俺は当時学生で、ほぼ毎日が電車通学だった
なので当然他の常連というか顔なじみも出来る。
その常連メンバーの中に、いつしかイレギュラーな野郎が紛れ込んできた。イケメンだ。
イケメンはその言葉通りイケメンで、俺はこいつがあまり好きではなかった。乗ってきた瞬間にJK集団が好奇の目で騒ぎ始めるし、密かに狙ってた(以下略)がすげー挙動不審になるしで、男としてもイケメンの存在は全く面白くなかった。
つか嫌いだった。
ある日、いつもは固まってるはずのJK集団が何故かバラバラに乗車してきた。
喧嘩でもしたか?と思ったが特に気にも止めないでいると、既に乗車していたイケメンの隣に一人がそっと近寄った。
ちなみにイケメンの定位置は先に乗車し、座席を確保している俺の正面のつり革だ。
しばらくはいつもどおりガタガタと揺られていたが、突然、イケメンの隣のJKが「痴漢!この人痴漢です!」と騒ぎ始めた。そして、何故かイケメンの腕を掴んで振り回していた。
騒然とする車内。集まるJKの仲間たち。そして「私も見た!」とお決まりの展開に。
一方イケメンは冷静な顔で否定。
こういう時もイケメンはイケメンだった。ファッキンイケメン。
片手でつり革を、もう片方の手で本を読んでいたのだから当然だった。つかアシュラマンでもなけりゃ不可能だそんなもん。
電車が止まり、騒ぎを聞きつけた駅員が慌ててやってきた時、騒ぐJKより大きな声で俺は「この人やってませんよ」、とイケメンを指した。
「それ、本当ですか?」
「はい。つか俺その人の真ん前に座ってたんで。その人冤罪です」
「あー・・・、」
駅員が妙に納得した顔で頷く。
それもそうだ。俺が彼女らに粗相を働いたら罪はほぼ確定だろうが、渦中のイケメンは「イケメン」だ。
JKらには悪いが、ぶっちゃけ彼女ら程度の顔となら痴漢なんて真似しなくても付き合えるだろう。
だが、一応は話を聞かなくてはならない。駅員に言われてJK集団、イケメン、そして俺のメンツで駅員室?へ。
この時点でJK集団は青ざめた顔で、ほぼ全員がだんまりを決め込んでいた。
だが、痴漢を訴えた一人だけが冤罪を認めない。俺がいくらイケメンの両手が塞がってた事を説明しても、それはお前の幻覚だ、アンタ仲間じゃないの?女にモテないからって痴漢庇うなんてサイテー、とまぁうるさいうるさい。
このままだと平行線に突入かなー、俺も学校あるんだけどなー、と若干面倒
になってきたところで、ようやくイケメンが口を開いた。
「あの、俺本当に痴漢なんてしてませんから」
「それは“俺さん”が話したように、両手が塞がっていたからですか?」
「それもあるんですけど・・・俺、ゲイなんで」
凍りつく室内。
「だから、狙うなら男性ですよ。まぁそんな事しませんけど」
「ゲ、ゲイ・・・ですか?」
「ええ」
言い逃れのための嘘か、とも思えたが・・・なんというか、悟った。
男のくせにやたらと手肌がキレイなのも、体の線がピッチリした服を着てんのも、鍛えてるのに、仕草が妙に柔らかいのも・・・ゲイって単語で説明がつく。
電車内のアイドルだったイケメンの、まさかのゲイ発言にJK集団は心が折れたんだろう。
青を通り越して白い顔でぽつぽつと白状を始めた。
ありがちな内容だ。憧れのイケメンとお近づきになりたくて、あまよくばセフレにもなって欲しくって痴漢冤罪を企てたらしい。示談にする代わりにあたしらの言うことを聞け、と脅すためにだ。
ドラマかよ、と呆れてしまった。
修羅場は以上。
後日談として、イケメンはJK集団を訴えず「おネエ口調」で諭して帰宅させたことや、色々あって俺と付き合い始めたこと、俺の就職をきっかけに同居し始め、近いうちに両親に紹介する予定でいることを書き晒しておく。
おいwwwwwwwwwwwwww
最後の行が俺ら読み手にとっての修羅場だwwwwwwwww
だってイケメンったらゲイのくせにいじらしいんだもん・・・
毎朝俺の前に立ってたのも俺のことが好きだった云々だっつーし
その癖女より女らしいっつーか料理も家事も全部やってくれるし
元自衛官だし見た目ごついけど
食ってた焼きそば返せww
報告乙です、ご両親の理解が得られて幸せになる呪いをかけておく
イケメン、ゲット、オメー!!
末永くお幸せに!!
687両親がこれから修羅場かも知れないけど、
息子さんの幸せのためにご理解が得られますように!!
>>693と同じく、願っておく
なんてこったwwwwwww
お幸せにな!!
つかもともとゲイだったのかよw
いや、ノーマルだよ
だから最初告られた時(痴漢事件の帰り道な)すげービビったわwww
でも俺みてーなデブサイクにもじもじしながら話しかける男前って図がなんか面白くて友達からならって事でOKしたんだよ
そしたらまぁーイケメンが予想以上に乙女ンで、ギャップ萌えだったwww
インスタントとジャンク漬けだった俺の食生活を心配して毎日のごとく野菜たっぷりの夕飯作って来てくれたし
イケメンが英語ペラペラなおかげで学業も色々と世話になったし、気がついたら同棲してて我ながら吹くwww
何より俺の体脂肪が27%から5年で10%きってて更に吹いたwww一緒に筋トレ楽しいwww
俺の両親はおそらく修羅場るだろうが、なんだかんだ言って許してくれるだろうと思う
二人共いい親だし、尊敬に値する人物だもんね
イケメンの親は・・・とっくの昔に絶縁してるらしいからなぁ
ある意味冤罪に感謝だなw
訴えてやればよかったのに 優しすぎるよイケメン
うまく行くよう祈ってるよ。
お幸せに。
映画化決定!
「えん罪のイケメンは俺の嫁 ~電車で覚醒した俺の恋~」
タイトルでネタバレしすぎw