私子:24歳、会社員
彼男:26歳、会社員、私の先輩で彼氏
バイト子:21歳、同じ職場のアルバイト
私と彼男は付き合って1年半。
同じ職場ではあったが、社内恋愛は禁止ではないし、まぁ公認の仲という感じ。
そんな職場に派遣されてきたバイト子。
キャンキャンあたりに載ってそうな今どきの女の子という感じで、職場も一気に華やいだ。
…が、ちやほやされたのもつかの間、
男性社員(のみ)に気配り以上のお節介をやく彼女は、少しずつ社内で鬱陶しがられるようになった。
そんな中でも、特にバイト子に気に入られていたのが彼男。
四六時中キャッキャと付き纏われ、げんなりとした様子。
かと言って決定的な告白を受けたわけでもないので、
わざわざ「私子と付き合ってる」と宣言するのも変だよな…、と困っていた。
長い話ではないので、戻られる前にさくっと終わらせます。
そんなある日、彼男が仕事を終えて帰宅していたら、道中にバイト子が…。
彼男を見つけるなり、泣きながら駆け寄るバイト子。
どうしたのかと尋ねたところ、
・別れた元彼がストーカー化して困っている
・帰宅したら、部屋の前で待ち伏せされていた
・元彼はかなり気が昂ぶっていて、何をされるかわからない
・怖い、帰りたくない、彼男さん泊めて!
ついて行くから話し合ってはどうか、と言うと、「それはイヤ、何をされるかわからない」
泊めてくれる女友達はいないのかと聞くと、「女同士では、何かあったときに太刀打ちできない」
そこまで酷いなら、警察に行こうと諭しても「そこまではしたくない」
今晩だけでも泊めてくれと粘るので、仕方なくバイト子を自分の部屋に連れて帰った彼男。
自室にバイト子を置いて、自分は私のところに泊めてくれと、疲れ切った顔で私の部屋にやってきた。
相手はバイト子。
「もし元彼につけられてたら、居場所がわかってしまう」
「ひとりでいるのが怖い」
「お願い戻ってきて」
さすがに放っておくわけにも行かず、彼男に頼まれて、
様子を見るために2人でバイト子のいる彼男の部屋へ向かった。
ドアを開けた瞬間、彼男の隣にいる私を見て、あぜんとするバイト子。
私たちが付き合っていることを知らなかったらしい。
薄々気付いているかと思っていたんだが…。
「さすがにふたりきりはまずいからさ、私子も一緒に待機するよ。
3人いれば安心だろうし」
という彼男。
ドアを開けたときは、目に涙をいっぱいためて、すがるような表情をしていたバイト子の顔つきが
みるみる冷めていく。
「いいです、ひとりで平気だから帰って下さい」
「え、でも…」
「いーから。帰って。カギは明日会社で渡しますから。じゃあ!」
…追い返されるようにドアを閉められた。
あの日以来バイト子はぱったりと彼男に寄り付かなくなった。
なんだったんだ、と呆れつつ、平和な日々を過ごしていたある日。
私は彼男の部屋に泊まりに行った。
夜、彼男の部屋に置いたままにしてあるスキンケア一式で、メイクを落とそうと
クレンジングを手に取る私。
が、顔に馴染ませた途端、ものすごい痛みが私を襲った。
顔中がピリピリと焼けるように痛い。
目にも沁みて涙が止まらないので、目も開けていられない。
「痛いイタイイタイよ~!!」と大泣きでバスルームから飛び出す私。
彼男もびっくり。
クレンジングが腐ってたんじゃないの!?と聞かれるが、
買ったばかりだし、前回使ったときはなんともなかった。
私の顔をティッシュで拭いながら、コップにクレンジングの中身をあける彼男。
…クレンジングの表面に浮かぶ、オレンジ色の輪を見て、ひとこと。
「…ラー油!?」
こういうことする女が一番男に嫌われますね
しょうもない女
支援
狙われたんだ・・・。
冷蔵庫にはいつもラー油を常備していた。
しかも、わざわざ本格中華料理店で購入した、唐辛子がたっぷり漬け込まれたもの。
どう考えても、犯人はバイト子。
顔のヒリヒリは留まるところを知らず、私は目も開けられないまま泣くばかり。
数時間後、やっと収まったと思いシャワーを浴びると、温かいお湯に反応してピリピリが倍増。
肌が腫れ、目の粘膜が傷ついたためか、白目の部分も真っ赤に。
これは明日の出勤は無理かもしれない、と判断した彼男が
主任に電話をして事情を説明。
「なぜそんなことに!?」という問いかけに、正直に先日の事件と、犯人はバイト子では、ということも話す。
主任は冷静に話を聞いた後、牛乳で顔を洗いなさいとアドバイスをくれた。
なんでも学生時代にイタリアンレストランでバイトをしていたとき、
唐辛子の種を取る作業の後に、牛乳で手を洗ってヒリヒリを緩和していたらしい。
すぐさま彼男が牛乳を買ってきてくれて、アドバイス通りに顔を洗った。
徐々にヒリヒリは薄れていき、主任には深く感謝。
怖い女だ
主任からこってりお説教を受けたらしい。
私たちは現場には居合わせなかったけど、別室から泣きそうな顔で出てきたバイト子を目撃した。
主任は「たっぷり油絞ってやったからね」と笑っていた。
そして、そのまま出社拒否&音信不通。
私たちは平和な日々を過ごしてますが、私はラー油が嫌いになりました。
終了です。
でもラー油に非は無いw
目は大丈夫かい?
乙
まだラー油で良かったよね
もっとやばいものだったらシャレにならない
そんな女ほんとにいるんだね~怖い怖い
心配&支援ありがとう。
割り込み投下失礼致しました。
うそついて押しかけて、既成事実作ろうとしたんだろうなぁ。浅はかなやっちゃ。