元々専用のソフトで画像を作ったりするのが好きだったらしい。
その子(以下A)は良いカメラを持っていて、皆で写真を撮る時はいつもAのカメラを使っていた(撮影する人はその時によって様々)。
その後、Aが明るさや色味、ボケ等を奇麗に修正した画像を皆に送信してくれたりプリントしてくれたりした。
毎度毎度じゃ悪いから遠慮するんだけど、Aには写真への拘りがあるらしく、私に任せて!やらせて!って言ってた。
そしてやがて、写真の中でAの姿だけが奇麗に修正されている事に気付いた。
それまでは風景や全体の修正しか気付かなかったし、確かにAはいつもすごく写りが良いけど、人間を修正しているとは思ってなかった。
まあでも、そんな事いちいち突っ込むのも野暮だし別に良いかって思った。
Aの自己修正はだんだんエスカレートして行った。
顔を小さく白く、目を大きく光を入れて、体は細く、足は長く。
どの写真でも、Aがピカイチの美少女になっていた。
だからAの写真を誰かに見せると、食いつきが凄かった。アイドルみたい!って。
そしてAは、他の人のカメラには絶対に写りたがらなかった。
たまに入るときも、凄く小さく、顔が分からない程度にしか入らなかった。
卒業アルバムの為に学生時代はカメラ係を買って出て、奮闘していた。
そして出来上がった写真は見事にAだけ美少女に修整されていた。
周りは修正に気付いていたと思うけど、Aの情熱に皆無言だった。