その日はうちの両親(私の母と妹の父)と、私の旦那の両親と弟妹、妹の旦那の両親が揃ってた。
妹が怖い顔して「皆さんに言いたい事があります」って、キリッ!ってかんじで立ち上がって。
ぼろぼろ泣きながら「お姉ちゃんごめんなさい!」と言い出した時はほんとびっくりした。
で、私の旦那とフリンしてて、妊娠してて、それは私の旦那の子だと。
ぽかーんとしたよ。
だって、私の旦那、過去の病気のせいで子種ないんだもん。
「お母さん、しっかりして!今氏んだら、あいつと命日が同じになっちゃうかもよ!」
私は次女で、産まれたときの名前は里香(りか)。
まわりからは、りーたんとかりっちゃんと呼ばれていた。
幼稚園は年少から通っていたんだけど、年中にあがるときに「緑(みどり)」に改名。
言われて思い出したんだけど、先生が「佐藤里香ちゃんは、今日から佐藤緑ちゃんになります。りっちゃんのこと、これからは皆みどりちゃんって呼ぼうね!」というようなことを言って、皆もそれから普通にみどりちゃんって呼んでくれた。
離婚とか再婚で名字が変わる子もいたから、それとおなじ感覚だった。
年中ってけっこう大きいのに、言われるまで自分の名前が里香だったことなんて完全に忘れていたことにも衝撃。
さらに改名理由が、「この子が病気がちなのは、左右対称の名前のせいだと言われたから」っていうのも衝撃。
今まで働いていた会社は福利厚生が充実していなかったため、恥ずかしながら昨年転職して、12月にはじめてしっかりした大病院の健康診断を受けたのだけど、そこで内診の先生に会うなり「あなた〇〇系の病気を持ってらっしゃる?」と言及された。
心当たりがまったくなかったのだけど「見ればわかる特徴が出ているし、血液検査の結果ではっきりすると思いますよ」と…。
私と友達(以下、友)は中学と高校が同じ、家も近所、一人っ子同士で母親同士も友達
高校を卒業してからは大学も就職先も離れていたし、さらに結婚してからは夫の仕事の都合で引っ越したり、子供が生まれたりして、年賀状のやり取りと、年数回の電話くらいの付き合いになっていた(メールやラインが普及する前の話)
私の娘が幼稚園の年長さんのある日、友から電話がかかってきた
いつもの近況報告かと思ったら、妙に硬い声で「入院することになったの」と言う
友のところは娘より一歳下の女の子が一人(以下、友子ちゃん)
私が「もしかして、友子ちゃんに弟か妹が?」と考えかけたら
友「わかんない病気 検査入院なの」
私「えっ!?」
友は最近体調不良で、医者にかかってみても原因がわからず、紹介状をもらって大きな病院で検査入院することになったそうだ
「あれま、でもここではっきりさせておいた方が後々安心じゃない?」と言うと「そうだね……」と元気がなかった
医学のことは詳しくないから友から聞いた話をはしょって書くと、検査入院してもわからず、他の病院を紹介してもらってまた検査入院してというのを繰り返し
かなり具合が悪くなったころ、ある大学病院に行きついた
そこでやっと、病名がわかった
驚くことに、日本で数例しか症例のない、珍しい病気だった
友「道を歩いていたら宇宙から降ってきた隕石に当たった、くらいの確率よねー」
病気の治療というのは統計と経験値だそうで、そんな数少ない症例は治療法が確立されていない
しかし放っておいたら友は確実に命を落とす