車に突っ込まれて1週間の意識不明の重体。俺がバイクで相手が車のノーブレーキ追突事故だ。
結論から言えば、相手の速度超過にカップルが乳繰り合っていてのよそ見が原因の事故だった。
ところが俺が意識不明の間に、そのカップルは俺が車の横から抜いて急にブレーキをかけたとか証言していた。
もちろんそんな事実は存在しない。しかし、警察側は目撃証言もそういう風になってるしと曖昧なことしか言ってくれない。
もちろん俺は猛抗議したけど、三流大学の法学生は基本的に馬鹿です。
法律なんて憲法が一番強いとかいう風にしか認識していないレベル。
俺は警察署からの帰り道に大学に行き、泣きながらゼミの教授に相談した。
この教授は、結構歳がいっている爺さんだったんだけど、すぐに緊急の法学教授会を開いてくれて、様々な協力体制を作ってくれた。
ただし、アドバイスはするけど、これも勉強だからという理由でゼミの課題となり、この事案をゼミ生で解決するようにという指示が…
幸いなことにゼミ生の皆は俺に協力してくれた。
実況見分調書などを取得して、事故現場を写真で撮ったり、目撃者探しをしたり、警察・検察に何度も足を運んで再捜査の依頼書を書いたり…etc
その結果、目撃者は、運転手の友人の友人であったことが判明し、偽証罪ということで全員逮捕(警察がちゃんと調べてくれた)
本当の目撃者はこちらで見つけ出して、本当に第三者であることを証明した。
さらには道沿いのマンションの防犯カメラから、俺のバイクが進行した後に速度超過の車が通り過ぎる映像も警察が見つけ出してくれた。
その結果、相手は逮捕されて、悪質ということで交通刑務所行きになった。
散々相手の保険屋は、俺が悪いとか言っていたけど、手のひらを返したように全額支払い。
物損も市場価格をサーチして、一番高額なのを送ったらその額で支払ってくれた。
その時に喫茶店で、教授と俺と俺の父も交えて話をしたんだが、この時の教授の言葉が今でも忘れられない。
「親が子を庇いたくなるのは分かります。世間体とかもあるでしょう。
しかし、子が間違いを犯したときに、それを身を切ってでも、親はそれを、叱り、注意し、防止策を教え、二度としないように約束させなくてはならないのです。
ところが貴方のお子さんはそういう教育を受けておらず、間違いを認めず、隠そうとしました。それがとんでもなく大きな間違いであることを教育しなかったのは誰ですか?
お子さんの今後の人生を心配しているようですが、俺君の人生はどうするのですか?
貴方のお子さんの間違いが、一人の将来ある若者の人生を狂わせようとしているのです。
まずは誰が悪いのかよく考えてから、俺君を尊重し、話し合いの場を設けるのが普通です。
貴方のお子さんとよく話し合ってから、最初に何をすべきかを考えて下さい」
ところどころうろ覚えだけどこんな感じ。
本当にこの教授はすごいなと思った。
この親たちは何も言ってこなかった。
保険屋から約2千万の賠償金を受け取ったけど、今でも後遺症が残っている(走れないレベル)
それでも日常的に生活できるし、あの事故のことがきっかけで、ゼミ生の3割が警察官という道に進んだ。
1人は時間はかかったけど弁護士になってバリバリ働いている。
俺も具体的な職は言えないけど、交通安全関係の仕事をしている。
今年で教授がお辞めになるということで思い出話にカキコ。
すばらしい
超すばらしい
>>80ありがとん
ドラマにしてほしいぐらい良い話!