私には一回り上の従姉妹(=筆ちゃん)がいます。
大学を卒業した後もバイトしながらセミプロみたいな感じで描き続けた。
見た目は不潔とかピザではないけど、地味で大人しく引きこもりがち。
なもんで、昔っから親戚がやいやい意地悪を言っていた。
曰く、そんなんじゃ誰からも愛されない、夢見がちなオタク、
犯罪だけは勘弁してよね~、アナタってどうしてそうなの?等
皆で一緒になって、ちくちくネチネチ。人前で貶める。
筆ちゃんはそういう時いつも下向いて黙ってた。
しかし実は私の方こそ重度のオタクであった。
隠してはいなかったけど、ぱっとみ普通なのでなにも言われなかった。
自分で描いたりは出来ないので、筆ちゃんをとても尊敬していた。
素人が偉そうに言うのもなんだけど、物凄く才能があると思ってた。
BLとか萌え~とかいうんじゃなくて、なんか、独創的?面白かった。
ウチの両親と筆ちゃんの両親は仲が良かったので行き来も多く、
今は限りなくニートかもしれないが絶対いつか日の目を見るよ!と応援してた。
あ、ニートと言ってもバイトと漫画で最低限は稼いでたし家にお金入れてたよ。
それも半端な認められ方ではなく、ある日突然、ドカン!!ときた。
知ってはいたけど凄いね、あの業界。ホントに一夜にして人生が変わる。
いや比喩だけど。でもそんな感じ。
時を同じくして筆ちゃん結婚。年下のこれまた大金持ち。ずっと付き合っていたそうだ。
結婚式は年齢的にもやらないそうで、親戚を招いてのお食事会だけ。
筆ちゃん家族は、ウチと祖母だけ招くつもりだったそうなんだけど
聞きつけた親戚一同が「何故我々を呼ばない!」みたいな感じで付いてきた。
おめでとうの言葉も殆ど言わず、開口一番
「これでウチも安心だわー!」
「娘夫婦に万が一の事があったときはお願いね☆」
「その年じゃ子供はもう無理じゃない?
ウチの姪っ子を自分の子供と思ってさぁ、ね?わかるでしょ?」
「うちもお願い!バイオリンやらせたくて」
「アナタを育てたのは私たちみたいなものなんだし」
「あ、なんだったら私たちがプロデューサーやってあげる」
「筆ちゃんはつまんない人間だから、なにも思いつかないでしょ?」
「社会経験豊富なうちの息子がお話作ってあげるわよ!」
「実はウチの娘も作家活動に興味があってね」
「つまりさ、一族皆の共同作品ってことにすれば良く無い!?」
「それってお給料とかどうなるのかな?」
「著作権!著作権!」
「いやだぁ~私、この年で作家先生になる訳?照れちゃう」
「職業欄は著述業って書けばいいのかしら」
「村上春樹とは友達になれそうだと思ってたのよ」
まぁ言うわ言うわ。オバオジイトコ混じって総勢10人以上で。
呆れるのは、ここに至ってまだ筆ちゃんをこき下ろす発言をする事。
せめて媚びてくればねぇ。可愛げもあるってもんだけど。
「尾田栄一郎とか紹介してよ!私再婚するからさ!」と。ガクー。
それをきっかけに、私や筆ちゃんと同世代(つまりイトコ達)家庭が、
自分の人生再構築案を口にし始めた。金くれ!じゃ無くて、なんか
本当に人生やり直したいみたいな切羽詰まった感じ。
何のこっちゃと思ったら、イトコ達は殆ど結婚して子供がいるんだけど
各家庭、内部崩壊してた。(私だけ年が離れててまだ学生)
公務員と結婚したイトコ(尾田狙いwの)は、旦那の借金が発覚。8桁。
賢い専業主婦を貰った筈のイトコは犯罪的メシマズ嫁で子供病気。
数年前に祖父が他界した時に均等に配られた遺産(結構な額)はスッカラカン
他にも、もうボロボロ。
結局筆ちゃんに言い続けた事罵詈雑言は「自己紹介乙」だった訳だ。
知るかばーかああご飯が美味しい!って言ってやりたかったけど、
まぁ確かに親しくしていた親戚には違いない。私も筆ちゃんも
小さい時には面倒を見てもらった事もある。お年玉だって貰ってた。
普段から非常識な行動をとる人たちではない。
そんな訳で、最低限の援助はする事になった。
特に借金旦那やメシマズ嫁なんか、逆に威張り始めて。
尻を拭いて貰った事で自分らの方が優位だと勘違いしたんだろうね。
しばらくは保ったけど、最近になってまたクレクレ病が再発。
おそらく子供(オバ達にとっては孫)の学齢が上がってきて、
お金が無くなったんだろう。
イトコになぜ筆ちゃんがくれたお金を貯金しなかった?と聞いたら
答え「毎年夏はディズニーに皆で連泊するのが我が家のしきたりなの!
ミラコスタ良いよぉ。で、今年はフロリダ行こうと思っててぇ。」
60代で好景気世代に育って能天気なオジオバはともかく、
不景気な次世代にまで同じ感覚が受け継がれちゃってるんだな…。
なんで気付かないんだろう。もう無理だって。
しかし本格的に忙しくなった筆ちゃんには
もはやアホな親戚に割く時間はない。
意地悪しているんではなく、本当に関わってる時間がない。
膨大なお金の管理も、専門の人に任せてる。旦那さんは筆ちゃん激ラブ。
なわけで馬鹿な事言っては税理士さんに追っ払われる日々を送る
セコケチな私の親戚の話でした。
ちなみに私は筆ちゃん出世の折りに「サインが欲しい」と言いました。
以来、新刊が出るたびに絵付きのサイン本を送ってくれます。幸せ!
大人のくせにアホ過ぎる親戚達と、学生なのに周りの誰よりまともなあなたとの落差に泣けた。
筆ちゃん夫婦とあなたがもっと幸せになれますように。
寄贈本も良いけど、本屋でも買ってやれ
今はそれで済んでいてもあとでデカイ問題になる
きちんと縁切りしろ
まるで兄のようだ。
自分もずっと牛さんで読んでいた。
アニメ化した辺りから親戚は目覚めたんじゃないかな。
勿論本屋さんでも買ってます。
ランキングに計上される大手書店で毎回10冊買ってるw
筆ちゃんの事は友達にも誰にも言ってない(本人嫌がるだろうし)が
やっぱり、自分にとっても誉なので買う時は嬉しい。
そういう意味では私もアホ親戚とあまり変わらないんだ…。
処置が甘いのは私も感じてます
イトコ子達が大きくなるこれから、色々問題が出てきそう。
何ひとつ家事をしない嫁とか返せない額の借金こさえる旦那、
人付き合いが一切ない家庭とか、挨拶出来ない10歳とか。
お金以上に、もっと深い問題が出てきそうで怖い。
それでも表面的には上手くいってるように見えるんだよね。
親戚たちはもう筆ちゃんに近付くことも出来ないかと思う。
漫画家は親戚がトチ狂って金の管理をしだして崩れる事が多いらしく
編集や回りの人達がその辺をビジネスライクにガードしてる。
最近は私に筆ちゃんとの間を取り持つように言ってくるけど
(あなたはお小遣い貰ってるんでしょう?ずるいわ分けてよ、とか)
「おばちゃん、筆ちゃん嫌いでいつも苛めてたのにお金だけ欲しいの?
すっごい図々しいねー!物語の悪役みたい!」って言ってますw
アホなフリして本音を言う、末っ子の特権使ってます。
筆ちゃん宅にアシスタントをしたいという名目で侵入、
が、そのDQNぶりにスタッフに叩き出されるという事件や
イケメン金持ちの筆夫を誘惑して摘み出されるなどの事件がありますw
そして何を勘違いしたか妻子持ち従兄弟(38才)が
芸能人になるといって会社を辞めました。俺にも才能がある、だそうで。
ちゃんと筆ちゃんを見ていれば、凡人の私達との違いが如実に解って
真面目に生きようと思えたはずなのに…。
人を蔑ろにすると結局自分に返ってくるんだなあ。
きっと筆ちゃんにとっては貴女も心強い存在ね。かっこいい
これからも筆ちゃんの良き親戚で居てあげて下さい。
他の親戚酷過ぎて可哀想過。