その子はエレベータのすぐ近くで商品を見てた母親と一緒だったけど、急にクルッと向きを変えて一人でエレベータに駆け込んで来た。
母が買い物に行くって出掛けて、私は留守番をしていた。
三十分くらい経った頃、急に外が騒がしくなったけど当時子供だけで留守番している家を狙ってやってくる強盗みたいなのがニュースでやっていて怖くて外に出られず覗き穴で外を確認するくらいしかできなかった。
恐る恐る覗いた穴の向こうは白一色。
意味わからん!え?え?煙?雪?
覗いたことで更にパニクってどうしたらいいか分からず穴を暫く覗いてた。
何が修羅場って夏だから窓を開けて寝ていたんだけど
夜中に私の叫び声と妹たちの「ごめんなさい」と
泣きながら謝る声が近所の方数人に聞かれていたこと
両親も顔を真っ青にして「どうした!?」と部屋にやってくるし
(その時父は包丁を片手にやって来た)
気を利かせてくれた近所の方が警察を呼んでくれていたらしく
警察の方が来ると父を見て「ちょっといいですか?」と父を連れて行こうとするし、てんやわんやだった
隣の居酒屋のオジサンがお店のオーナーのオバサンを柳葉包丁で刺札してしまった。
ぬ.かなければ良かったのかもしれない。
ぬ.いてしまったから辺り一面血の海。みるみるうちに水たまり状態。
オバサンは痛い痛いと言ってるが救急車がなかなか来ない。
当時まだ子供だったのでそのまま家に入って寝た。
翌々日の朝刊に氏亡したと載っていた。