超がつく善人で他人の為になる事はしても自身がして欲しい事は主張しない控えめな人だった。
アルツハイマーが判明して、右脚がうまく動かなくなった義母の唯一のお願いが、施設には入りたくないというもの。
ある日庭の花に水をやっていると、空からじいちゃんが降ってきた
じいちゃんはゴッ!!と鈍い音を立てて地面に落ちた
何が起きたのか分からず固まっていると、じいちゃんはおもむろに立ち上がり
「腰打った。ちょっと病院行ってくる」
と言ってチャリで病院に向かった
あとで話を聞いたら、屋根にできた鳥の巣を取ろうとして足を滑らせ、庭に落ちたらしい
自分はその直前に帰宅して花に水をやってたからじいちゃんが屋根にいるなんて知らなかった
うちは普通の二階建て
落ちたらケガどころじゃすまないはずなのに、じいちゃんは骨折すらしてなかった
じいちゃんは当時76歳
そんなじいちゃんは今も健在
母が買い物に行くって出掛けて、私は留守番をしていた。
三十分くらい経った頃、急に外が騒がしくなったけど当時子供だけで留守番している家を狙ってやってくる強盗みたいなのがニュースでやっていて怖くて外に出られず覗き穴で外を確認するくらいしかできなかった。
恐る恐る覗いた穴の向こうは白一色。
意味わからん!え?え?煙?雪?
覗いたことで更にパニクってどうしたらいいか分からず穴を暫く覗いてた。
繁華街を歩いていても、キャッチもナンパも勧誘もまるっと来なくなった。
外見が急に変わった訳でもなく、人並みの若い子から人並みのおばさんになっただけ。
単に老いただけだとも思うけど、本当に同じ時期にそうなったのが不思議。
母の言い方が年頃の娘が調子に乗らない様に戒める感じではなく、妙にしみじみとしていたのが印象的だった。
個人的にはウワキ相手を子供に会わせる神経は軽蔑するけど