そろそろ受験する高校を決めなければいけない時期だ
周りがどんどん進路を決める中、主人公はいつまでもうだうだ結論を先延ばしにしていた
交通事故であっさりタヒんでしまったのだ
何かに打ち込む訳でもなくダラダラした時間がすぎていくだけ
いや、何かを成し遂げないだけじゃない
面倒事があればその場しのぎその場しのぎの言い訳で先延ばし先延ばし、
結局最後まで自分の行く高校すら決められなかった
あたりは一面の草原
そばには幼女
彼女いわくここは天国らしい
どうやら主人公は本当にタヒんでしまったようだ
振り返ると怪物
怪物達は本能の赴くままに襲いかかってきた
本を開くとそこからビームが
本を使って怪物に応戦する幼女
ただただ腰を抜かすだけの主人公
下界での一生とは天国で生き抜く術を得る為のものだったのだ
幼女は主人公に問いかける
「私の力は下界での本への思いが発現したもの、あなたにも自分だけの力があるはず」
だが主人公は自分の一生にそんな大層なものは思い当たらなかった
絶対絶命のピンチ
だが幼女の本のビームを推進力に二人は間一髪怪物の攻撃をかわす
「熱線で助かりました……、止血の心配がありません」
強がる幼女を見て自分に絶望する主人公
これは自分が下界で下らない人生を送ってきたせいだ
怪物にまでそれを指摘される主人公
「お前なんか無視してガキ一人なら逃げられただろうに」
「下界だけじゃなく天国でも最低の人生だったなwお前は」
これに幼女はブチ切れた
だが怒りの矛先は怪物ではなく主人公だ
「下らない人生なんてない」
「全ての人には自分を愛する義務がある」
「自信がもてなくたって構わない、他人に何を言われたって気にしなければいい」
這いつくばりながら主人公の胸ぐらを掴む幼女
「でも」
自分で自分の人生をけなすのは許さない」
「あなたが愛さなければ
その人生は本当に意味のないものになってしまう」
努力しなくてすむように
面倒な事はさけて
楽な道を選んで
決めなきゃいけない事しなきゃいけない事を全部先送りにして
嫌な事から逃げて逃げて逃げて
ずっと
その場しのぎで生きてきたんだぞ?
……それでも
愛してもいいのか?
主人公の背中には羽
幼女を抱えて逃げる
だがすぐに追いつかれてしまう
旋回して幼女の本のビーム
この位置なら全ての敵が射線上に入る
だが敵の親玉の金属の体はビームをはじいてしまう
射線上にいた巨大な怪物がビームの衝撃で親玉もろとも湖に倒れこむ
本のビームは熱線
親玉は巨大な怪物が着ていた鎧に溶接されてしまう
現状だけでも切り抜ける道を探し出す能力だった
改めて自己紹介をする2人
主人公は幼女とともに彼女の足を直せる能力者を探す旅に出る事にした
おしまい
勢いで書き始めたから途中から内容完全に忘れてたし直したいとこタヒぬほどあったし晒すんじゃなかったw
前回賞にだした現代ものの能力バトルの結果が載る号が発売された
俺もついにデビューだぜ
そう思って雑誌を開く俺
だが一つ上の賞なだけだった
デビューするにはもう一つ上の賞をとらなければならない
まだデビューできないのか……
今回は嬉しさより悔しさの方が大きかった
また編集部から電話がかかってくる
だがどういう事なのか
担当ではない別の編集なのだ
困惑する俺
当然その事を質問する
それに対する答えに俺は更に困惑する事になる
「ああ、アイツ会社やめたから」
晒した話に言い訳はしない
あの頃は真剣に描いたネームなのだ
まあこれに対する今後の展開がいくらかは物差しにもなるだろう
年表は調べたら初めて受賞したのが2009年の頭だった
俺も日記つけてた訳じゃないから時間経過はホントなんとなくの記憶で書いてる
ただ秋葉原の事件の話したのはハッキリ覚えてるからそのあたりと当時の雑誌が残ってる受賞した作品の周辺は正確なはず
最高にカッコイイ
どうやら現代ものの能力バトルが出来た際に連絡した時には既に前の担当は会社をやめていたようだ
これで原作の話は完全になくなった事になる
一人でも世界を制す事が出来るのがマンガじゃないか
ひれ伏せ人類
俺は打ち合わせのまでの間もまた勉強を続けた
前の担当との打ち合わせに向かう頃の事を書いた時、俺が「この打ち合わせが俺のマンガ人生において大きな転機となる」という風呂敷を広げた事を
それはこの原作の話をもらった時に始めた脚本の勉強だ
なんかステマっぽい語り口になってきたので本のタイトルは書かないwまあ確か絶版だったから書いても関係ないんだが
とにかくその話作りの練習こそ俺のマンガ人生の大きな転機だったのだ
これは10年後、現在の俺がマンガ人生でもっとも役にたったと思う練習となる
俺は最終的にこの誰に見せるでもない、ただ上手くなる為のネームをキッカリ50本書く事になるのだが
それが終わるのはまだ少し先の話だ
新担当との打ち合わせ当日
前回晒した話にジャッジが下される事になる
まさにその通りだと思うぞ
超個人的な考えだが俺は作品毎にペンネームも変えるべきだと思ってる
その作者の他のマンガなんかそのマンガとは関係ないだろう
過去作がどんだけ売れたってまた1から読者が自然に手にとるまでの力のある作品を作れよ!と
まあ作者がそうしたくても売れたあとはそうはさせてくんないんだろうけどねー
世の中って難しい
ちな1さんはすでにプロなの?
まあこれは極論だって分かってるw俺が常々そうありたいって思ってるからつい書いちゃったw
俺も読者としては冨樫先生や島本先生がどっかでペンネーム変えて連載初めてたら見つけるの苦労するから困る、超困る
現在の俺がどうなってるかは最後な
早速前回のネームを見せる
「うーん、パッとしないなあ」
「設定も話も別に惹かれる所ないし」
「これはダメだね」
まあ次のネーム作って送って、あと絵は重点的にやる様にと言われる
新担当は早稲田だか慶応だかの出なのが売りらしくその辺の雑談をしてその日はお開きになった
家に帰った俺は天下をとれるネームを考え始めた
だが何故か今はこのネタに手をつける気にはならなかった
当時の担当に言われた「連載まで取っておこう」が頭に残っていたのかもしれない
確かに連載までこのネタは晒さずに読者を驚かせたいという気持ちはあった
「いいですね」のネタはどこが良かったのか?
固定のファンがいないのに、そうしてしまう気持ちわかるな
視覚的な華爽快感、美しい画面作りが容易な世界感
そして小難しい説明がなくても画面を見れば伝わる不自由さ、ジレンマだった
「いいですね」のネタは晒してないから伝わりづらいだろうがここはど
うしようもない
すまん
これは「不自由さ、ジレンマ」が足りなかったのだという事に辿り着く
この「不自由さ、ジレンマ」から考えて真っ先に思いついたもの、それを視覚的な華が出来る様にするにはSFな世界感がよさそうだ
打倒スターウォーズ!
しかもここまで表面的に違うものになれば「いいですね」と同じ理屈で作られてるとは言われなければ気付かないだろう
七人の侍からスターウォーズが出来たようなものだ
打倒黒澤明!
すぐにジャバから電話が来る
「このネタでデビューしよう」
だがジャバ編集はドラマの甘さが気になっているようだった
これを何度か繰り返すがジャバはなかなかOKを出さなかった
というのもジャバの指摘は設定の見せ方やコマ割などに終始していて
肝心のジャバ自体が引っかかっているドラマについてのものが皆無だったのだ
しかし会議の日が迫っているにも関わらずジャバには余裕があった
俺は何度目かの打ち合わせでのジャバの言葉でその驚くべき理由に気付く事になる
……は?
よそから持ってきちゃえばいいんだよ」
今まで話作りに取り組んできた時間全てを否定されたような気持ちになったのだ
先人たちが物語に費やしてきた時間全てまで否定されたような気持ちになったのだ
俺は悔しくてたまらなかった
当時の事思いだすと上手く文章が組み立てられなかった
感情移入を阻害しているものは?ーンとシーンの繋がり、噛み合い
まだまだ勉強の途中ではあったが脚本の勉強で学んでいる事をなんとか生かそうとしてみた
ジャバ「ふーん、上手くまとめたねー」
黙れ
お前は話作りに意見する資格はない
俺は急いでこのネームを会議に出せる様に清書した
ジャバに清書を送ったのは会議まで1週間を切ってからだった
パクらせるにしても作家のモチベ下げるような言い方するのは無能
前にも言ったけどこの頃の事思いだすと今でも胸くそ悪くなってただ感情吐きちらかすだけになっちゃいそうだからなんとか読めるように抜き出してまとめたけど正直こんなもんじゃなかった
こいつの姿勢は真面目にもの作りをしている全ての人間をバカにしている
俺はもう1秒たりともこいつと関わりたくない
そう思うと次の行動を起こすのになんの迷いも感じなかった
やったれ!>>1
今思い返してもよく出来たネームだったが
今思い返してみてもこの行動は間違っていなかったと思う
2度の受賞歴を捨てる事にもなるがやはりなんの未練もなかった
担当交代じゃなくて移籍なのか。
辿り着いたのはファンタジー、打倒スターウォーズのネタには少し劣るが悪くない出来だ
前回の反省も踏まえて今回はいろんな出版社を回ろう
そんな事を考えながら原稿は仕上がった
同時進行の模写は計150枚ほど、話の練習のネームは20本ほど進んだ頃だった
もう俺もデビューしていい頃だろう
この頃ちょうど進撃の1巻が発売された
自分より若い作家だが俺の闘志は純粋に燃えた
ジャバに対するドス黒い怒りの炎とは真逆の心の高ぶりだ
この人と勝負出来るマンガ家になりたい!
こうして俺の持ち込み回りが始まった
夏の日差しは俺の心を映すように燃え上がっていた
わろたwwwwww
急に切って意図が伝わらないってのも。
俺がこいつとの打ち合わせは詳しくかかなかったからアレなんだけど
「ここを直して欲しい」ってレベルじゃないんだ
もの作りにおける全ての考え方の根っこが「ウケてるのをなんかテキトーに持ってくる」の奴だったんだ
タヒななきゃ治らないってああいう奴の事言うんだと思う
それじゃあ>>1の方で「そういうのやめて下さい」って言う気も起きなかった感じなのかな?
言ったとしたら「編集やめて下さい」かな
映 画 化 決 定
自分の仕事に誇りを持ってる>>1はかっこいいと思うぜ
ここでは2人の編集に対応された
「いい感じですね」
先に口を開いたのはベテランと思われる方だ
「話は形になってるし絵も描けてる、何より世界観がいい」
新人の方もほぼ同じ意見のようだった
それから数十分、細かい部分を誉められ続けた
特に悪い事は言われなかった気がするが原稿は渡さずに帰ってきた
まず1社目だ
「形になってるけど絵がなあ」
ここでは逆に改善点の指摘を受け続けた
「話と世界観はいいけど絵がね」
「特にウチはそういう雑誌だから」
「キャラの配置もね、この子にツッコミさせるならこの配置だと弱いんだよね」
「まあでも特に絵だよ絵、多分これ賞に出したら下の賞はとれるだろうけど、その先行くには絵を頑張んないと、ウチでは」
「絵だね」
やはりまだまだ絵は弱いようだ
原稿を預ける気がないと伝えるとコピーさせてと言われ2社目の持ち込みは終わった
「いいです」
「ページ数聞いてちょっと嫌な予感してたけど(48P)全然よかった」
「話もまとまってるし、絵も描けてる、キャラもかわいいし。世界観が特にいいかな」
「ただ敵にもっとインパクトあった方がいいね、これだと女々しく見えちゃう」
「アシ経験は?ないの?あると思った……。え!?専門も行ってないの!?全部自己流!?」
「でもよかったです。ページ数はもっと少ない方がよかったけどw」
割と誉められ、話もあった。
余談だがこの編集も進撃には衝撃を受けていた
この中から1社を選ばなければならない
1巻のラストがあそこなのが売り方としてクソ上手かったと思う
そして同時にこの頃
俺の作風に変化が訪れていた
それまでベタなアクション漫画ばかり描いていた俺だが全く別のあるジャンルを描きたくなったのだ
「設定もキャラもいいですし、大筋もいいです」
1人で作っていた時は気付かなかった部分だがそれは作品の根っこに絡む致命的な矛盾だった
俺は1ヶ月ほど編集とこの矛盾と格闘するが、この矛盾は解消出来ず結局このネームはボツになった
「やっぱりアクションやりませんか?」
新たなジャンルに苦戦していた俺は心変わりも甚だしくあっさりその提案に乗った
が、設定だけは同じだがキャラも話も全く別物、何よりキャラの立ち位置を真逆にしてみる
悪人が主人公だ
これは1番最初に持ち込みをした泥棒マンガ以来の事だった
しかも今度はあの時の何百倍も根っから悪い奴が主人公だ
「うん、直して会議出しましょう」
今回のネームは特に大きな指摘もされなかった
そして数回の直しを経てこのネームを完成させた俺はそのネームを編集に渡し、掲載会議の結果を待つ事になる
正直このあたりはなんか記憶が薄いw
10年前の方がハッキリ覚えてる、おかしなもんだな
でも忙しい中乙!
次回も待ってるぞ!
一番の問題点はドラマとしてのピークとアクションのピークが別れてしまっている事
俺と編集は1月ほどかけ指摘された部分を直し再度会議に回す
だがこの直したネームは意外な理由でボツになる
そして雑誌の方向性.変わる
いわゆる萌え雑誌である
大幅な雑誌のテコ入れの時期
当然悪人マンガなど通る訳もない
別に嫌いなジャンルではない
だがなかなか担当のお眼鏡にかなうものは出来なかった
あざとい
あざとすぎる
だがしかしよく出来ている
よく出来ているのだ
ここまで心踊らされるネタは「いいですね」以来だ
俺はノリノリでこのネームに取りかかった
しかしこの頃かかってきた1本の電話が
またも俺の運命を大きく揺さぶる事になる
それは持ち込み回りで3番目に行った雑誌の編集からだった
半年振りの会話
一通り近況を聞いた後
編集が口を開く
「俺とマンガ作りませんか」
別に電話が来た雑誌でも萌えマンガは描けるのだ
俺はそう迷わなかった
つまり一通りのプログラムを完了したのだ
俺は新たな雑誌に会心の萌えマンガの他にもう1本ネームを持っていく事にする
1度は挫折した新ジャンルにもう1度挑むのだ
俺は新ジャンルのネームを1から作り直す
完了する前から薄々感じていたが
これを始める前の自分とは明らかにストーリーテリングのレベルがちがう
例えるなら以前の俺は泥水から手探りで拾いあげた石をなんとか積み重ねて家を作っていた
だがこの頃から必要なパーツを的確に加工してはめ込める様になっていたのだ
恥ずかしげもなく言おう
俺はその物語をとても美しいと思った
新たな雑誌での打ち合わせに向かう
10年前の物語ももうすぐ現代に追いつこうとしている
うん
同じなのはジャンルだけで全然別のネタだったけどね
まずは改心の萌えマンガを見せる
「あざといねーwww」
「男の心掴むわこりゃ、展開も上手いしいいと思う」
狙い通りやはりこのネタは上手く機能したようだ
「……面白かったです、ちょっともう1回読みます」
「……!ここのシーンってコレの事か」
「……よく出来てんな」
「うん、やっぱりよく出来てる」
やはり話作りの練習は身になっていたのだ
さて問題は
どちらを描くかだ
編集は新ジャンルのネームを推した
「正直萌えマンガは絵が上手くないと売れない、それにこのネタは連載までとっておいた方がいいと思う」
「まずこっちで賞とろう」
軽い直しを終え帰宅
早速原稿にとりかかる
だが結果として苦手だった事が描く側になった時にプラスに働いていた
ジャンル書いてないから分かりにくいだろうが
そして俺は完成した原稿を担当に渡し、結果を待った
受賞
だがまたもデビュー出来る賞の一つしたの賞だった
あれだけ自信があった話だ、その出来は担当も認めていた
それでもまだデビュー出来ない
そしてその原因はやはり絵だった
だが落ち込んでばかりもいられない
だったらやる事は一つだ
俺は更に絵を勉強した
解剖学に手を出し始めたのもこの頃かもしれない
前回ほどの手応えはなかったがネームの出来も悪くない
しかも絵のレベルも上がっている
受賞したというのに担当の第一声も
「言いにくいんですが……」だった
やっぱりか……
という感じだった
やはり絵は短期間でレベルが何段階も上がるものではない
しかし上手くなっているのも確かだ
まだまだ天井は見えてない
やればやるだけ効果はある筈だ
またも俺は一つの大きなネタに出会う
それは新ジャンルの視点を変えたものだった
そしてそれは今まで描いてきたものが大きなプラスになっている
俺は震えた
これは売れる
そのネタの勢いは俺を更にマンガに駆り立てた
「凄い」
絶賛
そして担当もこのマンガの勢いに呑まれていた
そして断言する
この原稿はそれまでの俺のマンガ人生で一番魂のこもった原稿となった
学園、恋愛、探偵とかどの組み合わせか大まかでいいから教えて欲しい
「これなら絵にも文句は言わせない」
「単純な画力はまだ足りないかもしれないが迫力で負ける頃はないと思う」
その頃の俺の頭の中には
そのネタの連載の
最終回までの構成まで出来上がっていた
ちょっと時間やべーw
続き気になるけどとりあえず仕事頑張れ!