94:名も無き被検体774号+2012/09/08(土) 11:02:06.35 ID:3e8lTqdb0
そのあと、ベテランさんは大将に

「ビショビショにしてごめんなさい。飲み物粗末にしてごめんなさい。」とひたすら謝っていた。

大将が笑顔で「気にせんでええよ」と言ってた。

ベテランさんはクリステルや私たちにも謝ってきた。

私は結構飲んでたせいか、何故か号泣してた。
アントン以外の人が良い人すぎて涙が止まらなかった。
大将にアイスを貰って、皆がタクシーに乗せてくれてお家に帰った。

https://www.logsoku.com/r/2ch.net/news4viptasu/1347065517/
97:名も無き被検体774号+2012/09/08(土) 11:03:35.44 ID:3e8lTqdb0
さすがに次の日アントンは休まなかったけど、ベテランさんにネチネチ昨日の事を言ってた。
ベテランさんは素直に謝ってた。
謝ってるベテランさん見て、ちょっと心苦しくなった。

この日のアントンはいつも以上に不機嫌だったけど、営業さんが買ってきたケーキを食べたら機嫌良くなった。
人数分のケーキなのに、外出してた営業さんの分まで食べてた。

それから数日間アントンはちょくちょく問題を起こしたけど、皆普通に過ごしてた。

皆大人だと思った。

101:名も無き被検体774号+2012/09/08(土) 11:04:55.80 ID:3e8lTqdb0
クリステルは前の会社でやっていたとかで、営業事務はもちろん経理や人事・総務などオールマイティな人だった。
ベテランさんと凄く気が合うらしく、2人は仲が良かった。
よく私と友近さんも誘ってくれて、4人で飲みに行ってた。
ベテランさんとクリステルは「ほんと私たち不良主婦だねぇ」って言ってた。

何回に一度は社交辞令でアントンも誘ったけど、「彼氏と会うから」と言って来なかった。
しかも皆に聞こえるくらい大きい声で言ってた。

ブスでデブで忄生格悪いうえに難聴かと思った。

102:名も無き被検体774号+2012/09/08(土) 11:06:21.77 ID:3e8lTqdb0
ここまでで分かると思うけど、アントンには良い所がひとつもない。
如いて言うなら、親が金持ちって事だけ。
この金持ちっていうのも嘘かと思ってたけど、社長曰くこれは本当らしい。

そんなアントンにある朝一番「飲みに行こう」と誘われた。

しかも二人きり。

103:名も無き被検体774号+2012/09/08(土) 11:07:00.62 ID:MlkTbHS10
104:名も無き被検体774号+2012/09/08(土) 11:07:20.17 ID:3e8lTqdb0
もちろん即答で「無理です。用事あります。」って行ったけど聞く耳持たず。

助けを求めようと周りを見るとベテランさんが口パクで「行って来い」って言った。
クリステルは何故か指でOKサインしてた。
友近さんはニヤニヤしながらPCの画面に向かってた。

105:名も無き被検体774号+2012/09/08(土) 11:08:39.74 ID:3e8lTqdb0
午前中は仕事が手につかなかった。

基本、女忄生陣はお弁当持ちだったので休憩室で食べてたんだけど、金持ちアントンだけはいつも外食してた。

4人になった時、あのOKサインと「行って来い」の意味を聞いた。

すると、友近さんがとんでもない事を言い出した。

「アントンは営業に好きな人おんねんで」

全く意味が分からなかった。

107:名も無き被検体774号+2012/09/08(土) 11:09:21.94 ID:3e8lTqdb0
まず、アントンには彼氏がいるはず。
3人からプロポーズをされてるはず。
100歩譲ってそれが嘘だとしても、今までの醜態を見せてて好きになるも何もないもんだ。バカかと思った。
しかも、なぜ私がアントンと2人で飲みに行かないといけないのか。

全く意味が分からなかった。

109:名も無き被検体774号+2012/09/08(土) 11:10:33.48 ID:3e8lTqdb0
話を詳しく聞いてみると、アントンが好きなのは私の隣の席の営業さんだった。

これといって芸能人に似てる人がいないので、「営業男」ってよびます。
営業男は32歳、独身。まぁシュッとした感じの人。

どうしてそれが分かったのか聞くと、皆が「見ればわかる」と言ってた。

大人だなぁって思った。

ベテランさんとクリステルは、アントンもきっと一人で寂しいはず。
自分達にはあまり話しかけてこないけど、晴美(私です)は気に入られるようだから、ちょっとでも歩み寄ってやろうじゃないかと、他人任せだけど大人な考えを言ってきた。

112:名も無き被検体774号+2012/09/08(土) 11:12:35.02 ID:2GqM5NoR0
てっきりアントンが

116:名も無き被検体774号+2012/09/08(土) 11:13:56.46 ID:3e8lTqdb0
113:名も無き被検体774号+2012/09/08(土) 11:13:23.98 ID:3e8lTqdb0
友近さんは、「本当にアントンに恋人が出来れば、心落ち着いて良い人になるはず」という結論を出していたけど、どう考えても生贄になる営業男が可哀想だった。

どうしても営業男を生贄にするのかと聞くと、「片思いでもいい。好きな人が側で仕事をしてるだけで落ち着くかもしれない」という。

とりあえずアントンの相談を受けて、適当に立ち回れ。もちろん力は貸すからと。

友近さん1人張り切っていた。

117:名も無き被検体774号+2012/09/08(土) 11:14:28.05 ID:3e8lTqdb0
35歳達は、「あんまりいらん事したらあかんで」って心配そうだった。
人の恋愛感情を弄ぶのは禁止とも言われた。

でも私は友近さん命令で生贄となった。

118:名も無き被検体774号+2012/09/08(土) 11:15:00.47 ID:3e8lTqdb0
しょうがないので、その日の帰りアントンと飲みに行った。
アントンは本当に金だけはあるらしく、結構高そうな店に連れて行ってくれた。
まずはビールとワインで乾杯。
料理を注文しようとメニューを見てみると、本当にお高い。
ふとアントンを見ると、キモイくらい目を細めて煙草に火を付けてた。

結局、スルメの天ぷらはなかったから適当に頼んだ。

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