妊娠してから夫が冷たくなった。
必要な育児品などを相談したら「俺はわからない」というのに、リスト(必要最低限)見せたら「それって絶対必要なの?」と言い出す。
もし万が一タイミングが合って出産に居合わせた場合は立ち会いするのかと聞いたら、いきなり「出産だからって仕事は休まないからな。早退もしない」と言う。
それまであった夫婦の会話が減り、夫は仕事から帰ると寝るまでゲーム。
愚痴が増え「自由がない」「このままずっと働くと思うと気が重い」「気楽に生きたい」などという言葉がしばしば出て来ると
私も子供も愛されてない? 離婚した方がこの人のため? と思うようになり鬱々と沈んだ毎日を過ごしていたが、これじゃいかんと日記をつけることにした。
妊娠してから、その日の体重や食べたもの・したことを数行書いていたんだけど、それを1日1ページに増やして夫のことを書いた。
夫にしてもらったこと、夫の好きなところ、夫に感謝しているところ、夫にしたいと思うこと、労いの言葉……とにかく夫に関するポジティブな文章をスペースの限り書いた。
少しでも自分の心が軽くなればと思って、毎日1ページ分ぎっしり。
いよいよ里帰りの日になり、荷物を確認しているとカバンの中の日記が目に入った。
私はそれをダイニングテーブルの真ん中に置いて、そのまま家を出た。
気になった夫が読むことはわかっていたから、健気な日記を読んでちったぁ罪悪感でも抱きやがれwwと思って。
里帰りしたその足で妊婦健診を受けに行ったら、切迫早産でその場で入院決定。
同意書やら何やらで夫に来てもらう必要があったので、また「それって俺が行かなきゃいけないの?」とか言われるんだろうなーと思いつつメールした。
そしたら「切迫早産って生まれるの? 今すぐ行く」と返信がありびっくり。
「まだ生まれないよ。入院するだけだから、今度のお休みで大丈夫」と慌てて返事をした。
その日の夜にまたメールがあって、「愛してる」と一言だけ書いてあった。
久しぶりに聞いた(メールだけど)気がして涙ぐんでいると、続けて長文のメールが届いた。
日記を読んだ旨と、愛されてるんだと実感した、俺はいい夫だろうか、いい父親になれるだろうか、というような内容だった。
ひと月程の入院の間、ほぼ毎週夫は来た……と言っても必要なものを持って来てくれただけなんだけど。
それでも、実家に郵送でいいと言ったのに届けに来てくれたのは予想外だったし嬉しかった。
退院して数日後、破水して陣痛室に入った。
陣痛を待ちながら夫に破水した旨をメールすると、なんと翌日(水曜日)から金曜日まで休みを取ったと言う。
結局緊急帝王切開になってしまったけど、夫は手術室の前まで来てくれた。
子供に先天性の疾患が見つかりNICUに入院することになっても、退院まで1~2週間に一度は来てくれた。
こちらも病状の説明やら保険証やらの用があってのことなんだけど、それこそ絶対必要ではないにも関わらず「それって絶対~」と言うでもなく、むしろ「二人に会いたいから」と言ってくれた。
ずっと後になって会話の中で出て来たことをまとめると
「家族を養って行かなきゃならないプレッシャーで余裕がなかった。仕事と金のことばかりで頭が一杯で気が立っていた。ゲームで現実逃避していた」ということだそうだ。
当時はそんなこと一言もなく、「大丈夫」「なんでもない」としか言わなかったから気付けなかった。
里帰り当日のあの日、切迫早産なんて知らない夫は「早産ってことは生まれる!? 切迫ってなんか危なそう!!」と母子の生命に危機を感じたらしい。
そしてとりあえず命に別状はないとわかりホッとしながら仕事から帰った夫は、誰もいない部屋でしんみりしたあと
日記を見つけて「妻の日記か、面白そうだ読んだろww」とwktkして読んで「俺ってこんなに愛されてるんだ」と感動し、何やら色んな感情が弾けたらしい。
それからずっと夫婦円満。
新婚の頃より仲のいい状態が続いている。
ただ、夫は私が日記を『うっかり忘れて行った』と思っている。
読ませる意図があってわざと置いて行ったなんてことは言えない。
ちったぁ罪悪感でも抱きやがれwwと思っていたなんてもっと言えない。
北風と太陽みたいな話だなーと思った
日記にはポジティブな事ばかり書いたっていうのが素敵
私は北風タイプで不満をつらつら綴った日記を残して行き
夫に余計にプレッシャーのコートを着込ませてしまいそうだ
日記をテーブル中央に置いて行くのがまずあり得ないから
マズイ展開かと思ったら、いい話だったわw
父親の責任を考え込み過ぎて押しつぶされそうだったんだね
でもあなたのご主人だったら日記の件がなくても、仕事から疲れて帰って家に一人…
で気づいたと思うな
子育てでもそうだけど、相手の良い面を探すのは大切なことなんだね