『ブラック企業でされたパワー八ラスメントを聞いてくれ』
というスレを立ててたんだけど、びっぷら(ここの事だよね?)の方が良いと教えてくれた人がいたので、ここに投稿させて欲しい。
2chに詳しくないんだ。
読みにくかったらゴメン。
2010年10月4日、俺は、労働基準監督署から手に入れた、第三者行 為災害の書類を、会社に持っていった。
自分で記入できるところは、提出書類と一緒に貰ったしおりを見て書いていた。
事務所に入ると総務課長が座っていた。
「こちらの書類に会社のサインをお願いします。」
と言うと、総務課長は書類を見て、明らかに驚いた表情で
「何これ?労働災害ってどういう事?」
と聞いてきた。
「一年近く前に平川グループリーダーから殴られて病院に行った件で、未だに労働災害にして頂いていないので、労働基準監督署から書類を貰ってきました。
労働基準監督署に提出するには、会社のサインが必要ですので、記入をお願いします。」
「ちょっといい?」
総務課長は小さな声でそう言って、立ち上がり、俺を会議室に連れていった。
実際、多くの社員が俺と総務課長を見ていた。
「さっきも聞いたけど、労働災害って、過去に平川君に小突かれた件だよね?」
「小突かれたんじゃありません。殴られたんです。」
「平川君からは小突かれたと、聞いているけど?」
「右腕が上がらなくなるほど拳で力強く、3回、殴るのが“小突く”ですか?」
「・・・」
総務課長は黙ってしまった。
もしかして、ここは自分語りをする板じゃないのかな?
続きを書くよ。
暫くの沈黙、総務課長は俺を見ていた。
「労働災害にする理由は何?」
と聞いてきた。
俺は、復讐計画を知られる訳にはいかなかったので、
「治療費を、俺が支払うのが納得いかないだけです。」
と言った。
「分かった。会社で検討する。」
総務課長はそれだけ言って去った。
(・・・何の検討をする必要があるんだよ・・・)
と思ったが、今は会社のサインだけが目的なので、俺は何も言わず会議室を出た。
ここはvipに比べて人も少ないしマッタリしてるのさ
むしろ自分語りをするのには向いてるよ
>>8
見てくれている人がいるんだ。ありがとう。
嬉しいお(2chって‘お’って言うんだよな)
>>10
>>11
その通りだな
>>12
ありがとう。嬉しい。
次の日の朝、いつも通り、俺は出勤時間より随分早く出社した。
俺は暗い工場で、携帯電話を弄っていた。
「お早う。」
暗い通路から、総務課長が挨拶をしてきた。
「お早うございます。」
と挨拶すると、また会議室に呼ばれた。
「昨日に言われた労働災害だけど、先ずは時効を調べたんだ。」
労災保険の保険給付を受ける権利は、一定の期間行使しないでいると時効により消滅する。
一般の債権は10年で時効消滅するが、労災保険では、もっと短い期間で時効が完成することになっている・・・
( 時効なんて、とっくに調べている。平川グループリーダーに殴られたのが、約1年前・・・問題ない。)
俺はそう思った。
「時効はまだ先だから、労働災害の申請は出来ると言われた。」
( はいはい、分かってますよ。)
「但し、労働基準監督署に確認したら、会社が治療費を支払ってもいいんだって。」
そう言って、総務課長は治療費を、その場で支払おうとした。
( やはり、そうきたか・・・)
予想通りだった。
やはり、会社はパワー八ラスメントを労働基準監督署に知られたくなかったと確信した。
治療費を払うことで、パワー八ラスメントを隠蔽しようとしていた。
溜め息をつきたかった。
「治療費は、会社から返して頂く訳にはいきません。
第三者行 為災害の書類に、サインさえして頂ければ結構です。」
俺は落ち着いた口調で言うと、総務課長は(何で?)という顔をした。
総務課長はご機嫌を取るような笑顔で言ってきた。
腹が立ったが、今は総務課長に怒ってはいけない。
そんなことをすれば、サインをさせるのが更に難しくなってしまう。
「いえ、会社から治療費を貰うと将来、困る事になるかもしれないですよね?」
「・・・困る事って何が?」
「例えば、後遺症が出た時に、会社が倒産していたら、新たな治療費は誰が払ってくれるのですか?」
そこまで言うと、総務課長は明らかに困った顔をした。
総務課の課長だ。俺が何を言いたいのか、直ぐに理解したのだろう。
「もし、倒産になっても、労働災害扱いになっていれば、労働基準監督署、もしくは労働局に相談が出来ますよね?
でも、会社から治療費を受け取ってしまったら、そんな相談を誰にも出来なくなり、俺は困ってしまいますよね?
だから、労働災害にしてもらわないと困るんです。」
捲し立てるように、一気に言った。
「・・・会社が倒産すると思っているの?」
「そんな事は思っていません。あくまで可能性.言っているんです。
自分の体の事ですから、慎重になってしまいますよね?」
そう言うと、総務課長は頷いた。
(早く諦めろ。今の俺に勝ち目が無いことは明らかだろう。
会社はサインするしかないだろう・・・)
俺は総務課長を見ながら、そう思っていた。
パワ八ラやサービス残業当たり前だった会社だとして、今正に当時の被害者が現在の被害者に訴えられてる、としたら…
なんだかなぁ…切り替わりの真ん中にいた人ってつまりやられ損?と感じるのは俺だけ?
時間にすると30秒程だと思うが、俺には随分と長く感じられた。
「分かった。少し検討させて。」
それだけ言うと、総務課長は事務所に戻ってしまった。
総務課長、一人では判断が出来ないことのようだった。
部長か社長に相談するのだろう・・・
(また検討ですか・・・無駄なのは分かっているだろう・・・)
会議室には杉本部長が座っていた。
「片岡君から受け取った労働災害の書類を検討した結果、会社は労働災害と認める事にしました。」
杉本部長は落ち着いた優しい口調でそう言った。この人はいつも敬語だった。
俺は日頃から、この部長が怖かった。
と言っても、顔が怖いとか、いつも怒っているとか、平川グループリーダーの様なパワー八ラスメントをしてくるとかではない。
この人の判断力の鋭さや、知識の広さや、人を見る能力の高さが怖かった。
人としての器のレベルが違う。
俺が努力したところで勝てる相手ではなかった。
この人は平川グループリーダーや、総務課長とはレベルが違った。
すげえ気になる
俺の会社も課長のダメっぷりがやばい
その通り。課長と部長じゃ器が全く違う。
続きを書くよ。
正直言って、この件では関わってきて欲しくなかった人だったが、無理だったようだ。
俺は、計画を見抜かれた時の事を考えた。頭をフル回転させた。
部長を目の前にして、俺の心臓は大きく鼓動していた。
「平川君から暴 力を受けた件について、会社は再三、注意していた。
しかし、彼は会社の意向を無視し、パワー八ラスメントを止めなかった。
その事を会社で検討した結果、労働災害と認めて、書類にサインします。」
と部長は言った。
部長はパワー八ラスメントを平川個人の問題として解決しようとしていた。
呆気なく簡単に、上手くいったのだ。俺の計画は部長にも気付かれていなかった。
でも、その理由は、今思えば会社も平川グループリーダー同様に、俺をなめていたのだろう。
片岡に反撃なんかできるはずはない、と高を括っていたのだろう。
部長も俺に油断していたようだった・・・
ヘタレキャラが逆に功を奏したようだった。
「では、会社内で平川グループリーダーによる暴 力があったということを認めてくれるのですね?」
と、俺は下を向いたまま弱々しく質問した。ヘタレキャラの方が、部長は更に油断すると思ったからだった。
「ああ、認める。会社として注意もしてきた。」
あっさりと部長は認めた・・・
余談だが、部長は注意もしてきたと言ったが、俺の前で注意した事は一度もない。
だが、今はそんな事はどうでもよかった・・・
気が抜けて、背中が丸くなりそうだったが、部長はそんな仕草一つでも、俺の復讐計画を見抜く可能性.あると思ったので、注意した。
会議室を出るまで気は抜けなかった。
俺は俯いたフリをしてもう一度、胸ポケットに忍ばせたICレコーダーを見た。
録音ボタンは赤く点灯していた。
無事に録音は出来ている。部長も総務課長もICレコーダーの存在には気が付いていない・・・
ヘタレの片岡はICレコーダーなんて用意する訳ないと思っていたのだろう。
完璧だった。
「ありがとうございます。」
と言って、書類を手にして会議室を出た。
会議室を出た俺はトイレの個室に入り、もう一度、書類を見た。
事業主の欄に会社と社長の印が押してあった。
更にICレコーダーを再生すると部長の声で、
「・・・ああ、認める。会社として注意もしてきた。」
録音もバッチリだった。
これで労働基準監督署を動かせる。
それだけではない。警察もだ。
そして、その全責任を取るのは平川グループリーダーだ。
会社が世間に隠すのであれば、俺は世間に公表しよう。その責任を平川グループリーダーに取らせよう。
それが俺の復讐計画だ!
現在の話はカンベンして・・・
やばい。数時間後には起きなきゃならんのに・・・・
数日後の仕事中、歩いている総務課長を見かけた俺は、仕事の手を止めて総務課長に近付いた。
総務課長は立ち止まり、黙ったまま俺を見た。
「今日の昼から、平川グループリーダーに殴られて怪我をした件で、労働基準監督署に書類を提出に行きます。」
ここまで言ったが、総務課長は頷いただけで無言だった。
予想通りだった。
俺の予想では、次の俺の言葉で総務課長の驚く顔が見られる筈だった。
「そして、その後に警察署に行って、傷害事件として被害届を出そうと思いますので、会社として対応をお願いします。」
(・・・さあ、驚け。警察沙汰は会社にとって、完全に予想外の筈だ。俺に驚く顔を見せろ・・・)
そう思っていた俺には総務課長の返事は意外過ぎた。
「あっ、そう。うん、分かった。」
それだけ言うと、総務課長は歩いて去ってしまった。
続きは夜になるけど、落ちたら別スレ立てるから読んで欲しい。
では、お仕事行ってきます。
今日は仕事が早く終わった。
シャワー浴びるから、ちょっと待っててくれ。
待ってるよー
モノ申さなきゃダメだよ。自分が壊れてクビにされても損するのは自分だけ。
会社のほうも従業員が思い通りになってたから調子ぶっこいてるんだよな。
どんなわずかな反撃でも一矢報いてやる事が大事。
>>68
その通りだな。俺の場合も反撃するまでなめられていた。
辞めたかったが、そのまま辞めたら負けだったな。
違う。事実だ。
倍返しって、今やっているドラマだよね。ドラマはあんまり観ないから詳しく知らないんだ。
一番最近観たドラマは「最高の離婚」だった。
俺、真木よう子さんの大ファンなんだ。
真木よう子さんが出ているっていうだけで、映画も観るくらいだ。
ここ(VIP)の人たちってVIPPERって言うんだよな。
VIPPERって本当に優しい人たちばかりだな。
ここにスレ立てて良かったと思うよ。
平日の昼間なのに書き込んでくれる人までいる。
2chにはまってしまいそうだ。
びっぷら民な。
VIPがVIPPER
おまえここのローカルルール知らないだろ
ローカルルールがあるのか。
すまない。知らないんだ。
失礼がないことを祈るよ。
さて、続きを書くよ。
(えっ!!!)
驚いた。俺の方が驚かされてしまった。
何故、驚かない?警察だぞ?マスコミに知られるかもしれないんだぞ?会社の安全配慮義務違反等も世間に知れ渡るかもしれないんだぞ?
嫌な予感がした・・・
(会社は俺の復讐計画に気が付いている?)
もし、そうだとしたら事前に対策をとられていることになる。ヤバい、ヤバい、ヤバい。
焦った。仕事が手につかなくなった。
事務所内を見た。
社長、部長、総務課長、内藤課長、平川グループリーダー・・・皆が俺を笑っているように思えた。
もう涼しさを感じる季節になっていたが、俺は汗をかいていた。
どれくらいの時間が経っただろう。
数十分位だったと思う。
総務課長が駆け足で俺の所にやって来た。
それに気が付いた俺の心臓は鼓動が変になった。ストレスが原因の不整脈って奴かもしれない。
そう言うと、総務課長は俺を会議室に呼んだ。
二人とも椅子に座った途端、
「さっきは忙しくて、よく聞いていなかったんだけど、警察に被害届を出すって、どういうこと?」
・・・総務課長は事の重大さを理解していないだけだった。
その事を理解した俺は、計画を続行した。
「えっ、だって殴られて怪我をしたんですよ?」
「でも何で警察なの?」
「特に理由はないですよ。被害を受けたから、被害届を出すだけです。」
「・・・労働災害の申請だけで終わったと思っていたんだけど?」
「何でいちいち会社に報告しなければならないんですか?警察に知られると不味いんですか?」
「不味いってわけじゃあないんだけど・・・目的は何なの?」
「目的なんてないですよ。被害を受けたから、被害届を出すだけです。」
「でも警察って・・・労働災害の申請だけで終わったと思っていたんだけど?」
・・・それ、さっきも聞いたよ。
「終わったと思っていたのは、総務課長だけじゃないですか?
なんか俺、間違った事を言っていますか?」
「・・・」
総務課長は明らかに焦っていた。俺を見ながら黙ってしまった。
そこで俺は、総務課長に脅しをかけた。
「僕がパワー八ラスメントを受けている時に、社長もいましたけど、平川グループリーダーを処分しませんでしたよね。
それって調べたら、会社の安全配慮義務違反や職場環境配慮義務違反に該当するらしいですね。」
俺のこの言葉で、総務課長は更に焦った表情を見せた。
その表情は、総務課長が安全配慮義務違反や職場環境配慮義務違反という言葉を知っている証拠でもあった。
全国の平川さんにあやまれ!
>>1を殴った平川以外にあやまれ!
総務課長はそう言うと席を立った。
(何かってなんだよ・・・)
と思ったが、もう総務課長に用は無いので俺も会議室を出た。
会社は当然、平川グループリーダーに、警察沙汰になることを伝えるだろう。
焦るのは平川グループリーダーだけではない。
会社にとっても公になるのは都合が悪い筈だ。
俺をなめきっているし、大勢に社員の前でパワー八ラスメントをしてきた以上、プライドもある。
謝るなんて出来る筈はない。
さあ、苦しめ。平川グループリーダー・・・
そう思った。
最後まで書いてくれるなら明日でもいいけど。
もっと書きたかったんだけどな。
本当なら明日には終わらせられるはずだったのにな。
残念だ。
明日の朝早くには少し、書けると思う。
ごめんな。
待ってるぞ!
仕事に行くまで少しだが書いていくよ。
昼休みのチャイムが鳴った。
普段ならば、昼御飯を食べる時間だが、その日の俺は、車を走らせた。
目的地は二ヶ所。
労働基準監督署と警察署だ。
テレビドラマや映画の知識しかないが、警察署は時間が掛かりそうだったので、先に労働基準監督署に向かった。
着いたのは早かったが、午後1時まで車の中で時間を潰した。
その後、労働基準監督署で、第三者行 為災害の書類を提出すると、あっさりと受理された。
「書類を確認後、被害者と加害者の双方から事情を聞かなければならないので、平川さんと会社の方に電話して宜しいですか?」
と聞かれた俺は、勿論構わないという事を伝え、労働基準監督署を出た。
労働基準監督署にいた時間は15分程だった。
被害届の申告は小さな交番でも可能らしいが、どうせなら大きな管轄の警察署にした方がいいと思った。
俺は今まで平和な人生を送っており、警察に行ったなんて、交通事故を起こした時位だった。
傷害事件の被害届の申告なんて、生まれて初めてだ。
少し緊張したが、(俺は被害者だ。悪いことはしていない。)と、自分に言い聞かせて、警察署に入った。
受付は窓が小さく低く、少し腰を下げないと中の人の顔が見えなかった。
「職場で上司に殴られて怪我をしました。診断書を持ってきたので、被害届の作成をお願いします。」
と言うと、刑事課の担当者を呼ぶのでソファーに座って待つようにと言われたので、それに従った。
ソファーに座って署内を観察した。
初めての場所を観察するのは大好きだったので周囲の観察を楽しんだ。
警察署の第一印象は“古っぽい”だった。
新しい感じのする労働基準監督署とは正反対だ。
壁も汚いし、床も汚れている。正直言って、ソファーも座りたくない・・・
そして、全体的に暗い。
豪華にすると、世間の批判があるのは分かるが、ちょっとみすぼらし過ぎない?
(ボロいな~)
なんて思って観察していると、女性.刑事さんが、階段から降りてきた。
眉毛も手入れしていないように見えた。
おまけに服装は建築現場の作業者のようなツナギみたいなのを着ている。
こんな事を書いたら侮辱罪で訴えられるかもしれないが、恋愛には全く興味がありません、みたいな刑事さんだった。
(スタイルは良いし、顔の素材も良いのに残念だな~)
なんて思った。
その刑事さんに案内されて、小さな部屋に入った。
取調室なのだろうか?部屋は狭く、電話が置かれた小さな机が一つと、椅子が二つあるだけ。
テレビ等で出てくる取調室は、広い部屋の真ん中に椅子と机があるが、全然違う。狭い。
そんな窮屈な部屋で、椅子に座ると、
「被害届を出すと、警察は捜査をするかもしれません。そうなれば、マスコミに連絡が入り、新聞やテレビのニュースに出たりするかもしれませんが良いのですか?」
と、いきなり聞かれた。それが狙いだった俺は構わないという事を伝えると、事情聴取が始まった。
この事情聴取が長かった・・・
警察が動くまで何度もコピーを持って、言いに行くか、違う警察署に掛け合ったりできるし。。
刑事さんは俺の話の殆どを紙に記録した。
(書くの大変でしょう?ICレコーダーでも使ったらいいのに・・・)
と思った。
予想はしていたが、被害届の申告は大変だった。
時間にして二時間程だったが、クタクタになってしまった。
しかも調書は今回だけではないらしい。
「今日の俺の話を正式に書面にするので、後日、確認に来てもらいます。書面が出来たら連絡します。」
と刑事さんに言われた俺は、(まだあるのかよ?)と思いながら
「はい、宜しくお願いします。」
と言って警察署を出た。
次の日からも、俺は普通に出社していたが、会社からも平川グループリーダーからも、何の動きもなかった。
数日後、素材だけは美人な刑事さんから電話が掛かってきた。
調書が完成したので確認して欲しいとの事だった。
>>227
待っててくれたんだ。ありがとう。
嬉しいよ。
「警察は何て言ってるの?」
いきなり総務課長にそう聞かれた。俺はありのままを答えた。
俺の話が終わると総務課長は
「あっそう・・・平川君に被害届の話をしたら、随分と困っててね~。平川君は反省しているみたいだよ。」
・・・何を言ってる?
アイツが反省なんかする訳ないだろう。警察沙汰にされたから慌てているだけだろう。
呆れて黙っていると
「もし、平川君が謝罪をしたら被害届の取り下げも検討してくれるのかな?」
と総務課長が聞いてきた。
「そうですね。」
と適当な返事をして、会議室を出た。
話も聞かず、騒動を起こしたという理由で
あっさり解雇してくる会社も多いと聞くけどな。
>>230
会社も俺の存在が怖かったんだと思う。
俺のされたことは、世間には知られたくなかったんだろう。
解雇なんかしたら、俺が何をするか分からなかったんだろうな。
ここで俺は、自分の知識不足が原因で、警察の怠慢に騙される事になる。
警察署に着いた俺は、前回と同じ狭い部屋に案内された。
前回、俺が話した内容が、数枚の紙となり完成していた。
今回の俺は楽だった。
完成した調書を刑事さんが読み上げ、俺はその内容が正しいか確認するだけだった。
その確認時間は15分も掛からなかったと思う。
最後にサインと拇印を押して終わった。
「今日はこれで終わりとなります。」
そう言って刑事さんは席を立とうとした。
「すみません。もう一つ、相談があるのですが・・・」
と俺が言うと、刑事さんは椅子に座り直した。
「はい、何か?」
「被害届から刑事告訴に切り替えたいのですが。」
と俺は言った。
被害届より、刑事告訴の方が平川グループリーダーを苦しめる事が出来ると思ったからだった。
その言葉を聞いた刑事さんの表情が少し変わった。
当時の俺には、その表情の変化の意味が分からなかった。
解雇しておいて訴えるなら訴えろなんて強気な会社が多いのも事実。
だから刑事告訴は必要ありません。」
刑事さんは少し強い口調で言った。
本当ならば、刑事告訴をするかしないかは告訴人が決めることであり、警察が、告訴が必要かどうかは判断できない。
また、警察は刑事告訴の受理を拒否する事はできない事になっている。
では何故、刑事さんは刑事告訴が必要ないと言ったのか・・・
答えは『刑事告訴は面倒臭い』からだ。
しかし、当時の俺はそんな理由を知らず、刑事さんが必要ないと言うのであれば、そうなんだな、と思ってしまい刑事告訴に切り替えなかった。
「そうなんですか。分かりました。」
と言って警察署を出てしまった。
ここで、少しだが、被害届と刑事告訴について書こうと思う。
先ず、被害届とは、何らかの犯罪の被害に遭った者が、被害の内容を警察などの捜査機関に申告する届出をいう 。
しかし、被害届というものには大きな弱点がある。
被害届はあくまで、「被害を受けたので報告します。」という意味しかない。
即ち、警察は「はい、被害を受けたのですね。わかりました。」と受理だけして放っておいても問題はない。
被害届には、処罰を求める意思表示が含まれていない。
被害届に、警察に捜査義務は発生しないのだ。
きちんと捜査をし、加害者を取り調べ、刑罰を与えるには被害届だけで終わってはいけない。
刑事告訴をする必要がある。
ところが、この刑事告訴だが、現実には、受理はかなり厄介だ。
刑事告訴とは、犯罪の被害者等が、捜査機関である警察または検察に対して、犯罪が行われている事実を申告し、犯人の処罰を求める意思表示のこと。
被害届と違うのは、“犯罪者の処罰を求める意思表示が含まれている”ということだ。
また、刑事告訴には、捜査機関は捜査をする義務が発生する。
現場検証や加害者の取り調べといった捜査が必ず行われる。
先程も書いたが、被害届は警察に捜査義務は無い。
受理だけして、放っておいても問題はない。
しかし、刑事告訴は違う。
受理をすれば、警察には捜査義務が発生する。
だから、警察は被害届だけで止めたがる。
ここの警察署もそうだった。
パフォーマンスなの?
例えばパワ八ラの被害者と加害者を逆転して報告されると、被害者が警察にマークされる。
勉強なった
>>240
最近は世間の非難を恐れて、被害届だけで動く事も多いらしい。
被害届と刑事告訴の違いを知らない人が、
「被害届を出したのに、警察は何もしてくれない。」なんて言うことがあるからな。
◎ 第十六章 【 平川 】
調書の確認をしてから数日後の事だった。
いつも通り、現場ラインで仕事をしていると会議室に呼ばれた。
まあ平川関係の話だと思っていたが、会議室のドアを開けた瞬間、体が凍りついた。
平川と内藤課長が、そこにいた。
(何だ、これは?どういう状況だ?何故、二人がここにいる?)
手には汗をかいているのが、ハッキリと分かった。
パワー八ラスメントを受けていた過去の記憶が甦った。
俺はまだ平川が怖かった。
何が始まるのか理解できなかった俺は、体が固まったまま下を向いていた。
その沈黙は、時間にして数秒程だと思うが、とても長く感じられた。
最初に口を開いたのは、内藤課長だった。
「今日は、平川くんから、片岡君へ言いたいことがあるということで、来てもらった。」
内藤課長がそう言うと、平川が口を開いた。
「私のグループに配属時に、貴方に対し、行き過ぎた指導、また不適切な言動があった事を認め、お詫び申し上げます。
大変、申し訳ありませんでした。」
平川はそう、一気に言うと、頭を下げた。
俺は驚いた。あの平川が謝ったのだ。
平川も内藤課長も俺を見ていたが
「・・・はい。」
としか言えなかった。
こういう事例の方が多いらしい。
平川が謝った・・・?
恐らく、会社から謝るように言われたのだと思う。
それでも俺には、完全に予想外の出来事だった。
俺は、このまま復讐を続けていいのか分からなくなってしまった。
>>254
そうだろうな。メモ帳も持っていたしな。
でも当時の俺には、あの平川が謝るなんて全く思わなかったんだ。
俺は先生に、労働災害扱いにしたこと、警察に被害届を出したこと、会社が明らかに焦っていたこと、平川が謝ってきたこと、全てを話した。
先生は俺の目を見て、一言も喋らずに話を聞いてくれた。
俺の話が終わると、先生が口を開いた。
「それで、貴方はどうしたいのですか?」
それは俺の方が知りたい事だった。
俺は今の気持ちを正直に話した。
「私は私だけでなく、家族まで苦しめられました。
だから、その復讐として平川と平川の家族が苦しめばいいと思っていました。
平川が犯罪者となれば、奥さんや子どもは恥ずかしい思いをし、一生苦しませる事が出来ると思っていました。
でも、平川の謝罪を聞いて、それはやり過ぎなのでは?と思うようになりました。」
ここまで言うと先生が
「相手の誠意が伝わったという事ですね?」
と聞かれたので、頷いた。
「誠意が伝わった以上、相手を苦しめようと考えるのは難しくなります。」
とも言われた。その通りだった。
謝ってきたのは被害届を取り下げて欲しいからだろう。
内藤課長もいたのは、警察沙汰は会社にとっても困るからだろう。
そう思ったが、あの平川が謝ってきたのは全くの想定外の出来事だったので、俺には誠意として伝わっていた。
「ADRってご存知ですか?」
先生のその言葉には聞き覚えがあった。
ADRとは『裁判外紛争解決手続』の事。
訴訟の本を読み漁っている時に、その言葉を覚えていた。
今でも訴えた俺を悪者にしている。
>>1 読んでるよー
>>257
ありがとー
訴訟では解決までに長い時間や、高額の費用を必要とする。
更にプライバシーが晒されるという問題が生じる場合もある。
そのようなことを望まない場合の紛争解決法の一つがADR『裁判外紛争解決手続』である。
解決方法としては、裁判所において行われる「調停」、
行政機関、弁護士会,社団法人その他の民間団体が行う「仲裁」や「斡旋」、
当事者同士による「示談」などの手続などがある。
簡単に言えば、平川に慰謝料を払わせて、俺の復讐を終わらせるという事だ。
(そんな事が可能なのか?平川に金を払わせる?幾ら?どうやって?平川が払えなかったら、どうなるの?裁判になるの?)
色々な不安が頭の中を駆け巡った。
だが、平川は謝った。ということは平川も許して欲しいと思っているはずだ。
争いを解決出来るならば、慰謝料は払うんじゃないか?
そして、素直に払えば許してやってもいいんじゃないのか?
ADRをやって、会社側が全く反省しなかったので刑事告訴状を出した。
証拠があるのに起訴が難しいと言われて、泣く泣く民事裁判して金はもらった。
それでも会社がパワ八ラ加害者は全く反省していない。
>>259
そうなのか?色々あるんだな。
と俺は言った。
「調停」でも「仲裁」でも「斡旋」でもなく、「示談」を選んだのは、この弁護士先生は格安で相談に乗ってくれているからだった。
頼めば俺と平川の間に入ってくれそうな雰囲気だったが、必要以上に先生の力を借りるのはいけないような気がした。
慰謝料計算を依頼した俺は、お礼を言って事務所を出た。
(示談か・・・考えた事がなかったな・・・)
そう思った俺は、図書館に向かった。
示談というものの詳しい知識が必要だと思ったからだった。
殆どが以前に読んだことがあったが、その時は示談で許そうとは思っていなかったので、しっかりとした知識にはなっていなかった。
最初の数ページだけを読み、役に立ちそうな本を何冊か借りた。
関係ないかもしれないが、この時、恋愛小説も借りた。
今思えば、復讐心が薄れて、心に余裕が出来てきたのかもしれない。
示談書の作成は簡単にできそうだった。
自分のパソコンソフトで作成出来るし、内容も難しくはない。
そう思った俺は、弁護士先生に電話をし、示談書は自分で作るので、確認だけをお願いします。
と伝えた。
俺は自分のパソコンを立ち上げ、示談書を作成した。
加害者 平川を甲、被害者 片岡を乙として、甲が乙にした傷害事件につき、以下の通り争いを解決した。
※事件発生日時:平成21年6月頃から平成22年2月まで。
※事件発生現場:○○県○○ ●●●●会社
1.甲は乙に上記の事件発生日時の期間、「タヒね、刹す、辞めろ」等の不適切な暴 言を繰り返し、結果、乙が心因反応になった本事件の原因は全て甲にあることを認める。
其の事で乙は2週間の自宅加療と4ヶ月の通院を要すこととなった。
「職場上司の不適切な対応を改善する必要がある。」と記載された診断書を添付する。
2.甲は乙に平成21年11月25日、午前9時40分頃、右胸部打撲の暴 行を加え、結果、乙が三日間の安静を要す事となった本事件の原因は全て甲にあることを認める。
労働者災害補償保険費用請求書と診断書を添付する。
3.甲は乙に平成21年10月から平成21年12月の期間、バインダーで頭を叩く、引っ叩く、右足をあざが出来るほど蹴る暴 行を加えたり、A4用紙を丸めて顔を突く等の暴 行を加えた事を認める。
右足のあざについては写真を添付する。
4.甲は乙に治療費、慰謝料等、その他一切の損害賠償として、金○○○○○○○円の支払義務があることを認めて全額を支払う。
5.甲は乙に本事件の再発防止報告書を作成し、提出する。
6.これにて本件に関する紛争は解決済みとし、乙は本件事件に関し、甲に対し以後何らの請求もできないものとする。
7. 本事件に起因する後遺症が発症したときには、前項にかかわらず、その後遺症に関する賠償責任について誠実に協議する。
8.甲及び乙は、本書面に記載された債権債務以外に、一切の債権債務の存在しないことを相互に確認した。
以上の合意の成立を証するため、本示談書3通を作成して、甲・乙・立会人が署名捺印の上、各自その1通を所持する。
平成 年 月 日
甲: 印
乙: 印
立会人 : 印
以上が示談書の内容だった。
治療費+弁護士料+慰謝料で、80万くらい?
慰謝料算定計算というものがあるらしく、金額は完全に弁護士先生にまかせた。
慰謝料を計算するのに、多くの質問をされた。
俺の給料の額は勿論、会社の規模や本社の事まで聞かれた。
平川の年収まで聞かれた。
「知りません。」
と答えたが・・・
当然だ。
『心の傷み』や『精神的苦痛』なんてものは人によって違う。
そんなものに金額が幾らだとハッキリなんて決められない。
だから慰謝料算定計算というものも、非常に曖昧で、相談する法律家によっても変わるそうだ。
弁護士先生からは会社からも慰謝料が取れる、と言われた。
これも当然だ。
会社は完全に安全配慮義務違反や職場環境義務違反を犯している。
そんな事は何冊も読んだ労働法関係の本で熟知していた。
でも俺は会社に慰謝料を求めるのは止めた。
復讐のターゲットは平川だけだったし、会社から慰謝料なんか取ったら、会社にはいられなくなると思ったからだった。
だから示談書には甲が平川、乙が俺の二人だけにして、会社には立会人という事にした。
「平川の件で話があります。」
と言うと、課長は直ぐに、俺を会議室に連れて行った。
椅子に座ると、課長は俺をじっと見た。
会社は俺の行動に注目していたのがよく伝わった。
俺は示談書と添付書類を渡した。
そして当初の復讐計画が『会社の信用とイメージを落とし、その責任を平川に取らせる。』である事も伝えた。
それだけ伝えると、会議室を出された。
その後に、課長は総務課長と再び会議室に入った。
それから数日は総務課長や社長がスーツを着て、出かける姿を何度も見た。
弁護士の所にでも行っていたのだろうか・・・
数日後、総務課長に会議室に呼ばれた。
会議室に入ると杉本部長がいた。
日曜日なのに仕事の人が多いのかな?みんな頑張っているんだな。
投稿は夜からにした方がいいのかな?
続きを書くよ。
「片岡君の用意した示談書を読ませて頂きました。
読ませて頂いた結果、会社としても片岡君と平川君の争いを穏便に済ませたいので、
示談が成立するように、協力させて頂きます。」
杉本部長が淡々とした口調で言った。
「但し・・・」
杉本部長は続けた。
ちなみに平川が謝ってからパワ八ラはなくなったの?
まだ大学生で働いてはいないけど働くのが怖くなってきた
おれ田舎だけどブラックってあんま聞かない
ブラック企業を全部知っているわけじゃないが、俺の場合でもそうだけど、田舎って大人でも普通にいじめをする。
善悪ではなく、強弱で判断するところがある。
人が少なく、人の入れ替えも少ない。そんな環境で育つとどうしても、そうなるんじゃないかな。
書いていないけど、俺は都会から田舎に来た人間なんだ。だから、余計にそんな田舎の閉鎖的な部分が気になる。
田舎の人から見たら、俺はヨソ者なんだと思う。
だからこそ、俺がパワー八ラスメントをされている時もみんな見て見ぬふりをしていたんじゃないかな。
あーそういうことなの
おれは田舎生まれ田舎育ちの田舎で就職だからあんま感じないのかな
閉鎖してるつもりはないけど、零細とかだとその傾向はあるかもしれんね
てか若者は大丈夫だと思うが、おっさんおばさん連中が余所者扱いし出すのは何か分かる
それでいいのであれば、会社は争いを解決するように全面的に協力します。」
「変更と追加って何ですか?」
「先ず変更だけど、会社を立会人ではなく、丙にさせて欲しい。それが一点目。
二点目として、再発防止“報告書”だけど、それを再発防止“誓約書”にさせて欲しい。」
それが何を意味するかは、すぐに分かった。
一点目の会社を丙にするのは、会社も訴えられるのを防ぐためだ。
部外者である立会人では、示談終了後も俺が会社を訴える事が出来るからだ。
二点目の再発防止“報告書”を再発防止“誓約書”に変更するのも分かった。
何故、パワー八ラスメントを始めたか・・・それを具体的に文書にはしたくないのだろう。
これは恐らく、平川の希望なんだろうと思った。
それに平川自身、自分が竹内や後藤に唆されているなんて気が付いていないのだろう。
だから、再発防止報告書なんて書けないのだろう。
正直言って、二点目の再発防止報告書を再発防止誓約書に変更する事を、杉本部長が言ってきた事は腹が立った。
会社はこの状況でも、平川を庇おうとしている証拠だったからだ。
だが、杉本部長を怒らせたくない、この人を敵に回したくないという思いから、我慢した。
杉本部長は続けた。
「本事件を第三者に口外しない、という文を追加させて欲しい。
争いが終わってから、人の噂になるのを防ぎたいんだよ。」
・・・ふざけるな、と思った。
人の噂になるのを防ぎたい?
違うだろ?隠したいだろ?
世間に知られたくないのだろう?
どこまで隠蔽体質のあるブラック企業だよ・・・
呆れて下を向いてしまった・・・
だが、ここで怒ってしまったりするのは良くない。
相手は杉本部長だ。器が違う。俺が勝てる相手ではない。
それに平川を追い詰めるのに、会社の協力は必要だ。
会社との関係を悪化させるのは良くない。
当初とは違ったが、目的が平川への復讐であることには変わりはない。
ここは譲歩すべきと判断し、
「はい、分かりました。」
と俺は答え、会議室を出た。
新聞社にも情報流したんだけどな。
報告書とかのくだりわからんけど、
はよ~
ハロワに聞いてみ。
証拠は、示談書。
立場を逆転させるように、してください。
「平川君が示談を受け入れると言っている。
でも直ぐにはお金を用意出来ないから、少し待ってあげて欲しい。」
「少しってどれぐらいですか?」
「ハッキリとは言えないんだけどね。直ぐにまた連絡するよ。」
それだけ言うと、総務課長は去っていった。
そして、その弁護士に
「争っても絶対に勝てない。」
と言われたらしい。
会社も裁判なんかされたら困る。
世間にパワー八ラスメントがあった事を知られてしまう。
その為、会社も平川に、示談するように圧力をかけたそうだ。
平川は会社に切り捨てられた。
俺の目的は、平川に対する復讐だ。
金ではない。
だから平川が示談を受け入れようが、断ろうが知ったこっちゃなかった。
支払うにしても、期日なんか設定していない。
それに支払いを先になれば、それだけ長く平川の苦しむ顔を見ることが出来る。
金が用意出来ないというのは、俺の復讐には好都合だった。
平川が示談を断れば、この会社が潰れるかも、という話をした。
数百人の全社員が職を失うかも・・なんて話をした。
ここは田舎だ。
噂はあっという間に広がる。
数日後には多くの人間が、示談に応じるように平川に圧力をかけ始めた。
中には
「平川さんは反省しているよ。だから、復讐なんてしない方がいいよ。」
なんて俺に言ってくる社員もいたが、
「会社が潰れて欲しくなかったら、平川に言え。」
と突っぱねた。
会社中が、この話で持ちきりになった。
だが、それが只の強がりであることは誰の目にも明らかだった。
それから数週間、平川は頻繁に会社を休んだ。
パチ○コをしているのが原因かは知らないが、平川は貯金がないらしく、
「親戚に借りてでも、示談すると言っているから。」
なんて事も言ってきた。
社内での出来事だから
イライラしているそぶりが多くなり、特徴のある「ヒャヒャヒャ」という笑い声は聞こえなくなった。
更に遠くから俺をじっと睨んできた事もあった。
すれ違いざまに、
「べーっだ。」
なんて言ってきた・・・子供かよ。
距離にして15kmほどだったが、俺は平川が追突してくるのかと思い、ICレコーダーで状況を録音しながら運転した。
平川が頻繁に休んだために、仕事にも色々支障が出たようで、内藤課長はフォローで忙しそうだった。
会議室に入るといつも通り、杉本部長がいた。
相変わらず、器の違いがオーラとなって、体から放たれていた。
俺は示談金を用意したのだと思って、椅子に座った。
今まで通り、口を開いたのは杉本部長だった。
「平川君は示談をしたいらしい。だが、奥さんが示談金の支払いに納得しないそうだ。
そこで、奥さんを説得するために、一ヶ月ほど待ってくれと言っている。
そうして貰えないだろうか?」
・・
・・・
・・・・・何を言っている?・・・なあ、コイツは何を言っているんだ?
腹が立った。
時間を稼ごうとしている平川。
事の重大さを理解していない平川の奥さん。
この状況で平川を庇おうとしている会社。
全てに腹が立った。
俺は下を向いて唇を噛んでいた。
拳を強く握りすぎて、指の関節が痛くなっていた。
・・・・
・・・・・
なあ、切れていいよなぁ?
俺はもう、十分に我慢したよなぁ?
もうこれ以上、我慢なんてしなくていいよなぁ?
なぁ?
・
・・
・・・
・・・・
・・・・・
・・・・・・ブチン
今日で終わらせる事が出来なかった。
見てくれている人がいるなら、明日見て下さい。
2chって本当にいい人ばかりだよな。
ちょっと荒らしがいた時もあったけど、皆が助けてくれたし。
本当にありがとう。また明日!
(T_T)
まってるよ
>>334
そうか・・・俺の対応にも問題ありだな。
すっきり終われるのかな
出来れば後悔なく終わってて欲しいね