覚えているとはいっても、やはり幼いだけにはっきりと記憶に残っているものは少ないんだが、とある記憶は詳しいところは覚えてないのに、妙に印象に残っていた。
その記憶とは、幼い私が母に抱かれて、何かの集まりに参加しているというものだった。
そこにはたくさんの人がいたんだが、私の視線はあるものに釘づけになっていた。
そのあるものとは、長い台の上にたくさん散らばるようにしてある白い物で、その中でも台のてっぺんの方に置かれていた白くて丸い大きな物に私はひどく興味を惹かれていた。
幼い私は、「あの大きなのは何だろう、触ってみたい!!」と手を伸ばしていたんだが、母に抱かれているのでほとんど身動きは取れず、大きいのにも他のにも触れないままだった。