当時20歳の世間知らずな田舎者の私は都心に出てバイトを始めた。
そこには掛け持ちのフリーターが沢山働いていて年齢も皆ばらばらで、毎日シフト入ってた私は週末しか出勤しない38歳のおじさんと仲良くなった。
18歳も年が離れてるとは思えないくらい若くて、20代に見えるその人はとにかく目がでかくて私以外とはあまり話さない、物静かでおっとりしたおじさんだった。
当時20歳の世間知らずな田舎者の私は都心に出てバイトを始めた。
そこには掛け持ちのフリーターが沢山働いていて年齢も皆ばらばらで、毎日シフト入ってた私は週末しか出勤しない38歳のおじさんと仲良くなった。
18歳も年が離れてるとは思えないくらい若くて、20代に見えるその人はとにかく目がでかくて私以外とはあまり話さない、物静かでおっとりしたおじさんだった。
兄が昔バイトしていた小さな定食屋なんだが、昼過ぎに出前もやってる。
家族でもたまに食べに行くし、店主も奥さんも良い人で、それなりに安くてうまい。
そこに頻繁に、と言っても週に一度ぐらいなんだが、決まって出前を頼むおばあさんが居た。
何でも息子夫婦と同居しているんだが、奥さんが一日中出掛けなくてはならない日が月に何日かあって、そう言う日に出前を頼んでたんだとか。
鉛筆や箸、その他、いくつかの目立つ動作が右だったので、自分は右利きだと信じて30代半ばまで来た。
小さい頃から何度となく「左利き?」と訊かれたりもしたけど、「いや、右利きだよ」といつも否定してきた。
球技の時、右で投げるとコントロールがおかしいのに、左で投げると狙ったところに命中したり、バイト先でお札の数え方を習ったものの、右ではどれだけ頑張っても出来なくて、一方左ならアッサリやれたり、餃子の皮を包む時、みんなと逆手じゃないと出来なかったりと色々あったけど、「右利きだけど時々左利きなのかなぁ」くらいに思ってた。
30代半ば頃になって、「あれ? 私って目立つ動作以外は基本、全部左!?」とようやく気が付いた。
兄は頭は良く一応いい大学を出た後、名のある銀行に就職したがたった三ヶ月で辞めてしまい、以来引き摺り状態だった。
しかしニート5年目になったある夜中に私の部屋をドンドン叩きまくり、ドアを開けるといきなり「(私)、今いくら金ある?頼む貸してくれ、必ず返す!あるだけ貸してくれ!」
私はアホかと思いつつ若干涙を浮かべている兄に「何に使うの?」と一応聞いた。
当時私は大学生で実家住まい、バイトもしてたので20万位の預金、財布には2万ちょっと入っていた。