい不思議で凄い縁だと思った。
俺・嫁「なんか不思議な縁だね~ですね」会話がダブった
二人して笑いあった。
こういう風に女性と笑い合うのは久しぶりで嫁の笑い顔はいいなぁと思った。
しばらく笑ったあと嫁がいう
嫁「父が・・ああいう人ですけど本当は涙もろくて情の厚い人なんです。」
嫁「誤解して殴ったこと反省してるんですが意地っ張りで私と母が謝罪しろって言っても全然駄目で」
嫁「俺さんにお詫び送ったときに封筒にお金入れたのも父なんです。」
俺「もういいよ、ホントに終わったことだし。殴られた怪我も大事に至らなかったし気にしないで」
といいつつも金包むより手紙一通でも謝罪するほうがいいのにとも思った。
俺「親父さんには気にしてないですって伝えておいて」
嫁「あ!もし気にしてるとか伝えれば器の小さい男だな、とか悪態つくと思います・・・・」
やはり嫁親父とは分かり合えないと確信した。
外の天気はますます荒れて風がドンドン強くなる、テントを風が叩いて結構テントが左右に揺れる。
そろそろお開きにするかという時間になったので嫁にそろそろ休みますか?と伝えた
嫁「え!ここですか?」
俺「違う違う、君も自分のテントで休みなさいという事」どんだけ飛躍するんだよと俺狼狽
嫁「そうですよねw」
俺「当たり前ですよ」
そして嫁も自分のテントに戻っていった。
嫁との会話でなんとなくホッコリした気持ちで寝袋に入った。
どのくらい寝ただろうか?
外で嫁が俺に呼びかけている。
風が更に強くなったようでテントが揺れていた。
俺「はい、どうしたの?」
嫁「俺さ~ん、どうしよう・・・」ちょっと焦ってる感じ?
寝袋から出てテントの外に出ると強風だった。
嫁が立っていた。
俺「どうしたの?」
嫁「テントが。。。私のテント」と嫁が指差す方向を見ると嫁のテントのフライシートがない!
嫁「風で持って行かれました・・・」
????だってペグで固定してたんじゃないの?と確認すると
嫁「はい、付属のペグで雪に打ち込みました」という
ああ~なるほど、付属ペグ雪に打っても固定力弱いの初心者の人だか分からないわな。納得
とりあえずこの状態では嫁のテント使い物にならないのは分かった。
さてどうしようか・・・・相変わらず風強い
夜明けまでまだ時間あるし今日は駐車場まで歩いて帰る、場合によっては強風の中あるく必要があるから睡眠とって体力回復させておく必要がある。
そうなると解決方法はひとつしかないんだけど、、口に出すのに勇気がいるというか誤解されないかな?
俺「あのテントじゃ寝れないよね?」
嫁「はい、風が入るし寒くて無理です。」
俺「だよね~、非常時だから俺のテントで寝ますか?」
嫁「え!」
嫁固まる
そりゃあそうだよね。。。
嫁「俺さんは何処で寝るんですか?」
う~んどうしよう。。と考えつつ解決策を2つ提示した
俺「さっき食事で掘った雪洞に寝袋もっていって寝るよ幸い風は避けられるし俺の寝袋温かいから」
俺「雪洞にはいって上から嫁さんのテント被せれば風よけにもなるし」
嫁「駄目です!それなら私がそうしますよ。」いやいや嫁じゃ無理だから・・・
俺「無理だよ、明日帰るのに少しでも寝ないと、体力は俺のほうがあるから俺雪洞の中で寝るよ」
嫁「駄目ですって」
俺「しかし。。。」
嫁「せまいけど俺さんのテントで一緒でいいじゃないですか!」
それは嫌だー!!俺が寝れなくなる。
押し問答の末、俺のテントで一緒に寝ることになりました。
嫁結構親父さんの影響強いようでした。
もちろん別々の寝袋だけどね。
俺のテントに自分の荷物、嫁の荷物まで入れると狭すぎるので荷物は雪洞にいれて雪よけに嫁のテントを被せて置くことにする。
とりあえず嫁を先にテントにいれて荷物の移動と嫁テントを雪洞にかぶせる作業する。
作業おわってテントに入ると嫁が「お疲れ様でした、ホントごめんなさい」と言ってきた。「大丈夫だよ」と伝えて自分の寝袋に潜り込む
嫁も寝袋に潜り込んで互いにテント側を向いて寝る。
風が強く緊張してなかなか寝つけない。
明日は天候回復したら嫁のフライシート探さないとなぁと考えていた。
早朝まだ寝てる嫁を起こさないようにそっとテントから外に出る風はあるけど昨夜より静かなのでこれなら帰宅時は問題ないと一安心した。
嫁が寝てる間に昨夜飛んでいったフライシート回収にと嫁がテント張っていた場所から更に奥の林に入って捜索
風で飛ばされてもたぶん林のどこかで引っかかってるだろうと予測したけどビンゴだった
10分程度の捜索でフライシート回収してテントに戻る。
嫁はまだ寝てるようなので雪洞に入り自分の荷物から携帯食とジェットボイル取り出して軽くつまみ珈琲のむ
時折風が強くなるのでフライシートと嫁テントを雪洞にいれてからテントにそっと戻る、嫁熟睡中で気付かず
俺も自分の寝袋に入り込み二度寝する。
しばらくして嫁に起こされる。
嫁「俺さんいつまで寝てるんですか?そろそろ起きて下さい。」
俺「はい」二度寝のほうが寝起き眠いのは俺だけではないはず。
嫁「まず昨日飛ばされたフライシート探さないと駄目ですよね、見つかるかな?」
俺「見つけて雪洞にいれてあるよ」
嫁「え!」
俺「朝早くに目が冷めたから嫁さん寝てる間に散歩がてら見つけて回収してきた」
嫁、テントからでて雪洞を確認
嫁「ホントだ!俺さんありがとうございます。」
俺まだ寝ぼけ中でのっそりとテントから外へ出る
嫁「俺さん、私のテント探すのに早起きして探してくれたんですか?」
俺「いや、たまたま早起きしてついでだから」
嫁じっと俺見てる、その時の俺は4泊5日風呂なし髭剃りせず、帽子の下は寝癖で爆発、脂ぎった髪の毛だった。
街中でこの容貌だったら不潔と言われると自分でも思う。
嫁「俺さんはいつも私が困ってると助けてくれます」
その言葉はこの姿の俺は言われるのが恥ずかしかった。
嫁「はい、でもありがとうございます。」
それよりも腹減ったので食事たべようと嫁に言うと嫁が作ると言う。
それではお願いしますと伝え俺は顔吹きシートで顔を拭きテントに残した水で歯磨きをする。
嫁は残り物のインスタントや材料使って朝食つくり、上機嫌らしく鼻歌も聞こえてくるが残念ながら俺には分からない
嫁「俺さんご飯できましたよ~」
俺「いま行きます」
雪洞に入ると嫁ニコニコしてる、朝からテンション高いなぁと思いつつ嫁の作った朝食を見る
インスタントのパスタにレトルトのジャコ飯、インスタントのスープとドライフルーツ盛り合わせ
そして嫁が家で作って持参していたパウンドケーキの残り
和洋折衷、どれが主食でどれがおかずなのか悩む高カロリー炭水化物メニューが並んでいた。
後に判明するが嫁ががっつり飯食う派の人だった。
嫁「俺さんどうぞ!」
俺「いっ・・いただきます」
やはりお残しは許しませんでぇ~だよな。
食べ慣れてるインスタント食品も二人で食べると美味しいですね~と言いながら嫁の食欲は止まらない
俺よりもペース早く消化していく。。
最後のデザートのフルーツドライ盛り合わせは帰りの非常食にと言い訳して保存することにした。
この時点で風はあるものの天候は崩れていないので順調にいけば昼頃には駐車場につくはずと嫁に伝えた
嫁「シカ撮影は無理ですかね?」
俺「う~ん、天気が落ち着いてれば出来るかもしれないけど、天候崩れたら帰るときヤバイから」
嫁「そうですよね。。残念だけど仕方ないですね」
俺「まぁ、次の機会に取っておけばいいよ」特に意味もなく言っただけだった
この言葉に嫁が食いつく
嫁「次っていつくらいですか?また俺さんも一緒に撮影付き合ってくれるんですか?」
嫁「次一緒なら連絡先交換したほうが良くないですか?日程とか時間とか相談必要じゃないですか?」
嫁、怒涛の押し切りで攻撃してくる。
俺「えっと、嫁さん撮影のときは俺いたほうがいいですか?」
嫁「はい、もちろんです」
俺「場所はここがいいですか?」
嫁「ここ私にとっては凄く大事な場所なのでここがいいです」
俺「え~っと来年とか?」
嫁「待てません!」確信した、嫁には親父の遺伝子が受け継がれていると
嫁「駄目ですか?また撮影できる期間でここで撮影できないですか?」
俺「・・・・・・・無言」
正直、嫁と撮影するのは楽しいけど偶然あって同じ場所で泊まり込み撮影するのと約束して泊まり込み撮影は意味合いが違うような気がしないでもない。
形を替えたお泊り旅行みたいじゃないか・・・それをする関係なのだろうか?
それが当たり前の関係になると言う事は俺にとっては重要なことで・・・悩む、すぐには回答できない
俺「ごめん、すぐには答えられないからちょっと時間ください、帰るまでの間で回答するから」
嫁「・・・そうですよね、ごめんさない。つい俺さんに甘えてしまって。回答はいつでもいいですよ」
ちょっと変な間が生まれてしまった。
その後は朝食片付けてテントや機材を片付けパッキングして帰り支度を互いにはじめた。
私がヘタれなだけで嫁さんはキレイな人らしいです
(姪ちゃんが言うには珈琲CMに出てた女優さん似てるらしいです。私芸能界とかTV疎いので名前わかりませんが)
嫁が私の名前知ったのは最初の遭難のときですね。
名字だけですが互いに名字は名乗りました。
つづきです。
パッキング終わって駐車場に向かって歩きだす。
二人共微妙な空気で朝ほど会話も弾まない
駐車場に着くまでに次の撮影とかメアド交換とかどうするか答え出さないと嫁に失礼だよな。
つくづく自分は女性に関してはヘタれだと思う。
嫁が好意もってるのか?純粋にカメラ好きで俺といるのか?
その辺の境界線がわからないし踏み込む度胸もない。
でも嫁といる時間が居心地よくなってるのも事実なんだよ。
そんな事考えながら駐車場まで歩く
嫁「撮影いいですよ、また今度でいいですから」
俺「まだ考えてます。」
嫁「何を?」
俺「撮影のこと」
嫁「それだけ?」
俺「・・・・・・・無言」
嫁「いい天気になったね」
俺「うん・・・」
嫁「月は見えないけど空はキレイですね~」
俺「なんのこっちゃ?(心の声)」
会話してもしなくても嫁といる時間は心地よい、嫁もそうなら嬉しいな。
素直にそう思う。
口下手というのはイザという時、どう伝えればいいのか分からないことがおおい。
駐車場についた。
ヘタれなりに嫁に伝えるか。
それで駄目なら仕方ないな。腹くくった。
>俺「なんのこっちゃ?(心の声)」
鈍感にも程があるw
嫁の言葉、何か意味あったんですか?たまに変なことつぶやくので今までそうだと流してました。
姪ちゃんと嫁さんは学区違ってたので友達ではないですね、今は同い年なので仲良くしてます。
O君従兄弟さんはコレっきりで接点生まれませんでした。
ホント蛇足な書き込みで誤解させてしまいました。
つづきます。
駐車場についてあとは互いに帰宅するだけ。嫁も何となく手持ち無沙汰な感じ
縁があって再会できたのだから次は自分が縁をつなげる番と腹くくる。
俺「ちょっと待ってくれますか?」
嫁「はい?」
車の中に置いてる仕事服から名刺取り出し裏に自分の携帯番号とメアド書き込む
俺「あの、これオレ個人の連絡先です。次の撮影OKならいつでも連絡ください。返信は必ずするので」
嫁「いいんですか・・・私邪魔じゃないですか?撮影とか」
俺「こちらこそ嫁さん迷惑でなければ連絡ください」嫁名刺受け取ってくれた
嫁「じゃあ、私の連絡先も教えますね。ちょっと待って下さい。」嫁も車に戻っていく
prpprpr・・・携帯が鳴った。
俺「もしもし?俺ですけど」
嫁「これが私の連絡先ですよ~えへへ」嫁、車から電話してきた。
俺「はい」
嫁「宜しくお願いします」
俺「こちらこそ宜しくお願いします」
ヘタレには電話番号交換が精一杯だった。。。
俺メール苦手だしメールのきっかけないとメールできないタイプ
嫁は俺からのメール待ってる、きっと忙しいんだなと気遣うタイプ
連絡先交換して俺から連絡することなかった早朝出勤、深夜帰宅で家にいる時間帯だと嫁は休んでる
メールで気の利いたことも送れない、ヘタれにはメールのハードルが高かった。
連絡先交換から1週間くらい経過して嫁から週末に電話きた。
俺すぐにとる
嫁「もしもし俺さんですか?○○です。」
俺「はい、お久しぶりです」(俺は浮かれてた)
嫁「あの、いつ撮影にいくんでしょうか?忙しいなら忙しいって言ってくれればいいのに」(若干怒り気味)
俺「すみません、電話しようとしたんですけど早朝出勤、深夜帰宅で電話かけるタイミングが」
嫁「メールという便利なものがあります」
俺「おっしゃる通りです、すみません」
嫁、怒ると怖いとこのときに認識した。
嫁「今日はおやすみなんですか?ご自宅ですか?」
俺「ええ~、久しぶりに休みで洗濯してました。」
嫁「俺さん一人暮らしですか?」
俺「そうです。実家住まいだけど両親は他界してるので」
嫁「あ!ごめんなさい」
俺「いえいえ、もう何年も前ですから」
ーーーーーーー沈黙ーーーーーーーーーーー
嫁「今日はこれからご予定ありますか?」
俺「いえないですよ、洗濯したらフリーです」
嫁「じゃあ、買い物一緒にいきませんか?そのときに撮影の打ち合わせできますか?」
俺「大丈夫です、じゃあ時間決めて待ち合わせしますか?何時頃がいいですか?」
嫁「じゃあ、時間決めたらまた電話するのでそれでもいいです?」
俺「OKです。」
その後、数分もせず嫁から電話きた午後三時頃にとあるアウトドアショップに行きたいとの事
俺「じゃあ、店の駐車場で待ち合わせでOKですか?」
嫁「・・・・迷惑でなければ迎えとかお願いしてもいいですか?」
俺の脳裏に今日は週末>週末は休み>休みは自宅に親父いるはず
が鮮やかに浮かび上がる
俺「・・・・・無言」
嫁「私、俺さんがなに考えてる分かりますよw。父のことでしょう?」
俺「あはははは。まぁ確かに」(乾いた笑いしかでない)
嫁「さっき俺さんと買い物行くって両親に言ったんですよ」
俺「・・・・・・無言」
嫁「そしたら父が買い物終わったら俺さんウチに呼んでご飯食べようって」
あの親父と飯を食う???飯なんか喉通るわけない、無理、絶対無理
無言でいる俺を察した嫁が無理なら断りますか?と助け舟だしてくれた
けど、嫁と今後さらに親しくなるのに親父の存在をスルーはできない。
週末の嫁との楽しい時間が罰ゲーム開始までのカウントダウンみたいになってきた。
普段から1人で飯食ってるから家族の団欒とか忘れてるところあるし気の利いた会話できないし
嫁父なら気に入らなければ茶碗投げつけてくるかもしれないし、でも食事頂くことにした
「嫁父と俺」書かせて頂きます。
2時半くらいに記録を頼りに嫁自宅前に到着、嫁に電話する、嫁玄関から出てくる
ご家族と一緒に・・・・聞いてないよ。。。
慌てて車から降りて外にでる。
嫁「こんにちは。すみません迎えお願いしちゃって。」嫁は元気だ
嫁母「ご無沙汰してます、その節は娘助けて頂いてありがとうございました。お元気でしたか?」にこやか
俺「はい、こちらこそ過分な贈り物いただき返礼もせず失礼いたしました。」
嫁父腕組みして無言・・・・怖い・・・やはりヒグマのような威圧感醸し出してる
俺、嫁父に向かって会釈「その節はお騒がせいたしました。」
嫁父「おう」
怖いよ。。。現場仕事にでると口や手の荒い人達も多くて慣れてるつもりだけど嫁父は別格
怖さの次元が違う。
俺「今日は晩御飯にお招きいただきありがとうございます。」会釈
嫁母「何にもないけどゆっくりしていってね」嫁母は終始にこやかで笑顔が嫁とそっくり
嫁父「お前、一人暮らしか?」終始腕組み
俺「はい、そうです」
嫁父「・・・・・・無言」終始睨む、怖い
嫁「俺さんそろそろ行かないと」嫁の助け舟がありがたかった。
嫁「じゃあ、行ってくるね」 嫁と俺、車にのって自宅前から脱出成功!
嫁「俺さん上出来だと思いますよ、前に私捨てた元カレなんか玄関で挨拶しなかったら怒鳴られました」
嫁「俺さんはやっぱり社会人だし責任ある立場の人だからしっかりしてますよね」
あれで上出来なのか?腕組みして終始睨んできたぞ。
発した言葉は「おう」と「お前一人暮らしか」だけ
なにも悪いことしてないのに冷や汗が背中に流れるのが分かった。
目的のアウトドアショップに到着
嫁の目的はシェラフの下見と新しいスノーシューの購入、前回のでスノーシュー壊れたらしい
嫁物色中、俺物色中、当初から俺たちは買い物するとき別行動することがおおい
目当てのものがあればお互いに意見するというのは今も変わらない
嫁「俺さん、これどうですか?」女性用の小ぶりのスノーシュー
俺「うん、いいんじゃないですか、値段も手頃だし」
嫁「でも、プラスチックなのに1万超えるんですね。結構高い」
俺「アウトドア用品は結構するからね」
嫁「じゃあ、これとジェットボイル買います、俺さんの見てて便利だなぁと思ってたんです」
俺「ジェットボイルはこっちだね」
嫁「あれ?結構しますねw」
俺「うん、それなりにするんだよ」
嫁「う~ん、予算が」
俺「中古でよければ俺の予備あげようか?、スペアでもうひとつあるから」
嫁「いいんですか?だって高いじゃないですか、タダという訳には」
俺「いいですよ。良ければどうぞ」
嫁「じゃあ、今度なにか奢りますありがとうございます、えへへ、お揃いですねw」
萌えってこういう事なんだと実感した瞬間だった。
知り合いの方が施工したカフェで俺には場違いなオシャレ空間
嫁は喜んで店内のアクセサリー見て回ってる
席についてオーダーで嫁の面白い面が見れた
俺「珈琲」
嫁「私は抹茶ラテ」
嫁「俺さんは何処にいても珈琲注文する人でしょう?」
俺「良く分かるね」
嫁「珈琲好きなんですか?」
俺「まぁ、そうだけど何処のお店でも飲めるし当たりハズレ少ないから」
嫁「駄目ですよw、旅行とか特別な日は普段と違うもの試してみると楽しいですよ~」
そういうものかな?男女の感覚の違い?
嫁「ウチの父はあんな外見ですけど旅行先では色んなことにトライするんですよ」
俺「それは意外だね。へぇ~」
嫁「私と母の直感ですけど父と俺さん気が合うはずです。何となくですけど」
誤解で殴る相手と殴られて歯三本飛ばされた人間が意気投合するという世界はどこにあるのだろう?
何か言って爆発されたらたまったもんじゃない。
でも、あの父かたこの娘よく生まれて育ったなぁ・・
カフェではとりとめもない会話で肝心の撮影日の話は全然し。なかった。
それよりも会わないでいた間、お互い何してたかとか今更だけど趣味はとかそんな他愛もない話ばかりしてた
嫁「そろそろ帰りますか?準備できてると思いますから」
俺「そうですね・・・帰りますか」気が重いけど嫁にすれば失礼な話だよな
嫁「大丈夫ですよ、父が何か言っても私と母は俺さんの味方ですからw」
女性二人に守られる32歳独身男も情けないものがあるが、いざとなったらそうしようと決めた。
自宅のまでの道は赤点とって母親に怒られると沈んで帰る子供みたいな気持ちだったけど
嫁は変に自信ありげだった
「大丈夫、大丈夫w」
嫁宅に到着、自宅前に駐車させてもらい嫁の後ろから玄関に入る
嫁「ただいま~」
母「おかえりなさい、目当てのもの買えたの?」
嫁「俺さんとお揃いだよ。」俺冷や汗が流れる。
母「あらあらw、良かったわね」いまだにあらあらと笑う人を初めてみた気がする。
嫁「じゃあ、私荷物おいてくるので、俺さんは・・居間で待っててください」
俺「そうなるよね・・・そうですよね・・・」
母「ちょうどお父さんもお風呂あがって居間にいるけど」
「大丈夫今日は何もしないって約束してるから」(小声)
なるほど、嫁のイタズラっぽい茶目っ気はお母さん譲りなんだな、ちょっとほっこりした。
なぜか作務衣みたいなの着てた
妙に似合っていて頑固職人って感じだった。
親父、新聞読む手をとめて俺のほう見てまた新聞に視線戻す。
俺「遅くなりました、ただいま戻りました。」
親父「嫁は?」
俺「いま自分の部屋に戻られてます」
親父「ふーん」
親父 ぶっ!とデカイ屁をこく・・・台所から母親が「ちょっとお父さんお客さん来てるのに無作法でしょう!」と怒る
親父「自分の家で何しようが俺の勝手だ、なぁ?」と俺に話しかける
俺「あはは、そうですね・・・」
とにかく何が着火点で爆発するか分からない人だから無難に切り抜けることしか考えてない俺
母「用意できたわよ、じゃあ並べるから俺さん嫁呼んで来てくれる?」
俺「はい」
俺、嫁の部屋知らない・・・・会ってまだ4回目、まだ正式に付き合ってもいないのに外堀が埋まって行く気がする。
居間を抜けて廊下で「嫁さん~ご飯ですよ~」と何処にいるかわからない嫁に向かって話
それがおかしいのか母親の笑う声が聞こえてくる、親父の声は聞こえない
嫁が二階から降りてくる。
嫁「俺さんごめんなさいおまたせしました。」
嫁「父と話ました?」
俺「親父さんオナラしてたね・・・・」
嫁「また?ホントに無作法でごめんなさい」
ちょくちょく嫁の会話には年に似合わない言葉使いが聞かれるけど母親の使う言葉と同じだから母親の教育なんだね
尚更、最初のころの生意気な嫁と今の嫁のギャップの差は凄いと思った
満漢全席でもやるのか?というほど食材が並ぶ
俺「すっ・・すごい」
母「今日は俺さん来てくださるから頑張ったのよ~、ねぇお父さん」
嫁が度々語尾伸ばすのは間違いなくお母さんの影響だと理解した
親父「さっさと食うぞ」
嫁「わー今日凄いね、俺さん苦手なものありますか?」
俺「いや、大丈夫です。」
席順位置関係
親父
嫁 母
俺
やめてーーーホント勘弁してください。
親父の対面で飯食う勇気ない、でも皆すでに着席中
もうなるようになれと着席、改めて料理みる、なんというか見事な料理だった
俺はグルメでもなんでもないけど盛り付けとか彩りとか使われている小鉢や器とか
なんというか全てがバランスよく配置されて見るだけでも感心する食卓だった
嫁「俺さんどうしたの?」
俺「いや、こんな凄い食卓初めてで見とれてしまって」
親父「食うぞ」
俺、着席
全員で「いただきます」
長い晩餐がはじまった
嫁が俺の皿へ料理をとりわけてくれた、それが凄く自然でこの家庭は躾や教育はちゃんとされてるんだなと感心した。
俺の家は母親が早いときに他界して親父と親父側の祖父母で暮らしていて親父は爺さんから会社引き継いでずっと忙しい人だったから俺の躾は祖父母が見てくれた。
昔かたぎの祖父母だから言葉使いや目上の人への礼儀とか教えられて育ったから
躾というか礼儀作法しっかりしてる人みると無条件に好感もつ癖がある、嫁家庭は正にそれだった
賑やかという訳じゃないけどさりげない会話や気配りとか当初よりも寛いで食事することができた
親父さんは無言で食べて時たま俺を見てるようだった。
親父「お前あれだな、魚の食べ方わかってる奴だな」
俺「???」今食べてるヤマベとニジマスの餡掛けで無作法あったかな?
親父「食べ物はしっかり食べるのが食べる人間の努めだよな」
俺「????」
嫁と母は笑ってる
嫁・母「どう美味しい?」
俺「美味しいです、普段外食や適当な材料で作って済ますのでホントに美味しいです」
事実、どの料理も上手い
母「そのヤマベとかお父さん釣って冷凍したものだけどお口にあう?」
俺「魚好きですよ、肉より魚のほうが好きです」
親父「お前、釣りするのか?」
俺「釣りというほどじゃないですけど秋鮭釣りは友人とかと行きます」
あれだけの量もそれなりに食えたのは味付けや一品の量が適切なんだと思う
お吸いものは柔麺で魚のすり身で麺をつくり魚で出汁とって作るという手の懲りようだった
まぁ、お約束の仕事や家族構成や趣味とか嫁と出会ったときとかそんな会話だった
とりあえず無難にこなせたと思うが嫁は緊張する俺がおかしいのかクスクス笑ってた。
食事も終わりなんとか切り抜けたな~安堵してる俺
母「お腹いっぱいになりました?遠慮しないでね」
俺「もうお腹いっぱいです、全部美味しかったですホントにありがとうございます」
母「良かったね、お父さんw頑張った甲斐あったじゃないw」
?????????お父さんが頑張った?????何を????
母「今日の料理全部お父さんが作ったのよ、美味しかったでしょうw」
俺「うそ~ん」(心の声)
母「嫁からね俺さんは一人暮らしでいつも忙しいから食事に呼んでいい?って聞かれたときね」
母「お父さんが俺が作るってw今日の料理全部おとうさんです」
俺放心、あのね男料理じゃないんだよ。
煮付けとかの人参も細工されてるし栗の渋皮煮まで出るんだぜ!
魚料理も吸い物も焼き物も揚げ物も極めつけがご飯は5缶の握りだんだから
これ全部親父さんが作ったって・・・親父さん会社員なのは名刺もらって知ってる、料理人じゃない
もう俺たちあがって親父さんに頭さげたよ
俺「お休み中にお時間割いて食事作って頂き招いてくださりありがとうございました。」
親父「おう」
これだけ・・・
嫁と母はそんな俺たち二人をニコニコ眺めてる
このセリフはそう言う事だったのか・・・
食後は嫁が俺に珈琲いれてくれて持ってきてくれた。
珈琲カップが無骨だけど素朴な素焼きでちょと赤みがかってるのが気になって
俺「この珈琲カップいいですね。なんか惹かれます」と言った
嫁と母ふたりともちょっと驚いたような表情見せたので俺なんか変なこと言ったかな?と思い
会話を変えるつもりで違う話題振ったんだけど・・・
俺「今日の料理で使われてた器いい器ですね、魚に使ったのは備前焼ですか?」
俺「揚げ物と焼き物は冷めないように蓋つきの織部ですよね?」
二人が更に驚きの表情になる。
突然、親父「おい!お前器わかるのか?器興味あるのか?」と食いついてきた。
親父は食後ソファでTV見てて歓談には参加してなかったけど聞き耳立ててたらしい
それで俺が珈琲カップや器のこと言い出したら急に食卓にもどってきた
俺なにか逆鱗に触れることやっちゃったのか?
嫁にヘルプと嫁みたら母親と台所に引っ込んでる
食卓に親父と俺、親父は怒ってるのかなんなのか分からないから迂闊に話できない
親父「お前、器に興味あるのか?備前とか織部とか言ってたけどよな」
俺祖父母に育てられたようなもんで祖母の趣味が器つくりで家には電動ロクロの小さいのがあって
小さいころは祖母の膝のうえで土こねて遊んでた。
どの器がよいとかそんな事はわからないけど備前焼や織部くらいの有名な器の特徴はなんとなく分かる程度
仕事柄、店舗デザイナーと知り合いも居てお店で使う調度品カタログとか見る機会もおおいから曖昧だけど
そういうのを目にする機会がある
親父「そうか、お前は器にも興味あるのか?今日の器はどれが良かった?」と聞いてきた
俺、最初に食卓に招かれてすぐに目についた織部焼きの小皿と親父に説明した。
親父、洗い物中の母親からさっき俺が言った器もってきた
「これか?」と聞くので「そうだ」と答える
この器の何が良かった?と聞かれたので器が織部の椿文大鉢で中に梅のシャーベット1点だけ添えられていて色が気に入りました。
と答えた。
親父がいきなり俺の肩を叩き出した、バッシンバッシン叩いてくる
俺やっぱり逆鱗に触れたらしい、殴られるとか想像してると。。。
母「お父さん良かったね、初めてお父さんの趣味と会う人ウチに来たじゃない」という
親父「おう、お前あれだな食事もちゃんと出来て細かい所を見れる奴だな」と言いながらまだバッシンバッシン叩いてくる
痛いからもう辞めてくれよ・・・嫁台所でクスクス笑ってる
そこからが長かった・・・親父さん離してくれないんだ。
ちなみに織部焼以外の備前焼や珈琲カップも親父さん作だった。
料理が好きでそのうち自分の料理を飾る器も自分で作るようになったらしい、嫁宅の食器の殆どが親父作だって
粗暴というか無骨だけどこういう人は嫌いじゃない、自分の手で何か作る人は無条件で好感もつのが俺
そこから暫く親父さんの器への情熱というか執念をご拝聴した。
親父さんは調子にのってくると肩バッシンバッシン叩いてくるけど、まぁ親しみの表現なんだろうと思うことにした
ひとしきり器の話を拝聴した後に親父さんがちょっと来いよっと例の居間へ案内した
嫁が二人分の珈琲を親父さん作の珈琲カップに入れてもってきてくれた。
親父「嫁、お前ちょっと席外しなさい。俺くんと話あるから」
俺くん?俺くん?親父さんさっきまで「お前」って呼んでたのに。
これはちょっとただ事ならないと背筋のばした
親父「俺くん、最初に会ったとき君の話も聞かず大変失礼なことした。
親父「誤解とはいえ一方的に殴り怪我もさせてしまった申し訳ありませんでした。」と親父さんが頭下げた。
俺の中では今日の食事のことで親父さんへは何のわだかまりもない
むしろ面白い人だなと興味が湧いてきている
俺「いえ、もうそのことは終わったことですし気にしてませんので」
俺「今日は本当に招待してくださりありがとうございました」と頭下げると母親が入ってきた
母「なにやってるのあなた達w」
それで終了だった。
その後は親父さんと母、嫁交えて穏やかに話が進み
嫁を捨てた元カレ呼びつけた親父さんのお仕置きに軽くドン引きして、自分も気をつけようと再認識したり
親父さんは嫁にはてんで甘くて本当に可愛がってるのが垣間見えたり久々の家族の団欒?を味わった。
それそろ良い時間になったで嫁両親に挨拶して玄関でようとすると親父さんが呼び止めて紙袋を渡してきた
親父「大したもんじゃないけど良ければ使え」親父さん作の珈琲カップセットだった。
親父「またいつでも来い、また上手いもん食わせてやる」
なんかジーンと来た、嫁の両親はやっぱり嫁の言うとおり良い人達だった(殴る点は除く)
俺の嫁父わりと寡黙な人だからいまだに話しかけづらい。。
玄関で嫁家族に挨拶して玄関でると嫁が追いかけてきた
嫁「俺さん帰りますか?」もうすでに深夜零時まわっていた、嫁と合流してから10時間近く経っている
俺「帰ろうと思います」まだ嫁と話したいけど流石にね
嫁「ちょっと待っててください」玄関に戻る
嫁「あと2時間は私大丈夫ですよ~、父が許可くれました」
俺「???親父さんが??」
嫁「はい、俺さんなら大丈夫だから良いってw」
嫁「俺さん父に気に入られた初めての男性ですよw」
俺「なんかありがたいですね・・・」
嫁「あと2時間しかありません、どこ行きますか?」
俺「嫁さんが良ければドライブは?」
嫁「いいですね~」
嫁が俺の助手席にのるとき玄関あけてご両親が顔出した。
俺は外に出て「2時までには必ずお返しします」と言って軽く会釈した
嫁は窓あけて「ちょっと出かけてくるね」と手を振ってた。
体全体が高揚する感じというのかどこかフワフワする感じと言えばいいのかな?
久々に感じるドキドキとでも言えばいいのか。
嫁は暗い車中でみるとキレイな横顔がより引き立つ
外灯とか対向車のライトとかで一瞬、浮かび上がる嫁の顔が凄く印象的だった。
嫁を乗せて他愛もない話をしながら特に目的地もなく車を走らせた
今も面白い関係ですよ。
つづきます。
嫁と車内で他愛もない話して子供時代とか嫁の得意料理とか週末に洗濯するなら私やりますよとか
嫁は時に大胆でドキッとする発言を天然でかましてくる
裏表ない計算しない人なんだと思う、元カノは途中から違ってしまった、俺が変わったのか、元カノが変わったのか
それはもうどうでもいい事だし嫁も過去に干渉してこない人だった。
話疲れてコンビニでお茶買ってまたドライブしながら車中でまた話す
田舎だから景色のキレイな場所なんてないし仮にあっても同じように車が集まるのは容易に想像できる
嫁も俺もそういう点は無頓着だから車でグルグルとドライブするのも楽しかった
約束の2時まであと30分くらいなので嫁自宅方面へ車を運転する
嫁が黙り込む、疲れてるのかな?と嫁の方みると嫁が俺の顔じっと見てた。
嫁の目はお母さん譲りの目尻が少し下がってる感じなんだけど大きい目なので凄く印象的な目を持ってる
なんとなく気恥ずかしいので運転に集中するんだけど嫁はこっち見てる
嫁「今日はお疲れ様でした。」
俺「いえいえ、こちらこそ招待してくれてありがとう、凄い楽しかったよ」
嫁「俺さんと父は意気投合するって言ったでしょう?当たりましたねw」
俺「まだ怖いけどね、当たりだね。俺君の親父さんみたいな人好きだよ」
嫁「私には言わないのに??」
嫁はホントに突然驚きの事をいう
心臓がバクバクして顔が熱くなるのが自分でもわかった、嫁はまだ俺をみてる
事故らないように気をつけないと。。。
つづきます
どう考えても嫁は待ってる俺が行動するのを、俺も男だしかも自分もいい人だと思ってる女性から脈ありな行動されて動かないヘタレじゃない!
俺「嫁さん・・・」
嫁「はい」
嫁ずっと視線そらさない
口の中が乾く、今までの恋愛や告白の中で今が一番緊張してる。
今、嫁に告白してもきっと嫁はOKしてくれる!と思う。
それはお互い望んでることだから
でも、今告白したらきっと二人共、ご両親との門限破ることになる・・・・
それは俺を受け入れてくれたご両親に対して裏切りになるんじゃないかと頭に浮かんだ
特に嫁父は約束破る人間は受け入れないと思う。
残りあと15分程度しかない、告白したら絶対二人共門限やぶる
親父や母親が怖いんじゃないなくて受け入れてくれた人達の信用裏切るのが怖い
じゃあ、一番大事な嫁の気持ちは??
もう運転しながら色んなこと考えてるんだけど嫁はずっと俺の顔みてるんだ
俺「嫁さん・・・・・」
嫁「はい」
俺「今日は送ります、ご両親と約束しましたから。」
嫁「・・・・・・・・・・・」
俺「俺、嫁さんとお付き合いするならご両親を裏切ることもできません」
嫁「それって??」
俺「今日は送りますけど場を改めて俺の話聞いてください。」
嫁「はい・・・・・・」
自分の気持ちがわかってたら嫁家であんなナチュラルな振る舞いはできん
嫁「・・・・・・・・・・・・・・」
俺「俺も自分の気持ちちゃんと確認して嫁さんと向き合いたいです。」
俺「嫁さんも自分の気持ち確認してみてください」
嫁「・・・・・・・・・・・・・・」
俺「今日は送ってご両親との約束守りますので」
嫁「はい」
俺「もっと嫁さんの事知る時間をもう少しだけください」
俺「お願いします。」
嫁「はいw」 嫁笑ってくれた
嫁「そういう人で良かったです、そういう人だから父も母も俺さん家に呼んだと思います」
嫁「もちろん私もですよ~」
俺、顔まっか、嫁に冷やかされるけどホントに真っ赤
2時5分前に自宅到着。
嫁玄関にいく。
親父さん待ってた!こえーーーやっぱりちゃんと時間前に返してよかった俺すごくGJ!
車から出て親父さんに会釈すると親父さん家に入っていた。
嫁は車の見送りで運転側の外にいる
コンコンと運転席の窓を嫁が叩く、以前と一緒だけど今度は笑ってるなぁとか思った
嫁「前と違って今は笑ってお見送りですよ~」とニカッと笑った、同じこと考えてんだ。
そして小声「バカ」と言った。
萌え死ぬってこういう事なんですね・・・・・
パンツ脱いだ人達ごめんなさいこんな結末です。
帰宅してからも興奮冷めやらずという感じで寝つけなくて結局5時位に寝ることになった。
昼頃におきて嫁からメールが届いていて返信したり、午後から書類仕事すこしやったりして過ごした。
それからは特に目新しい事もなくて嫁とは俺の仕事終わる時間が不定期なので会えないけど
毎日、少しだけどメールやりとりするくらいにはなっていった。
結局、嫁と約束した撮影はすぐに行けなくて嫁と相談して3月の頭に2泊3日くらいでと決まった。
撮影よりも嫁といる時間が取れるという事が素直に嬉しくてたぶんお互いに待ち遠しい日々だったと思う
でも、気になることがひとつ。
嫁は撮影旅行俺といくのを両親から許可もらってるのだろうか?
それ以前の2回は偶然だったけど嫁の親父の性格考えるとお互いに見知った間柄で内緒はまずい気がする
それとなく嫁に過去の撮影旅行で俺に会ったこと伝えてる?と確認した
嫁「伝えてませんよ、父絶対許可しないですからね」
俺「ですよね~」
俺「ちなみに今回の撮影旅行はどうなんだろう?」
嫁「撮影行くのは知ってますよ。俺さんと一緒は伝えてないです。」
俺「あ~~~~なるほど」
嫁「マズイですかね?」
俺「う~ん」
親父さんから許可とるにしても俺と嫁はまだ曖昧な関係だし、そんな関係で旅行は許さないよね。
じゃあ、旅行前に嫁に告白してから親父さんに?それも何か慌ただしい感じだな・・
嫁は気にするなというが一度でも受け入れてくれた嫁両親を騙すのは俺が嫌だ
撮影数日前に嫁の買い物一緒にする約束したので、そのときに親父さんに許可もらうしかないな。
もし駄目なら嫁には悪いけど許可でるまで撮影旅行はお預けするしかない。
嫁に親父さんに許可もらうと伝えて買い物終わりに嫁宅にお邪魔することした。
嫁「絶対無理ですよ、俺さん殴られますよ」
俺「そうだよね。そうだと思うけど騙して嫁さんと二人で行くのは俺無理だから」
嫁「そこまでしなくても」
俺「いや、やっぱり親父さんから許可もらえるか俺が聞くよ」
俺「今回、殴られての止めないでいいから、親父さんが怒るのは仕方ないし」
嫁「・・・・でも・・・・じゃあ、撮影旅行諦めますよ。また今度で」
俺「でも、又今度のときも親父さんの許可必要でしょう?」
嫁「はい・・・無理しないでくださいね」
「嫁父と俺 パート3」スタートです。
買い物が終わって昼過ぎに嫁宅にお邪魔する。もう冷や汗流れっぱなしの俺
嫁も緊張気味で母親が二人共どうしたの?と怪訝そう
親父さんは居間にいるそうでちょっとご挨拶してきますと居間へ向かう・・・
コンコンとノックすると「おう、入れ」と親父さん
親父「おう久しぶりだな、晩飯食ってくか?」と上機嫌、でも手にゴルフクラブ持ってる・・・
俺「ご無沙汰してます。今日は親父さんにお話あってお邪魔しました。」
親父「ああ~何よ。」ゴルフクラブ扱いてるーーーーこえーーーー
俺「嫁さんの旅行の件なんですが・・・」
親父の目が変わったのがわかった、絶対これ殴られるなぁと覚悟した。
親父の目が変わったのがわかった、絶対これ殴られるなぁと覚悟した。
俺「その旅行ですが俺も一緒に行くことになってます。」
親父「聞いてないぞ。そんな話」
俺「はい、嫁さんも言いづらかったらしく今日、親父さんに許可頂きたく来ました」
親父「駄目だそんなもん!」
俺「はい、怒るのも当然だと思います。」
親父「そうだろう?お前だってそのくらい分かるよな。」
親父「お前だから殴らんけど他の奴なら殴ってるぞ」やっぱり殴るんだ・・・
親父「そもそも理解できないけどよ、カメラで撮影するのに泊まりこみで撮影する意味あるのか?」
親父「お前は男だけど嫁は女だからよ、一人で泊まり込みなんて許可したくないんだよ」
親父「それが男と二人でなんて心配に決まってるだろう?」
親父「親なんてそんなもんだ、少なくてもウチはそうだ」
俺「はい、そのとおりです。」
親父「親バカかもしれんが嫁は贔屓目にみても器量いいと思ってる」
親父「変な虫つかないか心配するのは分かるだろう?」
俺「はい・・・」
親父「まぁ、お前はよ、こうやって筋通そうとしてるし今までのクソ野郎達よりマシだよ」
親父「でもよ、嫁入り前の女と泊まり旅行させてくださいって言われて素直にOKできるか?」
親父「俺らはよ、嫁どこに出しても恥ずかしくない教育してきた自慢の娘なんだわ」
親父「お前も嫁と、そのなんだ旅行か?いくつもりならそれなりの段階?ってあるんじゃないか?」
仮に俺に娘がいて同じこと言われたら同じこと相手に言うと思う、殴りはしないけど。
親父「ぶっちゃけ、お前は嫁のことどう考えてるのよ?」
親父「俺から見れば嫁はお前のこと好きだと思うぞ?」
親父「お前はどうなのよ?」
嫁に言う前に親父に告白しなきゃいけないとは予想してなかった。
しかし、これは言わないとならないよな・・・
俺「嫁さんにはまだハッキリと伝えてませんけど俺も好きです」
親父「なんで嫁に言ってないんだ?」
俺「ヘタレというか・・・そのチャンスにビビってしまいまして」
親父「チャンスってなんだよ!お前なんか嫁にやったのか?」
俺「いえやってません。というかまだ数回しかお会いしてませんから」
親父「そんなものなの?」拍子抜けしたらしい
親父「まぁ、アイツも俺のせいか男運ないから遊び慣れしてないけど」
親父「お前もたいがい遊び慣れてないよな」
俺「すみません・・・」
親父「んで、今度の旅行で打ち明けるつもりだったのか?」
俺「そこまでは・・・撮影ありきの旅行なので」
親父「お前、ウチの嫁弄ぶつもりなの?」 すっげえ睨む
俺「いえ真剣なお付き合いしたいと思ってます。」
親父「俺にいってどうするんだよ、嫁に言えよ」
親父「旅行はダメだ、だけど撮影に二人で行くのは許してやる」
俺「へっ???」
親父「だからよ、その日に泊まり込みで旅行は駄目だけど撮影はOKしてやるよ」
親父「ちゃんと日帰りで帰ってこいよ」
嫁、居間に入ってきて俺の顔みてホッとした顔する、殴られてると思ってたらしい
親父さん、俺、嫁の三人着席
そこへ母親が4人分の珈琲と茶菓子もって参戦
母「おとうさん話し合いは終わったの?」
親父「話にもならないよ、なぁ?」と俺をみる
俺「はい・・・」
母「え~じゃあ、嫁と俺さんの結婚駄目って言ったの??」
嫁、驚いた表情で俺をみる、目がウルウルしてるけど。母親の勘違い発言だから
親父「ばか、結婚の毛の字もでてないよ、それ以前の話だ」
母「どういうこと?」
親父「こいつらまだお互いに好きとか言ってないんだってよ、いい年こいて笑っちゃうよな」
俺・嫁ともに顔真っ赤か・・・互いに非常に肩身が狭い
親父「それで今度泊まり旅行行きたいとか抜かすからよ、ダメだって言ったのよ」
母「あら~そうなの。。いいじゃない旅行くらい許してあげれば」
親父「駄目に決まってんだろう、恋人でもないのに旅行とかふざんなって」
親父「でも、まぁこうやって素直に言ってきたからよ、旅行は駄目でも日帰りならOKしてやった」
嫁「お父さんいいの?俺さんと出かけても」
親父「仕方ないだろうお前も行くってるしコイツならまだ安心できるからよ」
親父「ただし日帰りだぞ、約束やぶったらお前ら二人分かってるよな」
俺、タマヒュンした。
親父「お前、今日暇なのか?」
俺「はい、予定ないです」
親父「知り合いの窯場へ窯出しに行くけど付き合え」
俺「・・・・・はい」
嫁今日の予定は未定になっちゃったよ。。
母「○○さんのところ?私も久しぶりに行こうかしら?」
母「おとうさん、この間作ってた皿の受取に行くなら私もみたいな」
親父「おう、じゃあ母さんも行くか」
嫁「私もいく」
親父「なんだコイツとそんなに一緒にいたいのか?」
親父「母さんよぁ、どんなに可愛がっても娘は他の男にいっちゃんだな、男親は寂しいもんだよ」
俺・嫁ともに顔真っ赤アゲイン
母「あらあらw、いいじゃないお父さんには私がいるんだから充分でしょう?」
親父「おう」 ちょっと照れてる
ということで泊まりは駄目だが日帰りならOKの許可もらって嫁と撮影に行くことになった
窯場での出来事はとにかく和気あいあいだった、親父さんは俺が思ってたより俺のこと認めてくれていたらしい
夜は嫁宅で親父さんの料理を頂き食後は親父さんと出来上がった器の話して今度俺も一緒にやろうと誘ってもらえた
帰り際に
嫁母が「俺さんいつでも遊びにきてね、みんな貴方のこと大歓迎だから、ねっお父さんw」って言うと
親父「おう、いつでもこい、今度は陶芸一緒にやるぞ」と言ってくれた。
嫁はそれがとても嬉しかったと後日、俺に伝えてきた。
帰宅後は嫁と暫くメールして撮影の荷物や親父さんとの会話など色々と質問された。
肝心な部分は教えずにいたけど嫁は俺と親父さんが仲良くしてるので安心したとメールしてきた。
とりあえず撮影日を短縮して撮影予定も練り直して寝ることにした。
物わかりが悪いわけじゃない
親父さん自身が結婚した経緯も(なんとなく)想像つくわ
まぁ、昭和な漢って感じだな
一途で真面目で家庭大好きないい親父さんじゃないか
>俺「なんのこっちゃ?(心の声)」
>鈍感にも程があるw
夏目漱石が I love you を「月が綺麗ですね」って訳した有名な話を昨日テレビでやっていて思い出した。
それを彼女は分かっていて、月が出ていたならそう言っただろうけど、出てないから、月は~空はキレイですねって言ったのでは?
月が綺麗ですねについては当時は知らなかったってこともあると思うぞ
いくら有名でも、漱石の話をしたとかそういう前振りないなら普通の意味でとった方がいいと思うわ
つかお前ら自分の立場で考えてみ?
今じゃなくて付き合う前な
前振り無しで言われたら、内心期待しつつも普通に返すだろw
でも実際には嫁父は無理だ
普段どんなに良い人でも理性を抑えられず手を出すヤツはクズ
意味を知らない掛詞をしっかり覚えているとか
お前ら嫁と初デートで喋ったこと一字一句覚えてるか?
最初嫁の容姿は普通だったのにだんだん美化されていってるし
「月が~」の嫁発言について、ここのコメントで意味しりました。
鈍感の意味納得しました。
嫁がキレイになってるについて、これは恋は盲目補正ということでお許しください。
友人達にはキレイ、天然と言われることの多い嫁でございます。
実在なのか創作なのか、私含め嫁家族も実在しておりますが証明することもできませんので読まれてる方々でご自由に捉えて頂いて結構です。
長文ダラダラなのは私の文章能力の無さです、不快に思われる方もいると思いますが本日終了予定ですので今暫く書かせて頂ければ幸いです。
支援の書き込みして頂ける方々には本当に感謝の念しかありません。
kwskされてイザ書き始めるとこんなにグダグダと続くとは本人も予想外でしたが終わりまでもう少しお付き合い頂ければ嬉しい限りです。
嫁父について基本的にはぶっきらぼうで怖いです。
これは嫁と結婚した後も変わっておりません。
最初のときに殴られた以降は殴られてませんが雷は嫁共々、何度か落ちてます。
それを補ってあまりある面白いオッサンという事で私の中では納得の関係です。
ただ怒ると手が出るのは私も否定的です。
各自のセリフ内容について100%再現してるのか?と問われれば100%ではない箇所もあります。
地名や人物など変更してますし記憶が曖昧な箇所はこんな感じだった記憶を元に書いています。
親父さんに関してはほぼ100%に近いと思います、とにかく会う時は緊張しますので記憶に残りやすいのかと、同じ意味で嫁の天然発言なども記憶に残っているのでそれも100%に近いと思います。
まとめて簡潔にと推敲しましたがやはりダラダラとなっております。
余計な分は省きましたが結婚までに
「嫁と俺」、「嫁と父と俺」、「結婚式とその後」という形に分けて投稿予定です。
グダグダ文章を笑ってお付き合い頂ければ嬉しいです。
嫁父の許可を得て嫁と日帰りで撮影に行けることになり3月頭にいつも場所へ出発した。
今回はできるだけ早く到着して長く滞在したいという嫁の希望で早朝出発となった。
朝4時に嫁宅へ嫁迎えに行き出発。
今回は撮影地まで片道2時間くらいかかるので嫁の体力が心配だが嫁本人は大丈夫と言ってる。
もし途中で疲れが見えるようなら撤収という事で撮影地へと向かう、天候は晴れ早朝なので空気も澄み渡り気持ちのよい朝。
嫁は朝から元気で久しぶりの撮影が楽しみのと車内でずっと言ってた。
いつもの場所まで駐車場から1時間で到着、休憩を取りシカの撮影場所まで更に1時間で到着、3月に入ると雪の量も2月より少なくなっているが、所々ベタ雪で重い。
8時半まわったくらいで撮影場所に到着予定より少し早いくらいのペースなので休憩用のテントをひとつ張る。
今回は泊りはないので休憩テントひとつに昼用の食事と万が一の場合を考えた非常食を少々用意した程度の軽装備
テント張ってカメラ設置してあとはシカが出るまで待つだけなのでまったりとしてる。
嫁はお湯沸かして珈琲用意してくれている。
動物撮影だからあまり匂い出るのは好ましくないけど今日はいいかと嫁から珈琲をもらう。
嫁「シカ出るかなぁ?」
俺「出るといいねぇ~せっかく来たんだから」
嫁「ねぇ~シカ可愛いよね、子鹿とか可愛すぎる」
その後、俺がシカは農家や林業にとっては獣害対象で定期的に数減らすため駆除される対象だとか鹿肉は赤身で焼くとパサパサした食感とか言って嫁に怒られる
嫁にとっては待ち望んだ撮影だったが最後までシカが現れることなくタイムアップ。
かなり不満だったようでもう少し粘りたいと言ってたが帰る時間を逆算するとそろそろ帰らないとマズイので帰り準備を始める
結構、本気な勢いだった最初は笑って流してたけど雪玉ぶつけるのが途絶えないので振り返る。
嫁「私とお父さんとの約束どっちが大事なの??」と雪玉ぶつけてくる
これはアレだな、結婚すると夫が必ず嫁に言われる「私と仕事どっちが大事」と同じ類いだなと真剣な嫁をよそにちょっと面白かった。
が、嫁にはちっとも面白いことではなくこの後、嫁は無言となる。。。
やっちゃったかな?と思ったときは既に遅し、休憩場所までの1時間、嫁は無言を貫きとおす。
嫁は普段は朗らかで気遣い上手で天然な人だけと怒ると親父さんの遺伝が目を覚ますのか怖い、親父さんが威圧する怖さなら嫁は静かなる怖さだ。
どっちも俺は怖い
休憩場所について俺はリュックを降ろして休憩するんだけど嫁は休憩しようとしない。
俺「休憩しないの?」
嫁「しないです」
俺「まだあと1時間はかかるから休憩しよう」
嫁「いいです。」
俺「・・・・・・・」
俺、珈琲の準備する。
俺「さっき嫁さん作ってくれたから今度は俺作るね」
嫁「・・・・・・・」
俺「少し休んだほうがいいよ?」
嫁「・・・・・・・」
嫁「俺さんは私よりも父との約束の方が大事ですか?」
あれ?まだそこに拘るんだ?
嫁「私達は成人して働いてるし自由にしてもいいんじゃないですか?」
嫁「父のことは私も好きだし尊敬してるけど何でも父のいいなりはイヤです」
以前、嫁が遭難したとき嫁と父親の関係がギクシャクして嫁も変に意地はってる時期があったと嫁母から聞いたことあったけど、これがそうなのかな?
嫁「私もっと俺さんとの時間欲しいです」
嫁、涙目。
遭難したとき親父さんに殴られたとき嫁の泣き顔はブッサイクだと思った。
今の嫁の泣き顔はキツイなぁ。。
すごい泣かせてる事に罪悪感を感じてしまう。
俺「ごめん。俺も嫁さんとの時間ほしい」
嫁「・・・・・・・・・」もう泣き状態
俺「えっと、だから今、一緒にここで話しませんか?」
嫁「・・・・なにを?」
俺「前に気持ち確認してからと言ったけど覚えてますか?」
嫁、うなずく
俺「だから今、時間くれますか?」
嫁、こっちに来る
嫁、俺のとなりに座って顔の涙を手で拭いてる
嫁「いまこっち見なさいでくださいよ、私ひどい顔してるから」
俺「最初に会ったときの顔みてるから平気w」
嫁、腹にグーパン軽くしてくる。
嫁「よっし!OKです。」とこっちを向く
目が赤いけど嫁の目はやっぱり特徴的な目で印象に残る。
俺の視線が嫁の目とあってやっぱりドキドキしてくる。
嫁「はい」
俺「以前、伝えたように気持ち固まったのでお話します」
嫁「はい」
俺「2年ちょっと前にここで変な出会いから始まって今、同じ場所に二人でいるのは凄い縁だと俺は思います。」
嫁「はい」
俺「素直にいいますが正直、最初や電話もらった時、よい感情ありませんでした。」
嫁「ごめんなさい・・・」
俺「でも、2回、3回と会うたびに嫁さんとの時間が楽しいと思う自分がいて」
俺「それからは嫁さんとずっといたいと思う自分に気づきました」
嫁「・・・・無言」
俺「つまり・・俺は嫁さんが好きです。大好きです。」
嫁の反応がない・・・・
ずっと俺みてる。
そのうち嫁の大きな目から涙ポロポロ流れてきて
嫁「わたしも、わたしも俺さん大好き」
嫁「私だけ空回りしてるのか不安な日もあって、でも俺さんいつも優しくて」
嫁「俺さんに好きって言われて幸せです。」
嫁「私でいいんですか?ホントにいいんですか?」
俺「お願いします。嫁さんずっと俺と居て下さい」
嫁「それはプロポーズですか?」大きな目を見開いて聞き返してきた。
嫁「会ってまだ期間も短いし私泣き虫だしヤキモチ焼だし・・・」
好きからプロポーズは正直、勢いもあったと思う。
でも、嫁が泣き虫なのもヤキモチ焼もとっくに知ってる
期間が長ければ分かりあえるのか?それなら俺はとっくに元カノと分かり合えてたはず
嫁とはホントに短い期間だけど俺は嫁の仕草や表情、気遣いの心とかその全てが好きだ
本当に分かり合える人なら期間なんて関係なく分かり合えると思える相手が嫁だ。
俺「嫁さん、俺達は長い付き合いじゃないけど、その代わり深い付き合いだと思ってる」
俺「だから嫁さんが好きです。俺と結婚してください。」
嫁、固まる、俺弱気になる
俺「あっ、もちろん結婚については考えてからのへn・・・」
嫁「私も大好き!」
嫁が抱きついてきた!いや抱きついてきたではなくアレはタックルだった。
反動で俺後ろに倒れて嫁が覆いかぶさる格好になった。
ちょうど嫁の声が俺の耳元で聞こえる感じ
嫁「私も俺さん大好き、俺さんのお嫁になります」涙声で言ってくれた。
俺、嫁の肩に手をまわして抱き合う形になって暫し無言
嫁が上体おこしてようやく二人共たちあがった。
なんとも照れくさくて顔見るのが恥ずかしいけど嬉しい気持ちで満たされてた。
なんとなく視線があって嫁が目をつぶった
俺なんのためらいもなく嫁とキスした、時間にして数秒、数十秒?
キス終わると二人とも顔真っ赤で大いに照れた。
2年前に遭難した嫁を助けた場所で今、嫁にプロポーズしてそして嫁がOKだしてくれた。
そして嫁とキスしてる。
ホントに偶然が重なった縁が繋がったんだと思う。
帰り道中に嫁が驚きの発言をした。
嫁「俺さん」
俺「はい?」
嫁「わたし初めてでしたよw」
俺「???」
嫁「初めてのキスの相手は俺さんですよ~」
俺「え~~~」
つまりそういうことだ。
これが「嫁と俺、俺のプロポーズ」でした
以前より変わった点は週末に嫁が炊事洗濯すると言ってウチに来る機会が増えたことで嫁両親にも特に何も言われず二人なりの時間を重ねていった。
パンツ脱ぎの人達の期待に答える展開になりかけた事もあったが嫁が結婚まではという考えの女性だったので尊重した。
だからパンツは履いてください。
嫁との関係も良好でプロポーズもOKシてくれたけどご両親には付き合ってると報告しただけでまだ伏せていた。
冬から春へ季節が変わり俺もそろそろ身を固めようと思い始めた
もう一度、嫁に気持ち確認すると怒られた。
何度も聞かなくても変わらないからと、確かにそんな嫁がますます好きになった。
嫁に近い週末、自宅へご両親に挨拶にいきたいと伝えるようお願いした。
嫁「いよいよですか?」
俺「うん」
嫁「ドキドキしますね」
俺「親父さん怖い・・・・」
嫁「今更??」
俺「大丈夫、ちゃんとお願いする」
俺「都合の良い日を聞いてもらえる、俺が両親に話あるって」
嫁「わかりました、ドキドキするね」
嫁は気楽だった、俺は慣れたとは言え親父さんから怒鳴られるのは間違いないとびびってた。
すぐに嫁から電話がかかってきた。
嫁「伝えたよ、あのね・・明日来いってお父さんが」
俺「明日??気持ちの準備が」
嫁「なんか苦虫噛み潰してる顔?だったよ」
俺「こえーよ」
嫁「お母さんはね明日の料理盛大にしないとって買い出し言ったよw」
俺「ありがたい話だね」
嫁家へのお土産とか買いにいって慌ただしくその日が過ぎた。
翌日、今までの人生で一番緊張して迎えた朝だった。
嫁ご両親が昼頃に待ってるということでスーツを着て身支度整えお土産もって家を出た。
運転中からのどが渇いてお茶のみつつ嫁宅へ向かう
嫁宅到着、何度もお邪魔してるけど今回は緊張の度合いが違う。。
チャイムを鳴らすと普段よりちょっとオシャレ?した嫁が笑顔で迎えてくれた。
遅れて母親が迎えてくれた、母親もちょと小奇麗な感じの服装で否が応でも今日が何の日か嫁家族も分かってるようだった
俺「今日はお時間割いて頂きありがとうございます。」
嫁母「な~にそんな改まっちゃって、スーツ姿も悪くないわねw」
嫁「ねっ、似合うって言ったとおりでしょうw」
俺の緊張とはまったく関係なくこの母娘はいつもマイペースだ。
俺「あの親父さんは・・・」
嫁母「それがねぇ、今朝になってから窯場行くとか言い出してw」
俺「ご不在ですか?」
嫁「ううん、いるよ。私とお母さんで居間に押し込めてる」
俺「あっ、そうなんだ」
俺「それではお父さんとお母さんにお話があるので宜しいでしょうか?」
嫁母「いよいよね。ドキドキするわw」
この嫁母はどんな時もいつもマイペースでこの人だから親父さんと上手く行ってるんだとホント思う。
嫁母「おとうさん、俺君よ~」
普段と違いスーツ姿の俺を睨んでフーっとため息ついたのが今も記憶に残ってる。
親父さん=嫁母
俺=嫁
という感じで向かい合って着席、俺が持参した手土産を渡そうとすると親父さん
親父「何だそれ?」
俺「つまらないものですけどお茶菓子です」
嫁母「そんな気をつかわないでいいよのw」
親父「けっ」
俺、嫁、嫁母 VS 親父の雰囲気になってきた。
親父「んで、今日は何のようだ?スーツに合わないな」
嫁・母「似合ってるじゃないw」
親父「けっ」
親父「だからなんだよ改まってよ」
俺「はい、娘さんとおつ・とと・・・・お付き合いさせて頂いてます」
親父「知ってるよ、だからなんだよ。」
俺「はい、お付き合いしていますが嫁さんにプロポーズしてOK頂きました。」
俺「今日はご両親にその報告と嫁さんとの結婚を許して頂きにきました。」
俺「・・・・・・未熟者ですがお嫁さん幸せにしますので結婚させてください」
俺、たちあがってご両親に頭さげた
となりにいた嫁も立ち上がって俺の手をにぎって頭さげた・・・
沈黙が続く・・・・生きた心地がしない。
親父「まっ、二人共座れ」
俺・嫁着席
親父「嫁、お前はこいつでいいのか?」
嫁母「お父さん俺君に失礼でしょう。」
親父「嫁に聞いてる」
嫁「はい、私は俺さんの嫁になります」
母親、涙腺崩壊
親父「お前は?嫁でいいのか?」
俺「はい、嫁さんと結婚させてください」
親父「幸せにできるのか?」
俺「贅沢はさせられないけど幸せにします」
親父沈黙
嫁・母涙腺崩壊中
すすり泣きと鼻水すする音が聞こえる
親父「お前の幸せって何だよ」?言ってみろ」
俺の欲しい幸せは・・・俺の欲しい幸せは・・
俺「俺の幸せは嫁と子供と楽しく生きていくことです」
親父「それがお前の幸せか?」
俺「はい」
親父「それがお前の幸せか?」
俺「はい」
嫁・母大号泣、つられて俺も涙目
親父さん目瞑って思案中??
親父「俺、嫁が生まれたときは絶対幸せにしてやるっておもってよぉ」
親父「母ちゃんと一緒に一所懸命に働いて子育てしたよ、だから嫁の婿も簡単に認めるつもりもなかったしよぉ」
親父「変な男は絶対許さないつもりで嫁には嫁にふさわしい婿探して結婚させるつもりだったのによぉ・・・」
ちょっと沈黙してお母さんの肩たたいてから
親父「母さんやっぱり俺たちの嫁だよな。。。嫁にふさわしい婿自分で捕まえてきたよ。」
親父「仕方ないよな、仕方ないよな。嫁が選んだのコイツなんだから文句つけようないもんな」
俺もうこの辺で号泣寸前、嫁母は親父さんの手にぎってウンウンいって
嫁はもうずっと泣いてる
親父さん俺をみて
親父「ふつつかな娘ですが一所懸命育てました、どうぞ宜しくお願いします」って頭さげた
俺もう号泣と鼻水で過呼吸ってくらい息苦しい
俺「あり・・あり・・ありがとうございます」って言うのが精一杯だった
その後、4人ひとしきり号泣タイム
幸せにしてくだしゃい・・・
ひとしきり号泣タイムが嫁母、親父さん、俺の順でおちついても嫁は泣きやまない
嫁母がもう泣き止みなさい、おとうさん結婚ゆるしてくれたよって言っても泣きやまない
俺、持参したハンカチ嫁に渡して涙ふくように伝えて泣き止むの待つ
皆、目が真っ赤かで特に嫁はすごかった
嫁母がちょっと洗面所に嫁つれていくと二人退席した。
居間には泣きはらした顔の俺と親父さん二人、気まずい
親父「まっ、ウチの娘ああいう泣き虫だけど宜しく頼むわ、もうお前に任せた」
俺「ありがとうございます」
この頃には親父さん元にもどりつつあって
親父「んで、もう嫁とやっちゃったのか?」
俺「いえやってません」
親父「なんだやってねぇの?」
俺「はい・・・・」
親父「まぁ二人共分別ある大人でもう結婚許したんだからいいけどよ~」
親父「結婚式で嫁の腹に子供とか勘弁してくれよw」
親父「すぐに爺ちゃん婆ちゃんって呼ばれるのも嫌だしよ、楽しみは先のほうがいいから」
俺「分かりました」
嫁・母 居間にイン
その後は4人で楽しく話して無事終了、親父さん許可の元で嫁が家に初めて泊まりにきた
けど・・・・・結婚前はと嫁と約束したのでまな板の上の鯉状態の夜だった。
嫁は墓へ供え物とホウキとバケツと雑巾をホームセンターで購入してきた。
両親と親戚が眠る墓に到着した嫁はまず墓の掃除はじめた。。。
俺も手伝うよって言ったんだけどこれが私のご両親への挨拶代わりだからって笑って掃除してくれた。
ホントにこの嫁さんと出会えてありがたいなぁと嫁とそのご両親と俺の先祖へ感謝の気持ちだった。
掃除終わった墓に供え物おいて二人で両親へ結婚の報告した。
結婚するよ!と会社の人に報告したら社員は驚き長老とトミさんは号泣してくれた。
その後、会社の人達の音頭で嫁お披露目会のようなものが行われ若い社員から冷やかされまくった
トミさんと長老は両親他界後の親代わりみたい人達だったから二人とも嫁を気に入ってくれて何よりだった
結婚式は俺が親族いない事もあるので身内
(嫁ご両親と直近の親戚、親代わりとして長老とトミさんと長年お世話になってる取引先の社長ご夫婦)
で行われた。
二次会は嫁友達や俺の友人、会社の人間とか参加して祝ってくれた。
結婚式はとくに出来事はなくて嫁が相変わらず泣き虫で親父さんも泣いたりとそのくらいだった
新婚旅行は嫁の希望で翌年の2月まで延期だった。
仕事も忙しいのもあったし出来るだけ嫁の希望汲んで旅行しようと思ってたから。
その後は平穏で穏やかな日々で俺は充分幸せで嫁も事あるごとに「幸せですね~」と言ってくれた。
やっぱり嫁が初めてだから馴染むまで(どこかは聞かないで)
3日に渡るトライで夫婦になった。
自分の嫁のこと書くのは気恥ずかしいので掻い摘みで許してくれ。
嫁は着痩せするタイプで胸はEだ、お椀型のそれは見事なものをお持ちです。
最初の1年は真っ暗にしないと無理で今もほぼそうです。
これで勘弁してください。
ここまでの出来事が8年前のことで今、俺は38歳を迎える、嫁は29歳になった
親父さんは相変わらずだけど偶に出来た器お土産に持ってきてくれたり魚持ってきたりして遊びに来る
俺達夫婦も月1ペースで嫁自宅で飯食ったりしてよい関係だと思う。
結婚して6年目で俺達もご両親もそろそろ孫をと熱望したのだがなかなか授からず嫁は悩んでる事も多かった。
これの書き込み始めたきっかけが俺達夫婦に待望の赤ちゃんが授かったと嫁から報告があり
有頂天気分でつい書き込んだのがこのグダグダ投稿の始まりだった。
適当なところで終わればと思ってたけど支援のお陰でなんとか最後まで書ききれました。
長文で中には不快な思いした人もいると思いますが初ベビーで浮かれたバカ夫の行いと笑ってお許しください。
数日前に嫁ご両親に妊娠報告に行ったら親父さんお母さんはもう完全に浮かれていた。
この世に生まれる我が子を喜んでくれるご両親には感謝しかない。
嫁は出産前、出産後も大変な時期を過ごす事が多くなるけど嫁とご両親に約束した
俺「俺の幸せは嫁と子供と楽しく生きていくことです」を死ぬまで守るため新パパは頑張ります。
最後までお読み頂きありがとうございました。
④、感想の全てが励みとなり無事完走となりました。
「遭難した女を見捨てたら結婚した」これで終わりです!
ご懐妊おめでとうございます
奥さまを大事にしてください
孫や曾孫に囲まれ老衰で安らかに死ぬ呪いを掛けておくw
子供と嫁さんと幸せに!!
これからも、皆さん末永くお幸せに。
俺が嫁家に挨拶に行ったときはもっとあっさりしてたなぁ。
俺が噛み噛みでしどろもどろになってるうちに、嫁父がニヤニヤしながら
「娘をよろしく」
と言ってくれた。
そこは男同士、嫁父にも経験があることなので、俺の崩壊ぶりを見ていられなくなったのだろうと推測する。
俺が挨拶に行った時はもっとあっさりしてて、俺が何も言わないうちに義父さんに「結婚したら二人で頑張れよ」と言われた。
それを聞いて義母さんが「まだ何も行ってないのにお父さんまるで猫の子でもやるようなことを言うな!」と怒ってたのが印象深くて覚えてるなぁ。
またもや中途半端に起きてしまいスレ覗いてしまった
数多くの完走乙と嫁妊娠への祝福コメントにお礼を書き込めずにはいられなかった。
コメント頂いた方、長文ダラダラ文章お読みくださった方、全ての方に感謝いたします。
本当にありがとうございます。皆さんからのコメント大事に嫁と生まれてくる子とご両親と暮らしていきます。
ちょっと番外編というかコメにあった「トミさん姪」と「新入社員O君」の近況について
姪ちゃんとO君は会社の嫁ちゃんお披露目会で幹事役をやった縁で付き合うことになり
O君三回振られて四回目で姪ちゃんからOK頂き交際、3年前にご結婚されました。
今もO君はウチの社員としてバリバリ働いています。
姪ちゃんは現在、専業主婦です。
姪ちゃん妊娠6ヶ月でウチの嫁が3ヶ月です。
同じ年ということもあり二人は親友になりました。
姪ちゃんと嫁で二人の子が将来結婚したら私達家族だねぇ~とか今から言ってます。
もしそんな奇跡が起きたなら何十年後かに書き込みするのもいいかな?とか思ってます。
皆様も数多くの幸せが訪れること願ってます。
それではROM専に戻ります。